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設計・製造現場の技術者100名に聞きました!「寸法測定」どうしていますか?

ホワイトペーパー

寸法測定の目的、幾何公差の知識と理解度、スキルの取得方法、自動化の取り組み状況などについて伺いました!

設計や生産、品質業務では、寸法測定は身近な業務です。定尺やノギスを当てて、寸法を測ることは誰でもできます。しかし、評価するとなると、どうでしょうか?
寸法評価では、寸法の基準や幾何公差の概念の知識が必要になりますが、設計者であっても、それに強い苦手意識を覚える人も少なくありません。
設計・製造の現場では、寸法評価や幾何公差の実務の推敲や、技術者の知識レベルはどのような感じなのか、教育はどうしているのかなど、アンケートやインタビューを通じて探っていきます。

<目次>
■実態調査:アンケート結果
 回答者のプロフィール
 寸法測定の目的、幾何公差の知識と理解度、スキルの取得方法
 寸法測定の自動化
■実態調査:技術者インタビュー
「社内では、自分以外に寸法評価をできる人がいない」Aさん/担当 職業:品質管理・品質保証 約20年
「現状のものづくりや寸法測定の技術が、二次元から脱却できていない」Bさん/担当 職業:経営者  約40年
「寸法測定について正しい知識を持つ人材が少ないため、手順の細やかな指示でカバーする」Cさん/担当 職業:品質管理 / 品質保証 約20年

<概要>
■調査時期:2022年2月17日〜2月24日
■対象者: 生産技術、生産管理、品質管理・保証、設計従事者
■回答数:163
■有効回答数:116

【掲載企業】 -
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ドキュメント名 設計・製造現場の技術者100名に聞きました!「寸法測定」どうしていますか?
ドキュメント種別 ホワイトペーパー
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取り扱い企業 株式会社アペルザ (この企業の取り扱いカタログ一覧)

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このカタログの内容

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アペルザ様_wp㉑_01[表1]

0 1 2 3 4 5 6 7 8 0 設計 製造現場 の 1 技術者1100名に聞きました! 2 3 『寸法測定』 4 どうしていますか? 5 6 7 8 9 10 11
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アペルザ様_wp㉑_02[はじめに]

は じ め に 設計や生産、品質業務では、寸法測定は身近な業務です。 定尺やノギスを当てて、寸法を測ることは誰でもできます。 しかし、評価するとなると、どうでしょうか? 寸法評価では、寸法の基準や幾何公差の概念の知識が必要 になりますが、設計者であっても、それに強い苦手意識を 覚える人も少なくありません。 設計・製造の現場では、寸法評価や幾何公差の実務の推敲や、 技術者の知識レベルはどのような感じなのか、教育はどうし ているのかなど、アンケートやインタビューを通じて探って いきます。 目 次 実態調査:アンケート結果 ・回答者のプロフィール……………………………………………03 ・寸法測定の目的、幾何公差の知識と理解度、  スキルの取得方法…………………………………………………04 ・寸法測定の自動化…………………………………………………07 実態調査:技術者インタビュー ・「社内では、自分以外に寸法評価をできる人がいない」  Aさん/担当 職業:品質管理・品質保証 約20年……………09 ・「現状のものづくりや寸法測定の技術が、 二次元から   脱却できていない」  Bさん/担当 職業:経営者 約40年……………………………10 ・「寸法測定について正しい知識を持つ人材が少ないため、   手順の細やかな指示でカバーする」  Cさん/担当 職業:品質管理・品質保証 約20年……………11 概 要 調査時期:2022年2月17日~2月24日 対象者: 生産技術、生産管理、品質管理・保証、設計従事者 回答数:163 有効回答数:116 02
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アペルザ様_wp㉑_03[アンケート]

