1/9ページ
カタログの表紙 カタログの表紙 カタログの表紙
カタログの表紙

このカタログをダウンロードして
すべてを見る

ダウンロード(3.1Mb)

技術者たちが赤裸々に語る!覆面座談会「もやもや製造業DX」――製造業DX、デジタル化とは結局何なのか?現場のホンネ

ホワイトペーパー

オンラインで実施した「技術者座談会」のレポートです

設計・製造従事者の方に参集いただき、設計・製造現場の"ホンネ"を語ってもらう、オンライン覆面座談会を開催しました。
一体どんな意見が飛び出したのでしょう。今回のテーマは「製造業DX、デジタル化とは結局何なのか?」。設計・製造のデジタル化についての課題や悩み、この先目指していることなどを伺いました。
(モデレーター:mfabrica合同会社 水野 操 氏)

【掲載企業】 -
【協賛企業】 meviy(株式会社ミスミ)
※ダウンロードされたお客様の情報は弊社プライバシーポリシーに則り上記の企業と共同利用いたします。

このカタログについて

ドキュメント名 技術者たちが赤裸々に語る!覆面座談会「もやもや製造業DX」――製造業DX、デジタル化とは結局何なのか?現場のホンネ
ドキュメント種別 ホワイトペーパー
ファイルサイズ 3.1Mb
取り扱い企業 株式会社アペルザ (この企業の取り扱いカタログ一覧)

この企業の関連カタログ

このカタログの内容

Page1

アペルザ様_wp⑳_01[表1]

技術者たちが赤裸々に語る! 覆面座談会 「もやもや製造業DX」 製造業DX、デジタル化とは結局何なのか?現場のホンネ
Page2

アペルザ様_wp⑳_02[はじめに]

は じ め に 設計・製造従事者の方に参集いただき、設計・製造現場の“ホンネ”を語って もらう、オンライン覆面座談会を開催しました。 さて、お互いの顔が見えない座談会で、一体、どんな意見が飛び出したので しょう。今回のテーマは、「設計・製造のデジタル化」です。ご参加の皆さんの 現場でのデジタル化の取り組みについてお尋ねした後、「製造業DX」につい てどうお考えか、伺いました。とにかく参加者さんたちは今回のテーマに、い ろいろと「もやもや」したようです。 参 加メンバー くろたんさん やーまんさん 40代後半の生産技術者。メカ設計や電気配線も、 50歳の設計者。今は生産設備関係の自動化全般に PLCのラダープログラムも自分で書き、設備が 携わっています。電気とメカ、両方の設計ができ 動くまで対応しています。 ます。 みぃ~さん モデレーター mfabrica 水野 操さん 50代後半に差し掛かった、メーカー勤務のDX メーカーなどの製品開発の支援を行っています。 推進者。かつては機械・筐体設計や先行開発 メカ設計と解析シミュレーションのスペシャリ などを経験しています。 ストです。 02
Page3

アペルザ様_wp⑳_03[座談会]

