設計・製造現場 の
技術者150名に聞きました!
技術者教育や技術伝承 の
お悩み
は じ め に
日本の製造業では、今後の少子高齢化の加速に伴う生産人口減少により
懸念される人材不足への対応が課題になっています。また、属人的になり
がちな日本のものづくり技術においては、ベテラン世代の技術継承を
どうしていくかも悩ましいです。
今回の調査では、技術継承について「うまくいっている」という回答は
ほとんどなく、非常にたくさんのお悩みの声が聞こえてきました。
製造業ではデジタル化や自動化が加速しており、技術伝承に関するIT
ツールもいろいろ出てきてはいます。しかし、多くの企業が、それを使
用する以前の問題を抱えていることが、この調査から見えてきました。
日本のものづくりの将来、一体どうなってしまうのでしょう……。もっと
本腰を入れて、さらに真剣に考え、具体的に取り組んでいかなければ
ならない時が今なのではないかと思います。
目 次
実態調査:アンケート結果
・回答者のプロフィール……………………………………………03
・離れた世代との価値観や考え方のギャップ……………………05
・下の世代への不満/上の世代への不満…………………………05
・社内の技術者教育の課題…………………………………………08
・社内の技術者教育のナレッジ、デジタル化……………………11
・技術伝承がうまくいかない理由…………………………………12
・技術伝承がうまくいく秘訣………………………………………13
実態調査:技術者インタビュー
・「若手が、分からないことを聞いてきてくれない」
Aさん/50代 職業:生産技術 約30年…………………………16
・「若手でもない、ベテランでもない。間世代の苦悩」
Bさん/30代 職業:生産技術 約10年…………………………17
・「経営と現場が、もっとコミュニケーションを図るべきか」
Cさん/30代 職業:生産管理 約 5 年…………………………18
概 要
調査時期:2022年3月8日~3月16日
対象者:設計技術者、生産技術・管理、品質管理・保証など製造業技術者の方
回答数:202
有効回答数:159
02
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アペルザ様_wp㉓_03[アンケート]
回答者のプロフィール 製造業における技術者教育、および技術伝承などについて、生産技術、
生産管理、品質管理・保証、設計などの従事者157人の方にお尋ねしました。
Q 所属する企業の業態を 建設業 1% その他 20%
教えてください。 産業機械
金属熱処理・金属表面処理・塗布加工業 1% 22%
食品 2%
電子部品・デバイス・
情報通信機器 2% 電子回路
18%
化粧品 3%
医療機器・器具 4% 自動車・航空・
船舶など輸送機器
医薬品 4% 12%
家電、事務機器 4% 部品加工・生産 7%
Q 所属する企業の
従業員数を教えてください。
1~9人 9
10~19人 4
20~49人 11
50~99人 19
100~299人 28
300~499人 11
500~999人 23
1,000~2,999人 16
3,000~4,999人 6
5,000~9,999人 14
10,000~19,999人 4
20,000人以上 12
0 5 10 15 20 25 30
Q あなたの職種を 設計評価 あなたの職場では何を
教えてください 1% 製造技術 Q 製造していますか?
技術管理 1% 1%
回答の一部を紹介します。
2 研究開発
経営 % 22%
3% 主 な 製 造 物
生産管理
● 自動車関係や航空関係 ● 電子部品や半導体 ● 化学品
製造 5% ● 産業機械 ● 計測器 ● 医療機器 ● 加工設備 ● 治工具
生産 ● 金属部品 ●ヒートセラミック ●オゾン発生片 ●ラベル
保守/ 技術
メンテナンス ● リボン ● ハンドラベラー ● プリンタ
8 21% ●
% プラスチックダンボール ● 煎餅 ● レトルト食
……など、さまざまな製品が挙がりました。
品質管理/ 電機/
品質保証 制御設計
11 機械設計
% 13% 13%
03
Page4
アペルザ様_wp㉓_04[アンケート]
Q あなたの 70代~1% 10代 1%
年代
20代
7割以上の方が
40歳以上でした。 60代 4%
21%
30代
18%
50代
32 40代
% 24%
Q あなたの職場で 70代~ 20代
最も多い年齢層 2% 6%
60代
2% 30代
29%
50代
21% 40代
39%
Q 何歳までが「若手」 年齢では定義できない 6% 20代前半まで 3%
だと思いますか?
40代後半まで
そもそも「若手」とはよく言いますが、
具体的には何歳くらいまでの方を 1%
指すのか。おおよそ30代くらいまで 20代後半まで
が若手と考えている方が多い結果と
なりました。 40代前半まで 29%
5%
30代後半まで 30代前半まで
13% 43%
Q 何歳からがベテランだと 年齢では 20代後半から1%
思いますか? 定義できない 13%
「若手」と同様に「ベテラン」も年代で定義
できるものなのでしょうか。 60代から 30代から
今回の回答では、「40代から」が過半数と
なりました。40~50代から、ぼちぼちベテ 1% 16%
ランと言われる感じのようです。
50代から
18% 40代から
51%
04
Page5
アペルザ様_wp㉓_05[アンケート]
年代別で比べてみましょう
Q 自分と年の離れた世代に対して、仕事に関する価値観や考え方のギャップを感じますか?
どの年代でも「ある」「少しある」が大半を占めていました。
60歳以上になると「全くない」と答えている方が少しだけいました。
20代、30代 40代、50代 60代~ 全くない
あまりない あまりない あまりない 3%
6% 11% 3%
少しある ある 少しある ある 少しある ある
37% 57% 46% 43% 35% 59%
Q 自分よりも年が下の代について不満はありますか?
「少しある」という回答が最も多いのですが、「ある」と断言する回答はその半分くらいという結果でした。
40歳以上、60歳未満に少しだけ「全くない」と回答した方も。
20代、30代 40代、50代 ある 60代~
ある ある
あまり あまり
ない 23 全くない
% 19%
5% ない 21%
26% 32%
あまり
少しある ない 少しある 少しある
51% 37% 39% 47%
Q 自分よりも年が上の代について不満はありますか?
