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「1日修理」が目標!? NEC PC 群馬事業場の取り組み

製品カタログ

工場内修理を1日で完了させる“1日修理”を目標に効率化を進める、NEC PC 群馬事業場の取り組み

 かつて「PC-9801」などのデスクトップPCの開発生産拠点として機能していたNECパーソナルコンピュータ
群馬事業場は、現在、保守サービスサポート拠点として、NEC/レノボ製品の修理センターとコールセンターを備え、高品質な修理サポートを提供している。工場内では、上記修理サポート業務の他、NEC製PCのリユース、NEC製品のマザーボード修理の内製化、そして保守に必要な修理部品の調達・保管なども行っている。

 もともとPCの生産拠点だったこともあり、豊富な知識・スキルを持ったスタッフが多数在籍しており、高い保守サービスレベルを維持。顧客第一の活動を実践し、サポートサービス拠点のマザーファクトリーを目指しているという。今回は、レノボ製PCの修理サポート業務開始を受けて開催された工場見学会の模様をお届けする。


※本資料はTechFactoryの記事をまとめたブックレットです。

このカタログについて

ドキュメント名 「1日修理」が目標!? NEC PC 群馬事業場の取り組み
ドキュメント種別 製品カタログ
ファイルサイズ 4.5Mb
登録カテゴリ
取り扱い企業 TechFactory|アイティメディア株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

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このカタログ(「1日修理」が目標!? NEC PC 群馬事業場の取り組み)の内容


Page 1:NEC・レノボ製品の 1日修理 を実現するNECパーソナルコンピュータ 群馬事業場レノボ・ジャパンは、NEC製PCの保守サポートサービス拠点であるNECパーソナルコンピュータ 群馬事業場(群馬県太田市)でのレノボ製PCの修理サポート業務開始を受け、プレスツアーを開催した。NEC製品とレノボ製品の修理サポートを一手に引き受ける工場内修理の取り組みとは?初出:2016/12/5 | TechFactoryhttp://techfactory.itmedia.co.jp/tf/articles/1612/05/news016.htmlCopyright© 2017 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.PC修理工場見学ツアー:

Page 2:Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.2 レノボ・ジャパンは、NEC製PCの保守サポートサービス拠点であるNECパーソナルコンピュータ 群馬事業場(群馬県太田市)でのレノボ製PCの修理サポート業務開始を受け、2016年11月17日にプレスツアー(見学会)を開催。NEC製品に加え、レノボ製品の修理業務を統合したNECパーソナルコンピュータ群馬事業場における取り組みや、修理工程の様子などを紹介した。「PC-9801」を開発生産した群馬事業場が保守サービス拠点になるまで NEC製PCの企画・開発・製造およびPC /周辺機器の販売・故障診断・修理、PCのリユース事業を手掛けるNECパーソナルコンピュータには、全国の営業拠点に加え、開発生産拠点の米沢事業場(山形県米沢市)と、保守サポート拠点の群馬事業場が稼働している。 群馬事業場は、今でこそ保守サービスサポート拠点として事業を展開しているが、もともとは「PC-9801」などのデスクトップPCの開発生産拠点として機能していた。大きく事業転換したのが2002年のこと。NEC製品の開発生産を全て米沢事業場に統合したタイミングに併せ、群馬事業場にコールセンターと修理センターなどを集約させてNEC製品の保守サービスサポート拠点とした。NECパーソナルコンピュータ 群馬事業場(群馬県太田市)の外観NEC・レノボ製品の 1日修理 を実現するNECパーソナルコンピュータ 群馬事業場

Page 3:Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.3そして、その後2011年にレノボとジョイントベンチャーを発足し、2014年にレノボ製タブレット端末の修理を開始。さらに2016年からその枠組みを広げ、レノボ製 PC 製品の引き取り修理もスタートさせた。 群馬事業場の敷地面積は8万7805m2で、建屋は大きく「オフィスビル」「工場棟」「部品倉庫」に分かれており、約550人のスタッフが勤務。ここでPC /周辺機器の修理やNEC製中古PCの再生といった事業に関するさまざまなオペレーションが行われている。もともとPCの生産拠点だったこともあり、豊富な知識・スキルを持ったスタッフが多数在籍しており、高いサービスレベルを維持しているという。 NECパーソナルコンピュータでは、 お客さま満足度向上 に向けた修理サポート戦略として、「問診(故障診断)の確かさ」「修理の確かさ」「修理の早さ」「修理価格・内容の分かりやすさ」の4つを掲げている。その中でも 修理の早さ を重視しており、ユーザーが使用しているPCのダウンタイムの短縮を目指し、工場内修理を1日で完了させる1日修理 の拡大を図っているという。群馬事業場の沿革NEC・レノボ製品の 1日修理 を実現するNECパーソナルコンピュータ 群馬事業場工場棟2階のマザーボード修理ライン