設 計・製造のデジタル化について、 現在抱えている課題や目指していることを教えてください! みなさんこんにちは。今回の座談会のモデレーターを務めますmfabricaの代表・ 水野と申します。本日はよろしくお願いいたします。 座談会を始める前に、私の自己紹介をさせていただきます。 水野さん 普段は、設計外注や受託解析を中心に、いろいろなメーカーさんの製品開発をお手伝 (モデレーター) いさせていただいております。また、デジタルデータの活用としてジェネレーティブ デザインなど、今回のテーマである設計製造や製品開発のデジタル化にも取り組んで います。 今回の座談会は、匿名でお集まりいただきましたみなさまに、設計・製造のデジタル化 について、現在抱えている課題や目指していることを伺えたらと思います。中小企業か らやーまんさん、大手メーカーからくろたんさんとみぃ~さんにご参加いただきます。 メ ーカーでDXを推進する立場の みぃ~さんの場合 みぃ~さん それでは、まずみぃ~さんからお話をお伺いしてもよろしいでしょうか。 水野さん (モデレーター) 設計のデジタル化については、3次元のCADや3次元のCAEを取り入れています。 またそのデータを用いて、プロトタイプや治具を3Dプリンターで作っています。 生産のデジタル化という点に関しては、設計の3次元データを使った生産の自動 みぃ~さん 化を実現しています。また、BOM(bill of material:部品表)については、見 える化をしてビジュアルBOMとして一気通貫で使えるように動き始めています。 設計側は、つながりを持ってデータを扱っています。ただ、まだまだ紙で取り扱 うことも多いですし、それを次の工程に引き渡すところでうまくいかないことも あり、デジタル化はできているけど、DX(デジタルトランスフォーメーション) にはなっていないというのが現状です。 今は、3次元データや3次元CADの稼働、設計の成果物となるドキュメント類を クラウド化する方向で検討しており、少しずつデジタルトランスフォーメーション に近づきつつも、まだ道半ばという状態です。 ありがとうございます。ツール群の導入などは、すごくうまくいっているように 思えます。こういったツールを導入すると、仕事の仕方について、従来と変えざ るを得ないことがあると思いますが、社内的な反発などもなく進んでいったので 水野さん しょうか? (モデレーター) 03
Page4

アペルザ様_wp⑳_04[座談会]

ツールを導入した当初は、なかなかツールに慣れないということはありました。 そこで、ツールを含めて設計のルール、社内のルールに盛り込んでしまうという ことをしています。 みぃ~さん 例えば、CAEなどの解析ツールの場合には、設計を次に進めるためのゲートに CADのデータを提出しなければならないというデータを作ることで、CADを使 わざるを得ないという状況を作っています。 ありがとうございます。承認のプロセスに組み込むことで、ツールを利用しない と先に進めない状況を作っているのですね。 また、BOMの見える化についてお話がありました。紐づけるデータとして、設計、 水野さん 生産、調達などそれぞれで、紐づけるデータの違いがあったり、プロセスの紐づけ (モデレーター) 方が難しかったりすると思います。このあたりは、うまく解消できるような手段 が見えているのでしょうか。 BOMは、永遠の課題ですね。今は、設計のBOMを半自動で受発注を管理する基幹 システムに直接繋げているような状態です。次のステップとしては、製造の BOM、サステナビリティBOM、サービスBOMを作らなければならないだろうと 考えています。 みぃ~さん 従来は、1つのBOMで完結させようとしていましたが、これからはそれぞれの現場 で最適なBOMを活用する形に変わっていかないといけないんじゃないかと考えて、 取り組もうとしています。 私も新しいことが聞けて、勉強になります。いろいろとお聞きしたいこともあり ますが、時間も限られていますので次に進みたいと思います。 みぃ~さんありがとうございました。 水野さん (モデレーター) い まいちピンとこない、 やーまんさん やーまんさん それでは続いて、やーまんさんにお話を伺いたいと思います。 設計・製造のデジタル化については、どのように感じていますでしょうか? 水野さん (モデレーター) ん~、そうですねぇ……。正直なところ、設計と製造がどうデジタルでつながる のかなぁ? という部分が、いまいちピンとこなかったんです……。そういう中 ではありますが、私がいる中小企業だと、そもそも人材があまりいないという ことで、まずはとにかく業務の自動化を進めようという話になっています。 やーまんさん 04
Page5

アペルザ様_wp⑳_05[座談会]