直前の「下の代」について尋ねた質問より年代別のコントラストが出ました。
20代から40代の方は「ある」と答えた方が最も多く、40代以降、60代以降と年齢が上がるごとに「ある」が減って
「あまりない」が増えるという結果に。若い世代ほど、上の世代への不満が多いように感じられる結果でした。
20代、30代 40代、50代 60代~ ある
あまりない ある 全くない
20 全くない 18%
% 2 32% 15%
%
あまり 少し あまり 少し
少しある ある ない ある ない ある
37% 43% 38% 28% 41% 26%
05
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アペルザ様_wp㉓_06[アンケート]
年代別で比べてみましょう
Q 異なった世代への不満やギャップについて、詳しく教えてください。
もう少し細かく年代を分けて、フリーコメントを紹介します。
上の世代になるほど、熱のこもった長文コメントが見られ、下の世代への不満が
爆発していると思われる発言が多いです。
20代前後から40代までの層では、仕事とプライベートの切り分けや価値観の違い、デジタルやITのリテラシー
の差について指摘する声が目立ちます。そのうち、30代は、若手とベテランのはざまにいる方々だと思いますが、
年下、年上の両方への言及がちらほらあります。
10代
● 教育などを行う時間をとることで生産能率が低下するため、教育、指導者育成の両面でなかなか十分な時間を確保できていない
20代
● 仕事に対する向き合い方、熱量の違いがある ● ベテランは、若手がベテランと同じ仕事を同じスピードでできると考えているように感じる
●慣例を信じ、理論や法律に則っていない部分が見られる ●定時時間外に重要でない仕事の連絡 ●仕事への取り組み方にムラがある
● 年配はリモートワークについていけていない
30代
● 考え方が時流に合わせてアップデートされていない ●仕事のやり方や意識の違いにストレスを感じることがある
● 若い世代は焦るということが全くない ●世代間で働く目的が違うこと ● 若い世代がドライ、ベテラン世代がウェット。自分が中堅なのでバランスが難しい
●仕事一つとっても言われたことだけを優しく言わないとできない若手、厳しく言い寄るやり過ぎなベテランと歩み寄って、ちょうどいいところを見つけて欲しい
● 新規技術への導入の認識が異なる ● 若年層の仕事に対する意識の差 ●仕事に対しての姿勢、なんとなくやれば良いという意識
● 指示が適当過ぎて、指示する内容が分かっていない ●仕事への価値観が合わない
● 若い世代で多いと思うのは、物事に興味がない。指示待ちの範囲は超えない。年上の世代で多いと思うのは、新しいことを取り入れるのをあまり好
まない(保守的)、昔はこうだった、今の若いものは……と言っている
●上の代の方は残業や休日出勤ありきの考え方が強く、下の代の子たちは自分から行動する力が弱く感じる ● 残業が当たり前
● ITに頼ることが前提の若手と、ITを信用しないベテランにギャップを感じる ●仕事の方法や考え方が違う
● 若い世代は例え間違っていても、自分が正しいと思ったことを納得するまで引き下がらない傾向があり、上の世代は自分の考えを推し進めようとする傾向がある
● 考え方の違い ●働き方の考え方が仕事中心から家庭中心に変わりつつある
●上の世代は、仕事第一で家庭は二の次。下の世代は、プライベート第一で仕事は二の次
● お互いのギャップを埋められるだけのものもなく、意見は永遠に平行線
●上の年代ではデジタル化推進が難しい。下の年代はネット中心で直接のコミュニケーションが不足する
● 年配の方は頭が固い印象があります。最新技術や新しい発想に嫌悪感を持っている方が多い
●仕事の割り振り、タスク管理、残業についての考え方の違いです ●能力差
● 高齢層に関しては、終わり(定年)がちらつき始めている方はモチベーション・探求心がなく、若年層に関しては就業時間内で得る知識・経験だけで
なんとかしようとするドライな印象を受ける
40代
● 仕事に対するモチベーション ●仕事への積極性にかける ●仕事に対する姿勢や考え方 ● 考えが浅い。安易な対応をしようとする
● 物の考え方、視点、思考に関するギャップを感じる。年が上の者は経験にとらわれ柔軟性がなく、年が下の者は言われたことはやれるが応用力が
乏しい。長所・短所と分けるのではなく、年代によるギャップをいかに受け入れる柔軟性を自らが持てるかも日々の課題になってくると思います
●価値観の違い 休出や残業 自己啓発など ●上の世代は現状の踏襲をしたがる ● 年上の年代は昔的な考え方で現状の対応で通じないケースがある
●世代を問わず、考えるよりも答えのみを知りたがる人がいる。その場合、臨機応変に動くことができず、状況が少し違うだけで思考停止してしまう
●作業の速さ ●作業スピードの違い ●大きな隔たりはないものの業務に対するフィードバックや報告がなくコミュニケーションにかける
●当然ですが、生きてきた時代が違うので考え方のギャップを感じます
●下の世代に対して……わからないことを聞かない。探求しようとしない。上の世代に対して……経験値のみで対応し現状をよく見ないなかで判断する
● 環境が違うので考え方が違う ●何事も最小限の労力でやろうとするため、他にしわ寄せが発生している
●仕事に対する考え方、ジェンダーへの理解度、プライベートと仕事のバランス、同僚との付き合いなど、世代間での考え方の違いが大きい
●価値観の押し付け、時代が変わったことに気が付いていないように見える ●仕事への向き相方の違い、お金や地位への欲の差
● 年齢に関係なく、言われたことしかできない人が増えている。自分で考える意識が薄いと感じることがある
● 期限までに何が何でも達成させるという、意気込みみたいなものが感じられない
●遅れてもしょうがないといった雰囲気がある。また、自分で調べて何とかするということもあまり感じられない。大して自分で考えずに、やり方を求めている
●上の代は古い考え方に固執して、下の代の意見を受け入れないことがある。また上の代は指導という名のパワハラが当たり前
●上司の指示は絶対という考え方 ●失敗時の重さの違い ● 50代以上の短絡的な意思決定、20代以下の基礎学力の低下
●世代が上の層はバブルの恩恵を受けてきたからか無責任。世代が下の層は学ぶことを放棄している
● 無能なのに年齢が上というだけで出世している世代(人)がおかしい ●仕事に向ける姿勢や考え方。特にこうすべきとか常識的にとか普通とかいう発言が多い
●世代ではなく、経験した業務などにも影響されるので、年齢でのギャップは感じない ● 若くてもさまざまな経験をしていれば、特に違和感や未熟さは感じない
● 年齢が高くても、同じ場所、職場で同じ仕事をし続けていれば、視野が狭く、保身に走るので違和感を感じる
● 技術者は、才能、学問、経験の積み重ねとそれらのバランスが必要なので、年齢による判断はできない ●言ったことしかやらない
● 若い世代へは、仕事への思い、自分の将来を描けていない ● 若い世代は勉強を業務と捉えているようですが、自主的に広い分野を学習してほしいところです
