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テスト・システム、電気自動車の増産で 求められる新たな手法

ホワイトペーパー

バッテリ用の高度な組み立て

CO2に対する規制の強化と消費者のエコ意識の向上に牽引され、電気自動車(EV)への移行のペースはますます加速しています。現時点では、バッテリ駆動の車両は自動車の総販売台数の1%にも達していません。しかし、2025年までには、最大で10%を占めるようになると予想されています1。しかし、バッテリはコストが高いという大きな課題を抱えています。

そこでアナログ・デバイセズは「AD8452」というICを開発しました。同ICには、アナログ・フロント・エンド、電源制御回路、モニタリング回路が集積されています。このICにより、バッテリの逆流防止、スイッチによる過電圧保護、バッテリの過充電を防ぐスマートな制御を実現できます。

バッテリの重要性なども解説しながら、製品のご紹介もしております。

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このカタログについて

ドキュメント名 テスト・システム、電気自動車の増産で 求められる新たな手法
ドキュメント種別 ホワイトペーパー
取り扱い企業 アナログ・デバイセズ株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

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このカタログの内容

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ソート・リーダーシップ記事 | Share on Twitter | Share on LinkedIn | Email バッテリ用の高度な組み立て/  テスト・システム、電気自動車の増産で  求められる新たな手法  著者: Vikas Choudhary Analog Devices, Inc. るサプライヤとの提携を進めています。それにより、バッテリ の高度な化学反応に必要な精度を維持しつつ、組み立て/テス トという重要な工程にかかる時間とコストを削減すべく取り組 みを行っています。 スループットの向上による バッテリ・コストの削減  バッテリ・メーカーは、バッテリのコストを削減するために包 括的なアプローチを導入する必要があります。まずはサプライ ヤが有するシステム・レベルの専門技術を活用することによ り、チャンネル数を増加させつつ、バッテリ用のテスト回路の 全体的な実装面積を削減します。ここで重要なのは、安全性、 性能、信頼性に対する要求を満たすことを保証しつつ、バッテ リの組み立て/テスト(計測)における確度、精度、信頼性を 両立させることです。 上述したことを実現するのは容易ではありません。フロント・ CO 2に対する規制の強化と消費者のエコ意識の向上に牽引さ エンドでは、バッテリ用の充電回路を駆動する電源をきめ細か れ、電気自動車(EV)への移行のペースはますます加速してい く制御する必要があります。バッテリの組み立て/テストを行 ます。現時点では、バッテリ駆動の車両は自動車の総販売台数 うには、バッテリが利用されている間に適用される電流と電圧 の1%にも達していません。しかし、2025年までには、最大で のプロファイルを慎重にモニタリングし、過充電と過放電を防 10%を占めるようになると予想されています1。しかし、バッテ ぐ処理が必要になります。それにより、テストを実施している リはコストが高いという大きな課題を抱えています。実際、未 際の安全性が確保されるだけでなく、バッテリの寿命を最大限 だに車両のコスト全体のうち約半分をバッテリのコストが占め に延伸できます。バッテリの寿命が長ければ、エンド・ユーザ る状態にあるのです。 ーにとっての総所有コストは大きく削減されます。 バッテリのメーカーにとって、コストを左右する要因は数多く 上記のとおり、テストの工程において、バッテリの性能を計測 存在します。言い換えると、コストを大きく削減できる可能性 する作業は非常に重要です。工場の過酷な条件下において、 のある領域はいくつかあります。その1つが、バッテリを製造す バッテリの充放電電流を±0.05%よりも高い精度で測定するに る際の最終工程です。具体的には、バッテリの組み立て工程と は、非常に優れた性能の計装アンプ(イン・アンプ)とシャン テストの工程がそれに当たります。これらの工程にかかるコス ト抵抗が必要です。動作温度範囲の全体にわたって電圧のモニ トは、EV用バッテリのコストの20%を占める場合もあります。 タリングに使われる差動アンプにも、それと同程度の精度が求 バッテリの組み立てとテストは時間のかかる作業です。バッテ められます。 リの化学反応を引き起こすためには、充電と放電を何度も繰り これらの部品を1つの完全なソリューションに組み込むための方 返す必要があります。その作業には丸2日を要することもありま 法は、数多く存在します。ただ、システムの性能を最大限に高 す。バッテリを使用可能な状態にし、その信頼性と品質を保証 めつつ、実装面積を最小限に抑えるのは至難の業です。このよ するためには、この工程が必須です。バッテリ製造のスループ うな理由から、アナログ・デバイセズは「AD8452」というICを ットを向上すれば、全体的なコストを削減できるのですが、こ 開発しました。同ICには、アナログ・フロント・エンド、電源 の時間のかかる工程が、それを妨げる重大なボトルネックにな 制御回路、モニタリング回路が集積されています。このICによ っています。そこで、EV用バッテリのメーカーは、バッテリの り、バッテリの逆流防止、スイッチによる過電圧保護、バッテ 組み立てシステムとテスト・システムに関する専門技術を有す リの過充電を防ぐスマートな制御を実現できます。 analog.com/jp
