1/4ページ
カタログの表紙
カタログの表紙

このカタログをダウンロードして
すべてを見る

ダウンロード(1.2Mb)

【シチズンマシナリー様 導入事例】 品質向上に貢献する主軸ベアリングの状況を「SENSPIDER」で見える化

事例紹介

1つの筐体でAIモデルの実装と広帯域センシングを実現!工作機械の故障予測によってメンテナンスを最適化するSENSPIDERを導入!

CNC自動旋盤世界シェアNo.1であり続けるなど、工作機械のリーディングカンパニーとして付加価値の高い製品やソリューションを展開しているシチズンマシナリー様。同社は今回、自動旋盤向けの故障予測の仕組みの検討、 新たな付加価値としてモノづくりの環境を整備するうえで「SENSPIDER」を導入しました。

このカタログについて

ドキュメント名 【シチズンマシナリー様 導入事例】 品質向上に貢献する主軸ベアリングの状況を「SENSPIDER」で見える化
ドキュメント種別 事例紹介
ファイルサイズ 1.2Mb
取り扱い企業 株式会社マクニカ (この企業の取り扱いカタログ一覧)

この企業の関連カタログ

この企業の関連カタログの表紙
DXプロダクト開発が前に進まないあなたに
ホワイトペーパー

株式会社マクニカ

この企業の関連カタログの表紙
温度&湿度データロガー『iButton®』
製品カタログ

株式会社マクニカ

このカタログの内容

Page1

スライド番号 1

シチズンマシナリー株式会社 様 導入事例 1つの筐体でAIモデルの実装と広帯域センシングを実現 工作機械の故障予測によってメンテナンスを最適化するSENSPIDER User Profile OFFICE PHOTO https://cmj.citizen.co.jp/ CNC自動旋盤世界シェアNo.1であり続けるなど、工 作機械のリーディングカンパニーとして付加価値の高 い製品やソリューションを展開しています。これまで相 反すると考えられていた個性化と量産的効率を「機 シチズンマシナリー株式会社の方々(中央から右) 械」、「IoT」、「使いこなす技術」の三位一体の生産 革新ソリューションで両立させるという革新的なモノづ 開発本部 開発企画部 部長 中谷 尊一 氏 くり『個の量産』を提案しています。今後も革新的なモ 開発本部 開発企画部 ソリューション開発課 御園 彩美 氏 ノづくりの実現を通して、お客様の安心と成長、そして 開発本部 開発企画部 ソリューション開発課 中原 大吾 氏 世界中の製造業の発展に貢献していきます。 開発本部 開発企画部 ソリューション開発課 解良 康弘 氏 Points 株式会社マクニカ 大野 謙司、 福岡 広大、 梶本 俊輔 ・ 主軸台移動形CNC自動旋盤「Cincom」と 背 主軸台固定形CNC自動旋盤「Miyano」を 中心に事業展開 背景 ≫ 高付加価値なソリューション開発で工作機械業界を強力にけん引 景 ・ シチズングループ事業の第2の柱として、グ ローバルに工作機械事業を推進 シチズン時計株式会社において工作機械を手掛ける精機事業部を経て1982年に株式会社シチズン 精機を創立、2015年に現在の商号となり、CNC自動旋盤を中心とした工作機械の開発・製造・販売を 手掛けているシチズンマシナリー株式会社。「世界最先端の生産革新ソリューション(=『個の量産』)を ・ 自動旋盤向けの故障予測の仕組みの検討 提供し、新・モノづくりの企業ポジションを確立する」という事業ビジョンを掲げ、革新的なモノづくりの実 目 ・ 状態基準保全の実現 現を通して製造業の発展に貢献している。主軸台移動形CNC自動旋盤の「Cincom」および主軸台固 的 ・ 新たな付加価値としてモノづくりの環境を 定形CNC自動旋盤の「Miyano」という2つのブランドを中心に事業展開を行っており、シチズングルー 整備 プにおいて時計事業に次ぐ第2の柱として、独自技術や操作性、加工技術ノウハウを強みに、グローバ ルに工作機械事業を推進している。 ・ 信頼性があり接続も簡単なセンシング環境 工作機械業界におけるリーディングカンパニーとしてさまざまなソリューションを展開している同社におい 選 を整備できる て、新たな技術を駆使して付加価値の高い製品開発を行っているのが、開発本部 開発企画部だ。 ・ 将来的な製品搭載も視野に入れる 定 ・ センシングやAIの技術力と知見を持つパー トナー 中谷氏:削り出しの際に出る長い切りくずによる予期せぬ加工不良が発生してしまうという自動旋盤の 課題を解消するべく、低周波振動を利用して切りくずを細かく分断するLFV技術をはじめ、バー材加工 における素材の1割に及ぶ残材を摩擦にて新材と接合、一体化し残材の削減に成功した摩擦接合技術 取 を開発するなど、自動旋盤における新たな価値創造につながる研究開発を行っています。 ・ 品質向上に貢献する主軸ベアリングの状況 り を「SENSPIDER」で見える化 組 ・ 可視化した機械データを解析して異常原因 み を素早く特定 目的 ≫ インダストリー4.0で示された故障予測への挑戦 そんな同社において新たなテーマとして検討されたのが、同社が提供している自動旋盤向けの故障予 ・ 「SENSPIDER」を使用した故障予測技術 測の仕組みだった。そのきっかけとなったのが、ドイツが提唱した製造業における革新的な取り組みであ 今 の、装置への搭載と主軸ベアリング以外の る「インダストリー4.0」における1つのアプローチとして紹介された、機械から得られた各種センシング 稼働部位への展開 データをAIによって解析し、故障予測につなげる手法だった。 後 ・ クラウドでの遠隔監視や装置健康診断など ≫ つ づ く 新たなサービスの構築を検討中
Page2

