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汎用構造解析プログラム~MSC Nastran

製品カタログ

長年の実績を誇るMSC Nastran の様々な機能と自社の解析ソフトとの連携による複合的な現象の解析をご紹介します

MSC Nastranは、線形 / 非線形領域における静解析・動解析・熱解析に使用される複合領域にわたる構造解析アプリケーションです。自動構造最適化と受賞歴のある組込型疲労解析を搭載し、ハイパフォーマンスコンピューティングによりこれらすべてを実現します。

このカタログについて

ドキュメント名 汎用構造解析プログラム~MSC Nastran
ドキュメント種別 製品カタログ
ファイルサイズ 8Mb
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取り扱い企業 Hexagon Manufacturing Intelligence (この企業の取り扱いカタログ一覧)

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Brochure MSC Nastran 汎用構造解析プログラム
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MSC Nastran 汎用構造解析プログラム
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MSC Nastran ~汎用構造解析プログラム~ 有限要素法を用いたMSC Nastranは、世界で圧倒的シェアを持つ汎用構造解析プログラム のグローバルスタンダードです。その誕生は1965年、MSC Software Corporationの前身 であるThe MacNeal-Schwendler Corporationの創設者、マクニール博士とシュウェン ドラー博士が、当時NASA(The National Aeronautics and Space Administration) で行なわれていた、航空機の機体強度をコンピュータ上で解析することをテーマとした「有限 要素法プログラム作成プロジェクト」に参画したことに始まります。そこで作成されたプログ ラムはNASTRAN(NASA Structural Analysis Program)と命名され、1971年にThe MacNeal-Schwendler CorporationからMSC Nastranとして一般商業用にリリース されました。以来、数多くの研究機関や企業において、航空宇宙、自動車、造船、機械、建築、土 木などの様々な分野の解析に広く利用されています。また各分野からの高度な技術的要求と コンピュータの進歩に対応するために、常にプログラムの改善と機能拡張を続けてきました。 MSC Nastranは、長年の技術の蓄積により生まれた工業製品への適用の実績、適材適所での 解法の多様さにより、様々な産業界で指定プログラムとして採用されています。現在では、その 汎用性、機能の豊富さ、精度とパフォーマンスで世界のスタンダードとして高い評価を得ています。 MSC Nastranは、部品レベルから複雑な構造物全体に至る、幅広い範囲を対象とした解析 が可能です。まず、基本解析機能として線形静解析、実固有値解析、線形座屈解析、各種動解 析および伝熱解析があります。そして3次元接触解析をはじめとする非線形解析機能、設計作 業の効率化と自動化を目的とした設計最適化機能などの数多くのオプション機能があります。 さらにDMAPを用いたプログラムのカスタマイズなども可能です。 またコンピュータ性能の向上やプリ・ポスト製品の機能向上に伴い、解析モデルはさらに大 規模化していますが、MSC Nastranではスーパーエレメント機能、ACMS機能、およびパラ レルコンピューティング機能により大幅な解析時間の短縮といった解析効率の改善を実現して います。 3
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解析機能 ● 線形静解析 ● 慣性リリーフ解析 ● 実固有値解析 ● ランダム応答解析 ● 線形座屈解析 ● 応答 /衝撃スペクトル解析 ● 周波数応答解析(直接法、モーダル法) ● 周期対称解析 ● 過渡応答解析(直接法、モーダル法) ・静解析 ・実固有値解析 ・座屈解析 ・周波数応答解析 ● 複素固有値解析(直接法、モーダル法) ● スーパーエレメント機能 ● 非線形静解析 ● ローターダイナミクス解析 ・材料非線形 ・幾何非線形 ・境界非線形 ● Adams・Actran・Digimat・MSC Cosim ● 非線形座屈解析 ・CFD・AVL Excite・CD-Tireとの連携 ● 非線形過渡応答解析 ● コネクター機能 ● 伝熱解析(定常・非定常) ● 疲労解析 ・熱伝導 ・自由対流 ・強制対流 ・輻射 ・時間領域 ・周波数領域 ● 音響解析(流体 /構造連成解析) ● HPC機能 ● 空力弾性解析 ・SMP ・DMP ・ACMS ・GPU ・静的空力弾性解析 ・フラッター解析  ● DMAP(Direct Matrix Abstraction Programing) ・動的空力弾性解析 ・亜音速空気力理論  によるカスタマイズ ● 設計最適化解析 ・寸法最適化 ・形状最適化 ・位相最適化 要素ライブラリ ● ROD要素 ● 2次元切欠き要素 ● 減衰要素 ● 梁要素 ● 3次元構造要素 ● 伝熱要素(非構造) ・均一断面 ・テーパー付き断面 ● 3次元音響要素 ● 流体要素 ・ワーピング ● 3次元切欠き要素 ● 接触要素 ● BEND要素 ● スカラー要素 ● 超弾性要素 ● せん断パネル要素 ● 剛体要素 ● 軸対称要素 ● 板要素 /シェル要素 ● 質量要素 ● ユーザー指定の一般化要素 構成一覧 ■パッケージ Linear Structures Package Advanced Structures Package シミュレーションを始めるための線形領域の静解析と 3次元接触などの高度な非線形機能と設計最適化機能が 動解析で構成されるパッケージです。 