回答者のプロフィール 設計製造現場の寸法測定の実務や課題について、生産技術、生産管理、 品質管理・保証、設計の従事者116人の方にお尋ねしました。 Q 所属する企業の 金属熱処理・ その他 21% 業態を教えて 金属表面処理・ ください。 塗布加工業 1% 電子部品・デバイス・電子回路 建設 1% 18% 情報通信機器 1% 産業機械 化粧品 2% 21% 医療機器・器具 2% 自動車・航空・ 船舶など輸送機器 食品 2% 医薬品 3% 17% 家電、事務機器 4% 部品加工・生産 7% Q 所属する企業の 従業員数を教えてください。 1~9人 8 10~19人 3 20~49人 8 50~99人 12 100~299人 20 300~499人 6 500~999人 13 1,000~2,999人 21 3,000~4,999人 4 5,000~9,999人 8 10,000~19,999人 2 20,000人以上 11 0 5 10 15 20 25 Q あなたの職種を 解析 調達 あなたの職場では何を 教えてください 1% 1 Q 製造していますか? % 生産管理 その他 3% 回答の一部を紹介します。 3% 経営 3% 生産 主 な 製 造 物 技術 ● 27 カーエアコン用コンプレッサー  ● 4輪・2輪のエンジン部 製造 4% % ● ベアリング部品、自動車部品  ● トラック荷台、コンテナ ● トラック部品  ● UV応用機械  ● サイクルコンピュータ 保守/ ● メンテナンス 研究 コンプレッサー部品  ● 自動運転ゴルフカート制御機器 ● 8 開発 自動運転車  ● 熱可塑性機能フィルム製品  ● 農薬 % 17 ● % 排水排ガス処理設備  ● 流動実験装置  ● 歯科用医療機器 ● 飲料用キャップ  ● 映像関連機器 品質管理/ 電機/ 機械設計 品質保証 制御設計 ……など、他にもさまざまな製品があがっていました。 9% 10% 14% 03
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アペルザ様_wp㉑_04[アンケート]

Q 設計している製品の生産数や種類 (複数担当する方は、現在、メインで設計している製品について) その他 15% 多品種かつ単品~数台 28% 変種変量生産 14% 多品種少量生産 少品種大量生産 (生産数が1000台に届かない) 20% 23% Q 寸法測定の作業や実務に 関わってますか? いいえ 34% はい 66% 寸法計測の実務に関わっている方に伺いました Q 寸法測定の目的を教えてください 「品質評価」が最多。次に多かったのは「設計評価・検証」でした。 生産準備 21 トラブル対応・分析 34 設計評価・検証 45 品質評価 56 0 10 20 30 40 50 60 その他の回答 ● メンテナンス   ● 整備   ● 設備保全、運転管理   ● 実験データ   ● 客先提出書類 04
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アペルザ様_wp㉑_05[アンケート]

寸法計測の実務に関わっている方に伺いました Q 幾何公差の知識について、 寸法測定について、技術やスキルを 理解度はどの程度ですか? Q どのように習得されましたか? 実務をするにあたり問題がない程度の知識を持った方が 8割以上の方が、特別な研修は受けず、OJT(オンザジョブ) 8割である一方、人に教えられるほどに詳しいという方は 的に実務を習得しているという回答でした。 1割程度でした。 スキルがある 実務を 人に 実務において 人材がいない やりながら、 教えられる 十分なレベル 自力で覚えた ほど詳しい で知っている 1% 11% 42 44% % 社内外の 一応基本を 研修を 実務を 理解して 理解している 受けた やりながら いないと が、あまり 13 人から教えて 思う 自信がない % もらい覚えた 10% 37% 42% Q 寸法測定で抱える課題はありますか? 「教育や研修の進め方」、次いで「正しい知識がない」と、教育や知識に関する課題が多くなりました。 先の回答で、OJT的なスキル習得が多かったこととも関連しそうです。 コストがかかる 16 十分に取り組む時間がない 25 担当できる人が少ない 26 正しい知識がない 28 教育や研修の進め方 29 0 5 10 15 20 25 30 35 その他の回答 ● ただ測定するだけの機械的な業務のため、次にデータが生きない  ●測定者による個人差 ●測定に関する基本事項について深い理解を求めている Q 「寸法測定で抱える課題」について詳しいことを教えてください 回答の一部を紹介します。 ●正しい知識がない方が多い。設計図に幾何公差を記載する人も幾何公差の知識が少ないため、過剰公差になることが多々 ある。またサイズによって寸法公差を変える必要があることを知らない人もいるため、設計で参考にした図面とサイズが 違うのにそのままの公差を記載する人がいる。 ● 顧客の要望を満たすために、寸法測定検査実施のうえ出荷する製品があり、三次元測定機を使用しています。操作難易度 が高く、専門知識が必要なため、担当者が少ないことが課題です。 ● 製品は主に工場顕微鏡やリニアゲージにて寸法測定を行う。社内規定にて測定者の定期的な試験も実施されるが、寸法 目合わせなどを行う際、顕微鏡を覗く本人しかわからないので正しいかどうか判断に困ることがある。それを言葉や絵で 説明するが、実際のものを見られない。映像に出して共有するなどが必要。 ● ①表面の異物除去(保護材、潤滑剤、切削油)に時間がかかる:金属精密切削加工品の非接触寸法測定をしたいが、 加工面の切削油がレーザー光の反射を阻害するため、個々に表面の油を拭き取る必要がある。流れ量産工程内で、 非接触自動計測管理を行いたいが良い方法が見つからないため、抜き取りで直接ノギスを当てて測定している。  ②軟材料の測定精度が低い:例えて言うと、パイ生地のような板状の軟材料の3D測定方法が定まらず、精度は落ちるが 個々にノギスを当てて測定している。 05
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アペルザ様_wp㉑_06[アンケート]

