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多様な電圧と電流を要するLEDヘッドライトのクラスタに適用!LEDドライバ用の昇降圧コントローラ「LT8391A」

製品カタログ

LEDヘッドライトの全体を駆動可能な2MHz動作の昇降圧コントローラ、CISPR25クラス5で定められたEMIの要件をクリア

EMI性能に優れる4スイッチのアーキテクチャの採用、SSFMのサポートなどにより、CISPR25クラス5で定められたEMIの要件を満たすように設計されています。
スイッチング周波数が高く、AMバンドよりも上の領域で動作するので、EMIフィルタをほとんど必要としません。
小型で多機能であることから、多様な電圧と電流を要するLEDヘッドライトのクラスタに適用することが可能です。
・60Vの入出力電圧
・2MHzのスイッチング周波数に対応
・車載ヘッドライトのクラスタに対する給電に使用可能

このカタログについて

ドキュメント名 多様な電圧と電流を要するLEDヘッドライトのクラスタに適用!LEDドライバ用の昇降圧コントローラ「LT8391A」
ドキュメント種別 製品カタログ
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取り扱い企業 アナログ・デバイセズ株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

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LEDヘッドライトの全体を駆動可能な2MHz動作の 昇降圧コントローラ、CISPR 25クラス5で 定められたEMIの要件をクリア 著者:Keith Szolusha Share on 自動車は、ヘッドライトとしてハイ・ビームやロー・ビー 高周波の信号がEMIに加わるからです。EMIに関する評 ム、昼間走行灯を備えています。昨今の自動車の場合、こ 価を実施し、問題を緩和するには、非常に複雑な作業が れらに加えて方向指示灯やクリアランス・ライトが1つの 必要になります。 LEDヘッドライト・クラスタ(以下、クラスタ)として 各自動車メーカーは、車種ごとに工夫を凝らし、LEDに まとめられていることも少なくありません。電圧や電流 関して多様な電圧/電流の仕様を採用している可能性が の要件、トポロジー、電力のレベル、独自の調光機能な LED あります。ただ、電力の合計が30Wというのはどの車種ど、クラスタを構成する各 ストリングを駆動するた でも共通です。このことを念頭に置いて、クラスタ内の めの要件は、それぞれ大きく異なる場合があります。通 全LEDストリングに必要な電力/機能の要件を満たすド 常、そうした多様な要件を満たすには、それぞれに専用 ライバを探せば、複数の候補が見つかりそうにも思えま のドライバを用意する必要があります。ただ、複数のド ライバを使用する方法では、BOM す。しかし、実際にはそれほどたくさんの候補が見つか(部品リスト)や製造 方法が複雑になってしまいます。それだけでなく、EMI ることはありません。そのような条件を満たすドライバ( は、比較的広い範囲の電圧をバッテリから受け取り、昇 電磁妨害)の規格を満たすのが難しくなる可能性もあり 降圧トポロジーによって様々なストリング電圧を生成す ます。ドライバを1つ追加するごとに、使用されている る必要があります。 入力EMIフィルタ R1 L1 FB1 6mΩ 2.2µHM1 M4 VIN 6V~40V(連続) 4V~60V(トランジェント) 47µF 100V 22µF63V 0.1µF 0.1µF SW1 LSP LSN SW2 ×2 10µF 47µF BST1 BST2 25V 100V D1 D2 ×2 ×2 + 0.1µF + 0.1µF µ INTV CC INTV0.1 F CC ×2 ×2 10Ω M2 BG1 BG2 M3 D5 GND 5.1Ω 10Ω TG1 LT8391A TG2 5.1Ω D4 VOUT 1µF VIN 1MΩ 1µF 54.9kΩ 383kΩ FB EN/UVLO がオフ ISPSSFM 165kΩ SYNC/SPRD 56mΩ SSFMがオン INTV CC ISN INTV CC 4.7µF PWMTG M5 100kΩ D3 PWM PWM Dim