導入時・更新時の不安を解消
いちばんやさしい 振動試験機導入ガイド
加振力の計算 必要な設備 付帯工事 etc.,
振動試験機の選定のキーポイントを解説
すぐに使えるチェックシート付き
1. 振動試験機選定の情報整理 P3
2. 付帯工事の検討 P14
INDEX
3. IMVの振動試験機について P20
付録: 導入チェックリスト P23
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スライド 4: IMVの振動試験機ラインナップ
IMVの振動試験機ラインナップ
自動車・航空宇宙・船舶・医療・半導体など、最先端技術の信頼性評価に用いられています。
J-series
大変位
m130LS
K-series
輸送用
水冷式大型
i-series
ス
スタンダード
ト
ロ m-series
ー 低騒音小型 c-series
ク 輸送用 A-series
ハイグレード
加振力
・ 梱包品関連 ・ インバータ ・ 鉄道車両
主な
試験品 ・ 電子機器 ・ 産業用モータ ・ 建設用機器
(半導体/医療機器/モバイル製品) ・ 大型アンテナ ・ 航空機
・ 大型電池 ・ 宇宙衛星
・ 産業用ロボット
・ 光学機器
選定のキーポイント
振動試験機の選定には、装置ごとの制約を理解する必要があります。
例えば、大型の装置ほど出力可能な周波数帯域が制限されるといった特性があります。
供試品に合わせて「試験内容」「加振力」「振動台の大きさ」のバランスを適切に設計することが、信頼性の高い
試験結果を得るための鍵となります。
■ 3つのキーポイント
1. 試験内容 (要求) 2.加振力 3.振動台の大きさ
試験の目的
振動試験は、製品の環境耐性を評価し、開発や品質管理の信頼性を担保する重要な工程です。
最適な装置選定のため、まずは試験の目的と要求条件を明確化しましょう。
□ 耐久試験
振動によってどの程度劣化したり故障したりするかを評価します。
□ 性能評価試験
振動環境下でどの程度の性能を発揮できるかを評価します。
□ 信頼性評価試験
振動環境下で安定して動作し続けられるかを評価します。
□ 輸送試験
輸送中に受ける振動や衝撃に耐えられるかを評価します。
□ 規格試験
特定の規格や基準を満たしているかを評価します。
加振力の計算
試験品
「F=ma」は、振動試験機の選定において必要な計算式です。
治具
F: 加振力 (N) / m: 質量 (kg) / A: 加速(m/s2)
振動台
例) 1kgの物体に1m/s2の加速度を与える力は1N
■ m(質量) 振動発生機の可動部質量
m=試験品質量+治具+振動台+振動発生機の可動部質量
■Aシリーズの仕様表(抜粋)
■ A(加速度) ※希望される試験の数値
f: 周波数 (Hz)
A=2πfv
V: 速度 (kg)
=(2πf)2・D D: 片振幅 (mm) 全振幅の半分
mとAがわかればF(加振力)がわかるので、
数値を満たした加振力の選定が可能になります。
カタログの最大加振力
(正弦波)の数値を確認
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スライド 8: 計算例 -正弦波試験の場合-
計算例 -正弦波試験の場合 -
正弦波試験では、周波数によって「一定の変位」から「一定の加速度」へ切り替わる点(交差周波数)に注意が必要です。
【試験条件】
5~11.25Hz: 20mm peak(片振幅)
11.25~500Hz: 100m/s² peak 選定のポイント
治具+供試品質量: 50kg
正弦波のスペックが7.0kN以上の
【計算ステップ】
試験機を選定します。
① 最大加速度の確認
今回の条件では、最大加速度は100m/s²となります。 ただし、余裕率(20%程度)を見て、
② 可動部全質量の算出
8.4kN以上を推奨します。
試験機のテーブル質量を仮に20kgと想定します。
m=20kg (テーブル)+50kg (治具+供試品)=70kg
③ 必要加振力の計算
F=70kg × 100m/s2 = 7,000N(7.0kN)
振動台の大きさ
試験品の大きさにあっていること。寸法が大きくなるほど上限周波数は小さくなることに注意が必要です。
例)Aシリーズの垂直補助テーブル
型名 寸法 (mm) 質量 (kg) 上限振動数 (Hz) A11 A22 A30 A45 A65 A74
TBV-125-□-A 125 × 125 × t 20 0.9 2000 - - - - - -
