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車載インフォテインメント向けオールインワン電源ソリューション — 5本のレールをバッテリから直接生成する単一IC

ホワイトペーパー

著者: Jin-Jyh Su、Terry Groom アナログ・デバイセズ

ネットワークで接続され、ネットワーク・メディアを中心とする現代人のライフスタイルは、高度に統合化された今日の車載インフォテインメント・システムなどに見られるように、人々の生活のあらゆる側面に技術が浸透した結果であり、それを推し進めた理由でもあります。車載インフォテインメント・システムに搭載されている複雑に組み合わせられた電子部品は、まさに高性能マイクロコントローラ、メモリ、インターフェース、ドライバICなどのコンスーマ・エレクトロニクスそのものを現しています。この1つ1つの部品が幅広い電源条件を持つ様々な低電圧レールを必要とするのと全く同じように、その電源というものも非常に複雑になっています。

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このカタログについて

ドキュメント名 車載インフォテインメント向けオールインワン電源ソリューション — 5本のレールをバッテリから直接生成する単一IC
ドキュメント種別 ホワイトペーパー
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取り扱い企業 アナログ・デバイセズ株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

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デザイン・ノート Share on Twitter Facebook LinkedIn Email 車載インフォテインメント向けオールインワン電源ソリューション — 5本のレールをバッテリから直接生成する単一IC 著者: Jin-Jyh Su、Terry Groom アナログ・デバイセズ ネットワークで接続され、ネットワーク・メディアを中心とす オートモーティブ用マルチチャンネル電源 る現代人のライフスタイルは、高度に統合化された今日の車載 インフォテインメント・システムなどに見られるように、人々 LTC3372は、複数レールを生成するために必要な部品の数を大 の生活のあらゆる側面に技術が浸透した結果であり、それを 幅に削減します。実証済みの高電圧オートモーティブ・コント 推し進めた理由でもあります。車載インフォテインメント・シ ローラ技術と4個の構成可能なモノリシック降圧レギュレータ ステムに搭載されている複雑に組み合わせられた電子部品は、 を組み合わせることで、スペースとコストを節約できるオート まさに高性能マイクロコントローラ、メモリ、インターフェー モーティブ・マルチチャンネル電源ソリューションを実現しま ス、ドライバICなどのコンスーマ・エレクトロニクスそのもの す。 を現しています。この1つ1つの部品が幅広い電源条件を持つ 高電圧降圧コントローラの入力は、負荷ダンプの間に発生する 様々な低電圧レールを必要とするのと全く同じように、その電 ような最大60Vの入力サージでも動作し、標準的な降圧構成で 源というものも非常に複雑になっています。複雑なのはインフ の4.5VやSEPIC構成での3Vという低い入力ディップをレギュレ ォテインメント・システムに限ったことではありません。自動 ーションすることもできます。この動作入力範囲により、大き 車の性能や燃費を高め、運転者にとって便利な機能を実現する なトランジェントが生じた場合でも、繊細な電子部品に継続的 には、電子システムの一層の進歩が求められます。また電源シ に電力を供給することができます。LTC3372の4個の低電圧降圧 ステムは、繊細なエレクトロニクスと、とりつきにくい条件を レギュレータは、電力段を1Aの8個の電力段から選択して組み 持つオートモーティブ設定(入力として供給される広い電圧範 合わせることで、個別に構成できます。電力段は、各レギュレ 囲、当然予想される過渡バッテリ環境)の間に存在するもので ータの電力条件に合わせて、8通りの独自の4出力チャンネル構 もあります。