FAULT FAULT Analog Dim CTRL1 出力EMI FB2 フィルタ 100kΩ VREF 90.9kΩ 0.47µF L1:XAL5030-222MEB(Coilcraft®) 0.1µF M1、M2:BUK9M42(Nexperia) 内部のPWMCTRL2 RP M3、M4:IPZ40N04S5L-7R4(Inneon Technologies) 16V M5:PMV50EPEA(Nexperia) 113kΩ SS VC RT 300kΩ 1.5A D1、D2:BAT46WJ(Nexperia) 488Hz LED D3:PMEG3010EB(Nexperia) D4、D5:PMEG2010AEB( 4.7kΩNexperia) 59.0kΩ FB1:MPZ2012S221ATD25(TDK)を2個並列 22nF 2 MHz FB2:MPZ2012S102ATD25(TDK)を2個並列 3.3nF R1:KRL3216D-C-R006-F(進工業) 図1 . LT 8 3 9 1 Aを使用して構成した車載用のL E Dドライバ。2 M H zのスイッチング周波数、 16 V/ 1 . 5 Aの出力でL E Dを駆動できます。C I S P R 2 5クラス 5に定められたE M Iの要件を満たします。 Analog Dialogue 52-05 1
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また、クラスタの限られたスペース内に容易に収められ 100 るように、小型かつ多機能であることも求められます。 95 加えて、研究/開発の負荷を最小限に抑えつつ、金属シ 90 ールドを備える高価なEMIケースを使わなくても済むよ うにするためには、EMIがほとんど発生しないことも条 85 件になります。その上で、効率も高くなければなりませ 80 ん。「LT8391A」は、スイッチング周波数が2MHzの昇 75 降圧コントローラです。Power by Linear TMシリーズの同 70 ICは、上記のすべての要件を満たすという点で他とは一 線を画します。コントローラとしては同 I Cを1つ使用す 65 るだけで、クラスタの全体を駆動することができます。 60 55 フィルタなし 2MHz動作でEMI フィルタあり性能に優れる同期整流式の 50 コントローラ 0 10 20 30 40 50 60 VIN (V) LT8391Aは、2MHzのスイッチング周波数によってLED 図 2 . 図1に示した16 V/ 1 . 5 A出力のL E Dドライバで得られる の電流調整を行う昇降圧コントローラです。このような 効率。LT 8 3 9 1 A用の評価ボード「D C 2 5 7 5 A」を使用し、 製品は業界初です。スイッチング周波数が非常に高いた 1 オプションのE M I 部品を使用する場合と め、 つの小型インダクタによって、大電力を要するLED アプリケーションに対応することができます。また、ソ 使用しない場合の効率を測定しました。 リューション全体としてのサイズも小さく抑えられま す。LT8391Aは、外付けのパワー・スイッチと組み合わ LT8391Aは、最新のPWM調光機能と、LEDのオープン故 せて使用するので、10Aといった非常に大きなピーク電 障を検出するフォルト保護機能を搭載しています。同 IC 流にも対応できます。このような大きなピーク電流が生 は、9V~16Vの車載バッテリや18V~32Vのトラック用 じると、パワー・スイッチを内蔵するタイプのコンバー バッテリなど、必ずしも入力電圧範囲内にあるとは限ら タ ICでは、熱の問題から通常の小型パッケージを使用で ない電圧によって、LEDストリングに流れる電流量を調 きません。それに対し、LT8391Aを使えば、3mm × 3mm 整します。最小4 .0Vというコールド・クランク時の入力 のMOSFETを外付けして同期整流方式の昇降圧コンバー 電圧でも動作しますし、最大60Vの入力トランジェントに タを構成できます。これであれば、モノリシック型のコ 耐えることも可能です。PWM調光比は、周波数が120Hz ンバータ ICを使う場合よりも、はるかに大きな電力を供 の場合で最大2000:1となります。また、PWM調光用のク 給することが可能です。