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技術者100名に聞きました!PLCと工場スマート化の実際

ホワイトペーパー

PLCの活用状況、工場スマート化の取り組み状況、産業用PCの導入状況などについて技術者100名に伺いました!

制御が伴う装置で必須なPLCですが、その歴史はとても長く、1970年代からはじまっています。その歴史の長さゆえ、多岐にわたるメーカーのさまざまなPLCが存在し、規格もそれぞれです。さらに10年、20年前に導入したPLCも、現役で現場で多く活躍しています。その一方で、今、工場のIoT化やスマート化、DXといった新技術の大きな波が押し寄せています。
今回の調査では、工場におけるPLC活用やスマート工場化について尋ねました。その結果やインタビューからは、つながらない機器とつながる機器、レガシーと新技術のはざまで、企業と技術者たちが日々悩み、苦しみ、奮闘する姿がありありと浮かびあがることになりました。

<目次>
▼実態調査:アンケート結果
 ■回答者のプロフィール
 ■職場でのPLC活用
 ■工場のスマート化について
 ■産業用PCについて
▼実態調査:技術者インタビュー
 「“VX”をやって日本のものづくりを復興するために、“旧型PLCの展示会化”した工場をどうにかしたい」Aさん/生産技術 約10年 医療機器・器具メーカー
 「特定メーカーのPLCしか使ってはならない自社の方針のせいで、IoTが進まない」Bさん/生産技術 約10年 部品加工・生産
 「過去の設計情報が残っておらず、データ収集や可視化のための改良も新規設計もできない」Cさん/生産技術 約30年 電子部品・デバイス・電子回路メーカー

<概要>
■調査時期:2021年11月18日〜11月30日
■対象者: 機械・電機・制御・ソフトウェア設計者、生産技術者
■回答数:170
■有効回答数:88

このカタログについて

ドキュメント名 技術者100名に聞きました!PLCと工場スマート化の実際
ドキュメント種別 ホワイトペーパー
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取り扱い企業 株式会社アペルザ (この企業の取り扱いカタログ一覧)

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このカタログの内容

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アペルザ様_wp⑮_01[表1]

技術者100名に聞きました! P L C と 工 場 の スマート化の実際
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アペルザ様_wp⑮_02[はじめに]

は じ め に 制御が伴う装置で必須なPLCですが、その歴史はとても長く、 1970年代からはじまっています。その歴史の長さゆえ、多岐 にわたるメーカーのさまざまなPLCが存在し、規格もそれぞれ です。さらに10年、20年前に導入したPLCも、現役で現場で 多く活躍しています。その一方で、今、工場のIoT化やスマート化、 DXといった新技術の大きな波が押し寄せています。 今回の調査では、工場におけるPLC活用やスマート工場化に ついて尋ねました。その結果やインタビューからは、つながら ない機器とつながる機器、レガシーと新技術のはざまで、企業 と技術者たちが日々悩み、苦しみ、奮闘する姿がありありと 浮かびあがることになりました。 目 次 実態調査:アンケート結果 ・回答者のプロフィール……………………………………………03 ・職場でのPLC活用…………………………………………………04 ・工場のスマート化について………………………………………06 ・産業用PCについて………………………………………………09 実態調査:技術者インタビュー ・「‶VX”をやって日本のものづくりを復興するために、  ‶旧型PLCの展示会化”した工場をどうにかしたい」  Aさん/生産技術 約10年 医療機器・器具メーカー…………10 ・「特定メーカーのPLCしか使ってはならない自社の方針のせいで、 IoTが進まない」  Bさん/生産技術 約10年 部品加工・生産……………………12 ・「過去の設計情報が残っておらず、データ収集や可視化のため の改良も新規設計もできない」  Cさん/生産技術 約30年 電子部品・デバイス・電子回路メーカー…13 概 要 調査時期:2021年11月18日~11月30日 対象者:機械・電機・制御・ソフトウェア設計者、生産技術者 回答数:170 有効回答数:88 02
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アペルザ様_wp⑮_03[アンケート]