利用できるパッケージです。 ● 基本機能 ● Linear Structures Packageの機能 ( 線形静解析、実固有値解析、線形座屈解析、周期対称解析) ● ACMS  ● 統合線形非線形解析(SOL400) ● 動解析 ● 設計最適化(形状・寸法・トポロジー・トポメトリ・トポグラフィ) ( 線形過渡応答解析、周波数応答解析、複素固有値解析) ● DMAP ● 並列計算機能(4) LS Productivity Bundle ● Adamsとの連携 ● 音響解析 シミュレーションを始めるためのLinear Structures Packageに ● コネクター ● スーパーエレメント プリ・ポストとしてPatranがバンドルされたパッケージです。 ● 伝熱解析 ● DDAM ● Linear Structures Packageの機能 ● 線形接触 ● Patran  ● Patran Generic Geometry Translators MD Implicit NL Package Optimization Package 3次元接触機能や大回転・大ひずみに対応した 設計最適化を実施するためのオプションパッケージです。 高度な非線形解析機能を利用する際のオプションパッケージです。 ● 設計最適化 ● 統合線形非線形解析 ( 形状・寸法・トポロジー・トポメトリ・トポグラフィ・ ( SOL400:非線形静解析、非線形過渡応答解析) マルチモデル最適化) ■個別オプション ● スーパーエレメント ● ローターダイナミクス ● 外部音響 ● Digimatインターフェース ● パラレル処理(SMP、DMP) ● 空力弾性解析 ● 多孔質弾性材(PEM) ● タイヤモデル読み込み(CD-Tire) ● 自動部分モード合成法ACMS) ● 組込型疲労解析 ● 実連成モード ● モジュール機能 ● GPU計算 ( Time・Frequency) ● マルチモデル最適化 4
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数値解法 MSC Nastranでは大規模な連立方程式の求解法として直接法 反復法(共役勾配法をベースとした種々の手法) と反復法を用いて、モデルサイズおよびマシン環境に対応した最適 な解法を選択することにより、問題を効率よく解きます。固有値解 ● 実対称マトリクス ● 複素非対称マトリクス 法については、数多くの固有値抽出にはLanczos法がデフォルト ● 実非対称マトリクス ● CASIソルバー ですが、ごく小規模なモデルなどについてはHouseholder法へ ● 複素対称マトリクス の自動選択や、大規模モデルでは、自動部分モード合成法を用い たACMS(Automatic Component Mode Synthesis)法に 実固有値抽出法 より、高速計算が可能です。 静解析、動解析、線形、非線形、実固 ● ランチョス法 ● 修正ギブンス法 有値、複素固有値とあらゆる問題に対して様々な手法を用いて効 ● インバースパワー法 ● ハウスホルダー法 率良く解きます。 ● 修正インバースパワー法 ● 修正ハウスホルダー法 ● ギブンス法 直接解法(アクティヴカラムスカイライン法、マルチフロントスパース) ● 実対称マトリクス ● UMFPACKスパースソルバー ● 実非対称マトリクス ● MUMPSソルバー 複素固有値抽出法 ● 複素対称マトリクス ● PARDISOソルバー ● 実ヘッセンベルグ法 ● インバースパワー法 ● 複素非対称マトリクス ● 複素ランチョス法 ● 行列式法 プリ・ポスト MSC Nastran 機能 ■MSC Apex ■概要 MSC Apex はダイレクトモデリングとメッシングのソリューション 新しい試みを実行するときは、着実に段階を踏んだ手順で作業を を有し、CADクリーンアップ、簡略化、メッシングのワークフローを 進めることが最良の方法です。有限要素解析の実行にも同様の 合理化し、習得しやすく、使っていて楽しい、洗練された対話型ツー ことが言えます。MSC Nastran 基本機能は、MSC Nastran ルです。各種CADデータの読み込み、中立面作成、強力なメッシュ を簡単に使い始めることができ、シミュレーションによる製品開 作成機能によるHexaメッシュッ生成、解析条件設定、解析モデル 発が進むに伴い、解析機能を高めていくことが可能です。 MSC チェック機能などがあります。 Nastranには幅広い要素タイプと材料モデルのライブラリがあり、 種々の入力方法により様々な荷重パターンを作成できます。モデル ■Patran 規模に制限はなく、複数の効率的なソリューションシーケンスを提 PatranのMSC Nastranプリファレンスを使用することで、エン 供します。 ジニアはMSC Nastranの機能にGUI上から直接アクセスする ことができます。形状作成については、ダイレクトCADアクセス機 ■固有値解析 能によって、各種CADシステムの形状データを、MSC Nastran パーツまたはシステムの動的応答は、固有周波数によって支配さ の解析モデルのベース形状として取り込むことができます。これ れています。ある固有周波数に近い周波数を持つ入力によって製 により、業務を効率的に進めることが可能です。また IsoMesh、 品が励振されると、場合によっては壊滅的な高振幅を伴う振動挙 PaverMesh、Auto TetMeshなど、形状モデルに合った自動要 動につながります。製品の動的応答を理解することで、操作中に破 素分割機能に加え、要素検証機能やスムージング機能など、解析 壊の原因となるような周波数と励振を避けるように設計すること 技術者に必要不可欠なメッシュ作成機能を備えています。Patran ができます。固有モード解析は、製品の固有振動数および振動モー で作成されたメッシュは、 MSC Nastranのメッシュ形状基準に ド形状を算出することができます。これらは構造物の特性および境 適合しているため、スムーズな解析実行が保証されます。 界条件、荷重条件の関数であり、その変化によって固有振動数、固 有モード形状のいずれか、または両方が変化します。微分剛性、追 従剛性を考慮した解析実行が可能です。 ■線形静解析 線形静解析は、変形やひずみが微小であり、 材料特性の線形範囲内であるときに、静荷重 条件下(つまり時間によって変化しない)にお ける製品の構造応答(変位、ひずみ、応力)を 予測します。また、慣性リリーフ解析機能を用 いて、無拘束(飛行中の航空機、走行中の車な ど)状態の解析も可能です。 ■線形座屈解析 線形座屈解析は、荷重による微分剛性を考慮 することで、系が不安定な状態に至る圧縮荷 重(座屈荷重)を算出することができます。 5