● 若い世代は経験値も少ないせいか受け身な姿勢の人が多い気がします
● 下はもう少し自身で調べたり経験して成長に繋げてほしい。上は定年までもてばいい意識をやめて将来に残る基盤づくりや体制づくりに注力し
てほしいが、実務はリタイアしてたりブランクもあるので、思いついて実践することが迷惑なものも多い。エンパワメントを意識して申請や予算
獲得等の管理職しかできないことで貢献してほしい
06
Page7
アペルザ様_wp㉓_07[アンケート]
年代別で比べてみましょう
50代
● 技術レベルのギャップの違い ●仕事に対する思いが違う ●自分でつかみ取ることをしないような気がします
●価値観の相違によるものであり、さまざまな内容に波及する ●仕事に対する取り組み方が人任せに感じる
●手順書を読むとかほかの人のやり方を見てまねるなど、やり方を自ら学ぼうとしないので、1から10まですべて教えないといけない
● 「氏より育ち」背景から、考え方の相違は当然のごとく、経験が少ないため、技術ノウハウがないので、技術、ノウハウの伝承が必要である
●仕事への取り組み方や考え方に、世代ごとに差があり、特に若手は責任感がない
●下に対してはスキルアップを自分自身で自発的にしない。上に関しては専門職であるために経営学に長けていない
● 若い世代は、忍耐力がなく、何かあるとすぐに辞めていく人が多い ● よく言われることだが、危険に対する認識が甘いというより経験がないから分からない
● 下の代について、もっとベテラン社員を頼ってほしいという気持ちがあります。特に若手社員に関しては、経験やトラブル対処法に関して大きく差
があるため、ベテラン社員の経験や知識をもっと得てほしいと考えています。また、ベテラン社員としてその責任も感じています
●自分で調べずに、聞いて物事を進めるので、裏付け無しの知識になる ●自ら知る姿勢が少ない(教えられることが前提)
●年下は仕事に対する関心度が低い ●仕事への価値観の違い、納期に対する意識が薄い ●昭和的な威圧する指導は古い
●敬語の使い方や簡単な漢字のミス ●トピック、嗜好が合わない ●感性の違い ●現状維持意識が年上には多い ●打たれ弱い
●普段話す内容が異なる ●力ずくで物事を進めようと企てる ●常識のたぐい ●パワハラが含まれる ●気になるギャップはない
●失敗を恐れて新しい試みに対して常に否定的である ●仕事に対する態度
●業務に直接関係するもの意義に興味が無く、また、自ら技術や知識を積極的に得ようとする意識が希薄
●個人差は大いにありますが、若い世代へは、とにかく勉強しない。上の世代には、とにかくずるがしこい
●正論が全てでないが、言いたいことは十分理解できる ●会社役員などに考え方の異なる場合があり、方向性が定められない場合あり
●極端ではないものの、課題に対する深堀(探求心)が弱い ●決められた方法を変えようとしない(現状に満足) ●世代の考え方のギャップ
●品質に対する考え方 ●生きてきた時代が違う ●皆のために情報を残そうとする考え方が無く、自分がその場でしのげればそれで良いという態度
●技術的な自己啓発の不足
60代
● 年配ということもあり業務指示が明確ではなく、指示内容をくみ取らないといけない ●経営層のスピード感のなさ
●歴史的経緯に関心がなく認識がない ●お互い一方通行になる時がある ●考え方が違う。あっさりしている ●熱を感じない
●話が合わない。昔と違う。価値観の相違など ●仕事への取り組み姿勢が異なる ●常識の基準が違う ●もっとがむしゃらに仕事に取り組んでほしい
●上の世代はハラスメントを行うのを上司として当たり前のことと思っている ●何でもネットで調べる
●相手を理解しようとしない姿勢の人には不満が出ます ●考え方が違う ●休日出勤の観念が無い
●多様性は世代がメインファクターだとは思わない ●仕事に対しての取り組み姿勢が積極的ではない
●若い人は3Kの仕事は敬遠しがちだが、自分を含めて若い時に3K仕事を散々やらされたのでその時の恨みがあるのではないか
●とにかく考えないこと。 ●モノづくりに対する姿勢 ●若い人はベテランに相談せずに自分勝手な判断をする。ベテランは考え方を変えられない
●デジタル技術のみで本来の技術ができていない
● 目の前の仕事の成果だけを求めていては企業の存続はない。そこを若い世代に理解してほしい。企業が存在を認めてもらうように継続的になにを
すべきかを長い目で見て考えてほしい
●若手の経験不足からくる理解不足 ●若い世代は私生活優先で仕事は二の次。反対にベテランは仕事優先にしている ●仕事への取り組み姿勢
●品質への作り込み、課題等への深堀が無く、浅い行動が目立つ ●求められる業務への理解、姿勢が中途半端
● 仕事に対する取り組みの方法で、知ったような口を利く若手が多く、突っ込むと答えられない人が多い。何も考えていないようで、新規に取り組む
ことができない言い訳ばかりする。とっても不満です
●すでに自分がシニア世代となってしまったが、現役時代にはいろいろなところで業務上での?責や中傷、あからさまな無視行為などを受けました。
今でこそパワーハラスメントとして取り上げられるようになりましたが、当時はそれが当たり前のこと。未だにそれで自分には全く非が無いと思
い込んでいる方がいらっしゃいます。また若い世代については、自分自身が当事者であるという責任感が感じられない。ただそれは若い世代の
方々へそういう教育をしてきていない我々世代の問題だと考えます
● 職場は、製品品質管理、加工製造技術を担当する部署であることから、いわゆるQCDSを改善することが主たる業務となる。経験の少ない、い
わゆる若手に多くみられるのは、マニュアル通りにやったが目指す結果が得られなくても、それ以上のことを追求しない(求めない)傾向が
ある。若い人がすべてとは言わないが、一応自分は言われたことを手順通りにやった。結果が出ないことと自分の能力とは関係が無い、という考え
に何度か驚かされる。そこに技術の改善工夫があるのだが、自らは取り組まず、これまた指示待ちとなる。また、取り組む前から結果が出ない
と自ら判断し、積極的に取り組むことをしない。技術改善は、都合よく目標とする結果が出ることの方がまれであるが、彼らの中のどこかに責
任を回避したがる気持ちを感じ残念に思うことが多い。失敗を恐れずチャレンジする心を持ってほしいと思う。失敗の中から成功が生まれるこ
とを体感してほしい。一方上司、経営者においては、持論にこだわり自由な発想の芽が摘み取られてしまうことを経験する。自分も同じような
経験をしてこのようにやって問題を解決してきた。だからあなた達もそのようにしなさい。また、会社経営は利益あってこそ、それは本当に利益
に結びつくのか?という安易な質問は控えていただきたい。上司、経営陣の先見性と寛容性を広く持っていただきたいと思う。
70代~
●責任と義務の考え方
07
Page8
アペルザ様_wp㉓_08[アンケート]
年代別で比べてみましょう
社内の技術者教育について 社内の技術者教育の課題について、
年代別にまとめました。
Q 社内の技術者教育について
課題は何ですか?
