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状態基準保全(CbM)では、センサーを使って装置や設備資産を監視し、それらの現在の健全性を計測します。予防メンテナンス(PdM)では、CbM、機械学習、分析手法といった技術を組み合わせて使用し、将来起こり得る装置や設備資産の故障を予測します。装置の健全性を監視する場合は、異常の検出、診断、更に予測まで行うことができるよう、これらの目的に最も適したセンサーを選ぶことが極めて重要です。現在、回転機械やその負荷には、計画外のダウンタイムを回避することを最終目的として、異常を感知し検出するためのセンサーが数多く使われています。これらセンサーを個々にランク付けすることは困難です。PdM手法は数多くの回転機械(モータ、ギア、ポンプ、タービンなど)や非回転機械(バルブ、サーキット・ブレーカ、ケーブルなど)に使われているためです。
このカタログについて
ドキュメント名 | 最適な予防メンテナンス・センサーの選択 |
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ドキュメント種別 | 製品カタログ |
取り扱い企業 | アナログ・デバイセズ株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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Technical Article
最適な予防メンテナンス・
センサーの選択
Chris Murphy、アプリケーション・エンジニア
はじめに 時系列で考えたシステム異常
状態基準保全(CbM)では、センサーを使って装置や設備資産を 図1は、新しいモータの設置から故障発生までのイベントを時系
監視し、それらの現在の健全性を計測します。予防メンテナンス 列でシミュレーションしたもので、推奨される予防メンテナン
(PdM)では、CbM、機械学習、分析手法といった技術を組み ス・センサーのタイプも示されています。新しいモータが設置さ
合わせて使用し、将来起こり得る装置や設備資産の故障を予測し れた時点で、保証が適用されます。その保証は、その後数年間で
ます。装置の健全性を監視する場合は、異常の検出、診断、更に 終了し、そこから人手による多くの点検が頻繁に行われるように
予測まで行うことができるよう、これらの目的に最も適したセン なります。
サーを選ぶことが極めて重要です。現在、回転機械やその負荷に
は、計画外のダウンタイムを回避することを最終目的として、異 Earliest Possible
Detection of Fault
常を感知し検出するためのセンサーが数多く使われています。こ
Years
れらセンサーを個々にランク付けすることは困難です。PdM手法 2/Year
New Years
は数多くの回転機械(モータ、ギア、ポンプ、タービンなど)や Motor Months
非回転機械(バルブ、サーキット・ブレーカ、ケーブルなど)に Months
使われているためです。
Months
多くの工業用モータは化学工場や食品処理工場、発電施設などの
Weeks
継続的に生産が行われるアプリケーションで最大20年程度使用
できるように設計されていますが、中にはその予想寿命に達しな
いモータもあります1。その理由としては、モータ運転上の問題、 Motor Fails!
不十分なメンテナンス・プログラム、PdMシステムへの投資の欠
Time to Failure
如、あるいはPdMシステムが全く存在しない、といったことが考
図1 装置の健全性の経時変化
えられます。PdMは、メンテナンス・チームが修理計画を立てて
計画外のダウンタイムを回避することを可能にします。PdMを通 予定されたメンテナンス・チェックの間に異常が生じた場合は、
じて装置の異常を早期に予測することは、メンテナンス・エンジ 計画外のダウンタイムとなる可能性があります。この場合に極め
ニアがモータの非効率的な動作を特定してこれを是正し、性能、 て重要なのが、適切な予防メンテナンス・センサーを使用して、
生産性、および設備資産の可用性を向上させ、その寿命を延ばす できるだけ早期に異常の兆候を検出することです。このために、
助けにもなります。 本稿では振動センサーと音響センサーに焦点を当てます。振動解
析は一般に、PdMの最良のスタート点と見なされています2。
最良のPdM戦略は、できるだけ多くの手法とセンサーを効率的に
利用して、異常を早期に、なおかつ高い信頼性の下に検出するこ
とです。したがって、1つのセンサーですべてをまかなうというソ 予防メンテナンス・センサー
