カタログの表紙
カタログの表紙

このカタログをダウンロードして
すべてを見る

ダウンロード(6.6Mb)

IoTシステム構築のために、まずは「計測」から始めよう

製品カタログ

IoTシステムの構築・導入をスムーズに行うためにはどうしたらよいのか?

 本稿では、「NIDays 2016」のセッションプログラムの中から、イー・アイ・ソル 常務取締役 平澤啓氏による講演「IoT化のための導入ステップを基礎から学ぶ! オンライン状態監視システムの導入課題と解決事例」の模様をお届けする。

 同社がこれまで培ってきたシステム構築の実績・経験を基に、IoT導入の課題とその解決策を、生産設備、プラント、電力設備、各種装置、工場内・工事現場内などの“オンライン状態監視システム”の構築事例を交えながら紹介する。

 IoTシステム構築・導入の一番の近道とは?

※本資料はTechFactoryの記事をまとめたブックレットです。

このカタログについて

ドキュメント名 IoTシステム構築のために、まずは「計測」から始めよう
ドキュメント種別 製品カタログ
ファイルサイズ 6.6Mb
登録カテゴリ
取り扱い企業 TechFactory|アイティメディア株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

この企業の関連カタログ

このカタログ(IoTシステム構築のために、まずは「計測」から始めよう)の内容


Page 1:NIDays 2016 講演レポート:IoTシステムの構築は「計測」なくして語れない!∼オンライン状態監視システムの構築事例から学ぶ∼「IoTという言葉ばかりが先行し、実際に何をすべきか分からない」「収集したデータをどのように活用してよいのか分からず困っている」など。IoT導入の必要性に迫られながらもこうした課題を抱えている企業は多い。その解決策のヒントとして、「NIDays 2016」のセッションプログラムに登壇したイー・アイ・ソルによる講演、「IoT化のための導入ステップを基礎から学ぶ!オンライン状態監視システムの導入課題と解決事例」の模様を紹介しよう。初出:2016/11/8 | TechFactoryhttp://techfactory.itmedia.co.jp/tf/articles/1611/08/news007.htmlCopyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

Page 2:Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.2IoT システムの構築は「計測」なくして語れない!∼オンライン状態監視システムの構築事例から学ぶ∼ 計測/制御分野におけるグラフィカル開発環境「LabVIEW」を中心とした、National Instruments(NI)の開発プラットフォームを活用した最新システム、業界動向および導入事例などを幅広く紹介するテクニカルイベント「NIDays2016」(主催:日本ナショナルインスツルメンツ)が、2016年10月26日に開催された。 注 目 の セ ッ シ ョ ン プ ロ グ ラ ム で は、「LabVIEW」「信号収集/出力/データロギング」「検査・試験」「制御・シミュレーション」の4トラックおよび体験セミナーが用意され、基調講演を皮切りに、さまざまな技術セッションに多くの聴講者が詰めかけていた。 本稿では、大盛況のセッションプログラムの中から、イー・アイ・ソル 常務取締役 平澤啓氏による講演「IoT 化のための導入ステップを基礎から学ぶ! オンライン状態監視システムの導入課題と解決事例」の模様をお届けする。 イー・アイ・ソルは、日本で3社しかいないというNIのゴールドアライアンスパートナーで、主力事業のLabVIEWシステムの受託開発と、自社製品の開発・販売を手掛けている。通常、LabVIEWを用いたシステム構築はユーザー自身が行うか、イー・アイ・ソルのようなインテグレーターが行うのが一般的である。そのため、同社では多くの構築実績があり、NIの各種製品を活用したシステム構築だけでなく、必要であれば基板やラックの製作までも手掛けるという。実に、年間100案件以上のシステム構築および導入実績があるとのことだ。 そんなイー・アイ・ソルがこれまでのシステム構築の経験から得た、IoT導入の課題とその解決策について、生産設備、プラント、電力設備、各種装置、工場内・工事現場内などの オンライン状態監視システム を例に紹介した。イー・アイ・ソル 常務取締役 平澤啓氏