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動解析 動解析では、製品の強制動的応答、つまり時間または周波数で変 解析機能 化する入力(荷重または運動)に対する応答を計算します。動解析 における求解法は、大きく分類して直接法とモーダル法があります。 ● 実過渡応答解析(モーダル法、直接法) 直接法は完全に連成している釣合い連立方程式に対して数値積分 ● 周波数応答解析(モーダル法、直接法) を実行します。モーダル法は構造物の固有モードを用いて元の釣 ● 音響 /構造連成解析(モーダル法、直接法) 合い方程式をモーダル交換して解を求めます。中規模から大規模 ● 複素固有値解析(モーダル法、直接法) モデルについては計算効率の観点からモーダル法が、比較的小規 ● ランダム応答解析(モーダル法、直接法) 模のモデルでは直接法がそれぞれ一般的に用いられます。 ● ショック/応答スペクトル解析 ■周波数応答解析 ■ランダム応答解析 製品の定常振動加振に対する応答を計算するために用いられます。 ランダム振動とは、統計的な観点からしか記述できない振動を指 適用例としては、エンジンの定常振動、ヘリコプターの回転翼、 します。つまり指定された時刻におけるその瞬間の大きさは未知 自動車車室内の振動解析などが挙げられます。モデルの特徴に であり、荷重の大きさは統計的特性(平均値、標準偏差、特定の値 応じて、直接法とモーダル法の2つの数値解法を用いることが可能 を超過する確率など)を用いて表されます。例としては地震による です。 地面の運動、海洋波高と周波数、航空機や高層建築物上の圧力変 動、ロケットやジェットエンジンの騒音による音響加振などがあり、 ■過渡応答解析 通常はパワースペクトル密度(PSD)関数を用いて記述されます。 強制応答を計算するための最も一般的な方法です。時間変化する MSC Nastranのランダム応答解析は周波数応答解析の後処理 荷重の作用を受ける構造物の挙動の時刻歴を計算します。モデル 段階として実行され、応答PSD、自己相関関数、単位時間あたり の特徴に応じて、直接法とモーダル法の2つの異なる数値解法が のゼロクロス数や応答のRMS値などの出力を得ることができます。 用いられます。 ■ショック/応答スペクトル解析 ■複素固有値解析 この解析は、構造の最大動的応答を評価するための近似手法で、 マトリクスに摩擦による非対称成分を含むブレーキ鳴き解析や、減 地震で動く地盤上の建物やロケットによる爆発衝撃を受ける宇宙 衰を考慮した固有値解析などの場合、複素固有値解析が必要とな 船など、基礎構造を加振する複雑な時間依存の荷重などを扱う問 ります。構造物の減衰したモードの計算や、伝達関数を用いてモデ 題に適用されます。まずスペクトルデータの生成、次にモーダル解 ル化された系(サーボ機構および回転系を含む)などの安定性を評 析という順序で実行され、解析モデルのモード特性と作用荷重の 価するのに用いられます。MSC NastranではHessenberg法、 スペクトルデータを用いて応答解析を実行し、最大応答値が算出 複素Lanczos法など4種類の固有値抽出法を備えています。 されます。 6
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■音響 /構造連成解析 ■付加流体質量 音響 /構造解析機能を用いて、流体または空気で満たされた空洞 非圧縮性流体の微小運動は、この機能を用いて構造物と流体を直 構造における振動特性を求めることができます。3次元流体は音 接連成させることができます。流体は内面または外面(無限流体境 響特性を用いて、立体要素(CHEXAなど)によってモデル化されま 界を有するとして)と連成させることができますが、明示的な流体 す。代表的な適用事例として、乗用車やトラックの車室内、航空機 モデルを用いるのではなく、濡れ面を有する構造要素を定義してい の客室内の音響空間の計算などがあります。 ます。このモデルで自由表面を設定することも可能です。流体は構 造上の点に直接結合されている連成質量マトリクスによって表現さ ■高機能な減衰要素 れるため、この機能は全ての動的ソリューションで用いることが可 減衰は、構造物において観察されるエネルギーの消散を表現する 能です。 ために用いられる数学的な近似です。減衰は、粘性の影響(ダッシュ この機能は、広範囲の流体 /構造相互作用問題をモデル化するの ポットなど)、外部摩擦、内部摩擦などの多くのメカニズムが関係し に用いることができます。適用例として、燃料タンク、核燃料容器、 ますので、正確に表現することは非常に困難です。 掘削プラットフォーム、水中装置などがあります。 これらをより正確に表現するために、様々なタイプの減衰定義方法 を備えています。減衰の定義方法は大きく分けて、構造全体もしく は材料毎に定義される減衰、ある特定の部分だけに作用させる減 衰要素、モーダル減衰の3つがあります。材料毎に定義する減衰に ついて、シェル要素の減衰定義機能が大幅に拡大しています。シェ ル要素は、膜剛性、曲げ剛性、横せん断剛性などが組み合わされ ていますが、これら各剛性について各々異なる減衰値を設定する ことができます。これによって、例えば複合材などの材料について、 方向依存性を含む減衰設定を簡単に定義することが可能です。 一般の減衰要素では、速度依存の粘性減衰と変位依存の構造減 衰のいずれに対しても、周波数依存とすることができます。これに より広範囲な周波数領域に対する減衰を詳細に定義することが可 能です。 モーダル減衰はモーダル法で一般的に用いられており、各モードに ついてそれぞれ減衰値を定義します。これを用いると方程式が非 連成の形を保持できるため、解析時間の短縮が可能です。 7