スライド番号 2

お客様導入事例 中谷氏:我々も故障予測のような新たな付加価値を提供できる環境づくりを整備すべく、現在の旋盤に おけるウィークポイントを検討しました。結果、高速回転する主軸のベアリングに関して比較的故障頻度 が高いため、この部分に関する故障予測技術の開発を最初の取り組みとして行うことにしたのです。 従来は事前に決められた一定の間隔で対象部品を交換する定期保全や故障のタイミングで交換する 事後保全が中心で、主に人が判断していたが、状態を定量化し、交換が必要と判断した時のみ部品交 換を行う状態基準保全に向けた環境を目指すことになったわけだ。 解良氏:以前から主軸に限らずセンシングに挑戦してきましたが、改めて主軸ベアリングの故障診断を 中心に取り組むことに。定期保全で予備交換しているお客さまにとっては、ムダな部品交換が不要にな り、コスト面でも価値提供ができるようになります。 工作機械に限らず、取り組みを始めた2016年当時は装置における故障予測の仕組みが実装できてい るものが少なく、自動旋盤における業界では先進的なプロジェクトだったという。 選定 ≫ データロガーはもちろん、分析する頭脳の組込に最適だった「SENSPIDER」 このベアリングにおけるセンシング技術を活用す して、JIMTOFを目指してプロジェクトに参加し るべく、振動を記録するデータロガーを設置し、 ていただいたのです。 PCに接続してデータ収集できる環境を整備。 2016年に開催されたJIMTOF(日本国際工 従来から使用してきたデータロガーは、単にデー 作機械見本市)にシンプルなセンシング環境を タを取得するだけの装置だったが、「SENSPI 展示するなど、故障予測を実現するための環境 DER」は小さな筐体のなかにデータロガーの 整備を進めてきた経緯がある。 機能はもちろん、AIモデルを搭載して分析でき る頭脳も備わっている。 解良氏:実際にセンシングできる環境は整備で きましたが、当時の環境は工作機械用としては 中谷氏:筐体内に分析機能を搭載できるため、 信頼性が十分でなく、また複数のユニットを組 「SENSPIDER」であれば将来的に自動旋盤 み合わせることで接続が複雑な状態だったこと 内に組み込むこともできると考えたのです。 もあり、広く展開するには難しい状況が続いて いたのです。 同じタイミングでPLCを搭載したソリューション も検討したものの、ソフトウェアを扱う上では そんな折、2016年当初から開発パートナーとし Linuxが搭載された「SENSPIDER」の扱いや て参加していたマクニカから、センサーゲート すさを高く評価した。実際の検証でも、従来の ウェイ&エッジコンピューティング端末「SEN データロガーと同様のデータ傾向が取得できる SPIDER」が提案された。 ことが確認できたという。分析を手掛けている 御園氏は言う。 解良氏: 最終的には我々の製品内に収めたい 中谷氏:マクニカさんとは、もともと半導体事 と考えており、手ごろなサイズ感も我々の要望に 業でお付き合いのあった部署から紹介いただ 御園氏:以前の仕組みでは周波数解析を行う フィットしていると判断しました。 いたのがきっかけです。今まで手掛けたことの 上で必要なアンチエイリアシングフィルタが入っ ないセンシングやAIといった新技術を組み合わ ておらず、分析するのが大変でした。「SENSPI と、解良氏も評価する。 せた開発のため、パートナーの存在が不可欠で DER」ではきちんとデータの前処理に必要な低 したが、ちょうどインダストリーIoTに関するワン 域通過フィルタをかけることができるため、安心 結果として、マクニカが新たに開発した「SENS ストップソリューションの提供をマクニカさんが して分析できるのはとてもありがたい。製品に PIDER」を活用し、新たな環境づくりを進める 開始されたことを知りました。高度な技術力と 組み込む前提で考えると、見た目のカッコよさ 決断をすることになる。 産業界における豊富な知見を持つパートナーと も評価しました。 ≫ つ づ く
Page3