Page 3:Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.3担当者の 生の声 ― IoT 導入に対して、どんな課題を抱えているのか? 言うまでもなく、「IoT(Internet of Things:モノのインターネット)」はさまざまな業界で注目を集めている。とりわけ、産業・工業分野では「IIoT(Industrial Internet of Things)」などと呼ばれ、単なるコスト削減や効率化にとどまらず、生産ラインの品質向上や設備機器の予防保全、現場環境の改善、さらには新たな製品価値の創出といった部分で大きな期待が寄せられている。 イー・アイ・ソルは、IoTという言葉が広く浸透する以前から、ネットワークを活用した分散計測や遠隔計測などに取り組んでおり、近年のIoTブームでさらに案件数が増加しているという。そうした中、「実はIoT導入に対して、お客さまはさまざまな課題に直面している」と、平澤氏は語る。 顧客が抱えるIoT導入の課題とは、例えば次のようなものだという。多くの企業がデータ活用、IoT導入に課題を感じている…… では、もう少し広い視野で、日本企業におけるIoTへの取り組み状況を見ていこう。 近年の市場調査レポートなどを見てみると、多くの場合、日本企業は IoTに慎重な姿勢を見せている だとか、 データ利活用の意識が低い だとかの指摘を受けている。平澤氏も経済産業省の「ものづくり白書」を取り上げ、国内企業が抱える課題を指し示す幾つかのデータを紹介した。■ 「IoT」という言葉ばかりが先行し、上司に指示を受けたが具体的に何をしてよいのか分からない。■ 収集したデータをどのように活用してよいのか分からない。■ 人間が行っている感応検査を自動化するにはどうしたらいいのか?■ 生産設備の予防保全に市販ソフトを使いたいが、それが自社に適したものか分からない。■ (IoT に精通した)技術者、専任者がおらずプロジェクトが前に進まない。■ どこの何を計測すればいいのか分からない。IoT システムの構築は「計測」なくして語れない!∼オンライン状態監視システムの構築事例から学ぶ∼

Page 4:Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.4 まず、IoTに欠かせない ビッグデータの活用 についてだが、米国の約90%の企業が何らかの形で既にビッグデータを活用中であるのに対し、日本は70%近くが「よく知らない・分からない」「検討したが利用していない」と回答しているという。また、IT投資の意識についても差があり、米国ではビッグデータなどを活用して、新たなビジネスモデルを構築したり、サービス・製品の強化をしたりするのに予算が使われる傾向にある(攻めのIT投資)。これに対し、日本では業務効率化やコスト削減といった内側の改善に投資する傾向にあるという(守りのIT投資)。他にも平澤氏は、「米国ではIT技術者がユーザー企業に在籍する比率が高いのに対し、日本は低い」「ビッグデータを活用している企業の方が、売上、利益ともに上回っている」など、ものづくり白書のデータを用いながら説明した。 日本でも多くの企業が必要性を感じていながら、なぜ IoT導入や、IoT活用で肝となるデータ活用などに消極的なのか。 (講演では紹介されなかったが)IDC Japanが2016年10月17日に発表した「国内先端IT技術利用動向調査結果」に、その理由につながる調査結果が示されている。IDC Japanの調査の中で、「IoTの活用を検討している」「IoTを活用データで見る課題。平澤氏は経済産業省の「ものづくり白書 2015」からデータを引用しながら、IoT導入に対する課題をいくつか説明したIoT システムの構築は「計測」なくして語れない!∼オンライン状態監視システムの構築事例から学ぶ∼