リューションは存在しません。この記事では、予防メンテナンス・ 図1に示すように、一部のセンサーは、ベアリング異常などの特
センサーがPdMアプリケーションにおける異常の早期検出に不可 定の異常を、他のセンサーよりはるかに早く検出することができ
欠な理由と、各種センサーの利点および欠点を明らかにしていき ます。この項では、できるだけ早期に異常を検出するために最も
ます。 一般的に使われているセンサーについて述べます。具体的には、
加速度センサーとマイクロフォンです。センサーの仕様一覧と、
それらのセンサーが検出できる異常の例を表1に示します。ほと
んどのPdMシステムでは、これらのセンサーのうち一部だけが使
用されます。したがって、予想し得る重大な異常について十分に
理解し、それらの異常の検出に最も適したセンサーを知ることが
不可欠です。
VISIT ANALOG.COM/JP
- M a c h i n e H e a l t h +
Under Warranty
Ongoing Scheduled
Maintenance
Fault Inception
Vibration Sensor/
Ultrasonic Microphone
Power/Particle/Infrared
Temperature
Microphone
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表1 CbMに使われる一般的なセンサー
計測 センサー 特徴 検出する異常
振動 ピエゾ加速度センサー 低ノイズ、最大周波数30kHz、
ベアリングの状態、ギアのかみ合い、
CbMアプリケーション用として定着 ポンプのキャビテーション、位置ずれ、アンバランス、負荷状態
振動 MEMS加速度センサー ロー・コスト/低消費電力/小型、
ベアリングの状態、ギアのかみ合い、
最大周波数20kHz以上 ポンプのキャビテーション、位置ずれ、アンバランス、負荷状態
ベアリングの状態、ギアのかみ合い、
音圧 マイクロフォン ロー・コスト/低消費電力/小型、最大周波数20kHz ポンプのキャビテーション、位置ずれ、アンバランス、
負荷状態
音圧 超音波マイクロフォン ロー・コスト/低消費電力/小型、最大周波数100kHz 圧力洩れ、ベアリングの状態、ギアのかみ合い、 ポンプのキャビテーション、位置ずれ、アンバランス
モータ電流 シャント、 ロー・コスト、追加回路不要、 偏心ローター、巻線関連の問題、ローターバー関連のカレント・トランス 通常はモータ電源を計測 問題、電源アンバランス、ベアリング関連の問題
磁界 ホール、磁気センサー、 ロー・コスト/小型、最大周波数250Hz、 サーチ・コイル 温度に対して安定 ローターバー、エンド・リング関連の問題
温度 赤外線サーモグラフィ 高価、正確、複数の設備資産/熱源を一度に計測 摩擦による熱源の場所特定、負荷変動、過度の起動/停止、不十分な電源
温度 RTD、熱電対、デジタル ロー・コスト、小型、正確 摩擦による温度変化、負荷変化、過度の起動/停止、不十分な電源
オイル品質 粒子モニタ 粘度、粒子、および汚れ 摩耗によるデブリを検出
センサーとシステムの異常に関する考慮事項 表2 装置異常と振動センサーに関する考慮事項の概要
工業用および商業用アプリケーション用の回転機械の90%以上 センサーの条件 一般的な装置異常
が、回転部品用のベアリングを使用しています3。図2はモータの アンバランス 芯ずれ ベアリング異常 ギア異常
故障部品の内訳ですが、この図から、PdMセンサー選択時はベア 低から中程度のノイズ
リングのモニタリングが重要であることが分かります。異常の可 >100µg/√Hz
能性を検出、診断、予測するには、低ノイズで広帯域幅の振動セ 低ノイズ
<100µg/√Hz
ンサーが必要です。
帯域幅:基本周波数の
5倍~10倍
% Occurances of Motor Faults
帯域幅:> 5kHz
多軸検出
低速回転機械用の
低周波数応答
10%
高いg範囲
27% モータの振動や動作のエネルギー量(ピーク値、ピークtoピー
ク値、実効値)を利用すれば、特に、その装置にアンバランス
41%
や位置ずれがないかどうかを判定することができます。ベアリン
グやギアの異常といったいくつかの異常はそれほど明確なもので
10%
はなく(特に異常の早期段階にある場合)、振動の増加だけでこ
12%
れを特定したり予測したりすることはできません。通常、これら
の異常を検出するには、低ノイズ(<100µg/√Hz)で広帯域幅
(>5kHz)の高性能予防メンテナンス用振動センサーが必要で、
更にこれらを高性能のシグナル・チェーン、処理、トランシー