スライド番号 3

お客様導入事例 取り組み ≫ 自社の製造プロセスの品質向上に貢献、原因特定までの工数削減にも一役 現在は同社が提供する自動旋盤への搭載を検 討しながら、自社の製造工程において製造プロ セスでの情報の見える化に活用しており、多く の「SENSPIDER」が国内外の各工場におけ る製造ラインに設置されている状況だ。具体的 には、工作機械の心臓部となる主軸におけるベ アリングの状況を数値によって可視化し、解析 したうえで次工程に進めるための確認作業に 生かされている。中原氏は、 中原氏:以前は時間をかけて温度や音などか ら状況を把握していましたが、今は「SENSPID ER」を中心に見える化を行うことで、製造プロ セスにおける品質向上に貢献しています。 と評価する。海外拠点への展開も順次進めて いるという。 中原氏:「SENSPIDER」による振動センシン グでは、データがきちんと取得できており、機器 も扱いやすい。不明点があればその都度迅速 に回答いただけており、実際に現場に足を運ん でいただくなど手厚くサポートいただいていま す。 解析用のソフトウェアは、マクニカから提供され によるセンシングですぐに特定できた事例は現 遠隔からの分析技術の適用範囲も広がります たサンプルとマニュアルをもとに、同社が独自 場からも多く寄せられているという。 し、お客さまへの新たな価値提供にもつながる で開発しており、振動センサーによって取得し はず。 たデータを「SENSPIDER」に集約、現在はPC 同社では、客先に納入した工作機械で不具合 を接続して統計解析手法によるAI的なアプ が発生した際に、現場に「SENSPIDER」を設 機械の販売を通したソリューションの提供に加 ローチにて状態判定が可能になっている。 置して都度状況を見るような場面もあるが、不 え、IoT技術を用いた新たなサービスビジネス 具合が半年から1年単位でしか発生しないよう への幅も広がっていくことが期待されている。 御園氏:周波数を分析することで異常個所に な再現性の低いケースもある。 関して信頼性がある判断ができるようになって マクニカについては、もともとセンシングやAIな います。以前は異音発生の不具合が生じた場 中原氏:「SENSPIDER」に実装されたWeb どの領域に関して初めての試みだった同社に 合、センシング対応できていないと現場担当者 APIを活用することで、遠隔からでもデータ監 とって、手厚い支援によって新たな価値創造に が長年の経験をもとに状況を判断し、部品交 視できるようになりました。お客さま対応の幅を つなげることができたと高く評価する。 換や組み直しをしながら原因を見つけていくな 広げることができたことも効果の1つです。 ど工数が非常にかかっていました。センシング 解良氏:IoTを含めて初めての挑戦で分からな によって主軸のバランスやベアリングの組み付 “アルカートライブ2”と呼ばれる機械の稼働監 いことが多々ありましたが、とても真摯に対応い けが悪いのか、そもそもベアリングがおかしい 視ツールを同社では提供しているが、現状は機 ただくことができました。何かあっても前向きに のかといった判断が迅速にでき、その後の対処 械の制御装置が持つ稼働データの見える化が かつスピード感をもって対応いただけたことに 法の判断も迅速にできるようになったのは大き 中心で、機械系のメカニカルなデータまでは取 感謝しています。 な効果です。 得できていない。 実は「SENSPIDER」を導入する際に、ある特定 事象によるものの、原因特定がなかなかできず 中谷氏:「SENSPIDER」によって得られたメカ の工場に設置したときのみノイズが出てしまい、 に現場で苦労していたものが、「SENSPIDER」 ニカルなデータも合わせて見える化できれば、 その解決に苦労したことも。 御園氏:振動センサーが使えないレベルの電気 的なノイズが発生しており、なかなか原因が特 定できませんでした。実際にはセンサーに対し て工場電源のノイズが乗ってしまっていたので すが、すぐに現地に来ていただき、実際の波形 を見て電源周りが影響していると判断、無事に 解決することができたのです。通常なら製品に 問題がなければ対応いただくことは難しいもの の、センサー以外の周辺環境まで可能性を探っ ていただくなど、ほかのメーカーでは対応いた だけないことまでサポートいただけて本当にあ りがたい。 ≫ つ づ く
Page4