MOSFETは、ホットループ・コ ロック・ジェネレータを内蔵しているので、PWM用のク ンデンサと共に、密に実装することができます。それに ロックを外部から供給することなく、最大128:1の正確な よって、EMIを非常に小さく抑えられます。独自のピー 調光比を実現することも可能です。 ク・スイッチ電流検出アンプ・アーキテクチャも、EMIの 車載向けのEMI規格CISPR 25への対応 低減に貢献します。このアーキテクチャでは、検出抵抗を パワー・インダクタの隣、つまり重要な入力と出力のホッ LT8391Aを使用して構成した図1のLEDドライバは、車載 トループの外側に配置します。加えて、オプションで提供 ヘッドライト用に設計されたものです。AEC-Q100に準拠 されているスペクトラム拡散周波数変調(SSFM:Spread する部品を使用することで、CISPR 25クラス5の放射EMI Spectrum Frequency Modulat ion)機能を使用すれば、コ 規格に適合させることができます。SSFMを使えば、EMI ントローラのEMIをさらに抑えることが可能です。 を抑えつつ、フリッカを抑えるPWM調光を実現すること が可能です。小さなインダクタと、特に小さな入力/出力 図1に示したのは、LT8391Aを使用して構成した昇降圧型 用EMIフィルタを採用することによって、小型化を図って のLEDドライバの回路図です。EMIフィルタとゲート抵 います。スイッチング周波数が2MHzなので、大きなLC 抗を備えるこの回路により、16V/1.5A(24W)の出力で フィルタは必要ありません。小さなフェライト・ビーズ LEDを駆動することができます。その効率は、図2に示す だけで、周波数の高いEMIを低減することができます。 ように93%に達します。オプションのEMI対策部品を取り 除けば、効率はさらに1%~2%向上します。3mm × 3mm 大きな電力を扱うコンバータにおいて、車載EMIの要件を の小型MOSFETと大電力に対応可能な1つのインダクタに 満たすのは容易なことではありません。大きなプリント より、このドライバの温度上昇は、24W出力の場合でも低 回路基板上で、大容量のコンデンサの隣に、大電力を扱 く抑えられます。入力電圧が12Vの場合、どの部品も室温 うスイッチとインダクタが配置されることがあります。 より25℃以上高くなることはありません。入力電圧が6V そのようなケースで、特に大きな検出抵抗が使用される で、標準的な4層プリント回路基板を使用し、ヒート・シ と、望ましくないホットループが形成される可能性があ ンクやエアフローも使わない状態を考えます。その場合、 ります。LT8391Aは、独自の昇降圧アーキテクチャによ 最も温度が高くなる部品でも、50℃以上上昇することは ってEMIの削減を達成します。そのアーキテクチャは、 ありません。4 .3Vまで低下する入力トランジェントが生 昇圧/降圧用の両スイッチ・ペアで形成されるホットル じたり、入力が長時間低下してアナログ調光やP W M調 ープから検出抵抗を取り除いた構造を成します。 光により負荷電流が減少したりしたとしても、24W出力 という最大負荷の条件で動作し続けます。8A~10Aに対 応する検出抵抗によって、入力電圧V INが低いときでも、 このような大きな電力が得られるようになっています。 2 Analog Dialogue 52-05 効率〔%〕
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図3と図4は、図1に示したLEDドライバ回路のEMIを測定 よりも高い電圧で電流量の少ないDRLを駆動することも した結果です。2MHzのスイッチング周波数と24Wの大出 できます。図6aは、ロー・ビーム用のLEDストリングか 力という条件下でも、この回路はCISPR 25クラス5の放 ら、ハイ・ビーム用のLEDストリングへと駆動対象を切 射/伝導E M Iの要件を満たします。クラス5は最も厳し り替えた際の電圧/電流波形を示したものです。ご覧の い要件ですが、ほとんどの車載EMIテストで目標として ように、出力電圧やLED電流にスパイクは生じていませ 使用されます。クラス5の要件を満たせないドライバ回路 ん。LT8 3 9 1 Aは、昇圧、4つのスイッチによる昇降圧、 は、基本的に車載回路では使用できません。使用する場合 降圧の動作領域の間をスムーズに遷移します。