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ラボ/パイロットコーターVCML取材記事

製品カタログ

ロール toロールのコンバーティング技術関連印刷/コーティング/ラミネート試験機です。

ラボでの実験から生産機へのスケールアップをつなぐ多機能テストコーター VCMLのデモ機を新横浜ショールームに設置しました。
少量の材料で数mのサンプルから数百mのサンプルを作成することができます。
ヘッドの交換によって10種類以上のアプリケーションに対応できます。
・アプリケーション
 印刷;グラビア、フレキソ、グラビアオフセット、ロータリースクリーン
 塗工;ナイフオーバーロール、コンマバー、リバースグラビア、小径グラビア、メーターバー、スロットダイ、加熱作動グラビアオフセット、エアナイフ等
・乾燥/硬化
 熱風乾燥、UV(ランプ&LED)、IR
・オプション
 コロナ処理機、窒化パージUV、エッジガイドコントロール
※新横浜ショールームにて見学&デモ随時受付中です。

このカタログについて

ドキュメント名 ラボ/パイロットコーターVCML取材記事
ドキュメント種別 製品カタログ
ファイルサイズ 5.8Mb
登録カテゴリ
取り扱い企業 松尾産業株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

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松尾産業株式会社

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卓上型印刷試験機 活用事例集
事例紹介

松尾産業株式会社

このカタログの内容

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Spotlight ウェットコーティング 特集 多機能テストコーター「VCML」をショールームに 塗工ヘッドは10種類、海外ではノンソルラミにも応用 松尾産業㈱ リーセントテクノディビジョン ラボでの実験から生産機へ イラミネートなどのテストが可能な多 コンバーティング のスケールアップをつなぐ 目的試験機、UV-LED 照射機、UV 光 関連企業にその名 テストコーター 量を数値化する紫外線センサ、フィル を知られている老  松尾産業は1938年創業の商社で、 ム厚み測定装置、熱硬化性樹脂などの 舗企業です。松 各種塗料・インキ用原材料を扱うマテ 硬化時間測定装置など、機能性フィル 尾産業は RK 社の リアルディビジョン、ハンドルやエア ムやコーティング剤、インキ、接着剤 日本総代理店と バッグ、合成樹脂、ゴム成形品等の自 といったさまざまな高機能材料開発に し て 1970 年 か 動車部品を販売するオートモーティブ 必要な機器を一通りラインアップして 松尾産業 リーセント ら約 50 年にわた テクノディビジョン ディビジョン、同社の海外ネットワー おり、顧客が材料を持ち込んでテスト の片田行彦リーダー り活動しており、 クを活用した情報収集・市場調査・商 を行えるほか、デモ機の貸し出しの相 ショールームに設 品拡販を担う海外事業戦略室、電子部 談も可能。マシン購入を前提としたテ 置しているマシンの多くが RK社製で 品・光学部品・半導体製造機器部品と ストには初回無償で対応している。 す」とリーセントテクノディビジョン 共に印刷・塗工試験機等の販売等を手  ショールーム自体はかなり以前から の片田行彦リーダーは説明する。 掛けるリーセントテクノディビジョン 設置されていたが、今年 2月、英国の  VCML は、従来 RK 社が展開して の4部門を柱として事業を展開。東京 RK Print Coat Instruments 社(RK社) いたテストコーター「ロータリーコー 支店に設置されたショールーム(新横 が開発した、Roll to Roll(RTR)プロ ター」の進化版で、松尾産業では、 浜ショールーム)には、リーセント セスでの印刷・塗工・ラミネートが可 2014 年の VCML販売開始以来、顧客 テクノディビジョンが手掛けるコン 能なテストコーター「VCML」のデモ の材料をイギリスに送って印刷・塗工 バーティング技術関連の各種ラボ用 機導入を契機にリニューアルを実施。 