寸法計測の実務に関わっている方に伺いました Q 職場で、3次元測定を導入していますか? 据え置き型の接触式3次元測定機を利用しているという回答が最多でした。 3Dスキャナーやレーザートラッカーを導入しているという回答は少数でした。 レーザートラッカー 2 3Dスキャナー 10 非接触式3次元測定機(据え置き型) 27 導入していない 29 接触式3次元測定機(据え置き型) 41 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 Q 3次元測定技術について 課題があれば教えてください ● 接触式はリードタイムと作業時間。非接触式の場合、測定方法由来の誤差があるうえに機種ごとに大きく差異があるため 「測定」以外の知識もないと使いこなせない ●入り組んだ配管の修繕設計で使用できればと考えているが、重なって陰になる部分の計測はどうしたらよいか分からない ● 据え置き型の物は段取りが多く時間がかかる、使える人が限られる。ハンディースキャナは簡単に扱えるが、精度が低く 精度を求められる測定に向いていない ●高価なので導入が難しい。従来の測定方法よりも正確に測定できるのか検証に時間がかかりそう ●自動測定のプログラムを使用できるが、プログラム作成に専門的な知識が必要な気がする。対話型など容易に作成できる 機能がほしい ●スキャナーを導入したいが、スキャンデータを3DCADへコンバートする部分が課題・ティーチングするのに、習熟度具合 で時間がかかる。じっくり覚えるほどやっていない ● 製品の形状によっては測定方法に工夫が必要なため、測定作業の標準化が困難 ●生産現場で油まみれになっても測定が行える技術があるとよい ●対応できない品種が多い、簡単故に軽視してポカミスが出やすい ● 特に非接触式において、ノイズの影響により正しい形状が得られない ●1トリガーで多数個処理の場合のタクトに時間がかかる Q 寸法測定データは自動化していますか? 「一部している」という回答が6割、「いいえ」が4割弱でした。 全自動という回答は、3%ほどでした。 全てしている 3% 一部している 59% いいえ 38% 06
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アペルザ様_wp㉑_07[アンケート]