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Adamsとの連携 ■機能概要 解析機能 MSC Nastranでは、Adams Flexの弾性体コンポーネントとし ● MNF ファイル直接出力機能 て、レジデュアル構造のみ、またはスーパーエレメントやPARTスー ● 固有モード解析、モーダル周波数応答、 パーエレメントを用いることができます。大きな剛体運動を含む弾  モーダル過渡応答に加え、非線形静解析をサポート 性体解析は、Adams Flexの定式化とMSC Nastranで与えら ● Nastran 内での直交化、質量インバリアントの計算機能 れる縮退弾性コンポーネントの動的モードを結合させて実行する ● プリロードの効果をモデル化 ことが可能です。この機能を利用すれば、コンポーネントレベルの ● MNFの縮小 有限要素解析で求めたモード形状をシステムレベルでの運動解析 ● DMIG および部分スーパーエレメントのサポート で利用することができるため、設計精度の向上が可能となります。 ケースコントロールコマンドAdams MNFにて、MNFファイルを 直接的に作成することができます。プリロードをMSC Nastran 内で定義することにより、その微分剛性がモーダル解析に考慮され、 その動特性がAdamsに引き渡されるのと同時に、プリロードをモー ダル力としてAdams内にモデル化することができます。また、非 線形解析に基づく微分剛性を考慮することも可能です。 8
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Actranとの連携 ■機能概要 音響解析ソフトウェアのActranでは、Nastranで計算された振 して結果処理することや、virtual SEA 機能をMSC Nastranか 動解析結果(モード情報や表面応答)や、モーダル減衰の読み込 ら呼び出し実行する機能も用意されています。例えば、EM Noise みを行うことで、構造解析でモデル化したNastran振動解析モ Workflow Manager と連携することで、電磁界解析で計算され デルを生かして音響応答が可能です。Actranでは高性能な吸音 た電磁力を構造モデルにマッピングし、MSC Nastranの荷重と 材モデルを用意しており、MSC Nastranから吸音材を呼び出 して変換し、構造解析や音響解析へと連携が可能です。 し、利用する多孔質弾性材機能(PEM)も用意されています。ま た、Actran Workflow Managerと連携することで、Workflow ManagerからMSC Nastranを実行しその結果を自動読み込み Digimatとの連携 ■機能概要 Digimatはマイクロメカニカル手法に基づく複合材モデリング 材料モデルを表現することができます。また、Digimat-RP と連 技術により、複数の介在物を有する材料の挙動を予測し、製造工 携することで樹脂流動解析結果を簡単に構造モデルにマッピング 程、材料、設計、構造解析に利用できる材料モデリングツールです。 でき、異方性特性などを考慮した周波数応答解析を実施すること Nastran-Digimatインターフェースでは、Digimatで更新され もできます。 た材料定数を逐次更新し、構造モデルに反映させることで複雑な 9
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AVL-Exciteとの連携・CD Tireとの連携 ■機能概要 自動車業界のパワートレインのシミュレーションで利用されている AVL Excite や、自動車業界の3Dタイヤシミュレーションモデルで 利用されている Fraunhofer ITWM の CD Tire など、業界で幅 広く利用されているソフトウェアとの連携も可能になっています。こ れらインターフェースを利用することで、それぞれのソフトウェアと の連携が容易に可能です。 Co-Simulationによる連携 ■機能概要 異なる物理現象を取り扱う熱流体解析ソフトウェ ア と 機構・構造有限要素解析ソフトウェアの融 合により、解析可能な現象を広げ、よりリアル な解析がCo-Simulationにて可能です。Co- Simulation の実施にはMSC CoSimエンジ ンを用い、マルチフィジックスのフレームワーク を用いて、異なる解析分野のソルバーを連成する ためのインターフェースを提供しています。MSC Nastranでは、統合線形非線形解析(SOL400) にて、熱流体解析や機構解析との連携を行います。 10
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結合モデリング ■機能概要 解析機能 コネクターオプションでは、スポット溶接、シーム溶接などの締結 ● パッチ(要素)間結合機能 部分を正確にモデル化するための特別な要素CWELD、CFAST、 ● ポイント(節点)とパッチの結合機能 CSEAM、CINTCを提供します。 CWELD要素などを使用するこ ● ポイント間結合機能 とで、ポイント(節点)間、パッチ(要素)間、またはポイントとパッチ ● ボルト定義要素 の間を容易に結合することができます。機能拡張により、パッチ間 結合において複数要素同士の結合も可能となり、剛体要素や集中 質量要素などのような、メッシュから独立した構造物への結合もサ ポートしています。 また、結合要素のほかに、ボルト締結の締め付け力や締め付け量 を定義するBOLT要素も用意されています。3次元モデルのボルト と接触解析機能を組み合わせて、ボルト締め付け解析を実施し、 締め付け後の挙動の検討が可能になっています。 11