回答者のプロフィール 製造業にお勤めで、職場にPLCが導入されている方、かつ設計全般 や生産技術などに携わる方を中心に88名に回答いただきました。 Q 所属する企業の業態を その他 17% 教えてください 医療機器・器具 3% 産業機械 28% 情報通信機器 3% 家電、事務機器 5% 自動車・航空・船舶など輸送機器 22% 部品加工・生産 9% 電子部品・デバイス・電子回路 13% Q 所属している 企業の従業員数 1~9人 4 10~19人 2 20~49人 3 50~99人 8 100~299人 17 300~499人 5 500~999人 14 1,000~2,999人 7 3,000~4,999人 3 5,000~9,999人 8 10,000~19,999人 5 20,000人以上 12 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 Q あなたの職種を あなたの職場では何を 教えてください 経営 3% Q 製造していますか? 生産管理 1% 品質管理/ 今回の回答の一部をご紹介します。 品質保証 3% 生産技術 ソフトウェア 38% 主 な 製 造 物 開発 5% ● サーミスタセンサ、サージアブソーバ  ● スマート農業機器 ● セラミックコンデンサなどの電子部品 製造 5% ● 医療用自動測定器と付属する消耗部品 ● 循環器内科手術に使用するカテーテル類 保守/ ● 飲料用CAP  ● 高機能フイルム、高密度磁気記録フイルム メンテナンス ● 鋼製ドラム缶  ● 合成繊維製造設備  ● 穀類加工食品 6% 電機/ 制御設計 ……など、他にもさまざまな製品が挙がっていました。 研究開発 機械設計 20% 8% 11% 03
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アペルザ様_wp⑮_04[アンケート]

職場での PLC 活用について Q 職場にPLCが導入されてどれくらいですか? 導入して10年以上の企業が7割以上。 入社した当時にはすでに導入されていたので分からないという人も。 分からない 1~2年未満 8% 2% 15年以上 2年以上~5年未満 65% 9% 5年以上~10年未満 6% 10年以上~15年未満 10% Q PLCを導入している目的は? 「設備の自動化」が最も多い回答でした。 多品種生産対応 1 生産のグローバル化対応 4 遠隔監視の実現 8 データ収集したい(IoTなど) 18 設備メンテナンスや調整をしやすくするため 27 制御盤の小型化、配線の簡略化 42 設備の自動化 69 0 10 20 30 40 50 60 70 80 上記回答の背景について、詳しいことをお伺いしました。その一部を紹介します。 ● 生産設備の搬送制御、検査装置制御、マテハン制御、プロセスデータ収集、ほか全般 ● 設備の自動化の際に追加変更が容易であること。制御盤の小型化、配線の簡略化は必須 ● 小型の生産装置が沢山あるため、制御盤の小型化と自動化によるオペレータの作業軽減 ● センサー情報(ライン速度等)をもとに、一定量の糊塗布等、計算を伴うもの。また安全、再現性を担保するために PLCは必須 ● 全てリレーでやるのは骨なので(※担当注:骨が折れる?)PLCを使用しています。データ収集もやります ● 装置の動作、制御が複雑化しリレー制御では対応しきれない ● 多くの超音波洗浄機に関して自動搬送装置に利用 ● 汎用性のPLCで十分対応できる技術、およびオープンネットワーク機器を使用するため 04
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アペルザ様_wp⑮_05[アンケート]

