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大量生産 vs 3Dプリンティングの事例をご紹介
Photocentric社の『LC Magna』は4K液晶パネルを利用した高速光造形3Dプリンターです。
本体サイズは852×641×900mm、ビルド容積は510×280×350mmです。
LCD方式なので1層当たり2~8秒での硬化を実現、一度で大量に造形が可能です。
パーツの自動洗浄を可能にする「Air Wash L」やレジン(液体樹脂)の物理特性を最大化する「Cure L2」もセットでご用意しております。
【仕様】
■テクノロジー:Liquid Crystal Display(LCD)方式
■積層ピッチ:25〜350ミクロン(使用樹脂による)
■重量:110Kg
■電源:100〜240VAC 50/60Hz
※詳しくはPDF資料をご覧いただくか、お気軽にお問い合わせ下さい
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このカタログについて
ドキュメント名 | Photocentric社 3Dプリンター使用事例集 |
---|---|
ドキュメント種別 | ホワイトペーパー |
ファイルサイズ | 48.5Mb |
登録カテゴリ | |
取り扱い企業 | 株式会社3D Printing Corporation (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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Manufacturing rreinitD P magined
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射出成形 vs 3Dプリント
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フェイスシールドの3Dプリント
3D
10週間で月間3Deプdリ ンbト
y品数を0から100万個にスケールアップし、
wer 射出成形と比較した研究
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フェイスシールドの エグゼクティブサマリー
3Dプリント
2020年前半にパンデミックが拡大し始めていたとき、Photocentricでは45台のLC Magna3Dプリンター(24インチ 4K液
10週間で月間3Dプリント品数を 晶ディスプレイ搭載)を使用し、フェイスシールド・セパレーターを1ヶ月で100万個を生産しました。これは1日に5万
個生産し、樹脂を毎日700 kg 使用したことになります。
0から100万個にスケールアップし、
射出成形と比較した研究 同時に、金型の製作も並行して行いました。それは数量を増やした時の「性能」「市場t投入io時間n」「コスト」の違いを検証するためでした。
今回の研究では、フェイスシールド構成部品の製造に焦点を当てました。LC Magrnaを用いた3Dプリント工程を、最初は
FDM方式と比較しました。LC Magnaを使用すると、類似した大判FoDM 3Dプリoンターと比較して、1台あたりの生産高がおよそ2乗になることが示されました。 rp
また、射出成形と比べたときはLCD 3Dプリンターの最大の利 点Cは「時間」だということがわかりました。LC Magnaでは
市場ニーズを数日で満たすことができた反面、金型iのn製作gには156日かかりました。
市場投入時間の短縮は、すべてのビジネスで価値tが大きいことですが、パンデミック時にPPE(個人用保護具)を供給す
るにあたっては極めて重要です。
当社の生産では、成形品コスDトの償 P
rin
3 却曲線は、32万個時点で3Dプリント品の平坦線と交差しました。金型の費用は83,000
ポンドでした。またy同 金型による成形品1個のコストは5.8ペンスでした。3Dプリント品1個のコストは32ペンスでした。コストを比d較し bたときに交点の位置を左右するのは、3Dプリント樹脂の価格です。3Dプリンター界に参入する化学メーカーが割安な樹脂の提供し、他社製の素材に対応した3Dプリンターが増えることにより、素材の低価格化は加速し、3Dプ
wリンeタrー
eの用途が広がることが予想されます。樹脂価格が決定的な要因となり、3Dプリントはいずれ射出成形の有効な代
o 替手段となるでしょう。
p 部品性能に関しては、3Dプリントと射出成形の結果は同等でした。両プロセス共に、初期デザインに修正を加えて、そ
れぞれの製造工程のために設計最適化を行いました。
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フェイスシールドの
3Dプリント
きっかけ
2020年春にコロナ危機が英国を襲うと、PPE(個人保護具)が大量に不足するこ on
とが明らかになりました。「中国からの輸出規制」「英国 rati
内での需要増加」が原因でした。FDM 3Dプリンターは即効性のある解決策とし o
て注目され、Prusa社などの企業がFDM 3Dプリンター用の設計をオープンソース rp
で公開しました(図1、左上の画像)。 Co