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伝熱機能 ■機能概要 機能詳細 温度の変化や熱の流れが製品の性能に影響を及ぼす場合、伝熱 ● 定熱伝導 解析機能を用いて、温度や熱応力などの情報を得ることができま ・物性値の温度依存性 ・異方性の熱伝導率 ・相変化時の潜熱 す。伝熱解析オプションは、線形または非線形問題、定常または ・時間依存、温度依存の内部発熱 非定常問題、熱伝導、熱伝達、輻射という3つの伝熱形態をサポー ● 自由対流 トしています。また各種の物性値に対して、温度依存性、時間依存 ・温度依存、時間依存の熱伝達率 ・非線形関数形式 性、波長依存性などを設定することも可能です。これにより構造物 ・重み付きフィルム温度 内外の詳細な温度分布や熱流を予測することが可能となります。 ● 強制対流 MSC Nastranでは、伝熱解析と構造解析との間に準静的連成 ・温度依存の粘性係数、熱伝導率、比熱 を提供します。伝熱解析結果を使用して、熱応力解析を実行するこ ・時間依存、温度依存の質量流量 とができます。 ● 輻射 ・温度依存、波長依存の輻射率および吸収率 解析機能 ・輻射遮断を考慮した拡散形態係数計算 ● 定常解析(線形、非線形) ・アダプティブな形態係数計算 ● 非定常解析(線形、非線形) ● 熱荷重 ・指向性熱流束 ・温度依存の熱流束 ・時間依存の熱流束 疲労解析機能 一般的にCAEベースの疲労解析プロセスはFEM解析の結果の 解析オプション ポスト処理として行われるため、大規模な結果ファイルの出力・変換・ 転送に伴う、多数のファイル管理とジョブ設定など、煩雑で手間の ● NEF( Nastran Embedded Fatigue) かかる処理があります。これらの課題を解決するソリューションとし ● NEVF( Nastran Embedded Vibration Fatigue) て�MSC Nastran組み込み型の疲労解析機能�を用意しています。 時間軸での時刻歴応答に対応するNEF(Nastran Embedded Fatigue)と、ランダム振動評価などに用いられる周波数応答に対 応するNEVF(Nastran Embedded Vibration Fatigue)が 用意されています。 12
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空力弾性解析 空力的、慣性的、弾性力の相互作用を取り扱う応用力学の一部門 解析オプション としての空力弾性問題の効率的な求解法をMSC Nastranで提 供しています。これは、航空機、ヘリコプター、ミサイル、吊り橋、高 ● 空力弾性解析1 層煙突、送電線などの設計において重要です。空力・制御・構造連 成は応用機能であり、自動制御の相互作用に対してさらなる考慮 ■空力フラッター が必要となります。 フラッターは、振動を伴う空力弾性の不安定現象であり、振動周期 空力弾性の基本対象は、飛行性能(すなわち、安定性とその制御)、 を通じて空気の流れから吸収されたエネルギーが構造物の履歴減 フラッター、および旋回運動と大気の変動に伴って生じる構造的荷 衰によって全て消散されるときの飛行速度において発生します。こ 重などです。空力弾性解析の方法は、関係する慣性的および空力 の運動はフラッター速度を超えた速度範囲においては発散的とな 的力の時間依存性によって異なります。空力荷重が比較的ゆるや ります。フラッター解析は、任意の飛行速度において、空気力によ かに変化するような飛行性能および旋回運動による荷重に関して る減衰と振動周波数の関係を決定するために、複素固有値解析を は、擬似静解析手法が適用できます。その他の問題は動的であり、 利用します。 解析方法は、時間依存性が任意(すなわち過渡またはランダム)で あるのか、または定常状態において周期振動的かどうかによって ■動的空力弾性応答 異なります。 動的空力応答問題は、時間または周波数変化の加振に対する航空 MSC Nastranでは動的空力弾性における問題を、空力フラッター 機の応答を決定します。大気の変動はこの加振タイプの基本的な および動的空力弾性応答の2つに分類して扱っています。 例ですが、ウィンドシアと制御舵面の運動もまた空力弾性の成分と なり得ます。一般化調和(Fourier級数)解析は、時間領域におけ る加振応答を得るために、線形系に対して適用されます。突風応 答解析は、停留ランダム負荷または離散化突風のいずれかとみな すことができます。 DMAP ■機能概要 解析機能 特殊な物理現象を考慮した解析や、標準出力では出力されないデー ● MSC Nastran標準解析の改修 タが必要となる場合、DMAPを用いてこれらの問題を解決するこ ・出力データの追加 とができます。 ・状態量の追加計算 DMAPとは「Direct Matrix Abstraction Program」の略語 ・解析手順の変更 であり、 MSC Nastranで使用されるプログラム言語です。この ● データベースへのアクセス プログラミング機能により、既存のMSC Nastranソリューション ・後工程で使用するデータの格納 シーケンスを変更(または独自のシーケンスを記述)することができ、 ・外部アプリケーションのための情報修正 追加の解析または計算の実行、出力させる内容および形式を変 ● MSC Nastran実行中の外部プログラム起動 更することができます。マトリクス分割、固有値解析、データリカバ ● ユーザー指定解析の構築 リ、出力などに使用できる、多くの機能やモジュールを呼び出すこ とができます。さらに、他のスクリプト言語と同じように、If-Then- Else論理の条件文およびルーピング構成にアクセスすることがで きます。 DMAPを用いる利点や適用について、以下のものがあり ます。 ● MSC Nastranに基づいた業界固有のまたは企業固有のプロシージャを組み込むことができます。 ● 機械システムシミュレーションとの連成、およびテストと解析結果の統合など、標準のMSC Nastranソリューション シーケンスにないアプリケーションにアクセスすることで、その価値を拡張させることが可能です。 ● 最新のパッチや機能拡張を、次期バージョンのリリースを待たずに組み込み可能です。 ● 構造応答の追加測定の計算および出力させることができます。 ● MSC Nastranの中間データの転送(外部生成のシステムマトリクス)が可能です。 13