Page 5:Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.5する予定はない・分からない」と回答した人たちに、その理由を尋ねたところ、「人材やスキル不足」「効果についての疑問」「IoTと自社製品・サービスを関連付けることの難しさ」を挙げたという。さらに、ニフティが実施した「IoTに関する実態調査」においては、全回答者の半数が「データ活用に 何らかの課題がある 」と回答している。 こうした課題をどうやって解決していくべきか。IoTを活用し、競争優位性を確立するために、各社頭を悩ませているところだろう。課題に対する解決策は? 計測なくして始まらない !! ここからは、前述した課題に対する 解決策 について、イー・アイ・ソルの考えを紹介していこう。 まず、「IT技術者が少ない」「IT技術者が自社にいない」という課題に対してだが、平澤氏は「自社で技術者を一気に増やすのは現実的ではないので、専門業社と共同で進めるのがIoTシステム構築の近道だろう。例えば、データの計測・解析・分析はそれぞれ専門分野に当たる。これを自社だけでやろうとするのは難しく、それではプロジェクトの進行が滞ってしまう」と説明する。IoTをいち早く導入し、業務改革や新たなビジネスモデルの創造を図り、競争力を高めたいと思う企業が多い中、スピード感をもってプロジェクトを推進し、成功に導くことが求められる。企業規模などにもよるが、ケースによっては平澤氏の指摘の通り、専門業社と組んで取り組むという選択肢もありだろう。 さらに「どこから始めたらよいか分からない」「市販のソフトが自社に適しているか分からない」「何が正解か分からない」といった悩みを抱えているケースも多くある。実際、トップダウンで「とにかくIoT活用して成果を出せ!」と迫られている方も多いのではないだろうか。こうした課題に対して平澤氏は、「何を始めるにも『計測データ』がなければ何も進まない。まずは『計測すること』から始めることが重要だ」と指摘する。現状の課題がハッキリしていない、課題解決のために何を改善しなければならないか見えていない……。そんな状態IoT システムの構築は「計測」なくして語れない!∼オンライン状態監視システムの構築事例から学ぶ∼

Page 6:Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.6では、どこから着手してよいか分からないのも当然だ。まずは現状をつかむこと。課題を把握するためにも計測することから始めるべきだというのが平澤氏の考えである。 また、「感応評価/検査を機械化・自動化したい」というニーズもあるという。例えば、これまでベテラン技術者が自身の耳で異音を感じとって、加工機のメンテナンスなどを行っていたが、これでは属人的であり、ノウハウの共有・伝承が困難である。IoT技術でこれを機械化・自動化したいという場合は、「最初は計測データを取るところから始め、それがOKかNGかを感応評価担当者に判断してもらい、データとひも付けを行う必要がある。こうしたケースも結局のところ『計測』しなければ始まらない」(平澤氏)という。 もう1つ、こんなケースもよくあるという。それは計測してみたものの「NGがなかなか発生しない」という問題だ。頻発するものであれば、OKの状態とNGの状態を計測して、そのデータを比較すればよい。しかし、品質レベルの高い日本の生産現場ではNGが出るケースが極めて低い。「そんなときは、『OK範囲』を決めることだ。われわれは この範囲を超えたらNG と考えるアプローチを提案している。実際、それでデータを取ってみて、担当者が『OK範課題から見る解決策提案。IoT導入課題に対するイー・アイ・ソルからの解決策をまとめたもの。「IoTシステムはいきなり『正解』を出すのは難しい。長期的な視点で進めるべきである」と平澤氏は述べるIoT システムの構築は「計測」なくして語れない!∼オンライン状態監視システムの構築事例から学ぶ∼

Page 7:Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.7囲を越えたが、これはNGではない』と判断したらOK範囲を広げて精度を高めていけばいい」と平澤氏。IoT 導入がスムーズに進むケースとは? では逆にどんな状態であれば、IoT導入がスムーズに進むのだろうか。平澤氏は実際の導入実績を例に、スムーズに計測から診断まで進んだケースを3つほど紹介した。 1つは、顧客側で検討された解析アルゴリズムが既にある場合だ。「その解析アルゴリズムがDLLで用意されていれば、それをLabVIEWに組み込んで、結果を出すことも可能だ」(平澤氏)という。 2 つ目は、市販ソフトで解析を行うと始めから決定している場合だ。このケースでは、測定データを市販ソフトに渡すまでを実現できればよいため、「計測からデータベース製作までを行った」(平澤氏)。 そして3つ目が、測定データをExcelで解析してオフラインで診断しているケースだ。この場合、既に解析のための計算式が存在しているため、それをLabVIEW で作り込んで、オンライン化させることも可能だという。 「特に、顧客側で何らかの解析アルゴリズム(あるいは計算式)が用意されていると、IoT導入はスムーズに進む。こうした顧客は自身でたくさんの実験・テストを行ってデータを計測し、その結果に基づいて、解析アルゴリズムを導き出しているはず。このことからも 計測することの重要性 が分かると思う」(平澤氏)。 ここまでの平澤氏の言葉からも分かる通り、IoT導入をスムーズに進めるには、何よりも「テスト・計測から始めること」が大切であるという。そして、IoTシステムの構築には、さまざまな専門知識や技術が必要となるため、「専門業社とプロジェクトを進めること」(平澤氏)が重要だと強調した。IoT システムの構築は「計測」なくして語れない!∼オンライン状態監視システムの構築事例から学ぶ∼