イギリスでは数百人のSlackユーザーが集まり、各々のFDM 3Dプリンターを使用 g
してフェイスシールドを1日に最大500個を生産することに成功しました。個人宅 in
でフェイスシールドの組み立てが行われていました。しかし、これは管理不能で t
あり、生産を拡張しにくい方法でした。 rin
個人の集合でこのようにPPEを3Dプリントすることはその後、英国政府が禁止 P
しました。 3D
こうした状況で、Photocentricでは、生産拡張が可能なフェイスシールドを設計by
し、大量生産することを目指しました。また同時に、「手頃価格」「製r造のd一 貫性」「最適な性能」を提供することを目標にしました。 e e
https://www.prusa3d.com/covid19/ pow
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フェイスシールドの
3Dプリント
3Dプリントのための設計プロセス1/2 n
2020年3月25日、3Dエンジニアのエド・バーロウが、当社初のフェイスシールドを io
CADで設計しました。設計を3Dプリントしてから、レーザーでカットしたポリエス at
テルシートを貼り付け、ゴム帯を付けました。こうして設計からわずか数時間以内 or
に、当社初のフェイスシールドを装着しました。ここから、製品最適化への道が始ま rp
りました。 o
LC Magnaのプラットフォーム上に、フェイスシールド・セパレーターを110個配置し g C
ました。FDM方式の4個と比較してみてください。セパレーターとは、フェイスシー n
ルドのバイザーを顔から離すための部品です。 inti
私たちはオフィス内でシールドを装着し、それぞれ個人の経験から性能を最適化する r
ことに着手しました。「快適な装着感」「顔の側面まで覆うシールドの曲率」に特に P
注目しました。医療現場からのフィードバックも得て改良を重ねました。 3D 図1:フェイスシールド・セパレーターの設計反復。左上から右下まで時系列順。
その結果、英国政府が新たに発行したPPE規格に特例的に適合。のちには、目の保護y
に関する規格に完全に適合しました。 ed b
3Dプリントのための設計(DfAM: Design for Additive Manufacturineg)rでは、素材使
用を最小限に抑えながら、最適な性能をユーザーに届け、p最o適なwプリント性能を達成 1 https://www.prusa3d.com/covid19/
することが目的です。 2 COVID-19 個人用保護具の新たな大量生産者向けガイダンス
3
構造の強固さを保ちながら少量素材で造形できる「オープン構造」を最初に設計しま BS EN 166:2002
した。オープン構造で、造形は非常に速くなりましたが、性能上の問題が一つありま
した。それは、開いた構造の間から水滴が顔の前に落ちてくることでした。これが理
由でその後、穴を塞いだ設計に変更されました。
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フェイスシールドの
3Dプリント
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造形の最中における、部品の重心の相対移動を評価しました。部品の方向を異なる角
度にして、形状を調整することで、各層の重心を同じ垂直線上に維持することができ
ました。こうして、造形中に部品が横方向(BY平面)の力を受けることを防ぎまし n
た。外部サポートの必要性もなくなり、造形不良の原因が大幅に減少しました。 atio
セパレーターとプラットフォームを接着させる、最初に造形される層は、きれいに剥 r
がれるように設計しました。プラットフォームは完全にきれいに保たれ、残骸は残り po
ませんでした。 or
また機能を持たないサポートを取り除くことで、プロセスの効率が大幅に向上しまし 1個あたnり2g0分 C 1個あたり20分
た。ベース部のサポートはPETシールド固定用クリップとして新たに役割を与え、設計
上の反対側さにあたる造形品上部でもこの形状を再現しました。これは、サポートが
設計の機能的な側面になるよい例です。 rinti
結果として、フェイスシールド・セパレーターのピンは3本から5本に増えました。そ P
れによりバイザーの湾曲が大きくなり、顔の側面に対する保護性能が向上しました。 3D
プラットフォームあたりの部品数は、部品を90度回転させることで増加しました。y各
プラットフォームに210個乗せることができ、それぞれが1分以内に造形r可e能dに な
bりま
した(図2参照)。 e
FDM方式での8時間、LC Magnaの元々の造形時間だった20分とw比較してみてくださ 1個あたり2分20秒 1個あたり57秒
い。3Dプリントのための設計(DfAM)が、造形速度におpよそo2乗の改善をもたらした
わけです。高品質な製品を生み出し、拡張可能な方法で生産するという、二つのこと
を達成できました。 図2:フェイスシールド・セパレーターの設計反復。左上から右下まで時系列順。
最初の2ヶ月では懸命に取り組み、フェイスシールドを20万枚製造しました。多くの手
作業も必要でした。しかし翌月には、生産向け環境で100万個の部品を生産することが
できました。