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非線形解析 ■機能概要 解析機能 MSC Nastran非線形解析では、簡単な材料非線形性または形 ● 非線形静解析(材料非線形、幾何非線形、境界非線形) 状非線形性をもつモデル、または互いに接触するパーツを解析す ● 非線形過渡応答解析(材料非線形、幾何非線形、境界非線形) ることができます。具体的には微小ひずみ弾塑性、超弾性や粘弾性 (クリープ)といった材料非線形、大変形による形状非線形、スライ 主な機能 ドラインやギャップ要素を用いての接触解析が可能です。 さらに、MSC Nastran SOL 400は、大回転・大ひずみ、 3次元 ● 2次元および3次元接触を考慮した境界非線形 面接触を含む接触問題を解くことができます。降伏条件も多彩で、 ・弾性体 -弾性体の面接触 ・弾性体 -剛体の面接触 加工硬化も、等方硬化則、移動硬化則、混合硬化則が用意されて ・剛体壁の強制変位または強制速度入力 います。エラストマ(ゴム)材料には、Mooney-Rivlin、Ogden、 ● 大ひずみ・大回転を考慮した形状非線形 James-Green-Simpson、Aruda-Boyce、Gentなどが用意 ● 弾塑性、超弾性、クリープなどを考慮した材料非線形 されています。延性破壊を考慮できるダメージモデル、複合材料、 ● 摂動解析・連鎖解析 クリープ材料、粘弾性材料、粘塑性材料も用意されており、ガスケッ ● 定常・非定常伝熱解析 ト要素を用いることで弾塑性ガスケットのモデル化も容易です。さ らに大回転にも適用できる剛体リンクや形状非線形に対する機能 も豊富です。接触の定義も、接触ボディという概念を用いるため、 非常に直観的で、わかりやすく設定できます。 また、摂動解析機能を利用することで、非線形解析後の動解析の 実行が可能で、予荷重を考慮した固有モード解析、予荷重状態か らの非線形過渡応答解析、接触状態からの熱伝導解析を実施する ことができます。 ボルト締めによる変形 接触応力 14
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設計最適化オプション ■機能概要 最適化解析では、適切な最適化手法や近似技法を用いることが重 より良い製品を製造することは、すべてのメーカーの目標であり、 要です。MSC Nastranでは最適化手法として、基本的に修正許 MSC Nastranは、製品の設計検討に幅広く利用されています。 容方向法を用いています。この手法は許容方向法と一般化縮約勾 設計検討においては、「構想 -テスト-再検討 -改善」というサイク 配法の両方の長所を生かして、精度のよい解を効率的に求めるこ ルが、未だに手動による反復で実行されているケースは少なくあ とが可能です。また最適化過程の効率化のため、数多くの制約条 りません。 1つの設計に対して解析し、変更を行い、再度解析をし 件から重要なものだけをフィルタリングする機能、設計変更時に必 て結果を比較し、性能がどの程度改善または悪化したかを検討し、 要な関数評価の際に毎回解析モデルを用いる代わりに近似モデル 性能要件を十分満たすまでこのサイクルを繰り返します。手動によ から参照する機能などを備えています。設計モデルについての規模 る設計感度評価は各パラメータに対して個別に行なわれる場合が の制約はありません。AESO(自動外部スーパーエレメント最適化) 多く、実製品では複雑な相互関係をもつ多数の変数パラメータが 機能により、モデルを設計領域と非設計領域に自動的に分割して、 存在するため、手動反復によって最適な設計を求めるのは膨大な 効率的に設計プロセスを進めることができます。また、パラレル処 作業量が必要となります。 理機能もサポートしておりますので、大規模な実構造モデルを用い 設計最適化オプションでは、反復処理を自動化することにより、製 ての最適化を短時間で実行することが可能です。 品設計の改善に関わる繰り返し作業からエンジニアを解放します。 適切なアルゴリズムを用いて全設計空間を検索し、最適な設計ま 解析機能 たは性能に導くパラメータの組み合わせを求めます。設計最適化 ● 各種最適化機能 では、線形静解析、実固有値解析、周波数応答解析などといった ・部材寸法最適化 ・形状最適化 ・材料最適化 幅広いソリューションシーケンスをサポートしています。また、複数 の異なる解析にまたがっての最適化も可能であり、サブケース毎に サポートソリューション 境界条件や荷重条件、または実行する解析タイプを変更すること も可能です。例えば、複数の境界条件下での固有振動数や静解析 ● 線形静解析 での変位に制約条件を加えながら、製品の重量を最小化するといっ ● 実固有値解析 た解析が実行できます。 ● 線形座屈解析 設計変数としては、ヤング率や密度、構造減衰係数などの材料特 ● 周波数応答解析(直接法、モーダル法) 性データ、板厚や断面積、断面2次モーメントなどの要素特性デー ● 過渡応答解析(モーダル法) タ、節点位置やオフセット量などの形状に関するデータを指定する ● 複素固有値解析(直接法、モーダル法) ことが可能です。また離散型変数の最適化機能をサポートしており、 ● 静的空力弾性応答解析 実際に使用可能な材料の寸法に合わせた最適化が可能です。 ● フラッター解析 位相最適化機能 位相最適化機能では、概念設計段階において、材料を最適に分布 解析機能 させることにより、より最適な材料分布またはレイアウトを求める 機能です。また、補強材の配置や溶接分布パターンを求めるため ● 位相最適化 にも利用されています。位相最適化機能には密度法を用いており、 そのオプティマイザーには数理計画法を採用しています。これにより、 複数解析タイプにまたがる複合問題の最適化や非常に多くの制約 条件数にも対応できます。その他にも実問題に適用するためのチェッ カーボード除去機能、最小部材寸法制御機能を導入しています。 さらに鋳造における引き抜き、均一断面設計や対称性などの製造 上の制約条件を考慮できます。設計可能な要素として、シェル要素、 ソリッド要素だけではなく、CROD、CBARなどの一次元要素もサ ポートされます。また、位相と寸法 /形状 /材料の同時最適化にも 対応しています。これにより2つの最適化の相互作用を考慮するこ とができ、より優れた設計を見つけ出すことが可能となります。 サポートソリューション ● 線形静解析 ● 実固有値解析 ● 線形座屈解析 ● 周波数応答解析(直接法、モーダル法) ● 過渡応答解析(モーダル法) ● 複素固有値解析(直接法、モーダル法) ● 静的空力弾性応答解析 ● フラッター解析 15