Rotor Related Fault Stator Insulation Faults Other Stator Faults
バー、および後処理と組み合わせる必要があります5。
Other Faults Bearing Fault
図2 故障モータ部品の内訳(%)4
PdM用の振動、音響、および超音波センサー
回転機械に発生し得る最も一般的な異常と、これに対応するPdM マイクロマシン(MEMS)マイクロフォンにはPCBにMEMS素
アプリケーション用振動センサーの条件を表2に示します。でき 子が搭載されており、これらは通常、上面または下面から内側へ
るだけ早い時期に異常を検出するためには、一般にPdMシステム 音波を導くことのできる金属製のケースに収められています。
には高性能センサーが必要です。設備資産に使用する予防メンテ MEMSマイクロフォンは、ベアリングの状態、ギアのかみ合わせ、
ナンス・センサーの性能レベルは、その設備資産自体の価格では ポンプのキャビテーション、位置ずれ、アンバランスといった装
なく、プロセス全般にわたってそれらの設備資産を高い信頼性で 置異常を検出するための、ロー・コストで小型の効果的な手段を
継続的に運用することの重要性と相関関係があります。 提供します。これらの特長により、MEMSマイクロフォンはバッ
テリ駆動アプリケーション用に最適な選択肢となっています。こ
れらのマイクロフォンは、ノイズからかなり離れた位置に置くこと
ができ、取り付けに特別な加工を行う必要もありません。複数の
2 最適な予防メンテナンス・センサーの選択
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設備資産が稼働している場合は、他の装置からの可聴ノイズの量、 すべてのセンサーは適切な帯域幅と低ノイズ性能を備えています
あるいは埃や湿気といった環境要素がマイクロフォンのポート・ が、MEMS加速度センサーはDCまでの応答が可能な唯一のセン
ホールに入り込んで、マイクロフォンをベースとするセンサーの サーで、回転速度が非常に小さい場合のアンバランス検出や傾き
性能に悪影響を与えるおそれがあります。ほとんどのMEMSマイ 検出に有効です。MEMS加速度センサーはセルフテスト機能も備
クロフォンのデータシートに記載されているアプリケーションは、 えており、センサーが100%機能することを確認できます。これ
依然として、モバイル端末やラップトップ、ゲーミング・デバイ は安全性が不可欠な設備に有効で、センサーがまだ機能している
ス、カメラなど、あまり厳しくない環境向けのものです。一部の かどうかを検証できるようにすることによって、システムの基準を
MEMSマイクロフォンのデータシートには、考えられるアプリケー 容易に満たすことができます。
ションとして振動検出やPdMが挙げられていますが、これらのセ
過酷で汚れの多い環境で使用するために、MEMS加速度センサー
ンサーは機械的な衝撃や不適切な取り扱いに敏感なので、恒久的
はセラミック・パッケージに、ピエゾ加速度センサーはメカニカ
な損傷を招く可能性があるという断り書きがあります。その他の
ル・パッケージに、ハーメチック・シールで完全に密封すること
MEMSマイクロフォンのデータシートの中には、最大10,000gの
が可能です。表4では、センサーの物理的、機械的、および環境
機械的衝撃に耐えられるとしているものもありますが、これらのセ
的性能に焦点が当てられています。この表を見れば、集積機能、
ンサーのいくつかが、衝撃を受ける可能性がある非常に過酷な環
過酷な環境への耐性、機械的性能、回転機械への取り付け、ある
境下での使用に適しているかどうかについては、やはり明確な記
いはマウントなど、各センサーの主な違いを知ることができます。
載がありません。
3軸方向の振動データを検出すれば、より多くの診断情報が得ら
MEMS超音波マイクロフォンによる解析は、大きい可聴ノイズ
れ、異常検出能力を向上させることができます。これはすべての
が存在する複合施設内のモータの健全性監視を可能にします。こ
PdM設備に必要なわけではありませんが、データ品質、配線、ス
れは、これらのマイクロフォンが非可聴範囲の周波数(20kHz~
ペース削減などの点に関するピエゾ加速度センサーとMEMS加
100kHz)をモニタするためで、この範囲ではノイズがはるかに
速度センサーの決定的な利点です。
少なくなります。通常、低周波数の可聴信号の波長は約1.7cm~
17m、高周波数信号の波長は約0.3cm~1.6cmの範囲です。周 MEMSマイクロフォンを高湿度下に長時間置くと、最大-8dBの