20代、30代
予算が足りない 7
社外によいカリキュラムがない 7
最新技術の教育に困っている 10
昔ながらの業務遂行を変えなければならない 11
社内講師が足りない 13
後世への教え方が難しい 14
社内の士気が低下している 14
時間が足りない 23
0 5 10 15 20 25
その他の回答 ●今後も必要な教育の選定
上記について、詳しく教えてください。
● 「若手の教育」ということを掲げているが、「効率改善」「工数削減」「人員削減」によって、できていない部分が多い。
また新しい技術やシステムによって、会社に必要な技能や技術といったものが急激に変わってきている。それに年配
の方がついていけず若手の方がそういった技能を持っていることが多い。つまりは逆転していることもあります
●もともとベース(システム)が構築されていなかったことに加え、コロナ等外部因子により会社低迷による士気低下→
中堅以下の離職→モチベーション低下や人で不足と二乗的に悪化要因が重なっている。新卒も売り手市場で会社側の
選択肢が減っていることも社員のレベル低下の一因と考える
● 教育担当となった者たちも、自分の業務に追われて教育が後回しになったり、教育の資料や書物に追われている様子が
うかがえる。昔ながらでやってきたもの(業務に追われている状況)を改善すること。教育に時間を避ける余裕を作るこ
とは、業務にも良い影響になると思う
●量産の製造現場がなく、50代以上の方々が学び経験してきた環境と違い、学ぶ場・経験する場が乏しい。いくら疑似的
な環境を整えようとも、コンプライアンスの壁に阻まれる
● 中堅社員がおらず、若手が新入社員に教育をしている。若手は雑多な仕事を後回しにして教育を行うしかないので、
自分の仕事は残業時間になってしまう
● 実務経験をさせるにも、納期がタイトな案件が多く、のびのびと経験をさせてあげられない
● みんなが手いっぱいで教育にかける時間が足りないと感じています(資料作成、実務教育)
● 少ない人員で業務を回しているためOJT以外の教育の時間が取りにくく、ベテラン技術者の経験やノウハウを伝達する
教育の場を作ることができていない
● 教育などを行う時間を取ることで生産能率が低下するため、教育、指導者育成の両面でなかなか十分な時間を確保
できていない
● 機械設計においては、経験しながら学ぶことも多い。どれだけ色々な経験させることが重要だと思うが、組織体制的に
難しいこともある
● 教育も名ばかりのOJT方式で見て覚える方式で各々のやり方にバラツキがあり、覚えたスキルを後輩たちに継承しよう
にも教え方が分からずの悪循環
●上層部も含め意識の統一ができていないため、何を教育すべきか(受けるべきか)が決まっていない
● 若手育成の意識が低く、現状手一杯で指導する余裕がまったくない。上司もフォローする気がないため、やりたくても
自分の時間を削減するしかない
08
Page9
アペルザ様_wp㉓_09[アンケート]
年代別で比べてみましょう
40代、50代
特に課題はない 9
予算が足りない 11
社外によいカリキュラムがない 12
最新技術の教育に困っている 13
社内の士気が低下している 22
昔ながらの業務遂行を変えなければならない 24
後世への教え方が難しい 26
時間が足りない 32
社内講師が足りない 35
0 5 10 15 20 25 30 35 40
その他の回答 ● 人選が難しい ● 後継者がいない ●また、簡単に自分で調べることができる時代となった
● 若手に予算が配分されない時代が長く続いた
上記について、詳しく教えてください。
● 講師による教育では現場での実業務にあまりプラスにならないことが多いと感じる。実際に仕事を通して経験・失敗
したことは身についているが、座学ベースで学んだことは、いざ必要となった時には覚えていないことが多い。講師に
よっては、自己陶酔して説明している人もいるように感じたことがある。聞き手に刺さる内容とはなっていない
●今までのやり方も理由があって続けてきているのですぐに変えられるものではないが、効率化・生産性・コスト削減が
うたわれるなか、どうでもよい部分については変更していく必要があると思う。しかし、いざ変えるとなると周囲の
抵抗がある。ITやDXなどデジタル技術の活用について特にそう思う
● 設備仕様を作成し、社外で設計、製作させることがほとんどになってきている。詳細の設計手法については作図以外に知ってい
なければならない知識がとても多いが、それらの技術を教える時間が取れない。教えられる人材も少ないのが現状となっている
● 本来お金がもらえる水準まで教育するには、その時間や工数が出せない。高校や大学に行かせた方が確実であると
考えられる。しかしながら、地方には学校がない
●そもそも教育ができるほど技術的に優れた人財が少ないため講師が足りない。実務に追われて教育カリキュラムも
時間も整備していないので、育たない世代が30代になってしまった
● 技術者といってもさまざまな分野があるため一概に言えない。例えば3次元CADなど日本では操作できる人間が多く
ないが環境の影響もある。技術者の経験が長くとも3次元CADを扱えない人も多いなど
● 専門分野においては、それに特化した仕事をしながら時間をかける必要があるが、今は専門家を敬遠し、オールマイティ
を求める風潮が強く、それにこだわって教えることができない会社の仕組みになっている
● 団塊の世代がそれより前の良いところを受け継がず、自分のことだけ考えて後進の指導を放棄した結果、後に何も
残らなかった。その影響がずっと続いている
● 中小企業では50代60代は現役。教えるべき次の若い世代の人員確保ができず、教える相手がいないのが現状である
● 「もっと良くする」といった向上心が少ないので、できそうな仕事をとにかく与えて経験を積ませている。時間をかけて
育てるしかない
●これまでOJTで技術伝承してきたため、システマティックなカリキュラムの検討に少し難がある状況です。ただ、最近
変化しつつあります
● 会社の主たる事業ではない部署なので、スキルアップしても評価が適切にされないことが多いため、スタッフのモチ
ベーションの維持がむずかしい
● 技術(特にIoT)が進化し続けるから、古いベテランの考えが軽んじられる恐れがある
●世代が上の層は経済拡大期に就職した人たちばかりなので、自らの仕事に対する完結がなく、責任感がない。よって、
世代が下の層に技能が伝わらない
●常に新しいものを求められる開発現場では、型の決まった教育内容が必ずしもあるわけではないため、その時に応じた
場当たり的な教育になっている
● 業務の細分化とマニュアル化により、従前に従えば問題ないという考え、改善改革意識がない
● 私自身の業務が少々社内で特殊だということもあるが、あまりその分野の人材を育てる気配を感じない
●自分自身も何ができて何ができていないのか分からない。限られた時間での優先順位決めが困難
●会社自体の業績が芳しくないので、教育に対して積極的に人員を割くことが難しい
●上司がスキルがないため、仕事の指示が的外れ。なぜ行うのか、という説明ができない
09
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アペルザ様_wp㉓_10[アンケート]
年代別で比べてみましょう
60代~
技術者がいない 2
社外によいカリキュラムがない 3
特に課題はない 3
予算が足りない 4
最新技術の教育に困っている 6
昔ながらの業務遂行を変えなければならない 7
社内の士気が低下している 7
後世への教え方が難しい 9
時間が足りない 12
社内講師が足りない 14
0 2 4 6 8 10 12 14 16
その他の回答 ● そもそも義務教育レベルで学ぶべきことを習得できていない人間が多い
●体系的学習の仕組みがない ● 若年層の意識
● 教育を大事に考えない会社は伸びませんね ● 教えられる経験者がいない
上記について、詳しく教えてください。
● 若い世代の方々がそもそも仕事に対しての責任感を持っていないようである。また教える立場の人も、相手が自分と
同じ価値観を持っているものと考えて、価値観の違いがあることに気づかず一方的に自分の常識ややり方を押し付け
ようとしている傾向がある。世代が違うことで、価値観から全く異なることを理解したうえで、社会人、会社人としてあ
るべき姿をどうやって理解してもらえるかを考えなくてはいけないと感じます。まずは相手の価値観を受け入れたうえ
で、教育方針を立てていく必要があると思います
● 若い会社ゆえ、いわゆる業務マニュアルに不足や不備が多く、業務手順が一様に定まっていない。経験者といっても、
自分流儀で所謂KKD(勘、コツ、度胸)的なところも多く品質改善が進まない。経営者の第一義は、利益確保で人材
育成に注視していない
● 社内に教育する部門もなく、また教育するために育成したトレーナーもいないため、現場で経験している熟練者が
教育者として活動しているが、自分本位の契約社員だったりするので、正社員が教育していることが少ない職場です
●何かを言ったところで、今までの方法を変えるのは時間がないとか、人がいないとか環境のせいにして改善すらでき
ない職場です
● 教育する資料作りに時間が足りない、また教育する時間も足りない。教育が済んで現場で活躍する前に退職する若者
がいる
●外注で済ます方があとくされなく割り切れる仕事ができるので若い人は雇わない。既存技術はすでに古い技術の焼き
直しで新規技術への探索が遅れている
● 時間がないので残業時間で行おうとしているが、業務の一環なので後世への教育が難とにかく実務優先で失敗を
させられない
●流れ作業でさえ、満足にこなせない部門が多く、上長は何もしない、何も聞かない、見えないなど、よくそれで部長を
名乗れるなというくらいレベルが低いです
●TPMを改めて取り組むことで 現状の変化、行動力の向上に向け成果を上げていきたい
● 理科だけでなく、英語や日本語すら、まともに読み書きできないことがあった
●やる気がない
10
Page11
アペルザ様_wp㉓_11[アンケート]
以降、全年代で見ていきます
Q 社内の技術者教育において、
ナレッジやノウハウのデジタル化は進んでいますか?