TBV-125-□-M 125 × 125 × t 20 0.6 2000 - - - - - -
TBV-315-□-A 315 × 315 × t 30 8.5 1000 〇 〇 〇 - - -
TBV-315-□-M 315 × 315 × t 30 5.8 1000 〇 〇 〇 - - -
TBV-400-□-A 400 × 400 × t 30 13 600 〇 〇 〇 - - -
TBV-400-□-M 400 × 400 × t 30 9 600 〇 〇 〇 - - -
TBV-500-□-A 500 × 500 × t 40 15 500 〇 〇 〇 〇 〇 〇
TBV-500-□-M 500 × 500 × t 40 10.4 500 〇 〇 〇 〇 〇 〇
TBV-630-□-A 630 × 630 × t 45 19 360 〇 〇 〇 〇 〇 〇
TBV-630-□-M 630 × 630 × t 45 12.5 360 〇 〇 〇 〇 〇 〇
TBV-800-□-A 800 × 800 × t 70 45 350 〇 〇 〇 〇 〇 〇
TBV-800-□-M 800 × 800 × t 70 30 350 〇 〇 〇 〇 〇 〇
TBV-1000-□-A 1000 × 1000 × t 110 110 350 〇 〇 〇 〇 〇 〇
TBV-1000-□-M 1000 × 1000 × t 110 78 350 〇 〇 〇 〇 〇 〇
TBV-1200-□-A 1200 × 1200 × t 125 180 200 - 〇 〇 〇 〇 〇
TBV-1500-□-A 1500 × 1500 × t 200 300 200 - - - 〇 〇 〇
加振方向について
加振方向には、主に「単軸」と「多軸」の2種類があります。
Y X
□ 単軸振動試験 □ 多軸振動試験
1つの方向(上下、左右、前後いずれか) 複数の方向に切替もしくは
にのみ振動を加える試験 同時に振動を加える試験 Z
メリット メリット
・ 試験装置が比較的安価で、操作が簡単 ・ 実際の使用環境に近い振動を再現可能(同時試験時)
・ 特定の方向からの振動に対する耐久性を評価しやすい ・ 信頼性評価の効率化に貢献できる(切替試験時)
デメリット デメリット
実際の使用環境は、複数の方向から振動を受けることが多い データが、複雑で量が多く、専門的な知識や技術が必要
ため、製品の耐久性を十分に評価できない場合がある
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スライド 11: 複合環境の有無について (チャンバー)
複合環境の有無について (チャンバー)
製品は実環境において、振動だけでなく温度・湿度による複合的な影響を受けます。
これらを同時に再現することで、実使用環境に即した耐久性と信頼性を評価します。
なお、試験には振動試験機と組み合わせて使用する恒温恒湿槽(チャンバー)が必要です。
・ 温湿度条件の確認
- 関連規格に基づいた温湿度範囲の特定
- 温度変化速度や湿度制御精度の確認
- リニア制御(勾配制御)の要否
・ 振動試験機との組み合わせ
- 専用治具の設計: 温湿度環境下で製品を固定でき、かつ熱影響(膨張・耐熱性)を考慮した材質・形状の選定
- チャンバー容量: 供試品と治具を収容できる有効寸法の確認
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スライド 12: 設置スペースについて
設置スペースについて
装置本体の設置スペースに加え、搬入経路の確保、結露対策、粉塵対策などの周辺環境も重要です。
また、保守点検や試験準備を安全に行うための作業スペースも必ず考慮してください。
装置を設置するスペース
・ 振動試験機本体
高さ ・ 電力増幅器
2000 mm
・ 冷却装置(ブロワ、または熱交換器)
・ 恒温槽(チャンバー)※複合試験の場合のみ
- テーブルサイズや冷却能力により寸法が異なります。
-垂直・水平複合装置の場合、恒温槽の移動ストローク分のスペースが必要です。
安全に作業できるスペースの確保
・ 操作・計測エリア:試験用PCや計測器の設置
奥行 ・ 作業動線の確保:脚立などの踏み台を使用するスペース
3500 mm ・ 重量物への対応:製品や治具を安全な姿勢で着脱できる余裕
幅 ・ メンテナンス性:工具を用いた保守点検作業のしやすさ
3500 mm