Q 導入しているPLCで課題になっていることは? 先の質問で、設備を導入して10年以上になる企業が多かったこともあってか、老朽化が課題として多く挙げられています。 「特にない」という意見も目立ちました。 特にない 24 ノイズの影響 3 維持費用が高い 6 保守がしづらい 13 データ容量など性能の不足 13 可視化に対応できないこと 15 ネットワーク接続できないこと 15 使い勝手がよくない 21 老朽化している 28 0 5 10 15 20 25 30 上記回答の背景について、詳しいことをお伺いしました。ここでは、その一部を紹介します。 導入や維持のコストの課題、機器やソフトウェアの使いづらさ、自動化や可視化、IoT 関連でのデータ収集の課題などが 挙がりました。 ● EOSによる更新が課題。搬送制御においてはラインあたり数千万円規模の投資が必要。更新期を迎えている ● 新しい設備は最新型のPLCやタッチパネルやLANが導入されているが、未だに20年前のPLCの機械が稼働していて PLC更新の予算化もできない ● 三菱電機製PLCに統一しているので、老朽化などの問題はあるが定期的に更新しているので大きな問題とはなっていない ● 昔のPLC、特に三菱製のものは容量の問題でプログラムにコメントが入っていないことがありメンテナンスがしづらい。 またPLCのソフトのユーザーインターフェースが使いづらいため作業の効率化ができていない ● 保守がしづらい。三菱のiQ-Rを使用しているが、今までのQシリーズとは違ったプログラムを使用していること ● オムロン製品はよく生産中止になるので ● 現在はオムロン製PLCにキーエンスのPLCを接続して可視化対応をしています ● 可視化用のパッケージ製品はあるものの、費用的に導入は後回し。全くPLCプログラムに触れない人は触れないままで、 触ることが難しいと思われてそのまま ● 一般的なソフトウェアテストが行いにくい。特に、リグレッションテストを厳重に行いたいが、非常に行いにくい。 テスト自動化を指向しているが、コード生成ツールを自作することで部分的に行えるに留まる ● ここ数年で導入しているPLCは概ねネットワーク対応の機種を選定してるが、ネットワーク対応機種は金額が高いこと、 また20年以上前の機種では置換更新に多くの工数と費用が発生している ● 昔のPLCユニットはネットワーク接続できないのでデータなどが見れないです ● 設備が独立しており、社内ネットワークにつながっていないうえにIoTが進んでおらずデータ収集できていないです ● 現場で可視化できない設備もあり、緊急時、素早く情報を得られない。古いものはメモリーの電池交換が必要。交換 サイクルの管理があいまい ● プログラムステップ数が肥大化してきている  ● シーケンサのプログラムが煩雑 ● 機能を使いこなせない、メーカーごとにやり方が違う Q PLCの選定で何が重視されていますか? 先端技術が実装されていること 12 耐環境 15 メモリー容量が多いこと 16 ランニングコストが安いこと 27 データ収集やしやすいこと 27 耐久性、寿命の長さ 33 保守のしやすさ 40 誰にでも使いやすいこと 43 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 05
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アペルザ様_wp⑮_06[アンケート]

工場のスマート化について Q 工場のスマート化に 取り組んでいますか? 「取り組んでいる」 「少し取り組んでいる」と 回答した方は、7割弱でした。 取り組んでいる 31% 取り組んでいない 33% 少し取り組んでいる 36% スマート化に「取り組んでいる」「少し取り組んでいる」と回答いただいた方に聞きました Q 工場をスマート化する 納期短縮への対応 10 目的を教えてください 製品やサービス 付加価値の向上 13 「生産性向上」と「省人化」が多数と コストダウン 24 なりました。 省人化、人員削減 40 生産効率向上 48 0 10 20 30 40 50 60 上記回答について、詳しいことをお伺いしました。ここでは、その一部を紹介します。 DX や IoT を活用しての生産性向上や改善、設備の“チョコ停”削減や稼働率の可視化などが挙がっています。 ● IoTはLAN接続化し検査データの蓄積・分析や、カメラによるAI自動検査化など進んでいるが、スマートグラスなどリ モートによる品質確保や人材育成などが課題と認識している ● スマート化(DX化)によって得られるメリットは多岐にわたると考えています  ● チョコ停の削減、データ収集の迅速化 ● チョコ停の要因解析の軽減に使用しています ● 一部、データ収集し予防保全にも利用 ● データ取得、および確認の簡素化 ● データ収集と分析により、比較可能で継続的な品質向上が目指せるため ● 情報収集により、設備停止等のリスクを低減したい ● ペーパーレス化を含め、効率化を進めている  ● メンテナンスに応じた制御設定の変更 ● 稼働状況の見える化による改善活動  ● 稼働率向上の基礎データ収集、トラブル時の要因解析 ● 改善サイクルを回すためにスマート化を実施中  ● 新工場建設予定でありスマートファクトリー化が課題 ● 限られたマンパワーをより付加価値の高い領域に向けるため、品質向上、歩留まり向上、ほか、工程ごとのマシンタイム を計測してどこの工程がネックになっているか分析し効率化につなげる。何が原因で機械が止まり稼働率が下がっている のかを分析しやすいようにし、チョコ停の削減を目指す。品質面では値(製品寸法など)をロギングすることでどのよう に変化していったかなどのデータ収集を行う ● 省エネ・温暖化に配慮しつつ生産性向上へもつなげたい  ● 自動の部分を増やしてヒューマンエラーを減らす ● 生産現場において非効率な部分を可視化できそうだと感じる ● 生産効率を上げて人の作業を減らし、省人化を進めています ● 生産性向上のための設備導入は行っていますが、見える化は十分でないと思っています ● 生産設備の稼働状況を見える化することにより、トラブルを分析し、早期に復旧や改善が可能となり、生産性効率を向上 することで、コストダウンや製品の品質向上につながる ● 生産量増に対してコスト低減が遅れている ● 製造工程の90%近くが人力という状況なので、自動化による人員削減がコスト削減や品質の安定に寄与し、結果的に同業 他社の製品との価格競争に大きく寄与すると考えています ● 地方企業のため、なかなか思うように人材採用が進まず、人口減、人手不足は待ったなしの状況であり、BCPの観点からも、 さらなる自動化、ベテラン作業員のナレッジ可視化が急務 ● 品質・稼働改善を目的として日々のデータを取得する。各プロセスで設備状態を見える化し、改善アクション、予兆保全 に結び付ける ● オリンピックなど各種展開のため人員不足 06
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アペルザ様_wp⑮_07[アンケート]