波数が高くなるとエネルギーも大きくなり、超音波の場合は指向 歪みが生じることが分かっています7。これは決定的な欠点では
性がより強くなります。ベアリングやハウジング内の故障位置を ありませんが、PdMアプリケーションを湿度の高い過酷な環境下
正確に特定しようとする場合は、これが非常に役立ちます。 で使用する場合は考慮する必要があります。このような場合は、
MEMSマイクロフォンよりもエレクトレット・コンデンサ・マイ
加速度センサーは最も一般的に使われる振動センサーであり、振
クロフォン(ECM)の方が適していることが確認されています。
動解析は最も一般的に使われるPdM手法です。この手法は、主に
マイクロフォンに影響を与え得るその他の環境条件には、風、大
タービン、ポンプ、モータ、ギアボックスなどの大型回転装置に
気圧、電磁場、機械的衝撃などがあります8。
使われます。高性能MEMS振動センサーや音響センサーを選ぶ際
に考慮すべき重要な仕様と、最も代表的なピエゾ振動センサーを あまり厳しくない環境条件下では、MEMSマイクロフォンはPdM
表3と表4に示します。各列のデータは、そのカテゴリ内における アプリケーション用として非常に優れた性能を発揮します。現時
最小/最大変動の代表値で、隣接する列との間に相関関係はあり 点では、過度の振動や汚れ、湿度などに曝される過酷な環境下へ
ません。 のMEMSマイクロフォンの取り付けについて、使用できる情報が
ありません。振動はMEMSマイクロフォンの性能に影響を与える
CbM産業は今後数年間で大幅に成長すると予想されており、更
可能性があり、これは検討を要する領域です。しかし、MEMSマ
にこの成長のかなりの部分がワイヤレス設備で占められると予想
イクロフォンはECMほど振動に敏感なわけではありません9。ワ
されています6。ピエゾ加速度センサーは、サイズ面や消費電力、
イヤレスPdMソリューションにMEMSマイクロフォンを使用す
集積化機能を持たないといったいくつかの理由からワイヤレス
る場合は、音響信号がセンサーに届くように、取り付けボックス
CbMシステムにはあまり向いていませんが、消費電流が代表値で
に穴やポートを設ける必要があるため、設計を複雑にする要素が
0.2mA~0.5mAのソリューションも存在します。MEMS加速度
増えると同時に、他の電子機器が汚れや湿度の影響を受ける可能
センサーとマイクロフォンは、サイズも消費電力も小さい上に高
性が出てきます。
い性能を備えているので、バッテリ駆動のPdMシステムに最適で
す。
表3 予防メンテナンス・センサーの性能仕様
センサー コスト ワイヤレスCbMに使用した場合の(1,000個あたり単価) 3dB帯域幅 DC応答 ノイズまたはS/N比 予想バッテリ寿命 セルフテスト
ピエゾ加速度センサー $25~$500+ 2.5kHz~30kHz+ なし < 1µg/√Hz~50µg/√Hz 短い~中程度 なし
MEMS加速度センサー $10~$30* 3kHz~20kHz+ あり < 25µg/√Hz~100µg/√Hz 中程度~長い あり
MEMSマイクロフォン < $1~$2 20kHz なし 57dB~74dB 長い なし
MEMS超音波センサー < $1~$2 100kHz なし 65dB 長い なし
*MEMS加速度センサー・モジュールはコストが$30を超える場合がありますが、これらはフル・システム・ソリューションです。これに対し、他の部品はすべて単体のセンサーです。
**表示例:ワースト、中程度、ベスト
VISIT ANALOG.COM/JP 3
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表4 予防メンテナンス・センサーの機械的仕様
センサー サイズ 軸数 防振メカニカル・ 業界標準 パッケージ インターフェース 集積機能 機械的取り付け 耐環境性
ピエゾ加速度センサー 中程度 1~3 あり あり なし あり 極めて良好
MEMS加速度センサー 小型/中程度* 1~3 あり あり あり あり 極めて良好
MEMSマイクロフォン 小型 1 なし なし なし 非接触式 良好
MEMS超音波センサー 小型 1 なし なし なし 非接触式 良好
*通常、MEMSモジュールにはADC、プロセッサ、フィルタ機能が含まれており、シグナル・チェーンのスペースに関する条件を緩和します。フィルタはセンサーが最大限の性能を発揮できるように調整されています。
**表示例:ワースト、中程度、ベスト
近年の容量性MEMS加速度センサー技術の進歩により、小型、
ロー・コスト、低消費電力のワイヤレスCbMソリューションを優
先度の低い設備資産上に実装して、更に多くの診断情報を施設管