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フェイスシールドの
3Dプリント
プロセスの最適化
プリントの範疇を超えた最適化 n
フォトポリマーの最適化 atio
樹脂は常に、特定な用途のために最適化されるべきです。当社の化学者は、フェイ r
スシールド・セパレーター向けに、より優れた樹脂を開発しました。樹脂には、以 po
下の特性が望まれていました:
低価格 or
低刺激性(ポストキュア後の細胞毒性試験に合格しました) C
作業者の快適さを考慮した低臭気性 ng
高速造形を可能にする、高いグリーン強度 ti
通常の圧力で折れない、硬化後の強度 Prin高速造形向けの低い粘着性
洗浄の容易さ
ポストキュア後の反硬化乾燥時間が短い
きれいな外観 by 3D
ered
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図3:セパレーターの進入方向に関係なく、向きを反転させるフリッパー。LC Magnaで造形。
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フェイスシールドの
3Dプリント
ソフトウェアの最適化
当社のソフトウェアチームが、3Dプリンターファーム*を管 n
理するソフトウェアシステムを開発しました。品質管理のた ratioめのバッチ追跡と、性能・管理データの取得が目的でした
(図4)。 po
印刷したQRコードを各プラットフォームに貼り付けて、生産 r
プロセスの各段階でスキャンする方法を使用しました。どの o
3Dプリンターにも収まるプラットフォームであったため、プ
ロセス開始時にプラットフォーム、3Dプリンターの両方を
inting C
スキャンする必要がありました。
次に、ファイルを3Dプリンターに読み込みませました。そし r
て、造形完了後にはプラットフォームを再びスキャン。「洗 P
浄」「ポストキュア」「部品の取り外し」の全プロセスの開 D
始前後にも、スキャンを行いました。 y 3
セパレーター210個を取り外してスキャンする、最終的な品 d b
質検査では、1個のセパレーターが樹脂バッチ、プリント re
ファイル、プラットフォーム、オペレーターと紐付けするこowe図4:45台の3Dプリンターの進 図5:生産データを集めることで「生産管理」「部品のトレーサビリティ」を実現。
とができました。生産に伴う廃棄物量も、これによって把p握 行状況が表示された画面。オ
ペレーターは次に実行すべき
されます。 アクションを把握することが
できます。
*3Dプリンターファーム: 3Dプリンターを複数並べて部品を量産する設備。
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フェイスシールドの
3Dプリント
製造現場レイアウトの最適化
英国ピーターバラにある自社ビルの倉庫一室を一掃し(図6)、電
源、照明、排水、抽気装置、水道、ベンチを設置しました。梱包シス n
テム、標準作業手順書、後処理機のデザインを行い、部屋に配置する tio
IC Magna 3DプリンターDp台を準備しました。 ora
マッキンゼー社は訪問の際、「驚くべきことです ― 私たちが見た中 p
で唯一比較し得るのは、軍事キャンプの建設です」と語っていまし or
た。 C
製造現場レイアウトはCADで考案されました(図7)。液状樹脂から ng
製品まで(図8)の流れを整え、隣の容器室の中型容器(1トン)から ti
樹脂が3Dプリンターに供給されました。造形された部品は「洗浄」 in
「後処理」「品質検査」を経て、フェイスシールドを組み立て出荷す r
る段階に到達します。 D P
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図6:倉庫を一掃し、LC Magna 3Dプリンターを並べて設置。赤い照明のもと稼働しています。
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3Dプリント
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ワークフロー図
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図7:部品フローのレイアウトを最適化
図8:ワークフローの概略図
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タイムライン
フェイスシールド
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倉庫室を一掃し、フルリフォームの準 Magna生産ラインの生産能力を向上。 水道、照明、抽出、圧縮空気、排水Pを 新しい3Dプリンターファームの管理ソ フェイスシールドの最初の出荷
備を整える。ユーティリティ、生産レ 1日に3台プリンターを製造。隣室に運ん 設置。
イアウト、素材のフローをデザイン。 で直ちに稼働開始。 y 3D
フトウェアをわずか2週間で社内開発。
週内には、さらに12台のMagnaが稼働
ed b 開始。
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タイムライン