スマート化に「取り組んでいる」「少し取り組んでいる」と回答いただいた方に聞きました Q 工場のスマート化で、PLCに求めることは? 「データ収集」や「可視化の機能」、「ネットワーク接続」などが目立ちました。 冗長性、緊急停止への対応 18 装置の保守のしやすさ 24 ネットワーク接続機能 32 可視化の機能 33 データ収集の機能 33 0 5 10 15 20 25 30 35 上記回答について、詳しいことをお伺いしました。ここでは、その一部を紹介します。 ● DX推進における可視化、ネットワーク接続機能の追加  iPhoneのアプリのように使いやすいもの、まったくPLCを触れない人でも触りたくなるもの。止まってもアプリ を立ち上げなおしたらすぐに動く ● PLCのプロトコルは、OAのプロトコルとは違うと思うが、トラフィックが障害になると思い、OA-LANと FA-LANは回線を分けている。できれば管理面から同じ回線にしたいが、現状スマート化に特化したPLCがあまり 見当たらない。これからいろいろスマート化に特化したPLCが出てくると思うが ● PLC経由で生産状況の見える化が行われれば、緊急対応にも非常に対応がしやすくなると考えています ● PLC単体ではできないことが多い ● センサー類追加に対する簡易さと、SCADA、MESなどへの上流への接続性 ● PCでのデータ分析を行うため  ● ビッグデータを取り扱うために必要です ● 可視化やデータ収集・保守のしやすさにより、ダウンタイムを短縮できる。また冗長化することにより、生産停止 のリスクを回避することが可能となり、ネットワークに接続することで設備の異常監視も遠隔から可能となる ● データを収集し、予防保全や可視化したいです  ● 情報収集、およびネットによる上位装置へのデータ転送 ● 稼働状況の情報一元化を目指します  ● トラブルの発生しない安定性が必要 ● トラブル時の原因究明のため、データや録画機能などがあると良い ● トラブル時の対応(ネットによる保守メンテナンス)をスムーズにしてほしい ● 主に不具合発生時の要因調査に使用しています ● 最近では良好に運転している状態を記憶でき、異常発生時に通常時との差異を検出するPLCが存在する。異常時 の原因究明が対応しやすいらしい ● 見える化による問題点の原因特定とネットワーク接続による遠隔操作による保守性向上 ● すべてのメーカーのPLCを一元的に管理できると保守が楽になる  ● 予防保全、予知保全ができるデータ収集が課題 ● 日々の出来高をリアルタイムに把握したい  ● ネットワークに接続して一元管理を目指している ● ネットワークを経由して装置状態を外部へ配信できる標準機能の用意。GEMなども ● ネットワーク接続機能は絶対に必要です  ● 簡単な操作で必要な情報の可視化が遠隔地でもできたらよい ● メーカーにとらわれずネットワークに接続したい  ● 使いやすさを大事にしている ● 製品仕様からの自動コード生成を指向しているため  ● 装置が人がいない状態で動かないといけないため ● 装置の保守のしやすさ  ● 装置メーカー固有のネットワークで構築され、グローバル化されていない ● 装置全体のメンテナンス性の向上として、ドライブレコーダー機能のあるPLCは使い勝手が良かった(例:チョコ 停時のラダー回路を記録しているため、原因の究明が早くなった)。またこれからのPLCは基本的にLANケーブル の接続ができるものを選定する Q 工場のスマート化についての課題は? コストや人員に関する課題が多く挙がりました。 目的や手段が明確になっていない 20 技術の難しさ 22 導入に対応する人員 33 コスト 35 0 5 10 15 20 25 30 35 40 07
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アペルザ様_wp⑮_08[アンケート]