一般的に は、大きな金属製のEMIシールドで覆う必要があります。 は、LEDの駆動部にスパイクを生じさせることなく、少 仮にシールドの大きさが問題にならなかったとしても、 数のLEDから多数のLEDへと対象を切り替えるのは容易 それを追加することで間違いなくコストは増加します。 なことではありません。図5に示したマルチビーム対応 のドライバ回路であれば、それを易々とやってのけると マルチビームに対応する昇降圧ドライバ いうことです。ハイ・ビーム用のストリングからロー・ ビーム用のストリングに切り替える場合も非常にきれい LEDヘッドライトのクラスタには、革新的かつ芸術的な に遷移します。図6bに示すように、LEDの駆動部にスパ 工夫が凝らされているケースがあります。例えば、ハイ・ イクが生じることはありません。 ビームとロー・ビームに、しゃれた昼間走行灯(DRL) が統合されているといった具合です。DRLは、ハイ・ビ DRL用ストリングとの間の切り替えについても同じこと ームとロー・ビームが消灯しているときにしか使われま が言えます。図6cは、ロー・ビームを消灯し、DRLが出 せん。そのため、1つのL E Dドライバによって、ハイ・ 力コンデンサにスムーズに接続される様子を表していま ビーム、ロー・ビーム、DRLのうちいずれかを駆動でき す。L E Dの電流は、何の問題もなく 1 A(ハイ・ビーム ることになります。ただし、このような実装が行えるの とロー・ビーム)から700mA(8個のLEDで構成される は、LEDドライバの入力‐出力比を柔軟に変更できて、 DRL)に推移しています。それら以外に、装飾用あるい 入力‐出力間で昇圧と降圧の両方に対応できる場合だけ は方向指示用のLEDを追加したり、DRLを方向指示灯と です。昇降圧型のドライバであれば、このような要件を して点滅させたりすることも可能です。図6dの測定結果 満たすことが可能です。 は、P W M調光用の内蔵ジェネレータに対して設定を行 い、D R Lに対するP W M調光を施した後、周囲が暗くな 図5に示したのは、LT8391Aを使用して構成したマルチ ったところでロー・ビームにスムーズに切り替えるとい ビーム対応の昇降圧型LEDドライバの回路図です。この う動作に対応したものです。 回路により、L E Dストリングを 3 V~ 3 4 Vの範囲で駆動 することができます。ロー・ビーム用のストリングを駆 車載環境では、短絡/断線故障に対する堅牢なソリュー 動することもできますし、ハイ・ビーム用のストリング ションが求められます。図5に示したマルチビーム対応 を駆動(ロー・ビーム用のストリングと共に、ハイ・ビ のドライバは、短絡や断線といった問題が生じた際、そ ーム専用の追加のストリングを同時に駆動)することも れらを安全に処理します。また、問題が生じたことはフ 可能です。また、動作モードを切り替えることで、それ ォルト・フラグによって通知します。 60 50 CISPR 25 クラス5の上限値(FM) 50 40 CISPR 25 クラス5の上限値(AM) 40 30 30 20 20 10 ノイズ・フロア 10 0 ノイズ・フロア VIN = 12V, VLED = 16V, 1.5A VIN = 12V, VLED = 16V, 1.5A 0 –10 150kHz 30MHz 30MHz 1GHz 周波数 周波数 50 50 40 40 30 30 CISPR 25 CISPR 25 クラス5の上限値(AM) クラス5の上限値(FM) 20 20 10 10 0 0 ノイズ・フロア ノイズ・フロア VIN = 12V, VLED = 16V, 1.5A VIN = 12V, VLED = 16V, 1.5A –10 –10 150kHz 30MHz 30MHz 1GHz 周波数 周波数 図3. DC2575A(LT8391A用の評価ボード)による評価結果。 CISPR 25クラス5で定められた車載放射EM Iの要件を満たしています。 Analog Dialogue 52-05 3 放射EMIの平均〔dBμV/m) 放射EMIのピーク〔dBμV/m〕 放射EMIの平均〔dBμV/m) 放射EMIのピーク〔dBμV/m〕