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2 バッテリ用の高度な組み立て/テスト・システム、電気自動車の増産で求められる新たな手法 また、そうした一連の機能の実装面積を50%縮小することが 参考文献 可能です。このICを採用することにより、バッテリ・メーカー 1 は、より多くの機能をテスト・システムに搭載することができ David Keohane、Peter Campbel「l Valeo Doubles Forecast for ます。同時に、製造フロアのスペースをより有効に活用するこ Electric Car Sale(s Valeoが、電気自動車の販売予測を2倍に引き とが可能になります。より多くの機能を備え、より小型で、よ 上げ)」Financial Times、2018年2月 り堅牢なテストを実行できるシステムを設計できるようになる 2「 Electric Vehicle Market by Propulsion (BEV, PHEV, FCEV), ということです。 Vehicle (PC, CV), Charging Station (Normal, Super, Inductive), 電力変換を効率的に行えば、システム性能の更なる向上につな Charging Infrastructure (Normal, Type-2-AC, CHAdeMO, がる別の機会が生まれます。高度なスイッチング・アーキテク CCS, Tesla SC), Power Output, Installation, and Region— チャをテスト・システムに採用することで、電力網との双方向 Global Forecast to 2025(2025年までの電気自動車の世界市 のエネルギー交換が可能になり、消費電力を抑えることができ 場予測:方式(BEV、PHEV、FCEV)、車種(乗用車、商用車)、充 ます。また、効率的な電力変換が行えれば、システムの全体的 電スタンド(通常、急速、誘導)、充電インフラ(通常、Type-2- なコストと消費電力の増大につながる熱管理装置の要件を緩和 AC、CHAdeMO、CCS、Tesla SC)、電力出力、設置方式、地域別)」 できます。それにより、無駄に浪費される電力と、製造コスト MarketsandMarkets、2018年6月 を減らすことが可能になります。効率的な電力変換を実現する には、高速スイッチングの要件に対応するシステム機能につい て評価する必要があります。システム機能の例としては、SiC( 炭化ケイ素)やGaN(窒化ガリウム)を用いた新たなパワー・ スイッチング技術に対応する絶縁型ゲート・ドライバなどが挙 げられます。 システム・レベルの専門技術と幅広い製品群を有するサプライ ヤと密に連携すれば、バッテリ・メーカーは、より洗練された 部品やビルディング・ブロックを活用できます。それだけでな く、システムのアーキテクチャに対応するリファレンス・デ ザインも利用可能です。バッテリ・メーカーは、簡単に導入で きるように設計されたリファレンス・デザインを活用すること で、組み立てシステムやテスト・システムをゼロから開発する 場合と比べて、市場投入までの期間を1/3~1/4に短縮できま す。 世界レベルで見たEVの需要は、2021年までに21%のCAGR(年 平均成長率)で増え続けると予想されています2。そのため、 現在はバッテリ・メーカーとサプライヤの密な連携が非常に強 く求められています。サプライヤは、実績があり、信頼性が高 く、メーカーのシステムに対して新たなレベルの効率をもたら すソリューションを提供する必要があります。最良のサプライ ヤと手を組むことによって、バッテリ・メーカーは、より迅速 に新たなシステムを完成させることができます。結果として、 バッテリならびにそれを使用する電気自動車の生産量を最大限 に拡大することが可能になるでしょう。
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著者について オンライン・ Vikas Choudhary(vikas.choudhary@analog.com)は、 サポート・ アナログ・デバイセズにおいて、バッテリの組み立て/ コミュニティ テスト製品を担当する戦略マーケティング・マネージャ を務めています。マサチューセッツ州ウィルミントンの アナログ・デバイセズのオンライン・サポート・コミュ ニティに参加すれば、各種の分野を専門とする技術者 事業所に勤務しています。バッテリの組み立てとテスト との連携を図ることができます。難易度の高い設計上 という比較的新しい分野において、製品と事業戦略を開 の問題について問い合わせを行ったり、FAQ を参照し 発する役割を担っています。20年以上にわたって半導体 たり、ディスカッションに参加したりすることが可能 事業に携わっており、RF IC、高速インターフェース、 です。 MEMS、リニア/高精度信号処理ICの分野で、システム ・アーキテクト、技術統括、管理業務を担当してきまし ez.analog.com にアクセス た。その間に5件の特許を取得しています。「MEMS: Fundamental Technology and Applications」(MEMS :その基礎技術とアプリケーション)という書籍の編集 *英語版ソート・リーダーシップ記事はこちらよりご覧いた を担当したこともあります。また、専門誌やカンファレ だけます。 ンスの論文集に複数の論文が採用されています。カリフ ォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)で理学修士号を 取得しています。 本    社 〒105-6891 東京都港区海岸1-16-1 ニューピア竹芝サウスタワービル10F 大阪営業所 〒532-0003 大阪府大阪市淀川区宮原3-5-36 新大阪トラストタワー10F 名古屋営業所 〒451-6040 愛知県名古屋市西区牛島町6-1 名古屋ルーセントタワー38F ©2018 Analog Devices, Inc. All rights reserved. 本紙記載の商標および登録商標は、 各社の所有に属します。 Ahead of What’s Possible は アナログ・デバイセズの商標です。 www.analog.com/jp T20954-0-11/18