生産の作業をロボット化するために、レイアウトの設計や制御設計を行い、さらに 外部に依頼したものが設計通りかの検証を行って、ようやく導入できそうな感じ です。 やーまんさん うちの会社には生産管理部がないので、その日に必要なものを作っていくという 進め方になってしまっていて、きちんと生産計画が可視化されていない状態です。 将来的にはいろいろな加工設備同士をネットワークでつなげて、生産の見える化 を進めたいです。 ありがとうございます。人材があまりいないということですが、今考えている デジタル化、自動化を進めていくための人材をどのように確保していけばよさそ うでしょうか? 水野さん (モデレーター) 今は、目の前の製品を製造することしか考えていない人が多いのが実情です。 少しずつでも意識改革を進めないといけないと考えています。そのうえで、自動 化に興味を持ってくれる人を見つけて、私が持っている技術を伝え、育てていか なければいけないと思います。 やーまんさん ありがとうございます。地道に育成を続けていくということですね。 少し話は変わるのですが、やーまんさんが取り組んでいこうと考えている製造の 自動化・デジタル化を進めていくためには、今後、どのようなツールが必要に 水野さん なってきそうでしょうか? (モデレーター) そうですね。一応、3D CADを用いた設計は導入できています。それ以上につい ては、ん~……、そうだな、何をするのがデジタル化なのかということを自分 の中で定義できていないこともあるんですが、まずはそこを整理するところから 取り組む必要があると思います。 やーまんさん ありがとうございます。やーまんさんが感じているデジタル化の定義について、 この後、深堀りしていくと面白そうだなと思いました。ありがとうございました。 水野さん (モデレーター) 設 計・製造のデジタル化はまだ部分的な くろたんさん くろたんさん それでは続いて、くろたんさんにお話を伺いたいと思います。 設計・製造のデジタル化については、どのように感じていますでしょうか? 水野さん (モデレーター) 05
Page6

アペルザ様_wp⑳_06[座談会]

設計のデジタル化については、3D CADで設計し、そのデータに対してシミュレー ションで応力解析をかけるということはやっています。そこから先、製造する際 には、3D CADで設計したものを2次元図面に落として、それをPDF化したもの を製造の担当に渡していますので、デジタル化といえるのは応力解析までかなと くろたんさん 思います。 あとは、私自身が設備の担当をしているのですが、設備の3次元モデルを並べて 3次元で生産ラインのモデルを作るということに今後取り組んでいきたいと思っ ています。最終的には、工場全体を3次元モデル化して、それを元に生産数の シミュレーションができる状態にできるといいですね。 ありがとうございました。最初にお話しいただいた3Dモデルの応力解析について は、CADに導入できるツールがあるので、よく取り組まれている形なのかなと 思います。それを製造に繋げる際に2Dにしないといけないところが課題になっ ているのかなと感じました。 水野さん (モデレーター) 今は会社、もしくは事業部門として、デジタル化についての目標などはあるの でしょうか? デジタル化について、全社的にDXに取り組みましょうという宣言はされています。 ただ、具体的な取り組みまでは落とし込めていない状態だと思います。DXで何を やりたくて、実際に何に取り組むのか?という点は明確でないです。 くろたんさん そうですね。DXやデジタル化というのは、流行ってはいますけど、なかなか共通 の理解を持ちにくく、あいまいになってしまうのかなと思います。 2つ目の話で、生産ラインの3Dモデル化という話がありましたが、こちらについ 水野さん ては何か具体的な活動はお考えでしょうか? (モデレーター) 今考えていることを上司に伝えても予算の確保が難しいと思うので、少し回り道 だったとしても3Dであることの意味、価値をわかってもらうことが先決かなと 思っています。それを実現するために、VRゴーグルを使って3DのままCAD データを見ながら、デザインレビューをするところを切り口にできないかなと くろたんさん 考えています。 ありがとうございます。なかなか一足飛びには難しい所かもしれませんので、 まずは理解してもらいやすいところからスタートするというのは、いい選択か もしれませんね。 水野さん (モデレーター) 06
Page7

アペルザ様_wp⑳_07[座談会]