理に取り入れ、重要システムのアップタイムを維持することが可
能になりました。このような進歩は、MEMS加速度センサーをピ
エゾ加速度センサーの性能に近付け、より従来型の有線CbMシ
ステムで使用できるという結果ももたらしました。この低ノイズ
で広帯域という特長と、業界標準の接続方法(ICPとIEPE)を組 図4 共振周波数が50kHzを超えるメカニカル・パッケージにADC、
プロセッサ、FFT、統計機能を内蔵した3軸MEMS CbMモジュール。
み合わせたピエゾ加速度センサーは、これまで数十年にわたり代
表的なセンサーとして振動計測に使われてきました。MEMS加 使用するPdMソリューションに最も適した振動センサーを選ぶ
速度センサーは、図3に示すように、IEPE標準モジュールとイン 際の本当の課題は、保有設備資産に発生する可能性が最も高い
ターフェースが取れるようになりました。変換回路は、Circuits 故障モードに適したセンサーを組み合わせる、という点です。
from the Lab®リファレンス設計をベースにしています。この回 MEMSマイクロフォンについては、過酷な環境下で振動関連故
路は、広い帯域幅にわたって性能を発揮できるような特性を加え 障モードを確実に検出するための十分な耐久性を有することがま
られた特別なPCBを使って設計されており、後の段階でメカニカ だ実証されていませんが、振動検出の業界標準である加速度セン
ル・モジュールの設計にそのまま組み込むことができます。 サーには、過去数十年間にわたって数多く実装され、信頼できる
性能を発揮しているという実績があります。MEMS超音波マイ
クロフォンについては、加速度センサーよりも早くベアリング異
常を検出できるという有望な性能を持つことが分かっており、こ
の潜在的な共生関係は、将来における設備資産の振動解析ニーズ
に対して最良のPdMソリューションを提供できる可能性を秘め
ています。
PdMシステムで使用するための振動センサーを1つ推奨するこ
とは難しいですが、加速度センサーには多くの実績があり、今後
も発展と改善が続いていくことが見込まれます。アナログ・デバ
イセズは、汎用、低消費電力、低ノイズ、高安定性、高gの加速
度センサーから、図4に示すようなインテリジェント機能を備え
図3 ADXL100xファミリのCbM加速度センサーのレトロフィットを可能 たエッジ・ノード・モジュールまで、様々なMEMS加速度セン
にするMEMS加速度センサー、IEPEリファレンス、PCB設計を組み込んだ
IEPEメカニカル・モジュール注:アナログ・デバイセズはIEPEメカニカル・ サーを提供しています。ADcmXL3021は、専用PdMモジュー
モジュールを製造していません。 ル・ソリューションの一例にすぎません。アナログ・デバイセズ
図4に示すデバイスには、3個の1軸MEMS加速度センサー、3 は、PdM対応のMEMS加速度センサーのファミリ(20kHz以上
個のADC、1個のプロセッサ、メモリ、およびアルゴリズムが組 の帯域幅、25µg/√Hzのノイズ密度)を初めて市場に投入し、
み込まれており、これらはすべて、共振周波数が50kHzを超え 現在も、このレベルの性能を有するMEMS加速度センサーの唯
るメカニカル・モジュール内に格納されています。このデバイス 一のサプライヤーとしての地位を保っています。アナログ・デバ
はMEMS加速度センサーの能力が大きな特長となっており、セ イセズは、センサー、シグナル・チェーン・ソリューション、メ
ンサー・ノードにインテリジェント機能を組み込んでセンサーを カニカル・モジュール、プラットフォーム、機械学習アルゴリズ
最良のシグナル・チェーンおよび処理と組み合わせ、最大限の性 ム、人工知能ソフトウェア・プラットフォーム、そして最も過酷
能を実現できるようにしています。このモジュールは、FFTの実 な環境下における工業用回転機械の予防メンテナンスを可能にす
行、時間領域または周波数領域の様々なアラームのトリガ、およ るトータル・システム・ソリューションの供給において、業界を
び故障を予測するための各種のアルゴリズムや機械学習ツールに リードし続けています。
不可欠な時間領域の統計データの生成を行うことができます。 詳細については、analog.com/jp/CbMにアクセスするか、CIC.
EMEA@analog.comへお問い合わせください。
4 最適な予防メンテナンス・センサーの選択
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参照資料
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