寸法計測の実務に関わっている方に伺いました 寸法計測を自動化している Q 寸法測定を自動化する理由は? 「データ収集や分析のため」という回答が最多でした。 人的ばらつき低減 3 時間短縮 4 開発期間短縮 14 人手不足 22 製品の品質向上 23 データ収集や分析のため 28 0 5 10 15 20 25 30 その他の回答 ● 工数削減   ●測定精度の安定化   ●個人差の解消   ●測定条件の均一化など Q 寸法測定を自動化する理由について、詳しく教えてください フリーコメントの一部をご紹介します。 ● 手動測定は技能によって変わってしまうため、自動化することで誰がオペレーションしても同じような寸法データが得られるように ● より精度の高い測定ができる。手入力を必要とせずデータ収集や分析が可能。人に頼らないため担当による品質差が発生しない ● 一番は、寸法測定箇所が多く、測定に時間を要するため。結果的に設備調整に時間がかかる。自動測定することで、 その間に他のことを進めることができる ●1つのワーク内で多量の測定箇所があり、全数の寸法情報を容易、かつ同条件、高精度に取得したいため ●測定自体の品質確保のため(測定者によるばらつきの排除)。また、測定自体が複雑だったりする場合には自動化を検討する ●自動化することで作業者の拘束時間を短くするのが一つ。次に人によるバラつきを排除することで、後のデータ解析 などが楽になる ● 基準点の取り方がまちまちになることによって、測定結果が変化することを防ぐ ● 開発期間短縮のため、自動化できる測定項目は極力自動化する方針で進めている Q 寸法測定の自動化の課題を教えてください 「コストがかかる」という回答が最多で、 「測定対象に課題がある」という回答が次に多く見られました。 時間がない 13 良いソリューションがない・ 見つからない 13 社内に知見や経験がない 13 対応できる人材がいない 13 測定対象に課題がある 19 コストがかかる 26 0 5 10 15 20 25 30 その他の回答 ● 測定方法が良いのか? 検証が難しい  ●サイズ、精度的に対応する製品がない ●自分以外に対応できる人材(交代要員)がいない  ● 粉体測定をする際、バラつきが生じる ●測定プログラムに時間がかかる。正しく測定できているか心配なところもある ● 初期設定に時間がかかる  ● 異物などをどこまで排除できるか、環境整備 07
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アペルザ様_wp㉑_08[アンケート]

寸法計測の実務に関わっている方に伺いました 寸法計測を自動化していない Q 寸法測定を自動化しない理由について教えてください 最多は「予算がない」ということで、コストがらみの理由が最多になりました。 次いで「必要がないと考えるため」が多く挙がりました。 経営者が興味がない 4 知識がない 7 既存技術の適用が難しい 8 必要がないと考えるため 10 予算がない 14 0 2 4 6 8 10 12 14 16 Q どのような技術が登場すれば、自動化しようと考えますか? フリーコメントの一部をご紹介します。 ● 10m以上の測定が可能 ● AIによる外観検査の自働化 ● CAD図面から公差の記載があるものを自動で読み取り検査できる仕組み ●インラインの全数検査に対応できる自動検査機が欲しい  ●ノギス並みの価格で購入できる自動測定器があればよい ●フォーマットに自動で落とし込み  ●何をどうすれば良いか漠然としているので、それを解消できるものがあれば ●画像処理と応答性の進化  ●見えない入りくんだ部分まで測定できる技術  ●非破壊検査の自動化 ●自動化までを自動化する技術  ●置き方を定めなくとも、物を置いたら自動で計測する技術 ●小型軽量、設置場所を選ばない、オイルまみれになっても使える測定機があれば、量産工程の中で自動計測が可能となる。 製品の姿勢(置き方)に左右されない、多少斜めになっても角度補正で正確な寸法測定ができる技術があれば良い ●技術よりライン構成、スペースが課題  ● 数メートル単位のインライン計測  ● 設計図との連携 ●専門職人と同等以上の精度 ● 低価格で3次元測定器が購入可能なら検討するかもしれない ●安価で時間がかからず簡単にできれば……  ● 低価格で単純操作  ● 低価格で標準化できれば ● 既存の設備に対して、最小限のスキル  ● 知識・コストで自動化が可能な技術 寸法計測の実務に関わっていない方に伺いました Q 寸法測定の実務に関わっていない理由 自動化されている 2% 他の人に任せているため 68% 必要がないため 30% 08
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アペルザ様_wp㉑_09[インタビュー]