メーカーがスタート/ストップ技術のような機能 成と組み合わされ、すべてオートモーティブ・バッテリから直 で、オートモーティブ環境を電子部品にとって近寄りがたいも 接給電します。 のにしている状況でも、優れた設計の電源システムは、電子部 品に対する電力供給と保護を両立させることが必要です。 単一ICによるマルチチャンネル電源ソリューションの利点の1 つは、内蔵電圧リファレンスとバイアス供給を共有できること スタート/ストップ技術は、電子部品が直面する厳しい条件 です。このバイアス共有によって、マルチチャンネル電源のチ を、とりわけエンジンを繰り返し始動することで更に厳しいも ャンネルあたりのIQの仕様値を、個別のICで実現可能な値より のにします。スタート/ストップ・システムはエンジンを繰り も低くすることができます。シングルチャンネルの常時オン電 返し再始動させることが可能ですが、中心となるシステムは動 源の場合、VINのリファレンス・バイアスのIQは、23µA(代表 作状態を保持しなければなりません。バッテリからの給電にお 値)で、150℃では最大46µAです。Burst Mode®動作で5チャ いて、スタート/ストップの都度コールド・クランクが生じるこ ンネルすべてをレギュレーションする場合、バイアス電流の代 とで、車内から音楽が消え運転者が突如アカペラで歌うような 表値は合計でわずか60µA、すなわちチャンネルあたり12µAで 羽目になれば、その車は良い評価が得られなくなってしまうか す。LTC3372を用いれば新たな常時オン・アプリケーションが もしれません。 可能となり、このとき、5チャンネルの合計バイアスのIQが、 一方で、超低静止電流も車載電源システムの重要な条件です。 以前の技術を用いたシングルチャンネルの場合と同程度のもの 自動車では、常時オンとなっている必須の電子機器がバッテリ となります。 を浪費することなく稼働しながら、1ヵ月以上も未使用状態とな シングルチップ・コントローラおよび ることがあります。 レギュレータ アナログ・デバイセズのPower by Linear™ LTC3372は、オール LTC3372は、低IQのBurst Mode動作を備えた、フロントエン インワン・タイプの高電圧コントローラで、オートモーティブ ド の 6 0 V 高 電 圧 ( H V ) 降 圧 コ ン ト ロ ー ラ と 4 個 の 5 V 低 電 圧 のバッテリ環境によって過酷な電圧変化が生じても電圧を継続 (LV)モノリシック降圧レギュレータで構成されています。 的に安定化する機能を備えています。静止電流が極めて低いた コントローラとモノリシック・レギュレータを集積すること め、バッテリを浪費することなく、常時オンの部品を動作させ で、LTC3372は小型で低コストでありながら、高入力電圧から 続けることができます。LTC3372は、4個の構成可能なモノリシ 個別に最大5通りのレールを供給できます。HVコントローラの ック・レギュレータを備え、インフォテインメントなどの電子 出力電圧は、VOUTPRGピンのレベルに応じて3.3V~5Vの範囲で選 システム用に最大5つの出力チャンネルを提供できます。 択できます。一方、LVレギュレータの出力電圧は、FB1~FB4ピ ンの外付け抵抗を使用して個別に設定できます。 analog.com/jp
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2 車載インフォテインメント向けオールインワン電源ソリューション — 5本のレールをバッテリから直接生成する単一IC VIN 60 V Max 4.5 V Min 47 µF ×2 VIN INTVCC RUN 4.7 µF Ω D1100 k INTVCC PGOOD INTVCC/GND VOUTPRG TG MTOP 8.06 kΩ 2.2 nF 0.1 µF 2.2 µH V ITH BOOST 5 mΩ OUT3.3 V/5 V 100 pF SW + 3A BG MBOT 150 µF 47 µF0.01 µF ×2 TRACK/SS SENSE+ GND SENSE– VOUT/EXTVCC VOUT VINA VINH VOUT VOUT1 VINB VING VOUT4 1.0 V SWA SWH 2 A µ 1 µH LTC3372 2.5 V 47 F SWB SWG 1 µH 