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90 90 VIN = 12V, VLED = 16V, 1.5A VIN = 12V, VLED = 16V, 1.5A 80 80 70 70 CISPR 25 クラス5の上限値(AM) 60 60 50 50 CISPR 25 クラス5の上限値(AM) 40 40 30 30 20 20 10 10 0 0 ノイズ・フロア ノイズ・フロア –10 –10 150kHz 30MHz 150kHz 30MHz 周波数 周波数 図 4 . D C 2 5 7 5 A(LT 8 3 9 1 A用の評価ボード)による評価結果。 C I S P R 2 5クラス 5で定められた車載伝導 E M Iの要件を満たしています。 510Ω M11 Drain 入力EMIフィルタ R1 L1 FBIN 6mΩ 3.3µHM1 M4VIN 9V~18V(連続) + 5V~40V(トランジェント) 4.7µF 0.1µF 0.1µF 4.7µF 0.1µF 22µF 50V SW1 LSP LSN SW2 50V63V ×2 D3 D4 ×2 + INTV BST1 BST2 INTV + 0.1µ CC CCF 0.1µF ×2 10Ω ×2 M2 BG1 BG2 M3 5.1Ω D1 5.1Ω D2 TG1 TG2 10Ω V VOUTIN 1µF 499kΩ 1µF 1MΩ 28.0kΩ EN/UVLO LT8391A FB Disable M8 162kΩ ISP 100mΩ Analog Dim CTRL1 ISN 100kΩ VREF PWMTG D5 0.47µF SYNC/SPRD 100kΩ 出力EMI INTV CC フィルタ FB OUT CTRL2 4.7µF 100kΩ 90.9kΩ RT 0.1µF 59.0kΩ FAULT FAULT DRL Set M9 2MHz 100kΩ GND PWM VREF SS VC RP 124kΩ ロー・ 4.7kΩ M10 10% PWM 301kΩ ビーム22nF 488MHz Select 1 A3.3nF 22nF DRL用の 8つのLED 5.1kΩ 700mA D1、D2:PMEG2010AEB(Nexperia) HIGH BEAM M7 D3、D4:BAT46WJ(Nexperia) 100kΩ ハイ・ D5:PMEG4010CEJ(Nexperia) ビーム FB 1 AIN:MPZ2012S221ATD25(TDK)を2個並列 FBOUT:MPZ2012S102ATD(TDK) L1:XEL4030-332ME(Coilcraft) M1:IPZ40N04S5L-7R4(Inneon Technologies) M8~M11:2N7002(Diodes) HI/LO M6 DRL M5 RS1:KRL3216(進工業)、6 mΩ 図 5 . LT 8 3 9 1 Aを使用して構成したマルチビーム対応のドライバ。 この回路1つで、ロー・ビーム、ハイ・ビーム、D R Lに対応可能です。 4 Analog Dialogue 52-05 伝導EMIのピーク〔dBμV〕 伝導EMIの平均〔dBμV〕
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省面積に貢献するFE/QFNパッケージ このL D Oは、約 1 5 n Cのゲート電荷に対応し、 4つの同 LT8391Aのパッケージは、小型化の要件を満たす4mm × 期M O S F E Tを 2 M H zで駆動することができます。図 7は 5mmの28ピンQFN、または車載設計向けの28ピンTSSOP D C 2 5 7 5 Aの外観であり、T S S O P F E版のLT 8 3 9 1 Aを使 F Eです。いずれのパッケージも、熱の問題に対応する 用した場合に、どれだけの小型化を実現できるのかを ためのグラウンド・パッドを備えています。それによ 把握することができます。この回路により、2MHzのス り、 5 V出力のL D O(低ドロップアウト)レギュレータ イッチング周波数で 1 6 V / 1 . 5 Aを出力することができま ( INTV )による発熱に対応します。 す。5mm × 5mmのインダクタを1つ使用するだけで、こCC のような大電力/多機能のアプリケーションに対応する ことが可能です。 