Page 8:Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.8安全管理と省エネを実現する状態監視システム それでは、イー・アイ・ソルが実際に顧客に導入した、状態監視システムの構築事例を紹介しよう。 錢高組に導入した、山岳トンネル工事現場の安全管理および省エネを目的とした状態監視システムの例である。オフィスビルや商業施設などの建築事業と、トンネルや橋梁といった土木事業を手掛ける錢高組は、近年の IT技術の発展・普及、国土交通省が推進する「i-Construction」などを背景に、建築/土木業界におけるIT活用に取り組み始めていた。そうした中、以前から課題であった山岳トンネル工事の安全管理向上と電気代削減に対し、IT技術を駆使したマネジメントシステムの構築を目指すこととなった。錢高組 技術本部 技術研究所 白石雅嗣氏イー・アイ・ソルからのメッセージIoT システムの構築は「計測」なくして語れない!∼オンライン状態監視システムの構築事例から学ぶ∼

Page 9:9 イー・アイ・ソルは、錢高組が理想とする山岳トンネル工事向けのマネジメントシステムの構想(IoT技術を活用し、作業員の位置把握や坑内の照明/ファンの制御を最適化したい)に対し、NIのLabVIEWおよび「CompactRIO」を使用した導入コストを抑えた、実現可能性の高い提案を実施。両社共同で、山岳トンネルの安全対策・省エネ制御システム「TUNNEL EYE」を開発するに至り、高松自動車道 志度トンネルの工事現場で試験導入された。 錢高組 技術本部 技術研究所 白石雅嗣氏は、「開発を始めるに当たり、まずイー・アイ・ソルからシステム構築に向けた手順を明確に示してもらった。すぐに本システムを構築するのではなく、事前の基礎実験を行いテスト・計測を実施するところから始めた」と振り返る。例えば、トンネルの入坑管理に用いるRFIDタグがきちんと検知できるか、制御条件とファンとの連動がうまくいくかなど含め、本システムの構築前にトンネル現場で各種基礎実験を行い、OKと判断してから本格的なシステム開発を始めたという。 トンネル坑内では、各機器の配置とともに、100mおきにCompactRIOを配置し、有線ネットワークを構築。電気で稼働するトンネル施工機械、濃度計、人の位置を検知するRFIDリーダーなどを設置して、これらの情報をCompactRIO山岳トンネル工事向けのマネジメントシステムの構成例IoT システムの構築は「計測」なくして語れない!∼オンライン状態監視システムの構築事例から学ぶ∼

Page 10:10で収集し、事務所のサーバでデータ処理を行い、作業員や車両の検知、粉じんや可燃性ガスなどの濃度測定、換気ファンや照明といった各種電気機器の監視/制御を行った。 「実際の機器の配置・取り付けについては、極力現場作業が発生しないように省力化した。CompactRIOを含む制御盤の設置については、通常のトンネルの施工用電源も配置しないといけないので、その作業の合間に設置が行えるように構成。事前に、装置などをボックスに収納して細かな現地配線をなくし、設置作業を減らす工夫を施した」と白石氏は説明する。開発期間はわずか 3 カ月 CompactRIOによって構成された制御端末は、高松自動車道 志度トンネルの工事現場(坑内)に導入され、約10カ月間にもおよぶトンネル施工期間、正常稼働し続けたという。こうした堅牢性・耐環境に優れている点の他にも、NI製品を選定した理由があるという。 まず白石氏が挙げたのは、CompactRIOがモジュール形式を採用している点だ。今後、異なる計測が必要になってもモジュールを追加・変更するだけで、新たな測定データを取得できる。また、CompactRIOがネットワーク組み込み型であるため、不具合に対するプログラム修正を遠隔から行えることも、作業員の人命を預かる上で重要な点だったとしている。実際、イー・アイ・ソルから遠隔で現場に設置されたCompactRIOのソフトウェア変更を行い、スムーズな改善が行えたとしている。「CompactRIO」をベースに構成した制御端末IoT システムの構築は「計測」なくして語れない!∼オンライン状態監視システムの構築事例から学ぶ∼