interview 01 回答者プロフィール Aさん/品質管理・品質保証:約20年 仕事の内容 その他製造業 生産時の異常、製品の不良など (社員数:20~49人) 管理や評価業務 今回のお話 社内では、自分以外に寸法評価をできる人がいない Q 幾何公差の知識は「人に教えられるほど 幾何公差についても寸法測定にしても、 詳しい」ということでした。 Q 教育が課題であるとのことですが。 部下や後輩に教えたりする機会もある。品質 会社全体としては幾何公差に詳しい人材が 管理・保証業務の際、顧客に製品の評価結果に おらず、研修制度や教材なども整っていない。 ついて説明する時には、幾何公差の設定の仕方 三次元測定機で理屈に基づいた寸法評価ができ などをアドバイスをすることもある。 る人も社内には現状、一人しかいない。 ノギスやマイクロメータ、三次元測定機を Q Aさんは幾何公差について、 使って、単に「数字を出す」というところまで どのように学んだのですか? は皆できるが、そこまでた。その数字が表わす もともと設計部門にいたので、そこの実務で 問題や正当性について、理屈で示さなければ 覚えた。学校では幾何公差の詳しいことはあま 意味がない。知らない人に、概念と実務の結び り教えてくれない。 つきについてしっかり教えたいが、その時間も あまりなく、教え方も難しいと感じる。学校で も普通は教えてくれない。 Q 寸法測定についても「実務の中で 自力で覚えた」ということでした。 習得の際に苦労したことはありますか? Q 寸法測定は自動化して 寸法測定は「出来上がった寸法の答え合わ いらっしゃるそうですね。 せ」のようなものだ。学校のテストも先生の 寸法測定の自動機を導入している。自動化さ 採点ミスがあるように、測定でもミスが起こる。 れていれば、測定業務の拘束時間が減らせるほ 品証の仕事は、人に対してミスを指摘すること か、測定者のスキルも判断でき、測定データが もあるので、寸法測定の結果を出した時に「測 「単なる測定ミスなのか」も明確にできる。 定ミスではないのか?」「それは本当か?」と 疑ってかかられることがよくある。そこで、 寸法測定の実務について、 「自分の測り方ではそうだ」「3次元測定機で Q 今後はどのように整備に取り組んで 測った」とだけ言っても、納得してもらえない。 いくべきと思っていますか。 そのため、人に対して納得してもらえるように、 会社としても、寸法測定について適正な人材 寸法想定と評価を理論に基づいて行って、理屈 配置を検討してほしいと思う。品質保証・管理 を提示できなければならないと考えていた。 も寸法評価も直接「お金を生まない」ので、 その業務をきちんと行うことで製造や設計の生 産性向上につながるなど、理論立てた説明や、 実績を出していくことで、理解をしてもらえた らと思う。 09
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アペルザ様_wp㉑_10[インタビュー]

interview 02 回答者プロフィール Bさん/経営者:約40年 仕事の内容 電機デバイス製造(社員数:数人) 製品開発や評価、経営 今回のお話 現状のものづくりや寸法測定の技術が、二次元から脱却できていない Q 寸法測定や 評価の課題は? Q 製造業でも IoT が広まりつつあり、 数学や統計に関する興味や教育の話は 三次元で複雑な曲面形状を伴う製品や、ナノ 少しずつ聞こえてくるようになっています。 レベルの微細形状をした製品開発に携わってい そこで大抵扱われるのは、ビッグデータが前 る。自分が携わる製品においては設計どおりの 提の統計手法だ。ここで必要なのは、サンプル 正しい形状で製品を量産したい場合、製作時に 数が少ないスモールデータでも予測が行えるよ それぞれの形状が少しでも誤差が伴うと、製品 うにすることである。 使用時に誤差が積み重なることで、性能が大き くばらついてしまうことになる。そのために寸 今後、寸法測定やモノづくりは 法評価の手段をどうするかが課題だ。 Q どうしていくべきでしょう? 現状の測定装置の技術では点で測定していく まず、製造業での加工や寸法のインフラが しかないため、三次元の曲面や複雑で微細な 昔と変わらぬ二次元の概念のままであることか 形状を正しく測ることが難しい。三次元スキャ ら起こる問題への意識が、業界でもっと強まる ナーや画像測定機などでもうまく寸法データの べきではないかと思う。複雑な三次元の形状の 取得ができない。設計がどんどん三次元化さ 再現や評価法を日本で確立すれば、それが国際 れている一方で、加工や製造、寸法測定実務、 的に差別化を図れる技術力や競争力となる。 測定装置の仕組みも、いまだに旧来の二次元の 概念で成り立っており、無理が生じてきている と考えている。三次元で構想したものが、実物 として再現できないという問題を抱えている。 Q 三次元の寸法測定の 課題を解消するには? 設計の際、曲面や曲線を定義する時には、 まず数式を用いて表現する。加工や寸法測定時 は、点と点との間を正しく補完できるような プログラムを作らないと成り立たないと考える。 ものづくりの世界には数学や統計が苦手な人が 多いこともあり、その技術がなかなか発展し ないと思う。数学に詳しい研究者を当たると、 自分の専門のことにしか興味がなく、取り合っ てくれない。 10
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アペルザ様_wp㉑_11[インタビュー]