Page 4:Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.4レノボ製品の修理サポートを統合、 マザーファクトリー を目指す 群馬事業場では、2014年にレノボ製タブレット端末の修理サポートを開始。その後、2016年7月からレノボ製PCのコンシューマー製品「Idea」ブランドの修理を、同年8月からコマーシャル(ビジネス向け)製品「Think」ブランドの修理をスタートさせた。 これに伴い、NEC製品の修理サービスで培った保守サポートサービスのノウハウを活用しながら、これまで社外委託していたレノボ製品の修理サービスのCS向上およびコスト削減の追求を図り、NEC/レノボ製品の修理拠点統合に向けた最適化を実施。レノボ製品の修理サポートの開始に併せて、レノボ製品向けに修理履歴管理ITシステムを新たに開発・導入した。このITシステムには、NECパーソナルコンピュータが長年培ってきた独自のノウハウが盛り込まれており、レノボ製品においてもNEC製品と同様に、群馬事業場のオペレーションで修理サポートを実施できるようにした。なお今回、レノボ製品の引き取り修理を開始したことで、装置の引き取り修理のボリュームとしては従来比1.6倍(台/月)になり、それに伴い保守部品の取扱量も従来比1.6倍(個/月)になったという。NEC・レノボ製品の 1日修理 を実現するNECパーソナルコンピュータ 群馬事業場レノボ製品修理の移管と群馬事業場の位置付け

Page 5:5 NECパーソナルコンピュータ サービス事業本部統括マネジャー 土屋晃氏は「群馬事業場には保守サポートに必要な機能が全て備わっている。ここにはNEC/レノボの修理センターとコールセンターがあり、高品質な修理サポートを提供している。それからNEC製PCのリユース、NEC製品のマザーボードの修理も内製で実施している(レノボ製品のマザーボード修理も検討中)。また保守に必要な修理部品の調達・保管も群馬事業場が中心となって行っている。われわれは マザーファクトリーを目指し、こうした事業を支えるスタッフとともに、お客さま第一の活動を実践し、効率化の追求に日々取り組んでいる」と話す。レノボとユーザーにとってのメリット これまで社外委託していたレノボ製品の修理を、NECパーソナルコンピュータ 群馬事業場に移管したことで、レノボ自身はもちろんのこと、ユーザー(顧客)にとっても大きなメリットがあるという。 レノボ・ジャパン 執行役員専務 横田聡一氏は「サービス品質の高いNECパーソナルコンピュータ群馬事業場のチームが、レノボ製品の修理業務までカバーして くれることで、ユーザーに直接的、間接的にそのメリットを提供できるようになる」と述べる。直接的なメリットとしては、言うまでもなく迅速で正確な、質の高い保守サービスを受けられる点である。そして間接的なメリットとしては、群馬事業場に集まる障害情報をレノボの設計開発チームと共有して設計品質の向上を図ることで、より良い製品をユーザーに提供できるようになる点である。沖縄発のIoT を仕掛けるレキサス、キーワードは「非日常」と「人間中心設計」NECパーソナルコンピュータ サービス事業本部 統括マネジャー土屋晃氏レノボ・ジャパン 執行役員専務横田聡一氏

Page 6:Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.6 「群馬事業場でレノボ製品の保守が行えるようになれば、不具合や障害などのより正確で質の高い情報をすぐに設計開発チームに共有できるようになる。また、再現が困難な不具合であれば、事象の発生した実機を群馬事業場から送ってもらって、いち早く解析することも可能になる。問題の兆候などを早期発見できれば、開発中の製品にその対策を反映して同じ障害を起こさないように未然に防ぐこともできるだろう。初動対応が早くなるというメリットは、われわれにとっては非常に大きい」(横田氏)。 また障害情報の共有だけでなく、「部品の配置位置やケーブルの取り回しなどが保守作業に影響する(作業しづらい)だとか、もっとこのような解析ツールがほしいといった提案を群馬事業場のチームからもらえる機会も増えるのではないか。こうした声を設計開発チーム側で受け取り、製品設計などに反映できれば、保守作業にかかる時間やコストが削減され、結果としてお客さまにも還元できるのではないか」と横田氏は、保守と設計開発という垣根を越えた連携に大きな期待を寄せる。NEC・レノボ製品の 1日修理 を実現するNECパーソナルコンピュータ 群馬事業場レノボ製PCの修理ラインの様子