スライド番号 4

お客様導入事例 今後 ≫ 新たなセンシングはもちろん、パートナーの品質向上にも役立てたい 最終的には、同社が提供する工作機械に対す ている工程についても同様のプロセスで見える 出ができるのは大きい。 る新たな付加価値として、故障予測が可能な 化するなど、パートナーの品質向上につながる 「SENSPIDER」を標準的に搭載できるような 外注管理にも「SENSPIDER」を活用していき 遠隔監視のニーズにも応えるべく、いずれは 環境を目標に、さらにブラッシュアップしていく たい考えだ。 「SENSPIDER」にて蓄積した情報をWi-Fi経 予定となっている。また、現在は振動センシング 由でクラウドに自動的にアップロードできるよう が中心となっているが、異なる環境についても 解良氏:現時点では「SENSPIDER」と接続す な環境づくりについても期待しているという。 センシングしていくような構想もあるという。 るPC上で分析、判断できるようなソフトウェア を構築していますが、現場での判断が難しい場 中谷氏:取得できたデータがクラウド上で確認 中谷氏:拡張性の高い「SENSPIDER」だから 合は収集したデータをこちらに送ってもらい、 できれば理想的です。マクニカさんが持つクラ こそ、いろいろな可能性が広がっています。 詳細に分析できるような環境も整備しています。 ウド上のプラットフォームを活用することも視野 に、遠隔地からでもお客さまの機械の状況が と期待を寄せている。また、現在は主軸のベアリ また、客先に出向いて同社が提供した工作機 「SENSPIDER」を設置したその日から簡単に ングを中心にセンシングしているが、他にも動く 械にセンサーを設置し、測定した結果をベース 確認できるようになればうれしいですね。 部位があるため、他の要素も含めてできる限り に機械の健康診断を行うサービスも検討中だ。 センシングしていけるようなことも検討したいと ハードウェアとしての「SENSPIDER」や技術 いう。 中谷氏:小さな筐体で配線もシンプルなため、 支援だけでなく、プラットフォーム提供について ユーザー先でもセンシングしやすい。単純に壊 もマクニカに期待している、と熱い想いを語って 使い方についても、現在社内の製造プロセスで れたものを見つけるのは比較的容易ですが、健 いただいた。 行っている見える化について、外部に委託し 康診断において予測できるレベルで高度な検 ◆機械状態を把握し、異常検知・予知保全等に活用可能 ◆各種センサーデータのロギングに必要な機能を1BOXに集約 ◆カスタムアルゴリズム(Python)の実装に対応 ◆最大8chの信号入力 ◆3種類のインターフェースカードを組み合わせて装着可能 ◆MAX48kspsの高速サンプリング 詳しく知りたい方はこちらへアクセス! https://www.macnica.co.jp/business/ai_iot/ <本社> 〒222-8561 横浜市港北区新横浜1-6-3 2022年 © Macnica, Inc. TEL:045-470-9118 FAX:045-470-9180  本文中の社名、組織名及び役職は取材時のものです。 株式会社マクニカ お問い合わせ先:consulting-iot@macnica.co.jp  表示・記載されている各社の会社名は、各社の商号、商標または登録商標です。