2 A 162 kΩ 665 kΩ 47 µF FB1 FB4 EN1 Ω EN4649 k 309 kΩ VOUT VINC VINF VOUT VOUT2 VIND VINE VOUT3 1.2 V SWC SWF 1.8 V 2 A 1 µH 1 µH47 µF SWD SWE 2 A 232 kΩ 806 kΩ 47 µF FB2 FB3 ×2 EN2 EN3 649 kΩ 464 kΩ PLL/MODE RT TEMP CT WDI WDO 100 kΩ 402 kΩ 10 nF RSTB INTVC1 C2 C3 CC 図1. LTC3372の代表的な60V入力アプリケーション。HVコントローラが、2Aの1V/1.2V/1.8V/2.5Vクワッド・LVレギュレータに給電。 3.3V/5V HVコントローラの出力は、追加の3A電流レールとして使用可能。 図1と図2に、代表的なアプリケーションとそれに対応するHV 100 コントローラの効率を示します。HVコントローラは、通常、LV 90 レギュレータに給電するために使用されますが、各レギュレー 80 タはイネーブルのチャンネルごとに、また入力ピンごとに個別 70 に動作します。8つの電力段により柔軟性が高まります。8個の スイッチは、レール固有の最大電流制限に適合するよう、組み 60 合わせがCビット(C1、C2、C3)を通じてデジタル的に構成さ 50 れ、LVレギュレータ内に配置されています。表1にCビットの設 40 定と、その結果生じる電流制限の構成をレギュレータ番号ごと 30 に示します。図3には、並列に組み合わせたスイッチの数によっ 20 VINA-H = 3.3 V 1 A Buckて効率がどのように変化するかを示します。 VOUT = 1.8 V 2 A Buck 10 fSW = 2 MHz 3 A Buck 100 4 A Buck 0 90 0.0001 0.001 0.01 0.1 1 4 Output Current (A) 80 70 図3. LVレギュレータのBurst Mode動作での効率と出力電流の 60 関係。1A、2A、3A、4Aの降圧レギュレータは、それぞれ1個、 50 2個、3個、4個のスイッチが並列に接続されている場合の構成を 示しています。 40 30 表1. C1、C2、C3コードで設定されたLVレギュレータの構成。 20 3個以下のLVレギュレータ構成では、未使用のレギュレータの 10 VOUT = 5 V VIN = 12 V イネーブル・ピンとフィードバック・ピンはグラウンドに接続 VOUT = 3.3 V fSW = 333 kHz 0 されています。 0.0001 0.001 0.01 0.1 1 10 C3 C2 C1 BUCK 1 BUCK 2 BUCK 3 BUCK 4 Output Current (A) 0 0 0 2A 2A 2A 2A 図2. 図1に示したHVコントローラのBurst Mode動作での効率と 出力電流の関係。出力電流は最大10Aまで示していますが、これは 0 0 1 3A 1A 2A 2A 全負荷の4個のレギュレータと3A 3.3V/5V負荷に給電するのに十分な 0 1 0 3A 1A 1A 3A 値です。 0 1 1 4A 1A 1A 2A 1 0 0 3A 2A 3A 1 0 1 4A 2A 2A 1 1 0 4A 1A 3A 1 1 1 4A 4A Efficiency (%) Efficiency (%)
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3 車載インフォテインメント向けオールインワン電源ソリューション — 5本のレールをバッテリから直接生成する単一IC LTC3372は、温度センサー機能とウォッチドッグ・タイマー機 96 能も内蔵しています。温度センサーによって、LVレギュレー VIN = 12 VVOUT = 3.3 V タがイネーブルの場合は常に、ダイ温度を詳細にモニタできま 94 fSW = 333 kHz す。ウォッチドッグ・タイマーは、誤動作が発生してマイクロ プロセッサがタイマーをクリアできない場合に、リセット信号 92 を発します。 電力損失の最適化 90 多くの場合、DC/DCコンバータはその効率で評価されるため、 3.759 A88 このパラメータを最大にするよう設計されています。