かなり進んでいる
3%
少し進んでいる
全く進んでいない
28 20%
%
あまり進んでいない
49%
Q 技術の現場で不足している知識は何ですか?
上記について、詳しく教えてください。
●チーム管理やマネジメントスキル ●見積もりなどコスト関連の知識
● 程度の差はあるもの、いわゆるコミュ障を抱えていることが頻繁に発生 ● 英語などの語学力 ●国際規格に関する知識
●日常レベルのITの基礎的な知識 ●プログラミングやネットワークなど高度なITの知識 ● AIやロボットの基礎知識
●統計やデータサイエンスの知識 ●設計・製造の基礎全般 ●幾何公差や寸法評価スキル ●論理的に考える習慣
●顧客側から見た品質という観念が欠落している ● 社会常識 ●情報漏えいやコンプライアンスに関する知識
●上記の一般的な知識は座学でも覚えられるが、専門性に特化した、実際の技術ノウハウの知識・経験が足りない
Q 後世への技術伝承はうまくいっていますか?
「うまくいっていない」と言う回答が72%。
「うまくいっている」と言い切った方は1%しかいませんでした(157人中2人)。
うまくいっている
1%
全くできていない 少しうまくいっている
13% 14%
あまりうまくいっていない
72%
11
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アペルザ様_wp㉓_12[アンケート]
Q 技術伝承が
うまくいっていない理由は?
今の代で終わりと考えるため 11
若手に人気がない仕事である 21
若手の採用に消極的 24
習得に生まれ持ったセンスが左右する 40
業務が定型化できない 66
教育のための時間や予算が割けない 72
0 10 20 30 40 50 60 70 80
その他の回答 ● 技術伝承のやり方が下手 ● 若手が専門技術職になることを敬遠している ● 教育が効率的に進まない
●人の入れ替わりが多いこともある ● 若手の積極性 ● 優秀な人材はすぐに退職 ● 専門スキルを持った人材がそもそもいない
● 技術伝承の文化がない ●意識の低さ ●人手不足 ● 経営陣の現状把握不足かな ● 中長期の経営目標が利益中心で組織運営に関する配慮が足りていないこと
●習得者が保身に走る。標準化や作業分析能力がない ●合理化と称する人員削減 ● 社として内部技術を醸成する気配がない
● 経営的に、若手を採用する予算がない ●伝えるべき相手とのコミュニケーションが取れない ● 募集をしてもあまり良い人材が集まらない(と聞く)
うまくいっていない理由について、詳しく教えてください。
●昔に比べ開発のスピードも上がってきているため、じっくりと取り組むことができず、あぶれた仕事(雑務に近いもの)に追われていることも多い。社
内手順・規定などがより複雑になってきており、それを守ることで手いっぱいになってしまっているという状況もある
●前の回答にも書きましたが、伝える相手の価値観や思想を理解しないで一方的に押し込もうとしている傾向があり、そもそもの技術本質を理解でき
ないまま挫折してしまうケースを見かけます。まずは伝える相手を理解し、伝えるべき技術について一から指導していく謙虚さが必要だと考えます
● 回転数や時間など機械操作の作業手順は決まっているが、機械を使わず人が行う作業についてはどうしても職人のカンのようなものが働き、作業時
間や製品品質に左右してしまうことがある
●知識がいくらあっても、センスに左右される部分は大いにあり、そのあたりは教育ではなかなか培うことができず、本人頼みになる。逆に一度うまく
いくイメージをつかめれば、一気に伸びることもあると思う。そこに期待しつつ、見守っているのが現状
● 設備仕様を作成し、社外で設計、製作させることがほとんどとなってきている。詳細の設計手法については作図以外に知っていなければならない知
識がとても多いが、それらの技術を教えている時間が取れない。教えられる人材も少ないのが現状となっている
● 技術には、才能、学問、経験が必要であるが、その中で才能がない、適性がない者を採用せざるを得ない状況であることは否めない。すでに習得した
者が作業分析や標準化のスキルがなく、惰性で業務をしている。また、伝承という考え方そのものに、属人化の恐れもあるため、伝承だけに注目して
はならない
●先の質問同等に会社低迷の悪化要因が重なりリソースが割けない、積極性が一番必要な中堅社員のモチベーションが一番低いため、チャレンジがで
きていない→システム根幹を変えていくけん引者がいない
●先輩社員が後輩社員の教育に無関心だと感じます。学校教育の部活動と同じだと思いますが、そう考える人は少ないので、管理職1人で部下全員の教
育は物理的に無理が生じている
● 実際にOJT等で実践しながら覚えていくことが一番の近道だと思う。しかし、時代の状況もあり仕事も少ない状況。いかにうまく実践を行えるか。
時間の作り方、仕事の仕方等教育する側や指示する側の問題は大きいと思う
● 中国特有の企業文化なのか?できない社員は解雇すればよい、その場その場でできる人材を集めればよい、人は掃いて捨てるほどいるのだから。人
材育成にお金と時間をかけるのは無駄だという考え方がある
● 専門技術家が出世・給与面で不利になる会社のシステム(専門職は社内で等級が上がらない仕組み)のために、若手が技術を必要とせず、管理職に
進める汎用技術員への道を求めている
● 取って付けた知識を刷り込むことはできるが、使わないので定着しづらく、またそこからの発展が期待しにくい
● 開発現場の業務内容を定型化することがうまくできていない。ここのメンバーの容量の善し悪しに左右されている
●定型化できない業務をいかに伝えていくか。また、定型化する事の弊害についてどのように伝えていくか、など文章にすると簡単だが、実態が伴
わない
● 課題トップは人材育成だが、方針で序列が下位になる(年度・四半期の経営目標が優先)
● 技術伝承の重要性や公益性を理解している人間がどこにもいない。だから、時間や予算をそのために使おうと考える人間も出ない
●ドキュメントを残すという社風の欠如、次世代の教育が現世代の仕事だという認識のなさ
●人がいないことが一番の原因です。社員より、派遣、契約社員の方が多く、まともにコントロールできていません
● なんでもシステム化すれば良いと考える若手と、システム化に抵抗を示す高齢社員の鬩ぎ
● 業務内容が研究開発のため、教育者によって思想が違う。説明マニュアル等も複数あり、全員で共有はしていない
● 業務内容が非効率な状態で継承されているため、被伝承者のモチベーションが低い ● 業務内容を文書化しにくい点
●センスは少なからずあると思う。違和感をスルーしてしまい、話も通じないことが多い。基礎教育ができていないため技術伝承とかのレベルに至らない
●継承を行うべき担当者が辞めないと、そのポジションの人員補給ができないので、継承自体が不可能
●各部署のトップに属人化された業務が多く、かつその従業員にタスクが集中しているため
●過去には失敗から学ぶものが多くあったが、現代は残業規制や業務の効率化を言われ、失敗する時間がとれない
●定型化が難しい業務内容であることと、若手が少なく採用しても続かない。業務に追われ十分な教育時間が取れない
● 手取り足取り教えすぎで、言われたとおりにしか動けず、個々の自主性を欠いてしまっている
● 教育者に当たるベテランがプレイングマネージャーになっており、時間が多く取れない
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アペルザ様_wp㉓_13[アンケート]
Q 技術伝承が
うまくいっている理由は?