Page 11:11 さらに、短期間のシステム構築にもNI製品が寄与したという。「システム構築前に行った基礎実験の際に開発したWindowsベースのLabVIEWプログラムを、そのまま本番システムの構築に流用。そして、CompactRIOでRTOS化、FPGA化を行うことができた。開発期間は約3カ月だった」(白石氏)。 その他、計測データベースの構築や 見える化 を実現するWebアプリの開発についても全てイー・アイ・ソルが実施。CompactRIOからはデータのアップロードだけでなく、サーバからの指令に基づき制御を行うダウンストリームも実現した。換気ファン制御で 40%以上の電力を削減 導入効果はどうだったのか。実際、トンネル工事中に行われる作業工程(14種類)を判別・分析し、作業環境のガス濃度や粉じん、作業員の位置などに応じた換気ファン、照明の自動制御を行うことができたという。「設置後も遠隔から制御プログラムを修正・更新しながら、自動制御NI製品を選定して理由「TUNNEL EYE」で消費電力を可視化した様子IoT システムの構築は「計測」なくして語れない!∼オンライン状態監視システムの構築事例から学ぶ∼

Page 12:12の精度を高める調整を繰り返し行い、システムを構築できた」と白石氏。これにより、安全な作業環境の確保と同時に、使用電力量の削減が可能となり、特に換気ファンの制御では40%以上の削減に貢献したという。 完成後、同システムをTUNNEL EYEと名付け、イー・アイ・ソルが販売を開始。国土交通省の新技術システム「NETIS」にも正式登録された。「今回の取り組みでは、安全管理の向上と省エネの実現が証明できた。今後も自社内で積極的に活用していきたい。また、TUNNEL EYEはイー・アイ・ソルを通じて購入できる。トンネル工事以外でも使用できるように設計されているため、その他の工事や工場内の設備監視などにも積極的に活用してもらいたいと考えている」(白石氏)。その他の状態監視システムの構築事例 講演では、錢高組の事例の他にも、風力発電機、放電監視システム、生産設備の予兆保全システムなどの導入事例についても紹介。イー・アイ・ソルの平澤氏は、こうした多くの導入実績を踏まえ、IoT導入のステップについて次のように提案した。  「システム構築前の実験・計測では、WindowsベースのLabVIEWで開発を進め、実際の結果が得られてから、CompactRIOなどを用いて組み込みシステム化するアプローチがスムーズな進め方だ。既存の解析アルゴリズムがあればそれを活用しつつ、初期段階で開発したLabVIEWプログラムをうまく流用しなが(左)風力発電機の状態監視の事例/(右)既設試験機のネットワーク化の事例IoT システムの構築は「計測」なくして語れない!∼オンライン状態監視システムの構築事例から学ぶ∼

Page 13:13らシステム構築を進めることで短納期化が実現できる。また、システム構成についても安価で簡易的なシステムで初期の異常などを検知しつつ、詳細を高性能なシステムで計測するといった使い分けも視野に入れて導入を検討すべきである」(平澤氏)。 そして、IoT導入の一番の近道は、全てを自社でやろうとせずに専門業社と共同で進めることだという。「IoTシステムの構築には、センサーの選定、ネットワーク設計、データベース構築、Webアプリ開発といった技術に加え、測定、分析・解析といった専門性の高い知識・ノウハウも求められる。そして、いきなり本システムの構築を始めるのではなく、まずは計測から始め、すぐに正解を導き出そうとせずに、長期的な視点でシステム構築を考えることが重要だ」と平澤氏は述べる。テスト・計測から状態監視システムまで(左)展示会場で披露されていた「TUNNEL EYE」のデモ環境/(右)同じく、ポータブル騒音計のデモ環境IoT システムの構築は「計測」なくして語れない!∼オンライン状態監視システムの構築事例から学ぶ∼

Page 14:14 Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.IoT システムの構築は「計測」なくして語れない!∼オンライン状態監視システムの構築事例から学ぶ∼編集:TechFactory発行:アイティメディア株式会社Copyright 2016 ITmedia,Inc. All Rights Reserved.