デ ジタル化や DXのもやもや ここからはデジタル化、DXについて、皆さんがどのように捉えているか? お尋ねしていこうと思います。みぃ~さんはどのようにお考えでしょうか? 水野さん (モデレーター) 一言でデジタルトランスフォーメーションといっても、その範囲はとても広い と思うんですよねぇ……。 例えば、メーカーのものづくりで言うと、要求仕様に対して設計をして、部品 みぃ~さん を確保して組み立て、それを納品するという流れがあります。この流れの中で、 どの程度人が介在しているのかというのがポイントになると思います。 それぞれの工程で、部分最適になるようにデジタル化を進めようとしてはいるん ですが、結局トータルで考えたときにはうれしい状態になっておらず、もやもや してしまいます。会社全体をコーディネートする人がいないと、ぼやけていって しまうなぁと思います。 なるほど。ここまでお話を聞いてきて、みぃ~さんの会社はデジタル化やDXに ついてだいぶ進んでいるという印象を受けていました。それでも皆さんと同じよう にもやもやしたものはあるということなんですね。くろたんさんは、このあたりの もやもやは感じていますでしょうか? 水野さん (モデレーター) もやもやはありますね。3Dデータで言うと、部門が変わるとデータが流れていか ないということがあります。例えば、設計の3Dデータが設備につながっている かというと、うまくいっていないなぁと思います……。 くろたんさん そのままではよくないなとは思っていますが、目の前の仕事をやらないわけにも いかないので、なかなか進んでいないのが現状ですね。それぞれの部門の中では 一生懸命やっているんですけど、それを部門をまたいでうまくやっていくため には、全体を見て指揮をしてくれる立場の人がいないとダメなんじゃないかな と思います。 そうですね。全体を見る人がいないと、部分最適になってしまってうまく進ま ないというのはよく聞く悩みですね。全体を見るためにはある程度それぞれの 部門、部門間の課題を把握していないと難しい部分があるのかもしれませんね。 水野さん やーまんさんのお話で、『何ができたらデジタル化なのか?』という疑問があり (モデレーター) ましたが、皆さんの中で、デジタル化やDXというのはどのような定義をしていま すでしょうか。 私の偏った定義かもしれませんけれども、人間の力をフルに発揮するクリエイ ティブな部分が『アナログ』で、それをデータに落とし込み、人間の能力を使わ なくてもものができあがるのは『デジタル』かな。 みぃ~さん 07
Page8

アペルザ様_wp⑳_08[座談会]

今は、その途中でどうしても人間が介在するので、DXはうまくできていないと いうことです。これをすべてデジタル化できれば、DXの領域に入っていくと、 そんなふうに考えています。 みぃ~さん 私は、そういうことをあんまり考えたこともなかったんですけど……。例えば、 再利用できる電子データにすることかなと思います。PDFのデータは電子ファイル ではありますが、再利用できないのでデジタルではなく、再利用できる状態に して初めてデジタルと言えるのではないかなぁと思います。 くろたんさん DXについては、広すぎて捉えどころがないというのが正直な意見ですね。DXと いう大きな塊を構成しているであろう要素に分解していくと、きっとデジタル化 でこういうことをやっていくんだろうな、とイメージするものになり、誰かが それを一括りにしてDXというラベルを貼ったのかなと思っています。 DXについては、デジタル化したデータのつながりというようなイメージを持って います。ただ、今はなんとなく、感覚的に捉えている状態なので、もうちょっと 自分なりに勉強して進めていかないといけないところなんだろうなと思いました。 やーまんさん 皆さん、ありがとうございます。それぞれDXの捉え方は十人十色という感じで 明確に定まっていない状態ですよね。それぞれ、いろいろな取り組みはしている けれども、やっぱりまだもやもやしたところがあるというのが、デジタル化、DX の現状であるという印象を受けました。 水野さん (モデレーター) 本当は、皆さんも今日の座談会ですっきりして帰りたかったかなと思いますけ れども、今日は皆さんの取り組みの現状を共有するということで、お時間になり ましたので、座談会を閉めさせていただきたいと思います。 08
Page9

アペルザ様_wp⑳_09[奥付]

技術者たちが赤裸々に語る! 覆面座談会「もやもや製造業 DX」 製造業DX、デジタル化とは 結局何なのか? 現場のホンネ 発行日:2022年3月9日 発行:株式会社アペルザ 問合せ先:aperzacatalog-mail@mail.aperza.jp   リクエスト募集中! ぜひお声をお聞かせください https://forms.gle/e2M17aghUfWaFeyD8