「うまくいっている」と回答した方
「若手を積極採用している」「教育のための時間や予算が割けた」と回答していました。
理由 ● 教育資料の充実。社内意識が高いため
● 経験させられている
少し「うまくいっている」と回答した方
「業務が定型化・標準化しやすい」「教育のための時間や予算が割けた」「若手を積極採用している」
「社内が技術伝承への課題感が強かったため」など
理由 ● 電子化、自動化していることで誰がやってもできるようにしてきている。その反面、そうなったことで間の過程が
飛んでしまい、若手にはそこが伝わっていない。またマニュアル化、標準化をすることでスムーズになっている部分
も多々あります
● 手順書作成により引き継ぎなどを実施中 ● OJT以外に教育講座の解説
●タイムリミットが近づき会社全体の優先順位が上がった ●ニッチ分野のため、その第一認者を目指す方向性が共有化
●世代交代に合わせて業種の切り替えがうまくできたから ●やる気のある人がいるので
● 経験の浅いメンバーに危機感がある ●属人化を避ける。マニュアル化する
● 興味を持っている若手が多いためだと思います
Q 技術伝承がうまくいく秘訣や方法があれば、
教えてください。
標準化やマニュアルの整備、電子化など伝承の仕組みづくりなどの、基本的な施策が目立ちます。
また考え方の部分への言及も。現場ごとに事情も異なるでしょうし、自社でうまくいっていたとしても、「これなら絶対!」と
他社(他者に)アドバイスするのは難しいのかもしれません。
●世代間のギャップを受け入れ、その時代に合った方法または業種への切り替えなどを常に念頭に入れておく
●適切な課題設定で実務をこなしていく実力を少しずつ上げていくことだと考えています
●マンツーマンで時間を多く割くこと。頭での理解(基本理論)も踏襲すること
●電子化、自動化すると同時にその過程内容を明確にして伝えていく ● 教える方が技術力が上であることを身をもって体験させる
● 標準化、マニュアル化、動画化を進める ●一緒に仕事をするので何が不足かよくわかる
●その道のプロ化を目指す意識の共有化では? ● 手順書を整備して、ノウハウをわかりやすくしている ●ハングリー精神、文書化
●会社全体の課題として取り組まないと進まない ● 技術や知識を伝承する仕組みをつくる ● 愚直
●最後は本人次第だと思います ● 教育に割く時間を増やす ● 3現主義の徹底 ●ケースバイケース ●修羅場を経験する
● 説明は難しい ● むしろ教えてほしい
13
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アペルザ様_wp㉓_14[アンケート]
学校教育について
Q 製造業での実務かつ技術関連で、
自分が学校で学んできたことは役に立っていますか?
「少し役に立っている」という回答が最多となりました。
全く役に立っていない
6 大いに役に立っている
% 24%
あまり役に立って
いない
28%
少し役に立っている
43%
Q 現状の学校教育について、
課題や不満はありますか?
「ある」「少しある」と回答した方が7割になりました。
全くない
5 ある
% 32%
あまりない
25%
少しある
38%
Q 現状の学校教育の課題について、どうお考えか、教えてください。
この問いへのフリーコメントの回答が非常に多く寄せられました。そのうちの一部
をご紹介します。社会に出てからの実践力の基礎となる部分の教育について課題を
挙げる人が目立ちます。あとは、英語など語学教育への懸念も寄せられました。
●やはり今まで生きてきた中で一度も使ったことがない言葉や事象は少し無駄に感じます。ただこの先必要であったり、人それぞれでその環境は違うので、もう
少し共通と専門に分けて教育する、小学校は8~9割が共通、中学、高校につれ専門の割合を増やして将来の自分に必要な教育を受けるというのが理想的です
が、49才のおやじですが時にはちょっとした裁縫をしたりする場面があったりと、なかなか先に必要な教育を見抜いていくのは現実的には難しいと思います
●すでに各所で指摘はされていると思いますが、英語教育について、会話(コミュニケーション能力)重視の教育に変えるべきだと考えます。一流大学卒業でも
英会話が一切できない方に会ったことがありました。これでは国際社会ではまったく役に立ちません。また大学に入ることに難関を設けるのではなく、大学
で学ぶ機会は広くし、卒業するために難関を設けるべきだと考えます。大学に入ってからまったく勉強をせず堕落してしまう学生を多く見かけます。米国の
用意、入学の門戸を広げ、無駄な受験戦争はなくすべきだと考えます。
● 物理学で物事を判断する基礎を学ぶことは正しい。実際のモノづくりでは、その応用が必要となる。初等教育から高等教育に至るどの段階においても、実社
会で見たり聞いたり実際に体験を積むことは、とても有意義だと感じている。通信簿に良い成績を収めることから脱却して、個々の学びの場をもっと広げて
体験も重視する教育方法があっても良いのではと思う。あなたは学校を卒業したら、どんな社会にしたいですか? どんなことに取り組みたいですか? そ
のような考えの個々の資質や考えを伸ばす教育が望ましい。
●コロナのせいもあり、実践ができずその場の空気を感じられることが極減少している。社会人としてやっていくにはどんどん経験不足になっていく。幼少児童に
ついてもテレワーク等で、友人との成長出来るはずの人間形成が未達に感じる。教育項目についても親の負担が増えることや、やる気による格差は広がると思う
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アペルザ様_wp㉓_15[アンケート]
● 学校で習ったことをそのまま現場に活かせるとは思っていない。幸いにも自分の大学の指導員は現場上がりの先生が多く、現場を知っていたりして多く
話を聞いていた。理想(学校)と現実(現場)のギャップを知ることが大切だと思う。合わせる必要はないと思う(無理だと思う)
● なぜ勉強が必要か、どう将来に関わってくるのかを、しっかり教えることが大事だと思います。将来の職種の選択肢が増えて給料に大きな違いが出ることを
理解させる。理由が分からず親に言われて勉強しているのが大多数なので、変えて行かないと格差が広がると思う
● 職場で必要な知識を学校でインプットすることは無理があると思う。このため、自分で学べるだけの基礎知識、考え方と必要なことを継続できる忍耐力を培
うような教育をしていただければと思います
● 物事を追求する探究心を育てる教育や大学だけが目標の教育ではなく、自分が将来取り組みたい職業に合わせて科目等が選択できる専門性を充実させて欲
しい。前提として、基礎学力があるに越したことはないが、それがすべてではなく、どうすればそこにたどり着けるかを自分で考えられるように教育してほしい
● 実務に必要な最低限の知識をつける教育ではなく、誰もが一律に授業を受け、点数を取ることを良しとしていると感じ、実践や応用力が乏しく、ひらめきや