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ハイパフォーマンスコンピューティング(SMP,DMP,ACMS,GPU) ■機能概要 比較的長い解析時間を必要とする非常に大規模な解析モデルでシ スク、メモリ)を低減させることができます。単一CPUマシンを単 ミュレーションを実行する場合、パラレル処理オプションのご使用 独でご使用されている場合でも、ACMS(自動部分モード合成法) を推奨します。 パラレル処理では、単一の大規模モデルを様々な を利用することで解析時間やコンピュータリソースを削減すること 手法で複数の領域に分割し、複数のコンピュータにおいて同時(並 が可能です。 列)に処理し、短時間で解くことが可能です。領域分割および並列 また、計算にGPUを利用することで、計算を高速化することも可 処理は、1つの非常に大きなコンピュータシステムではなく、複数 能です。GPUオプションは、静解析・固有値解析・周波数応答解析、 の小さなシステムを活用することで、必要なコンピュータリソース(ディ これらを利用する最適化解析にも利用可能です。 ■高速処理のための機能 ● SMP(Shared Memory Parallel) 共有メモリマシンにおけるモジュールレベルでのパラレル処理 ● DMP(Distributed Memory Parallel) パラレルマシンまたはクラスター上の複数のマシンにおけるパラレル処理 領域分割手法(形状領域分割・周波数領域分割・自由度ベース領域分割・複合型領域分割) ● ACMS(Automated Component Mode Synthesis)オプション 自動部分モード合成法を用いた動解析の高速処理 ● GPU(Graphics Processing Unit) GPUを利用した高速計算処理 ■自動部分モード合成法(ACMS) 長年にわたり動解析の強力なツールであった部分モード合成法 (CMS)に、自動領域分割やパラレル処理を組み合わせること で、大規模動解析の時間とコストを大幅に削減することが可能と なります。大規模モデルは数百ものサブモデル(スーパーエレメン ト)に自動的に分割されて処理されます。自動分割によるCMSを ACMS、さらにそれをパラレル処理するものがPACMSとなります。 ACMSはモード合成法を修正したものが基本であるため、得られ る解は厳密解でなく近似解であり、精度についての注意が必要と なります。各部分領域については、モデル全体で考慮する周波数の 2~3倍高くまで構造モードを求めること、またレジデュアルベクト ルを追加することによりさらに精度が向上します。分割手法として、 節点ベースと自由度ベースの2つを備えており、解析モデルに応じ て選択可能です。これによりロバスト性の向上、さらなる時間短縮 を実現しています。 16
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スーパーエレメントオプション ■機能概要 解析機能 近年、コンピュータ機能が著しく向上していますが、それに伴い有 ● 線形静解析 限要素モデルも大規模化しています。MSC Nastranではスパー ● 実固有値解析 スマトリクスアルゴリズムを使用して効率よく大規模問題を解いて ● 座屈解析 いますが、依然として多くのCPU時間を必要とする場合があります。 ● 線形過渡応答解析(直接法、モーダル法) スーパーエレメントを使用すると、さらに高い効率性を提供するこ ● 周波数応答解析(直接法、モーダル法) とが可能です。特に、大きな構造をスーパーエレメントと呼ばれる ● 複素固有値解析(直接法、モーダル法) 小さなサブストラクチャに分割することで、大規模で複雑な有限要 ● 非線形静解析 素モデルを効率的に解きます。モデルサイズが大きくなりすぎて通 ● 非線形過渡応答解析 常の解析では処理できない場合、分割データベースを使用して区 ● 設計最適化解析 分処理を行い、ディスクの使用とデータ格納コストを軽減すること が可能です。以下にその他の利点のいくつかを示します。 部分構造 ■コストの削減 全体モデルを毎回解くかわりに、スーパーエレメントでは区分処理を進めることがで きるので便利です。リスタート時には、変更によって直接影響を受ける構造部分のみ の処理を実行するだけなので、この便利さは倍化されます。これにより、スーパーエ レメントを使用しない方法に比べて、2倍から30倍の速さ(あるいはそれ以上)で実 行性能向上を見込むことができます。分割データベースを用いることでディスク使用 をコントロールし、得られる結果の精度を犠牲にすることなく、それぞれの解析実行 におけるコンピュータリソースの要求を軽減することが可能となります。 ■リスクの低減 全体構造(大規模モデル) スーパーエレメントを使用しないでモデルを処理することは、結果に対して「All or Nothing」の二者択一条件となります。エラーが発生した場合、そのエラーを修正す る度に全体モデルの処理を繰り返さなければなりません。スーパーエレメントを使 用する場合、各スーパーエレメントは、変更が生じたため再度処理する必要がない限り、 1回の処理のみで十分です。処理の途中でエラーが発生しても、それによって影響を 受けるスーパーエレメントとレジデュアル構造(最後に処理するスーパーエレメント) のみを処理すればよいことになります。エラーが生じなかったスーパーエレメントでは、 そこで変更が行なわれるまでは、繰り返して処理する必要はありません。 ■セキュリティ 多くの企業では、独占的または機密扱いのプロジェクトを推進する ことがあります。これらは、競合相手から新規デザインを守ること、 全体構造の挙動 さらには最高機密に属する防衛計画における作業まで及んでいま す。機密扱いの計画で作業する場合ですら、モデルを表すデータを ■分割入力および出力 他のグループに送って、互いに相手の部分構造を包含したアセンブ スーパーエレメントは個別に処理できるので、別々の解析グループ リの連成解析を実行する必要が生じることがあります。そのような がそれぞれ構造の受け持ち部分をモデル化して、他のグループから 場合、外部スーパーエレメントとして扱えば、実際の部分構造に関 情報を入手しなくても、チェックを行ない、部分構造の解析を実行 する形状情報を含まない、境界から見たときの質量、剛性、減衰、 することが可能になります。またスーパーエレメントで使用される 荷重だけを含む縮約境界マトリクスを相手に送ることができます。 分割出力フォーマットによって、区分けした部分のデータリカバリ、 MSC Nastranで読み込むことができる書式による縮約マトリク つまり、それを必要とする構造区分に対してのみデータリカバリを スのセットを受け取れば、これらのマトリクスを使用して外部スーパー 要求することができます。つまり多くのグループが作業している場 エレメントを定義し、他の場所で作られた構造を自分のモデルに付 合、分割出力フォーマットを使用して、グループ毎にデータリカバリ け加えることが可能となります。 の内容を選択して行なうことができます。 17
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モジュールオプション ■機能概要 解析規模の拡大により、モデリングの際に節点番号管理などの煩 雑な作業が増えてきます。モジュール機能では、構成部品単位でモ ジュールを作成することにより、モジュール間の節点番号の重複を 許し、インスタンス化などでモデルの再利用が可能となっています。 また、モジュールの縮退にも対応しており、解析時間の短縮も可能 です。 18
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ローターダイナミクスオプション ■機能概要 ■複素固有値解析(直接法・モーダル法) ローターダイナミクス機能により、回転成分を含む構造の解析に対 振れまわり速度を解析するには、複素固有値解析を行います。こ して使い易い標準化されたプロシージャを提供しています。例えば れによって、ローターの任意の回転数における振れまわり速度(非 ガスタービン、遠心送風機、洗濯機などの回転構造物では、ジャイ 同期オプション)、危険速度(同期オプション)と、その変形モードが ロ効果によって振れまわり振動が生じます。この振れまわり振動の 得られます。(固有値解析なので、変形量の大きさは得られません。) 周期が回転体自体(以下、ローター)の回転周期に一致すると、振 れまわり振動が非常に大きくなり、疲労破壊等の原因となるため、 ■過渡応答解析(直接過渡応答、非線形過渡応答) 設計上非常に重要です。この機能により回転体に生じる「ジャイロ ガスタービンの運転中にブレードが飛散する場合など、ローターに 効果」を考慮することが可能です。 質量アンバランスが動的に生じる場合の振れまわり量を解析する には過渡応答解析を行います。ローターの回転速度を時刻歴で指 ■周波数応答解析(直接法、モーダル法) 定することや、非線形解析ではラジアルギャップ要素によって、軸 周波数応答解析では、ユーザー指定の速度でローターが回転して 受けのガタや、振れまわりによるサポート構造との接触を表現する いる状態(ASYNC)または基準ローターと同期した加振が加えら ことも可能です。 れた状態(SYNC)での、任意の加振に対するローター /支持の応 答を特定できます。ASYNCの計算ではローター速度とは無関係 ■線形静解析 な外部入力に対する系の応答を求めることが可能です。SYNC の 航空機のピッチやヨーによるローターへの荷重を求めることがで 計算ではローターの質量不均衡や回転速度に依存するその他の きます。ローターに直交する大きな回転を考慮した状態でのローター 加振に対する系の応答を求めることができます。 の変位を算出することにより、ローターブレードとケーシング内部 ローターが変形により他の構造と干渉しないか、またサポート構造 との接触を防ぐことができます。 の強度が十分か等を検討することができます。 解析機能 ● 線形静解析 ● 周波数応答解析(直接法、モーダル法) ● 複素固有値解析(直接法、モーダル法) ● 線形過渡応答解析(直接法) ● 非線形過渡応答解析 19
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Hexagonは、センサー、ソフトウェア、自律型テクノロジーを組み合わせた、デジ タルリアリティソリューションのグローバルリーダーです。当社は産業、製造、イン フラ基盤、公共、モビリティの分野で効率、生産性、品質、安全性を高めるために データを活用しています。 当社のテクノロジーは、生産エコシステムと人関連エコシステムを形成、その繋が りと自律性を促進し、発展性のある持続可能な未来を創造します。 Hexagon Manufacturing Intelligence事業部は設計からエンジニアリング、 製造、計測に至るまでデータを活用したソリューションを提供し、お客様のさらに スマートな製品製造を支援します。 Hexagon( Nasdaq Stockholm: HEXA B)に関する詳細はhexagon.com をご覧ください。 また、@HexagonABのフォローをお願いします。 日本語のサイトはこちら hexagon.com/ja/company/divisions/manufacturing-intelligence © 2023 Hexagon AB and/or its subsidiaries and affiliates. All rights reserved.