スマート化に「取り組んでいる」「少し取り組んでいる」と回答いただいた方に聞きました Q 工場のスマート化で、 PLC と連携して実現していることの例を教えてください システムや機器連携 ● ドライブレコーダーとか、さまざまなPLCにつなげられ ● MES(CIM)システム  ●液晶パネル製造設備のCIM対応 ること ● PYTHONと連結した利用 ●タブレットなどの利用による見える化 ● SCADAやMESなどへの上位との接続。フィードバック ● 一部の設備で社内のネットワークとPLCを接続して、 制御の実施 生産管理を行ったり、品質面の記録をしている データ収集や可視化・見える化 ● 生産設備でも品質管理上重要視されているデータをネット ● データマイニング:プロセスデータを上位システムに吸い ワーク経由でSCADAに取り込みヒストリカルデータを管 上げ解析⇒AI化による最・適条件の抽出や予知保全に活用 理している ●イーサネットを用いた検査画像データの収集 ●製造過程での検査結果管理や傾向監視 ●ロガーモジュールを追加してデータ収集 ●製品品質データをデータベース化して、見えるようにしている ● LED照明の特性自動検査の各種データの自動収集化など ●工程・設備のデータ収集 ●一部のデータについては予防保全に活用している 自動 化関連 ● 工程の自動化を実現しています  ●試験機の自動測定  ●次工程管理  ●自動機連動  ●装置の自動化 稼 動監 視関連 ● PLCをネットワーク接続し、稼働率や不良率、サイクル ●電流・温度モニターによる装置部品の劣化状態の確認 タイムばらつきなどを自社製アンドンにて見える化し、予 ●温度制御 実管理に活用している ● 各設備のビデオ録画を一緒に撮って、PLCの信号と合わ ●現在弊社では稼働率を見て遊休機か否かを判断しています せて休止時間分析を行います ●データ収集して稼働管理を実施 ● 機器周囲環境を計測して、トラブルシューティングの参考 ●遠距離からの設備稼働データ収集  ●設備稼働時間 とする ●個々の機械ごと状態表示をしている ●出来高の収集と表示  ●焼成炉の監視業務 遠隔 監 視 ● ネットワーク接続し、遠隔地からの状況確認 その他 ● 多くの工程が人力頼りであることから、人がどのように 作業をしているのかを細かく分析して、その動作をまねる ● トラブル時の呼び出し機能(スマートフォンと連携)、 ことができるような装置の開発、システムの構築が必要 PLCを使用しているかは定かではない ●ワークの加工時間計測(加工開始から終了まで) ●エネルギー見える化 ● 電気設備にメーカー指定のPLCを取り付けることを社内 ●洗浄装置の最適化制御 ルール化済み 08
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アペルザ様_wp⑮_09[アンケート]