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スライド 13: 試験装置の冷却について
試験装置の冷却について
IMVの振動試験機の冷却方式には、空冷式と水冷式の2種類がございます。
冷却方式は、装置ごとに異なります。
冷却方式 空冷式 水冷式
外部から取り込んだ空気でコイルを冷却する。 コイルにパイプ状の導線を用い、導線内部に純水を
冷却方法
ブロワにより強制的に排気を行う。 循環させて熱交換機、クーリングタワーで冷却する。
特長 冷却機器はブロワのみなので設置が簡単 空冷式と比較し、遥かに運転音が小さい
排気・吸気の検討が必要。 一次冷却水設備が必要。
出力ワット数が2.5kW以上の場合は、拠点のある 恒温恒湿槽の場合は、加湿水も必要になります。
考慮すべき点
市町村への条例に沿って申請が必要な場合が 装置を冷やすために、十分に余裕のある冷却水および
あります。 設備が必要です。
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スライド 14: 必要ユーティリティ(電源・圧縮空気源・冷却水)
必要ユーティリティ (電源・圧縮空気源・冷却水)
電源 圧縮空気源 冷却水
振動試験機用 ・ エア供給源 ・ 現在の余剰流量
三相AC200V(or 400V)1系統 ・ エア圧力 ・ 供給水温
※mシリーズ・PETシリーズは単相AC100V ・ エア用配管口径 ・ 供給圧力
制御器(PC)用 ・ 配管口径
単相AC100V 1系統 ※供給源がない場合
専用のエアコンプレッサーの手配可能
恒温恒湿槽用
三相AC200V(or 400V)1系統
2. 付帯工事の検討
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基礎について
IMV製試験機は標準の空気ばねで除振を行いますが、大型機ではそれだけでは不十分な場合があります。
その際は「基礎ベース方式」を主軸とし、必要に応じて「ボトムサスペンション方式」を組み合わせることで、
床への振動伝達を最小限に抑えます。
□ 基礎ベース方式 □ ボトムサスペンション方式
最も理想的な防振です。 試験機下部に防振ばねを用いて、防振効果を高める手法です。
一般的には基礎質量は少なくとも加振力の しかし、低周波において横揺れが発生しやすくなります。
10倍、通常は20倍程度必要です。
騒音対策について
装置設置時は、騒音対策の検討が不可欠です。
主な音源には、加振音、冷却ブロワの吸気・排気音、電力増幅器のファン音などがあり、
それぞれの特性に応じた対策を講じる必要があります。
□ ブロワの外置 □ 防音ボックス □ 集中吸気型
最も簡易的な方法です。ブロワ音及び 加振音及びブロワ騒音全てが下がります。 本来の目的は、室内の空気を使用せずに
ブロワ吹き出し音を小さくすることが ※ブロワ停止時、室外(屋外)からの逆流を 外部より空気を取り込むことですが、
できます。振動発生機の空気の吸込音、 防ぐ処置をおすすめします。 振動発生機の空気の吸込音が5dBほど
加振音は変わりません。 下がります。 ※ブロワは屋外には設置不可
※ブロワは屋外には設置不可
クレーンについて
20kg以上の製品、治具の取り付け、取り外し作業が発生する場合、作業用クレーンの設置を推奨しています。
設置環境や現場の安全基準にに合わせて以下をご検討ください。
□ 天井クレーン □ 門型クレーン □ ジブクレーン
安全対策について
試験機を安全にご利用いただくために、弊社では安全対策の施工のご提案も承っております。※以下、一例
□ 安全柵 □ エリアセンサ
立ち入り制限を視覚的に スムーズな搬入出を
訴えるとともに可動部への 維持した状態で巻き込み
接触・飛散物との接触を を防止します。
回避します。 省スペースな試験環境
にも適しています。
□ 配線の固定 □ ピット施工
ケーブルをレールで束ねる 製品の搭載位置をフロア
ことでつまずきや破損を レベルと近づけることに
防止します。 より、安全に製品を搭載
できます。
空調について
IMVの振動試験機は、設備保護の観点から装置が一定温度以上になると自動的に停止します。
以下の例に当てはまる場合は、空調設備の導入・更新をご検討いただく必要があります。
検討が必要になる例
・ 設置下への空調設備で装置の冷却が間に合わない場合
・ 設置下に空調設備がない場合
・ 現場の温度が35℃を超える場合