しかし、 高電力アプリケーションの場合は、通常、(効率だけでなく) 86 BSZ099N06LS5 電力損失についてDC/DCコンバータを最適化することで、性能 NVMFS5C645NL が向上します。LTC3372を用いて構成されるような多段コンバ NTMFS5H600NL84 ータ・システムでは、効率の一部がHVコントローラとLVレギュ 1 2 3 4 5 6 レータの両方の要素を含む場合、効率の測定は誤った解釈を導 Output Current (A) く可能性があります。 図4. HVコントローラに3種類のFETを使用した場合のBurst Mode動作 電力損失の最適化とは、単に電力損失の合計を最小にすること での効率と出力電流の関係。トップとボトムでは同じFETを使用。 を意味するだけでなく、デバイス全体にわたって損失の分布を 表2のLVレギュレータに最適なFETを決定するためのクロスオーバー 調整することも意味することに留意してください。すべてのLV を詳しく調べるため、図では1A~6Aに範囲を絞って表示して レギュレータにわたる合計電力損失がLTC3372システムの損失 います。LVレギュレータが全負荷の場合、3.759Aが最大負荷電流。 の大半を占めるので、LVレギュレータから始めるのが良い方法 結果は、RDSが最大であってもQGが最低のFET(BSZ099N06LS5)が と言えます。適用可能なすべてのLVレギュレータ構成を考慮 最適であることを示しています。 すると、電力損失オプションのかなりの範囲を比較できます。 表2に、適用可能なすべての構成とそれに対応する電力損失 SEPICコントローラ を、1.2V、1.8V、2.5Vの各アプリケーションの最大負荷がそれ ぞれ3A、3A、0.5Aの場合について示します。最良の構成と最も オートモーティブ・アプリケーションのコールド・クランク 厳しい構成との差は0.432Wです。通常の場合、可能な限り最大 は、DC/DCコンバータにとって依然として課題の1つです。コ のスイッチを最大の電力チャンネルに繰り返し割り当てること ールド・クランク状態では、安定化出力電圧が入力電圧よりも で最善の結果が得られます。 高い場合でも、降圧コンバータはドロップアウトで動作せざるを得ません。昇圧とSEPICの2通りの代替フロントエンド回路構 表2. 1.2V(3A)、1.8V(3A)、2.5V(0.5A)のLVレギュレータの 成が、LTC3372のHVコントローラで提供されるリソースを使用 様々な構成におけるBurst Mode動作の合計電力損失。V は3.3V、 して実現し、ドロップアウト動作を回避できます。 INA–H スイッチング周波数は2MHz、最良の構成は最も厳しいケースに 昇圧のほうが多少シンプルですが、高電圧の入力サージが生じ 比べて0.432Wの低消費電力化。 た場合でも、後続の降圧段に受け渡してしまいます。そのた め、高効率の低電圧降圧レギュレータを2段目の降圧段として C3 C2 C1 BUCK 1 BUCK 2 BUCK 3 BUCK 4 損失 (W) 使用することができなくなってしまいます。図5に、LTC3372 0 1 0 1.2V (3A) 2.5V (0.5A) オフ 1.8V (3A) 2.523 HVコントローラを非同期のSEPIC回路構成で示します。SEPICコ ンバータは5Vの中間レールを生成することで、3.3V/4Aの2個の 1 0 0 1.2V (3A) 2.5V (0.5A) 1.8V (3A) 2.486 LVレギュレータに給電すると共に、HVコントローラの連続動作 1 1 0 1.2V (3A) 2.5V (0.5A) 1.8V (3A) 2.204 を維持します。 1 1 0 1.8V (3A) 2.5V (0.5A) 1.2V (3A) 2.181 4AのLVレギュレータ2個が全負荷の場合、5Aを超える電流が SEPIC出力から供給されます。スイッチ電流は両方のインダク HVコントローラには、より一般的な効率最適化の手順が適用で タの巻き線電流の合計となるので、検出抵抗を流れるピーク電 きます。わずかな相違は、HVコントローラの負荷のすべてまた 流は、容易に10Aを上回ります。検出抵抗がホット・ループ内 は一部が、LVレギュレータの入力換算電流となることです。