産業用 PC について Q PLCを産業用PCに置き換えをしようとしていますか 「進める予定はない」「あまり進めていない」という消極的な声が目立ちました。 だいぶ進めている その他 2% 5% 分からない 2% 少し進めている 14% 進める予定はない 37% 今後の導入を計画 あまり進めていない 3% 37% それぞれの答えの理由について、まとめてみました。 消極的な答えの理由としては、PLCと比較した際のアドバンテージが感じられないことや、 コストの課題、技術の難易度(知識や人材)の課題などが挙がっています。 あまり進めていない 少し進めている ● コストの壁  ● PLCと産業用PCを住み分けているため、置き換えはない ● 課題:信頼性、耐環境性、セキュリティー ● 装置導入の際、純正としての産業PCの導入はあるが、置き換えは進めていない リスクが高い、OSやプラットフォーム 費用対効果を見積もれていない 依存、等の課題があり導入対象が限定 ●データ監視や集計には向いているが設備の制御にはPCは向いていない される ● ● PLCの方がソフト変更が簡単にできるから。PCはOSが変わると対応できな DX推進のため くなったり、コストも割高であるから ● PCのコスト、性能、安定性、技術者の ●適材適所で使用。協力会社がPLC主体で展開しにくい 優位性 ● ●用途・工程によって住み分けをしているため  ●産業用PCは高価 制御に頼らす動作する設備もある ● ● 信頼性がPLCに比べPCは劣る。停電もしかり。工場では熱的な問題も存在す ハードウェア制御にはPLCが最適で る。サーバにすればBackupなど信頼性は高くなるが、コストや管理面・保全性 あるが、データを扱ううえではPC言 を考えると導入できず、PLCを選択する実態がある 語が適しているから ● ●自由度が低い  ●産業PCソフト開発の技術者不足  ●コストが高い 全体がスリムになり、またEtherCAT であれば制御が圧倒的に良くなるが、 ● 装置の信頼性や保守についてまだ発展途上に感じる OSがアップデートされた後に製品保証 ● PLC制御で特に不便を感じていない 可能かどうかの検証が必要となるた め、現在検討中 ● 画像処理などを伴う装置の場合、産業 進める予定はない PCの方が優位なため ●それぞれ得意な機能が違うので ● 専用システムのため、変更予定がない ● 社内に技術者がいない  ●置き換えのハードルが高い(4M変更になる) ●産業用PCの保守・メンテナンスに対応できる設備メーカー、社員がいない だいぶ進めている ● PCとPLCでは、ハードウェア設計の段階で重視するものが異なっており置き ● Masterは産業用PC、SlaveはPLC 換えできない である ●まだ確実性で劣ると思っている ● 導入必須でないから ● 保守が難しくなるため ● より複雑な制御・通信などが可能に ●コストが合わない ● PLCも高性能化が進んでいるので置き換えは考えていません なる ● まずはPLCで対応することの方が先決だと考えているため 対応範囲が広いため ● ● 制御が複雑になる ● 産業PCを使用した設備の実績がない、産業PCを使用した設備の立上げを 行う業者を知らない、メンテナンスなどができる人材が社内にいない ● 現場での技術不足。PLCならメンテができるがPCプログラムは不可の場合が 多い 09
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アペルザ様_wp⑮_10[インタビュー]

interview 01 回答者プロフィール Aさん/生産技術:約10年 仕事の内容 医療機器・器具メーカー(社員数20,000人以上) 医療器具の生産技術。メンテナンスや サプライチェーンマネジメントなどにも携わる 今回のお話 “VX” をやって日本のものづくりを復興するために、 “旧型 PLC の展示会化” した工場をどうにかしたい Q 職場のスマート工場化や (バーチャルトランスフォーメーション)※」をやろう DX(デジタルトランスフォーメーション)の と考えている。※ビジネスのプロセスを仮想現実 取り組みについて教えてください。 (バーチャル)へ移行させる取り組み。 海外の本社と中心して、グローバルにスマート工 工場全体のものや人の流れや機械の動きをバー 場化に取り組みだしたところだ。SCADA、MESな チャルなシミュレーションに落とし込んだうえで、 どへの上位との接続、フィードバック制御などを 全体最適の観点で業務のボトルネックを探して、そこ 実現している。しかし、本社の掲げるビジョンや取 に注力して改善をしていく。それには、シミュレー り組みが、いまいち、ぼんやりしていて。「よぉーし、 ション技術とデータを吸い上げるデジタル技術が やるぞー(以上)」「協働ロボットでも入れとこ 必要だ。今、プラントシミュレーションツールの かー」というノリに思えて……。 導入を検討している。高価なシステムではあるが、 VXの取り組みの基盤となるためしっかり投資をした 本社は、海外企業ではよくある「偉い人が全部決 い。そうした仕組みを確実に作らないと、今までの める」文化なので、日本拠点とは管理の考え方が大 勘コツの世界だけでこれ以上に改善していくという きく異なっている。例えば本国のマネジャーが業務 ことは、非常に難しく、限界である。 の決定や指示を行い、その下で働くオペレータは人 件費が安い国からとにかく調達して、「あなたは、こ れだけやっていればOKよ」という具合に、単純作業 PLC での の業務に落とし込んで指示をする。そのような業務 Q 課題は? 文化であることもあり、コロナ禍での移動制限によ コンピュータやITを活用しての設備の自動化、 り国境をまたげなくなった時の仕事への影響が大き いわゆるインダストリー 3.0的なPLCの運用だ。実 く、そこで省人化のニーズが強まっていることから、 は、2.5くらいかもしれない……。過去、用途別に、 DXが加速している。そのようなことを背景に本社が SIerが提案してくるPLCを次々と入れ続けた結果と 考えるDXを、そのまま日本拠点でやることには違和 して、まるでPLCの展示会のようになってしまい、 感を覚える。本社も、同じやり方を日本に押し付け 制御システムとしての統一感がなくなってしまった。 てはくるし、最新の仕組みが何か話題になれば、「あれ 設備からデータ収集をしてIoT化をしたいが、メー 使ってみろ」「これ使ってみろ」とすぐ言ってくるし。 カーごとで規格がばらばらなところが、本当に頭が 日本でのものづくりの業務の取り組み方は多能工 痛い。クラウドを使って各社のPLC通信を取りまと 的であり、海外各国とは考え方が大きく違うし、レ めてデータ収集してくれる仕組みがいくつかある ベルも段違いに高いと思う。また、DXの本質も、日 ため、選択肢の1つとして検討している。しかし、 本人の技術者たちが日々やっているような、「この そもそもEthernetに対応していない古いPLCも 仕事が止まっている間に、この仕事をやっておこ たくさんあって、それだとどうしようもない。新しい う」と自分の中で自発的に段取りを考えて、効率化 取り組みをやるには、古い既存設備がネックになって や省人化をしていくことだと思う。そういったこと しまうため、これを機会に買い変えて、思い切って から、我々日本の工場が、世界の工場のDXをリード 何かに統一してしまおうと考えている。 しなければと考えている。現在の本社のDXや新しい テクノロジーへの積極的な投資の動きに乗じて、日 本のものづくりの再興へとつなげたい。 Q 産業用 PC での 制御について そのコアが、「改善を爆発的に回していくための DX」である。一体、どこを改善すればいいのかと考 EtherCATによるPC制御であれば制御が圧倒的 えた場合、「全体最適」の考え方が重要であると思う。 に良くなると考えるが、OSがアップデートされた そこが抜けると、本社が考えるような、ぼんやりと 後に、製品保証が可能かどうかの検証が必要となる した取り組みになってしまう。DXを超えた、「VX ため、現在検討中だ。 10
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アペルザ様_wp⑮_11[インタビュー]