ロー・ビームのILED ロー・ビームのILED 1A/Div 1A/Div ハイ・ビームのILED 1A/Div ハイ・ビームのILED 1A/Div VOUT 10V/Div VOUT 10V/Div ハイ・ビーム 10V/Div ハイ・ビーム 10V/Div 1ms/Div 1ms/Div a. ロー・ビームからハイ・ビームへの切り替え b. ハイ・ビームからロー・ビームへの切り替え ロー・ビームのILED 1A/Div ロー・ビームのILED 1A/Div DRLのILED DRLのILED 1A/Div 1A/Div VOUT VOUT 10V/Div 10V/Div Drain Drain 10V/Div Disable 10V/Div Disable PWM PWM Select Select 2ms/Div 2ms/Div c. ロー・ビームからDRLへの切り替え d. 10%のPWM制御を行っているDRLからロー・ビームへの切り替え 図 6 . 図 5の回路の信号波形。ハイ・ビーム、ロー・ビーム、D R Lの間でスムーズな切り替えが実現できています。 まとめ LT 8 3 9 1 Aは、L E Dドライバ用の昇降圧コントローラで す。6 0 Vの入出力電圧、2 M H zのスイッチング周波数に 対応しており、車載ヘッドライトのクラスタに対する給 電に使用できます。E M I性能に優れる4スイッチのアー キテクチャの採用、SSFMのサポートなどにより、CISPR 25クラス5で定められたEMIの要件を満たすように設計さ れています。スイッチング周波数が高く、AMバンドより も上の領域で動作するので、EMIフィルタをほとんど必 要としません。小型で多機能であることから、多様な電 圧と電流を要するLEDヘッドライトのクラスタに適用す ることが可能です。 図 7. D C 2 5 7 5 Aの外観。LT 8 3 9 1 Aを使用すれば、このような 小型の基板により、2 M H zのスイッチング周波数、 16 V/ 1 . 5 Aの出力でL E Dを駆動することができます。 Analog Dialogue 52-05 5
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PWM:1.01V = 1/128の内部PWM調光 1/2000の外部PWM調光 スケール:1V~2V(0%~100%) PWM周波数:100Hz 内部PWM周波数:488Hz PWM PWM 1V/Div 5V/Div VIN = 12V VIN = 12V VLED = 16V VLED = 16V ILED = 1.5A ILED = 1.5A I SSFMはオン SSFMはオンLED ILED 1A/Div 1A/Div ∞ Persist On ∞ Persist On 5µs/Div 2µs/Div 図 8 . 内部/外部 P W M調光機能の適用結果(それぞれ1%と0 . 0 5 %の調光を実施) 表1. 高電圧/高効率の同期整流式昇降圧コントローラ。車載アプリケーションの給電に 最適なソリューションです。 LT8390 LT8390A LT8391 LT8391A 電圧レギュレータ x x x LEDドライバ x x 60Vまでの車載入力/ x x 150kHz~650kHz 出力範囲 x スイッチング周波数 150kHz~650kHz 600kHz~2MHz x 600kHz~2MHz EMIの低減に向けて最適化 されたホットループ・レイ x x x x アウト EMIの低減に向けたSSFM x x 450W+ x 出力電力 450W+ 50W+ 4mm × 5mm、28ピン QFN 28 TSSOP FE 50W+、 ピン 4mm × 5mm、28ピン 4mm × 5mm、28ピン 4mm × 5mm、28ピン パッケージ QFN、28ピンTSSOP FE QFN、28ピンTSSOP FE QFN、28ピンTSSOP FE Keith Szolusha Kei th Szolusha(kei th . szo lusha@analog .com )は、アナログ・デバイセ ズ(Linear Technologyから転籍)のLEDドライバ・アプリケーション・ マネージャとしてカリフォルニア州ミルピタスで業務に従事しています。 マサチューセッツ州ケンブリッジにあるマサチューセッツ工科大学で技 術論文の執筆に集中し、1997年に電気工学の学士号、1998年に同修士号 を取得しました。 6 Analog Dialogue 52-05