実行力に繋がっていない教育が多いと感じる
●日本国内では、学校が経営継続のために、学生の関心を引くべくカリキュラムを設定している例が見られる。進学して研究職を目指せるものでもなく、実務で
も十分ではない教育であると感じる。海外へ留学した方がよいかもしれない
● 特にないが、もう少し、少なくとも義務教育の場で、レベル感を統一してほしい。ゆとり教育の時代からか、学ぶことに差がありすぎる気がします。低レベル
層の底上げが必要だと考えます
●先生が社会と(会社での考え方など)とかけはなれているので、教科書教育しかできない。DXにも遅れており、SDGs教育と言いながら紙のプリントを配
る矛盾に気が付いてもいない
● 学校で学ぶことは社会で使えないことが大半であると感じています。もっと知識だけでなく経験できる環境、スキルを身につけられる環境が必要だと考えます
●いわゆる知識の詰め込みが主体(公式を覚えるだけなど)で、社会での応用・実践とのつながりが弱い
● 「日本人として」というテーマの教育が欲しい。日本の文化の守る、日本人の良さ、職人の育成を継承するということが重要だと考えます
● 指示待ち人間が多いと感じます。もっと遊ばせる(失敗、経験させる)と視野が広がるので、それを是とする環境を作るのがベテラン(上司、教師)の
仕事だと思います
● 時間をかけている割に実用性の無い知識も多い気がします。効率良く学ぶことが大事ではないかと思っています
● 暗記中心の教育から脱却してほしい。答えがないことへの取り組み方を学校時代に学べるようにしてはどうか
●テストの点数だけで人の優劣を付けている。数値化しにくいが積極性や親和性を注視する必要があるのではないか
●一般的な知識の詰め込みが多く、社会の多様性にマッチしていない。そのため即戦力にならない。
● 若いうちから職業は決められないが、使わないと思われる勉強をさせる必要はないと思う
●大学ではもっと実践的で専門的な分野について学ぶ時間を設けるべき。英語なんかは自分で学習すればよい
● 社会人になってよくわかるのが、なぜそれを勉強しているのかがわからないと身に付かない
●自身も将来の目標がないとなぜ取り組んでいるのかわからず、身に付かないというのがある
● 教育本来の役割放棄、安きに流れている。学生の資質低下を防止するため、学府として現場で即戦力になるようなことは知識はほぼない。それと同時に、
あれもこれもと表面ばかりを教えこまれる学校教育は仕事では役に立たない
●かつてよりは改善されていると思うが、受験のための教育ではなく、社会に出るための準備としての教育をより進めていくべき
● 教える側の質が低すぎる。例えば工学部の教授なのにレンズの公式を理解できない人に実際に出くわして閉口した経験がある
● 閉鎖的な学校という環境でしか社会経験の無い先生が多いので、実社会にそぐわない教育となっている。実社会での経験5年程度を教員になる条件とすれ
ばだいぶ変わると思う
● 学校では、原理的なところが重要視され、実務的なところが軽視されますが、教員側も経験ないので、困難なのかとも思います
● 会社に入ってから学ぶことも多いので、自分で考えて行動できるかどうかとなると学校がどこまで影響するかは疑問
● 集団教育が重視されすぎていて、個の自意識の形成に学校教育が役立っていないように感じる
●勉強が得意な人とそうでない人がひとつのクラスで勉強を進めなければならず、勉強のレベルを全体最適することが難しくなってきているのでは?
●全員を同じレベルまで引き上げようとするので、できる人が足止めを食らう(飛び級制度があってもいいと思う)
●自分が卒業した大学で社会に出た後でも受講料を払えば授業が受けられるようになったらいいと思う
●いじめなどへの対応を除き、平均的には、勉強は過不足なく行われているのではないか
● 特にグローバル化による英語が重要になってきているため、海外語の授業を増やしてもよいと思う
●自ら考え行動する。先生も今までのやり方にこだわらず行動してほしいし、生徒にもそうできるように指導してほしい
●さまざまな職種の実体験が少なすぎる。いろいろな仕事の種類を知らないため、職業選択時に選択肢が少なすぎる
●子供や保護者に対して遠慮しすぎな教育に感じる。自分が体育会系で育ってきたからかもしれないが……
● 実務への応用については個人能力によって大きくことなり、偏差値に関係のない差があるので、採用の上実践させてみないと能力は確認できない
●正直なところ、東大生は頭はきれるが、それが災いして上司を見下したり、同僚に対しての上から目線をするような人間を育ててしまう大学教育は意味が
ないのでやめて欲しい
●さまざまな人がいるのが企業なので、環境に合わせて自分をコントロールできる人を育てていただきたい
●各科目の高得点を得ることよりも、自分が何をしたいかを考えるように仕向けるべき
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アペルザ様_wp㉓_16[インタビュー]
interview 01 回答者プロフィール
Aさん/生産技術:約30年
製造業[自動車・航空・船舶など輸送機器] 仕事の内容
(社員数 5,000~9,999人) 生産設備関連の
年代:50代 認証取得などを担当
今回のお話 若手が、分からないことを聞いてきてくれない
Q 若手の方は、自分の子どもほどの年齢 リーダーをやりたくないのか、管理され
だと思います。やはり意識や考え方の Q ずに思いのままに働きたくないのか。
ギャップはありますか? 30代後半は後者が目立つ。
個人差がある。しいて言うと、40歳以下の人を
中心に、「がつがつしていない」気がする。自分の
世代は、自分の業務で評価されて、高い役職につ Q 社内の技術者教育の課題について「教えるた
くのをモチベーションにしていたが、そうではな めの時間が取れない」と回答されていました。
いようだ。「役職はいらないけれど、お金は欲し
い」「役職に付くと大変、めんどくさい」と思っ 時間もないが、まず教育の体制が整っていない。
ていそう。ただ、不思議なことに30代よりも、 当社の生産技術の仕事は属人的な判断が必要で、
20代の方が話が分かってくれる人がちらほらいる。 定型化もしづらい業務が多い。新入社員として入社
してしばらく自社の業務について基本的なことを
飲みの席や、オフで一緒に遊びにいったときな 学んでもらった後には、各部署に配属されてOJT
どに、「認めてもらって、役職につかなければ、 で学んでいく。それだと、個人ごとでスキル習得
給料も上がらないよ」とアドバイスはしている。 にばらつきが生じる。設備設計も、本人がもとも
口うるさいと思われていそう。 と備える発想力やセンスも左右する。
また若手は、インターネットで何でも調べる
習慣があるからなのか、先輩や上司に分からない
ことを直接尋ねてこない。 Q 教育については、
どうしていけばよいと考えていますか?