フェイスシールド
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技術エリアのパイロット製造ラインを閉 梱包作業。カンバンと標準作業手順書 設計を最適化し、プラットDフォー P社内の化学者が、フェイスシールド用に 原材料を各プラットフォームまで追跡
鎖し、生産を新施設に移す。 を作成。 ムあたりの部品数を100個から 最適化された新配合を、記録的なスピー するQRコード・ソフトウェアをわず
Magnaをさらに14台、3Dプリンター 210個に増加。y 3 ドで開発。これによりグリーン強度、造 か3週間で開発。プロセスの各段階を
ファームに追加。 b 形速度が向上し、後処理時間が短縮され 追跡するためのスキャナーを設置。
ました。
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タイムライン
フェイスシールド
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新たに8台のMagnaを内製し、3D ダブルクリップを使い、QRシステム フェイスシールド工程での搬送のた 社D内の化 学P者が、フェイスシールド用 原材料を各プラットフォームまで追跡 初めてフル操業を行い、フェイス
プリンターファームに追加。台数 を実際の生産で初めて試行。 めにコンベアを導入。 3に最適化された新配合を記録的スピー するQRコード・ソフトウェアをわず シールドを1日に61,300個生産する
は26台から34台に。 y ドで開発。梱包作業者がシステムを通 か3週間で開発。プロセスの各段階を 記録を達成。
b して部品の流れを見やすくするよう、 追跡するためのスキャナーを設置。
液晶画面を改善。最終的な品質検査と
梱包のために箱を部屋反対側に搬送す
owered るシュートを追加。
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プロファイル
造形時間
造形品高さ rati9o1 分 n15.8 cm (6.25 インチ)
世界最大級のLCD 3Dプリンター 造形品重o量 14 g
「カスタム量産」「大型品の造形」を可能に。3.8インチ液 造形p品数 / 1回 210
晶画面、造形容積510x280x350 mmを有するLC Magnaは、 or造形品総重量 / 1回 2.94 kg
歯科医療から工業製品の設計・製造まで幅広い用途に対 プリント回数 / 1日 13 (24時間内 / 20分の
応。非常に大型の品もさることながら、驚くほど精細な小 C 切替時間)
型品も造形します。従来の製造法では不可能だった結果を g
実現する装置です。 intin 造形品数 / 1日 2,729 個
r 造形量 1時間あたり1.6 kg
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技術仕様
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造形容積 13.3 mm/時間、 23.8インチ 硬化速度 ピクセルサイズ
510 x 280 x 350 100 μm造形速度 3840 x 2160ピクセル 100 μm、 3~8 秒 / 層 137 μm
4K画面 *樹脂により異なります XYピクセルサイズ
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inting C
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by 3D
d 射出成形
erew 金型プロセス
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射出成形金型プロセス
3Dプリンターによる量産体制の確立後、比較を行うた
め、射出成形による生産の代替案を立てました(図9)。 n
リードタイムと部品コストのバランスを考慮し、金型の最 io
適な取り個数を選ぶ必要がありました。また、金型製作の at
プロセスでは、3Dプリンターで既に同じ部品を試作して or
いたことが有利な点でした。
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図9:金型の設計、動作中の金型、個別の金型のクローズアップ
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射出成形金型プロセス
3Dプリント品を成形用に再設計 on
再設計においては、以下のような多数の小さな変 ti
更が必要でした。 pora
f 抜き勾配を考慮し、刻印部分を曲面側から上面 or
に移動。刻印文字は凸文字に。 C
f 肉薄部分の厚みを0.75mmから1mmに増加 g
f サイクル時間短縮のために、肉厚部分は下側か in
らくり抜いた形状に。 nt
f 中央のパーティングラインを起点とした抜き勾 ri
配を追加 P
f ホットチップのためのフィード・ディンプルを
追加
by 3D
f 鋭いエッジを一通り丸める
ed
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