負 にあることを考えると、電流コンパレータ入力でクリーンな波 荷がLVレギュレータだけの場合は、各LVレギュレータが全負荷 形を生成するには、ある程度の工夫が必要です。1つの解決策 となっていても、HVコントローラから見ると中程度の負荷とな は、SEPICの回路図に示されるような差動フィルタリング手法を ります。低RDSのFETを選択したり、最大ピーク効率を追求した 取り入れ、パッケージ裏面に低インダクタンス抵抗を使用する りするのではなく、目的の動作電流範囲に設計の焦点を置く必 ことです。 要があります。RDSが異なる3種類のFETを使用した場合の、効率 と出力電流の関係を図4に示します。表2のLVレギュレータの場 図6に、Burst Mode動作でのSEPICの効率を示します。また、図 合、R が最も高くてもQ が最も低いFETを使用すれば、最大負 7には、12V~3Vのトランジェントが入力に印加された場合のDS G 荷(最適構成の場合3.759A)未満の範囲で効率が最大となりま SEPIC出力電圧を示します。PCB設計の際には、キャッチ・ダ す。 イオードで発生する熱を見過ごさないようにしてください。ダ イオードがある程度過大な場合に備えて余分なスペースを確保 し、厚めの銅を使用することで、熱限界を超えないようにする ことができます。入力トランジェントによる逆方向電流と不測 の電圧スパイクを回避するには、追加のダイオードとフィルタ リング・コンデンサをVINピンに接続します。 Efficiency (%)
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4 車載インフォテインメント向けオールインワン電源ソリューション — 5本のレールをバッテリから直接生成する単一IC VIN 4.5 V Min 50 V Max (3 V Min After Startup) CIN1 CIN2 DIN LHV1 47 µF 10 µF VIN INTVCC µ 1.2 µH ×2 1 µF 4.7 FRUN CP DFW 100 kΩ VOUT INTVCC PGOOD + C 5 V OUT1 COUT2 INTV 10 µFCC VOUTPRG TG M1 4.32 kΩ 6.8 nF ITH BOOST INTV 680 µF 220 µFCC 100 Ω ×2 100 pF SW R LHV21 nF SENSE2 mΩ 1.2 µH 0.01 µF BG TRACK/SS 100 Ω SENSE+ GND SENSE– VOUT/EXTVCC VOUT VINA VINH VOUT 10 µF VINB VING V 10 µF×4 INC LTC3372 VINF ×4 VIND VINE SWA SWH V L1 SWB SWG L2OUT1 VOUT4 3.3 V SWC SWF 4 A µ 0.33 µH SWD SWE 0.33 µ 3.3 V H 47 F 4 A 511 kΩ 511 kΩ 47 µF ×2 FB1 FB4 ×2 162 kΩ EN1 EN4 162 kΩ M1: TPH7R006PL LHV1, LHV2: 74485540120 FB2 FB3 CIN1: 63HVH47M EN2 EN3 CIN2: GRM32ER71H106KA12L C : TPSE687M006R0045 PLL/MODE TEMPOUT1 C RT WDIOUT2: GRM32ER60J227ME05L CP: GRM32ER71H106KA12L CT WDO 100 kΩ DIN: DFLS1100 RSTB INTV DFW: SBRT20U50SLPQ 255 kΩ 10 nF C1 C2 C3 CC INTVCC 図5. 3.3V/4AのLVレギュレータ2個に給電する4.5V~50V入力非同期HV SEPICコンバータ。LVレギュレータが全負荷の場合、 SEPICコンバータは起動後3Vの最小VINでVOUTに5Vを維持できます。SEPICの負荷がこれより軽い場合は、最小VINを1.5Vまで下げることが 可能です。VINが5V未満の場合、連続動作を維持するためには、SEPICの出力を5Vに設定する必要があります。逆電流とトランジェント・ スパイクを防止するために、DINと1µFのコンデンサがICのVINに接続されています。電流コンパレータ入力にクリーンな信号を供給する には、差動電流検出手法と低インダクタンス検出抵抗を用いることを推奨します。