Page 7:Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.71日修理 を可能にする修理サポート それでは、今回の見学会のメインであったPC修理の実際の流れと、レノボ製品の修理サポートを取り組む上で実施した内容について紹介しよう。 まずPC引き取りルートだが、通常の宅配便と販売店からのルート便の2通りの引き取り体制で運用している。群馬事業場のトラックヤードに到着した修理品は、着荷のプロセスにて着荷受付が行われ、そのまま修理ラインへ回される。まずは修理品の解析を行い、故障診断を実施して不具合の再現性などをチェック。修理が有償となる場合は、見積書を作成してコールセンター経由でユーザーに問い合わせを行う。無償修理、あるいは有償修理を行うと決まったら部品倉庫へ部品要求を行い、配膳してもらい部品交換に取り掛かる。ちなみに、部品倉庫では部品要求を受けてから13分以内に該当部品を配膳するルールとなっている。13分という時間は、修理センターでPC修理にかかる平均的な作業時間で、このタイミングで配膳するのが最も効率的だという。NEC・レノボ製品の 1日修理 を実現するNECパーソナルコンピュータ 群馬事業場レノボ製品の保守部品倉庫の様子修理完了まで1人で行うセル方式が基本だが、ケースによっては効率を重視して分業で修理に当たることもある

Page 8:Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.8 修理作業は、修理完了まで1人で行うセル方式が基本だが、ケースによっては効率を重視して分業で修理に当たることもある。いずれにせよそのタイミングで最も効率の良い方式を採用しているとのことだ。修理が無事に完了し、検査を行い問題がなければ清掃梱包(こんぽう)を行い、出荷されてユーザーの手元に届く流れとなる。 この修理フローにレノボ製品の修理を取り込む際に「変えたこと」としては、群馬事業場内の看板の表記を、日本語と英語の併記にしたことだ。またレノボ側で使われてきた略語に対応するため、略語の統一化にも取り組んだという。そして、品質意識についても変化。NEC製品中心のときはコンシューマー製品の顧客が主だったが、レノボ製品ではコマーシャル(ビジネス利用)の顧客が含まれるため、個人ユーザーとは異なる品質への意識(1件の修理の重み、スピードと品質への意識)や、企業顧客ごとの個別対応なども必要になったという。 また、「継続・発展させたこと」としては、効率化・標準化の追求ということで、HDDイメージのネットワークインストール構築の仕組みを、レノボ製品にまで順次広げている。NECパーソナルコンピュータでは、従来記録メディアなどでインストールを行っていた作業を効率化すべく、NASの中にイメージを入れてネットワーク経由で、簡単にイメージをインストールできる仕組みを構築。これをレノボ製品でも展開し、対応製品を随時拡大している。これにより修理時間の大幅な短縮や煩雑な作業の低減が可能になるとしている。他にも、修理後に行う出荷検査用のツールをレノボ製品でも使えるようにしたこと、修理情報ナレッジにレノボ製品のノウハウなどについても蓄積を開始したことなどを挙げた。 さらに、修理品管理手法についてもNECパーソナルコンピュータで培ってきた思想をレノボ製品に反映。レノボ向けに新規に開発した修理履歴管理ITシスNEC・レノボ製品の 1日修理 を実現するNECパーソナルコンピュータ 群馬事業場日本語と英語が併記された看板

Page 9:9テ ム に は、NEC製 品 の 修 理 で 活 用 し て き た、修 理 品 の 所 在 地 を 表 すTANABAN(棚 番)管 理 を 反 映 さ せ た。同 時 に、修 理 進 捗 管 理 シ ス テ ム「navi」を活用することで、レノボ製品の修理においても、進捗状態が可視化できるようになったという。(取材協力:レノボ・ジャパン)編集:TechFactory発行:アイティメディア株式会社Copyright 2017 ITmedia,Inc. All Rights Reserved.NEC・レノボ製品の 1日修理 を実現するNECパーソナルコンピュータ 群馬事業場NEC製品の修理思想をレノボ製品の修理にも反映