放電加工機メーカーが目指すスマートファクトリー (株式会社ソディック様｜三次元測定機導入事例)

ケーススタディ 放電加工機メーカーが目指す スマートファクトリー 株式会社ソディック、神奈川県、日本　 （取材地：石川県） 株式会社ソディックは放電加工機のリー 1976年に創業したソディックは、電極無消耗回路を開発し、 ディングカンパニーであり、 同社の提案 日本で初めて放電加工機をNC化するなど、放電加工機に おいて高い技術力を誇る企業です。またマシニングセンタや するフレキシブル生産 システム「FMS」で 金属3Dプリンタ、射出成形機、製麺機や無菌包装米飯製造 は、Hexagonの 3 次元測定機が重要な装置 システムを製造しています。同社はリニアモーターやNC装置 などの内製により、各種の工作機械において高い性能を実現 となっています。 しており、放電加工機は金型製造メーカーを中心に高い評価 を得ています。 ソディックは2022年に同社のものづくりの中核拠点である 加賀事業所で「Sodick Smart SITE」を立ち上げました。こ れは放電加工の工程を完全自動化または半自動化するシステ ムです。中でも同社が注力するのがフレキシブル生産システム 「FMS」です。 セミオートシステムでは電極やワークに付与した QRコードを 読み取ることで、加工用NCプログラムや3次元計測プログラ ムを読み出し、CAD設計からCAM、測定を含む放電加工を一 気通貫で実行することが可能です。FMS構築の背景には、放 電加工の人手不足が深刻化する中で、よりプロセスの生産性 を高めたいという思いがありました。

Sodick マシニングセンタ UH430L (左奥) と Sodick 形彫り放電加工機 AL40G (中央) を備えた 半自動ソリューション Sodick Smart SITEでHexagon の TIGO SF ショップフロア CMMが搭載されている。 放電加工の人手不足が深刻化する中で、よりプロセスの生産 “ 測定の全体最適が可能になったことに 性を高めたい より、測定効率100％向上を実現しま 形彫り放電加工においては、作成したいワークの形状に合わせ した。” た専用の電極を、マシニングセンタで製造する必要があります。 ソディックは Sodick Smart SITE において、電極の合否判定、 津田 裕樹 工作機械事業本部, 要素開発部, 開発課 および電極加工修正で使う補正値を取得するために、Hexagon 株式会社ソディック のショップフロア型3次元測定機「TIGO SF」および3次元計測 ソフトウェア「PC-DMIS」を導入しています。 ソディックの工作機械事業本部 課長の津田裕樹氏（要素開発 部 開発課）は「金型製造においては1μmの高い精度が要求さ れます。3次元測定機は製造機械のすぐそばに設置する必要が ソディックの金型自動化システムJvMASはマシニングセンタ、 ありますが、そのような環境でも測定精度を維持できることか 3次元測定機、放電加工機に適用可能なシステムであるため、 ら、TIGO SFを選びました」と語ります。 複数の専用ソフトウェアを使い分ける必要がなくなります。この システムによる設定を「PC-DMIS」は人手を介さずに取り込むこ FMSでは、Hexagonの製品とソディックが開発した専用システ とが可能です。これらにより作業が自動化され、生産性が飛躍 ムにより、複数の電極の測定や修正/再加工用オフセット値の 的に向上します。「測定の全体最適が可能になったことにより、 取得、レポート作成およびサーバーへの保存を全て自動で行う 測定効率100％向上を実現しました」（津田氏）。 ことができます。 2 Manufacturing Intelligence hexagon.com

津田氏はHexagonのサポートについて、「導入時は迅速、丁寧 に対応していただきました。PC-DMISファイルの仕様をはじめ、 深い内容までサポートしてもらいました。さらに、より安全な 仕様を実現する方法など、今後につながる踏み込んだ提案も　 いただいています」と語っています。 専門的なサポートが実現する 広範なコラボレーション TIGO SFで取得した測定データは、長期的には機械や工具の メンテナンスにも利用したいと津田氏は語ります。また将来は FMSと製造実行システム（MES）の連携により、最適な計画に 基づいて生産を行う、スマートファクトリーを実現していきたい といいます。金型製造業向けのERPシステムをIoTと組み合わせ ることで最適計画が可能になり、これらすべてがそろえばスマー トファクトリーが実現できると津田氏は展望を語ります。 Hexagonは製造工程全体にわたるハードウェア、ソフトウェアを 提供して います。「Hexagonとさらに連携することで、私たちの 顧客に とってもよりメリットが出てくるでしょう。FMSは単なる 生産工程の自動化だけでなく、人手不足やトレーサビリティ、再 現性など様々な課題を解決する可能性を持っていると考えてい ます。 これらの実現にHexagonと協力して取り組んでいきたい HexagonのCMM は、電極加工の調整と最終品質チェックのための補正値を ですね」と津田氏は語っています。 取得するために使用されている。 “ 導入時はハード面・ソフト面ともに専 門的な知識を持ったエンジニアの方に サポートしていただきました。おかげ で3次元測定機を含む自動化ラインを 素早く立ち上げることができました。” 津田 裕樹 工作機械事業本部, 要素開発部, 開発課 株式会社ソディック 石川県加賀工場の津田氏（右）とソディック スマートサイト開発チーム

Hexagon はセンサー、ソフトウェア、自律型テクノロジーを組み 合わせたデジタルリアリティのグローバルリーダーです。当社は産 業、製造、インフラ、公共部門、モビリティアプリの全域でデータ を活用することで効率、生産性、品質および安全性を高めています｡ 当社のテクノロジーは生産と人に関連するエコシステムを形成し、 接続と自律化を拡大し続け、スケーラブルで持続可能な未来を保証 します。 HexagonのManufacturing Intelligence 事業部は、設計とエンジニ アリング、製造、および計測分野のデータを活用し、製造をよりス マートにするためのソリューションを提供しています。 Hexagon（ナスダック・ストックホルム HEXA B）についての詳細 は、hexagon.com をご覧ください。また @HexagonAB をフォロー してください。 © 2024 Hexagon AB 及びその子会社、関連企業。All rights reserved.