低インダクタンス(LHV1とLHV2)、 最大スイッチング周波数、低帯域幅によって、右半平面ゼロと電流リップルとの間の妥協点が決まります。 100 90 V 80 OUTAC–Coupled 200 mV/div 70 60 50 12 V 40 30 VIN 20 5 V/div 3 V VIN = 12 V 10 VOUT = 5 V fSW = 500 kHz 0 0.0001 0.001 0.01 0.1 1 6 200 ms/div Output Current (A) 図7. コールド・クランクに類似した入力トランジェントに対する 図6. 図5に示した非同期SEPICコントローラのBurst Mode動作での SEPICの出力応答。入力は2ミリ秒以内に12Vから3Vに降圧し、1秒間 効率と出力電流の関係。出力電流は6Aまで示してあります。 3Vを維持した後、12Vに回復します。3Vのトランジェントの間に これは、全負荷の3.3V/4A LVレギュレータ2個に給電するのに 大きなリップルが見られますが、これは、キャッチ・ダイオードを 十分な値です。 通じてより高いピーク電流が出力コンデンサに流れるためです。 この波形は、全負荷の3.3V/4A LVレギュレータ2個を使用し、 500kHzのSEPICスイッチング周波数で測定したものです。 まとめ LTC3372は、高電圧マルチチャンネル降圧コンバータのシング ル・チップ・ソリューションを提供します。チャンネルあたり の低IQ動作と低コスト性により、オートモーティブ・アプリケ ーションの常時オン・システムに最適なデバイスとなっていま す。 Efficiency (%)
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著者について Jin-Jyh Su ジョージア工科大学を卒業後、アナログIC設計エンジニ アとして、リニア・テクノロジー(現アナログ・デバイ セズの1部門)に入社。カリフォルニア州ミルピタスお よびテキサス州ダラスのリニア・アナログ・デバイス・ パワー・グループに3年間在籍。高性能DC/DCコンバー タの設計を専門とし、オートモーティブ・アプリケーシ ョン向けに高電圧(100V)、高速(3MHz)、低IQで動 作するモノリシック製品やコントローラ製品の設計経験 を有する。近年は、テキサス州ダラスのバッテリ管理シ ステム(BMS)グループで、マルチセル・バッテリ・ス タック・モニタに取り組んでいる。 連絡先: jin.su@analog.com Terry Groom パワー設計セクションのリーダーで、アナログ・デバイ セズに約13年間在籍。テキサスA&M大学およびジョージ ア工科大学を卒業。テキサス州ダラスにある高性能DC/ DC電源コントローラを専門とするグループを率い、電圧 入力5V~150V製品を、スイッチング周波数が最大3MHz のマルチ・スイッチング・モードの回路構成で開発。様 々なアナログ分野で30年以上にわたる設計経験を有する アナログ・デバイセズのPower by Linear開発チームの貴 重なメンバー。 連絡先: terry.groom@analog.com オンライン・ サポート・ コミュニティ アナログ・デバイセズのオンライン・サポート・コミュ ニティに参加すれば、各種の分野を専門とする技術者 との連携を図ることができます。難易度の高い設計上 の問題について問い合わせを行ったり、FAQ を参照し たり、ディスカッションに参加したりすることが可能 です。 ez.analog.com にアクセス *英語版技術記事はこちらよりご覧いただけます。 本    社 〒105-6891 東京都港区海岸1-16-1 ニューピア竹芝サウスタワービル10F 大阪営業所 〒532-0003 大阪府大阪市淀川区宮原3-5-36 新大阪トラストタワー10F 名古屋営業所 〒451-6040 愛知県名古屋市西区牛島町6-1 名古屋ルーセントタワー38F ©2019 Analog Devices, Inc. All rights reserved. 本紙記載の商標および登録商標は、 各社の所有に属します。 Ahead of What’s Possible は アナログ・デバイセズの商標です。 www.analog.com/jp DN21147-0-2/19