interview 03 回答者プロフィール Cさん/品質管理・品質保証:約20年 仕事の内容 その他製造業(社員数:50~99人) 設備購入時の品質評価など 今回のお話 寸法測定について正しい知識を持つ人材が少ないため、 手順の細やかな指示でカバーする Q 寸法評価や幾何公差については、 課題の解消策は 実務で必要な知識は身に付けられている Q 何かありますか? ということでした。研修などは受けられ 寸法評価の手順書を作成し、測定評価の実務 たのでしょうか。 を平準化するようにしている。ワークへの製品 まず大手測定装置メーカーが行う、測定工具 の置き方や基準設定、測り方などかなり細やか や三次元測定機関係の研修を受講した。幾何公 に指定している。 差の基礎から入り、工具や実機を使った測定実 寸法測定の仕事は件数を増やすことで品質を 務を教えてくれた。費用は少し高かった。外部 生産効率を高めることができるはずだが、それ 研修で持ち帰ったナレッジを整えて、社内でも 自体が利益を生まないため、予算や人員の確保 展開している。 が設計や製造などの他部門と比較すると不利に 20年前、自分が新入社員として入社当時は、 なってしまい、悩ましい。 研修制度があまり整っておらず、測定機に関 社内で、コントロールプラン(品質マネジ する技術資料が少しある程度。上司や先輩にも メントの概念の1つ)で作り込みをする体制が 教えてくれる人もおらず、自力で測定器メー できていないので、検査頼りにされる。こちら カーに問い合わせして相談したり、研修を受講 の負荷が増えすぎてしまうため、あまりよくな したりした。その当時と比べたら、今は教育の い傾向だ。設計や生産技術で、寸法評価がしや 体制はできているとは思うが、まだまだ足りて すいように配慮や工夫をしていくことも必要だ。 いない。 Q 測定機はどのようなものを使ってますか? Q 社内での どのような技術や装置が必要だと 寸法測定・評価の課題は? 考えますか? 社内で、寸法評価を担当できる人がまだ少 据え置きの三次元測定機はこの拠点にはなく、 ないこと。幾何公差も複雑な内容になったり、 別拠点にあり、この現場では使用されていない。 表面粗さにまで話が及ぶと、設計者を含めて ハンディタイプの三次元スキャナーを用いて しっかり理解できていない人も多い。インター いる。ハンディスキャナは手振れをしてしまい ネットで手軽に調べられるようにはなったが、 やすくて扱いづらい。自動で数百点を素早く測 実務の中で腑に落ちての理解ではないためか、 定ができる「画像寸法測定機」が欲しくて検討 誤った理解や使い方をしている人もいる。設計 している。数百万円くらいの投資になるが、 の際に、過剰でがんじがらめな幾何公差の指示 この性能であれば、生産性の面で費用対効果が をしてしまう場合も。 訴えやすいと思うので、購入の説得も可能だと 考えている。 11
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アペルザ様_wp㉑_12[奥付]

設計・製造現場の 技術者 100 名に聞きました! 「寸法測定」どうしていますか? 発行日:2022年3月9日 発行:株式会社アペルザ 問合せ先:aperzacatalog-mail@mail.aperza.jp   リクエスト募集中! ぜひお声をお聞かせください https://forms.gle/e2M17aghUfWaFeyD8