Q 若手の方々は、アドバイスを 技術者教育において、個人のスキルレベルに応
いろいろ聞いてくれるのですか? じた対処が必要だと思う。業務マニュアルや失敗
皆、その時は割と素直に話を聞いてくれるけれど 事例集などの資料をちゃんと整備しようと考えた
も、その後、すっと忘れてしまう人もいる。個人の こともあったが、用意しても興味がなければ見て
性格に合わせて、アドバイスの仕方を変えている。 くれないという考えに至ってしまい、とん挫した。
まず自分のような上司や先輩に「教えてほし
い」とあまり声をかけてくれないので、こちらか
Q 管理職の仕事は、確かに現場にいたい人に ら声をかける機会を増やし、コミュニケーション
とっては負担なのではないかと思います。 を増やすところから始めている。
管理職についた時点で、現場の仕事もやると考
えること自体が間違いであると思う。現場の仕事 学校教育の
は、自分がやりたくなってしまう気持ちを我慢し Q 課題について
て、下に任せるべきだ。日本の現場のよくないと
ころであり、人の管理に長けた海外の管理職を見 学校を卒業し30年が経ってしまったが、自分た
習うべきでは? と思う。自分自身が課長職につい ちの世代は、いわゆる「詰め込み式」の教育だった。
たときは、現場仕事は下に任せるようにした。 受け身で学んできたため、自分で考えて判断するこ
とを教わっていなかった。今は変わってきているの
Q 役職につきたくないという方は、「現場にい だろうが、受験をして合格することをゴールにしな
い教育が良いのではと思う。
たい」と思っているのか、「管理職が大変
一個の才能をひたすら伸ばすような教育が、
だからやりたくない」と思っているのか。 もっとあってもよいのではないかと思うが、一般
どちらもかもしれない。ただ、率先してリーダー の会社では受け入れづらい人材かもしれないので、
になりたいと考えていそうな人が、若い世代には 社会と学校が密接につながり、人材を生かせるよ
少ないと思う。 うになり、社会が活性化すればよいと思う。
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アペルザ様_wp㉓_17[インタビュー]
interview 02 回答者プロフィール
Bさん/生産技術:約10年
製造業[産業機械] 仕事の内容
(社員数 100~299人) 生産設備のコストダウン検討、
年代:30代 材料選定、生産ライン効率化など
今回のお話 若手でもない、ベテランでもない。間世代の苦悩
社内の そのような会社なので、新人の配属も突然である。
Q 世代構成について そのため会社の今後を支える人材の教育の計画が
あるわけでもないし、われわれの業務も人に教え
氷河期世代の社員が極端に少なく、全社員数の ている暇がないくらい時間がひっ迫するし、突然
1割に届かないくらいだ。最も多いのが50歳代以 新人がやってきても、すぐにきちんと受け入れが
降。次に、自分らの世代より少し下が多い。自分 できない。ベテランでもキツい仕事も多く、新人
自身はその間にいる感じ。また、「若手なのか、ベ がすぐにできるわけがない。
テランなのか」のはざまにいる年代だ。 同業他社の話を聞いていても、当社と似たような
状況がよく聞こえてくる。
Q 世代間の意識のギャップは
感じられますか? 会社組織としての課題をクリアする
50代以降の人たちは、定年が近いからなのか、 Q ところからなのでしょうか。
意欲や向上心を失ったような人が目立つ。新しいこ
とに関わろうとしない。自分より下の世代について 仮にそれを乗り越えられたとしても、その頃に
は、いわゆる「チャイム to チャイム」であり、 日本拠点に「現場」がどれだけ残っているかあや
定時内で学んだことだけで戦おうとする人が多い。 しい。当社の現場は皆、どんどん海外に行ってし
それだと、難しい業務になかなか対応できない。 まっている。今も、PCの前だけで、ろくでもない
総じて熱意がない状態。若い層は話せば分かって ものを設計している人たちがいる。
くれるように思うが、50代以降が一番多いため、
それに引きずられる形で、心に火が点かない状況に
なってしまっているように思う。 Q 海外の拠点に出張させて体験してもらう
のは、どうなのでしょうか。
Q 新卒の採用は 今もその取り組みはあるが、結局、海外拠点に
あまりやっていないのですか? 出張しても、日本の本社からの依頼を振り分ける
だけの仕事しかなく、自分からぐいぐい現場仕事に
私の世代からそれなりの人数の新卒を毎年採用 入り込んでいけるような人でないと力がつかない。
し始めているが、若手層とベテラン層の比率が逆
転するにはまだ時間がかかりそう。
Q なかなか辛い状況ではあると思いますが、
Q 教育の課題に 今後、技術伝承にはどう取り組むべきだ
ついて と考えていますか?
教育のために時間を取る余裕がない。入社後の それを日々、常々考え続けている。
1カ月受講する新人研修制度はごく最近できたが、 たまに、1教えれば10くらいこなすような人
あまり業務に役立たない内容だ。社内の各部署の 材もいるが稀で、大多数の人は上の立場の人たち
業務にはどういうものがあるのかなどを教える内容 でしっかり教え込んであげないとダメだ。基礎
で、研修というよりオリエンテーションだ。受講 知識をベースに、われわれが若手に譲歩する形で
者の評判は、とても悪い。 教えて、かつ自発的に学んでもらえるような仕掛
また、会社としての人材教育の方針提示がない。 けを構築できたらと思う。ただ、なかなか難しい
資格手当の支給があるくらい。そもそも、経営計 ことだ。
画も1、2年の短期で組まれているようで、中長期
の経営計画の話が聞こえてこない。現場への業務
も突然降ってくる。設備の選定からやらなければ Q センスのある方が、リーダーになり
ならないような案件に「今から1年でやってくださ 教えればいいのでしょうか?
い」など、間に合わせるのにかなり厳しい短納期
の期限が付いてくる。不具合の洗い出しもろくに それではダメだと思う。その人の価値観や能力
できないほどだ。 を基準に教えてしまうからだ。
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アペルザ様_wp㉓_18[インタビュー]
interview 03 回答者プロフィール
Cさん/生産技術:約5年
製造業[その他] 仕事の内容
(社員数 100~299人) 工場全体の統括管理。
年代:30代 購買や、客先トラブルの対応など。
今回のお話 経営と現場が、もっとコミュニケーションを図るべきか
Q 世代間の意識のギャップは
感じられますか? Q 先輩の背中を見せて
ついていかせるしかないのでしょうか。
あると思う。30代は最も多く、自分自身も それだと、ついていける人とついていけない
そうだ。次いで多いのが50代以降だ。40代が 人とで二極化する。ついていけない人をどう救
極端に少ない。我々の年代は、上の世代の考え うかが、自分自身の課題である。
方を、下の代にうまく伝える役割を担っている
が、なかなか難しい。板挟みにあっているよう
な状況だ。 Q 仕事についていけない人は
離職をしてしまうのですか?
例えば、出勤時間に関する考え方。始業ギリ
ギリに出社し、定時ぴったりに帰っていく人が そうでもない。ついてこられない人は、成果
少なくない。会社のルールとしては間違って を出すわけでなく放置されている状態だ。
いるわけでなく、それのどこがよくないのか、 そのため、仕事ができる人に仕事が集中する
うまく伝えられない。ベテラン世代の方は、 状態で、社内の人員の作業負荷のバランスもお
定時以外や業務外のふるまいを見て評価をし かしな状態である。教えるべき人間が、教える
ている人も多い。 ための時間が割けない状況に陥ってしまう。
若い世代は残業もあまりしたがらない。一方、
ベテラン世代は有給を積極的に消化せず、有給
Q この課題をどう乗り越えて
を使い果たすような人を評価しない。自分とし いくべきなのでしょうか。
ては、有給消化の考え方についてはどうかと
思うが、基本的にはどちらの気持ちも分かって、 会社の経営者に、経営課題の1つとして真剣
それが悩ましい。 に向き合ってもらうしかない。課題には気が付
いているようだが、強い関心を持ってくれない。
デジタル化は、できるところとできないとこ
Q 技術伝承に ろがはっきりしている。せめて自動化できる
おける課題 部分に投資もしてほしいが、そこもやはり経営
属人化した「カン・コツ」業務が多く、人対 者の理解が得られづらい。
人で教えていくしかないという認識だ。少数 経営と現場が、もっとコミュニケーションを
精鋭でやっている会社であるため、ベテラン 図り、理解を深めていかなければならないのだ
に若手を付けて技術伝承させるようなことは と思う。
現実的に時間が割けない。教育の仕組みも社
内に整っていない。
18
設計・製造現場の
技術者 150 名に聞きました!
技術者教育や技術伝承のお悩み
発行日:2022年4月6日
発行:株式会社アペルザ
問合せ先:aperzacatalog-mail@mail.aperza.jp
リクエスト募集中!
ぜひお声をお聞かせください
https://forms.gle/e2M17aghUfWaFeyD8