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--超音波の多変量自己回帰モデルによるフィードバック解析技術--
超音波システム研究所は、
多変量自己回帰モデルによるフィードバック解析技術を応用した、
「超音波の伝搬状態を測定・解析・評価する技術」を開発・応用しています。
超音波テスターを利用したこれまでの
計測・解析・結果(注)を時系列に整理することで
目的に適した超音波の状態を示す
新しい評価基準(パラメータ)になることを確認しています。
注:超音波の伝搬特性
1)振動モードの検出(自己相関の変化)
2)非線形現象の検出(バイスペクトルの変化)
3)応答特性の検出(インパルス応答特性の解析)
4)相互作用の検出(パワー寄与率の解析)
注:「R」フリーな統計処理言語かつ環境
autcor:自己相関の解析関数 bispec:バイスペクトルの解析関数
mulmar:インパルス応答の解析関数 mulnos:パワー寄与率の解析関数
このカタログについて
ドキュメント名 | 発振条件による超音波伝搬状態の変化 |
---|---|
ドキュメント種別 | 事例紹介 |
ファイルサイズ | 3.2Mb |
取り扱い企業 | 超音波システム研究所 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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発振条件による
超音波伝搬状態の変化
Ver2.0 2024/1/24 超音波システム研究所
1. 実験装置概要
超音波発振装置:ファンクションジェネレータ
KKmoon D D S信号発生器 240MSa / s 24MHz
仕様:主な特徴
発振範囲 0-24MHz
出力変調 周波数スイープ
サンプリングレート:240MSa/s
最小周波数分解能:10MHz
振幅範囲 5mVp-P〜20Vp-p
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超音波プローブ(発振用、測定用):超音波システム研究所オリジナル製品
2. 発振制御について
超音波の発振制御:下図に基づいた超音波システム研究所オリジナル技術
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3. 実験結果
発振制御 1
グラフ青:ガラス容器の表面音圧 グラフ赤:ガラス容器内の液体の音圧
グラフ赤:10MHz以下の発振でも200MHz以上のバイスペクトルが値
を持ちます。従って、600MHz以上の超音波伝搬状態が実現しています
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発振制御 2
グラフ青:ガラス容器の表面音圧 グラフ赤:ガラス容器内の液体の音圧
グラフ青:10MHz以下の発振でも200MHz付近のバイスペクトルが値
を持ちます。従って、600MHz付近の超音波伝搬状態が実現しています
これは、ガラス容器に接触する部分の液体に高い周波数の刺激を与えます
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発振制御3
グラフ青:ガラス容器の表面音圧 グラフ赤:ガラス容器内の液体の音圧
グラフ赤:低周波から250MHzまでのバイスペクトルがダイナミックに変
化しています。これは、高い周波数で高い音圧レベルの刺激が実現しています
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発振制御4
グラフ青:ガラス容器の表面音圧 グラフ赤:ガラス容器内の液体の音圧
グラフ赤・青:バイスペクトルがバランス良くダイナミックに変化しています。
これは、幅広い超音波の応用に適した状態です
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発振制御5
グラフ青:ガラス容器の表面音圧 グラフ赤:ガラス容器内の液体の音圧
グラフ赤・青:バイスペクトルが特徴的な変化をしています。
これは、バイスペクトルの周波数特性に合わせた応用に適した状態です
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発振制御6
グラフ青:ガラス容器の表面音圧 グラフ赤:ガラス容器内の液体の音圧
グラフ青:ガラス容器表面のバイスペクトルが高い周波数の値を示しています。
グラフ赤:バイスペクトルで、高い周波数での共振現象が発生しています。
これは、ガラス容器内でのナノレベルの乳化・分散処理に適した状態です
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発振制御7
グラフ青:ガラス容器の表面音圧 グラフ赤:ガラス容器内の液体の音圧
グラフ赤・青:バイスペクトルの変化が、比較的なめらかな状態です。
これは、ダメージを押さえた超音波利用に適した状態です
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発振制御8
グラフ青:ガラス容器の表面音圧 グラフ赤:ガラス容器内の液体の音圧
グラフ青:50MHz以上のバイスペクトルの値が、ゼロです。
グラフ赤:170MHz以上のバイスペクトルがダイナミックに変化します。
これは、強いインパクトのある400MHz以上の超音波刺激状態です
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発振制御9
グラフ青:ガラス容器の表面音圧 グラフ赤:ガラス容器内の液体の音圧
グラフ青・赤:バイスペクトルがダイナミックに変化しています。
これは、2023年11月時点で、超音波システム研究所の推奨状態です
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5.結論
超音波照射を行う場合、発振制御条件が非常に重要です。
非線形現象による複雑な相互作用による各種の効果は、液体・気体・弾性体を伝
搬する超音波の特性を利用することで、効率的にダイナミックな制御が可能で
す。(弾性体の表面を伝搬する表面弾性波に関する理解・各種工夫・ノウハウ・
発明・発見・・・・が必要です)
現状の超音波機器において、安価なメガヘルツの超音波発振制御装置の追加に
よる超音波利用状態の改善を提案・推奨します。
追記:流水に伝搬するメガヘルツ超音波のダイナミック制御(超音波シャワー)
は、ナノレベルの洗浄以上に表面の均一化処理(表面残留応力の均一化)として
の利用が効果的です
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6.参考文献
生体のゆらぎとリズム―コンピュータ解析入門
赤池 弘次【監修】/和田 孝雄【著】 出版社: 講談社(1997)
ダイナミックシステムの統計的解析と制御
赤池 弘次 (著), 中川 東一郎 (著) 出版社: サイエンス社(1972)
参考情報::超音波振動子の表面均一化処理効果