interview 02 回答者プロフィール Bさん/生産技術:約10年 仕事の内容 部品加工・生産(社員数5,000~9,999人以上) 設備導入、新規の工程設計など 今回のお話 特定メーカーの PLCしか使ってはならない 自社の方針のせいで、IoT が進まない PLC で課題に 以外のPLCのノウハウがない。私が検討している Q なっていることは? IoTに向いているB社のPLCの知見があるSIer自体 が、まだ少ないこともある。 工場には、フルスクラッチの特定顧客専用の設 備が多いが、そこにはほぼPLCを使う。社内の電 気制御や保守業務の統一化のため、よほどのこと Q 工場のスマート化 がない限り、A社のPLCしか採用してはならないこ について とになっている。 経営層からは「不要な資産を見える化したい」と しかし、A社のPLCはIoTや可視化、データ収集 言われている。また、当社の拠点も増え、扱う設 に向かないシステムだ。データと単に取得するだ 備も大規模化してきているため、保管や管理の効 けではなく、外からデータを見るための演算領域 率を高めていくためにも、不良・不具合検知や が不足しており、対応するソフトウェアもない。 予知などに取り組みたいと考えている。不良・不 そのため、もっとIoTに向いている他社のPLCに 具合検知は、現状では事後保全に留まっている。 変えたい。しかしそれができないため、当社のIoT 今は、チョコ停の要因解析の軽減に取り組んで 化は遅れに遅れまくっている。 いる。PLCと連携してのところでは、設備の稼 働率を見て遊休機か否かを判断させている。 Q A 社になった しかし工場のスマート化については、外部の 理由は? SIerに任せきりだ。社内には、その技術に明るい 人材が不足していることが問題だ。 自分が入社するはるか前から「A社のPLCにす る」という決まりになっていて、今も業務が全て 社内には情報システム部があるが、社内の事 それで動いている。なぜA社にしたのかは今となっ 務システムの保守にかかわり、新しいシステムを ては謎であるし、社内の誰に聞いても分からない。 構築することに長けていない。データサイエンス の知識がある人もいない。メカ寄りの技術者が多 いので、電気関連の知識が欠落した人も多い。制 Q なぜ他社製 PLC に 御ができる人材は限られている。「IoTがやりた 変えられないのですか? い」というのは、メカ系の技術者で、それに制御 「設備制御の中核を大きく変えることになるため、 技術者が振り回されている状態だ。 品質管理の観点ではできない」というのが事業部 の主張。仕方がないので、A社のPLCに、IoTに向 いているB社のPLCを接続して使っている。1つ Q 自社は、工場のスマート化や のPLCで済むところ、2つ。PLCのせいでIoTを IoT には積極的なのですよね? 前に進めないわけにはいかないので、そうせざる それについて、経営者が強くメッセージを出し を得ない。コストは余計にかかるが、社内でああ ており、大学の先生を取締役に招聘したりもして だこうだ言い続けても、全く前に進まないので。 いる。経営層の人たちが、いまいち現場の現状や 課題を理解していないのだと思う。「こんなにデジ なんとかそのルールを、 タルの技術が進歩しているし、外には詳しい企業 Q や人がたくさんいるのだから、どうにかなろう」と、 変えられないのですか? 軽く考えていると思う。 外部のSIerに全部外注すれば、A社のPLCを使 状況や課題を現場の方から説明していくしか わなくてもよい。しかし、当社傘下のSIerも、当社 ない状況ではあるが、それを論理的に説得力を のルールにのっとって業務をしてきたため、A社 もって経営層に説明できる人もいない。 11
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アペルザ様_wp⑮_12[インタビュー]

interview 03 回答者プロフィール Cさん/生産技術:約30年 仕事の内容 電子部品・デバイス・電子回路メーカー(社員数300~499人) 設備改善やトラブル対応 今回のお話 過去の設計情報が残っておらず、データ収集や 可視化のための改良も新規設計もできない PLC や ターロックがいたるところに導入されると、人は Q 自動化についての課題は? なぜか、インターロックにあらがおうとする。 当社は、検査装置など小規模な装置を多く取り インターロックを導入したことで、自分の進めた 扱っており、生産設備にもPLCが導入されている。 い作業の中で、「止まらない」「動かない」と、 時代の流れもあって、PLCのデータも使いながら 誤った手順をふむことが起こる。動作条件を細 可視化を推進したいが、それをするにあたり費用 かく増やしていけば、インターロックがなくとも と労力があまりにかかり過ぎる。 エラーは減らしていけるが、それだとオペレータ に負担がかかりすぎる。1つでも条件が合わない 例えば夜間に設備が稼働しているが、朝に設備 と、作業が前に進められないため。その負荷のせ を見にいくとエラーが起こっていたという場合、 いで、さらにミスが起こるということもあり得る。 夜間に何が起こったのか、今はそのデータを把握 そこを自動化でどう対処するか、策を立てるのも して分析する手立てが現状ない。 難しい。 過去に、ある設備で同様のトラブルが重なった 時に、しばらくそこからデータを抽出して集めて その課題を 分析をして、原因特定までできたことがあった。 Q 解消する手立ては? そういう経験からも、データ収集をしての見える 化に取り組みたいと考えている。 新しく設備を作り変えるにしても、改造する にしても、過去の設計情報が残っていない。設 しかし小規模な装置がたくさんあるため、デー 計ノウハウが、担当者の退職や転職とともにな タ収集や可視化をするにあたり、まず、それぞれ くなってしまっているような状態だ。データど にあわせたソフトウェアを作らなければならない。 ころか、紙の図面や資料もない。過去に、設計 社内では手が回らず、外注しても費用も労力も 関連のドキュメントの管理をしっかりやってこ かかる。 なかった。装置メーカーから購入したものも、 また可視化やデータ収集で原因が特定できたと 図面などを取り寄せることは難しく、他者が して、それに対応するためには、設備を止めて、 分析がしづらく作られているため設計情報が 生産を5日程度ストップさせなければならない。 ブラックボックス化されているのに近い。 今は特に、受注が増加している時期で、それを するにはかなり厳しい。また、この業界はとに かく生産が優先であり、そこを止めてまで改善・ 改良をしようという文化がないようだ。自分は 一度転職をしているが、前職の業界はそういう ことはなかった。 また、以前から生産工程のオペレータの操作 ミスや手順ミスなどヒューマンエラーが目立って きた。その対策として、PLCと連携してインター ロック(一定の条件下でないと動作ができないよ うにする)を入れたことがあった。しかし、イン 12
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アペルザ様_wp⑮_13[奥付]

技術者 100 名に聞きました! PLCと工場のスマート化の実際 発行日:2022年1月19日 発行:株式会社アペルザ 問合せ先:aperzacatalog-mail@mail.aperza.jp   リクエスト募集中! ぜひお声をお聞かせください https://forms.gle/e2M17aghUfWaFeyD8