等のテストを行ったり、または顧客と マシンのデモンストレーション機が それまでビルの 7 階に設置していた 一緒に現地に赴いてテストを実施した 揃っている。 ショールームを 1階に移設し、VCML りする取り組みを行ってきた。  具体的には、グラビア、フレキソ、 専用のスペースを拡張した。「RK 社  「ここ 2~ 3年で引き合いが増加し、 グラビアオフセット、バーコーティン は、1962 年創業の印刷・塗工技術関 日本にもデモ機を設置してほしいとの グ、アプリケーター、ウェット・ドラ 連試験機の専門メーカーで、世界中の 声が多く寄せられてくるようになった 44 コンバーテック 2019. 4
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Spotlight 特集 新横浜ショールームに設置されたVCMLのデモ機で対応可能な 生み出します。各ローラに温水加熱コ 塗工ヘッドとオプション ントロールをかけることによって生産 バーコート ロードセルによる グラビア印刷 テンションコントローラー 方式の条件により近づけることができ ダイレクトグラビア 熱風乾燥炉 ます。一般的に、無溶剤の接着剤やコー リバースグラビア 塗工 グラビアオフセット ドライラミネート ティング剤の塗布は複数のローラを ヘッド フレキソ印刷 オプション UV 硬化システム 使った方法で塗布します。それぞれの ナイフオーバーロール スロットダイ コロナ処理装置 ローラは独立して駆動し、同時に高い 小径グラビア ATEXコーティングゾーン コンマバー (防爆仕様化) 圧力がかけられることにより高いシェ ※ RK社では、ロータリースクリーン印刷、エアナイフ、差動グラビアオフセット等の アをかけ薄く均一な塗膜を作っていま アプリケーションや、IR乾燥、エッジガイドの実績もあり す。塗工量はスピード差やローラの圧 ため、導入に至りました。機能性フィ 厚塗りまで広範な用途をカバーできま 力、またその両方を変えることによっ ルムなどの機能性材料の開発において、 す」と片田リーダー。 て変化しますが、塗工量の均一性と再 ラボでの実験から生産機を用いたテス  日本のデモ機で使える10種類の印刷・ 現性を最優先とするR&D用の機械には トへとスケールアップする間をつなぐ 塗工方式のほか、RK社では、差動グラ 複雑な条件設定は向かないとの考えか のに適した仕様で、例えば、数百 cc程 ビアオフセット、ロータリースクリー ら、RK社ではシンプルな方式を採用し 度の少量の塗液を使って数十mを塗る ン印刷、エアナイフ方式等の実績もあ ています」。 といった使い方ができます。新規材料 る。「差動グラビアオフセットは、ギア  こうした特徴により、ノンソルラミ 開発から生産現場の不具合検証といっ を介して固定のスピード差を設定でき ネーターの機構の擬似的な再現が可能 た幅広い用途に適用できる、他にはな るシンプルなグラビアオフセット方式 だという。「ノンソルラミで使う接着剤 い独自性を打ち出せるマシンだと考え です。アニロックスローラよりオフセッ と同じぐらいの塗膜の厚みが得られる ています」 トローラが速く動き、さらに、ウェブ ことから、RK社では、接着剤の加熱機 はオフセットローラよりわずかに速く 構を付与してノンソルラミ用の実験機 窒素パージ機構付きUV照射 動きます。これにより、高粘度の接着 として販売した実績があると聞いてい システム搭載のVCML特注 剤やコーティング液を1~4g/m2の塗布 ます」。日本でもこうした要望が高まれ 品も 量で塗るのに十分なシェア(剪断)を ば、ヘッドの追加導入などの対応を検  VCM Lは、L2500×W1000× H1800mmのコンパクトサイズで、 最大幅300mmのフィルム、紙、金属 箔などのさまざまなロール基材の搬送 が可能であり、サーボドライブの速度 範囲は1~70m/min。巻出・巻取軸 は片持ち式。ヘッドの交換で簡単に印 刷・塗工方式を変更でき、ショールー ムのデモ機では、バーコート、グラビ ア印刷、ダイレクトグラビア、リバー スグラビア、グラビアオフセット、フ コロナ レキソ印刷、ナイフオーバーロール、 コーティング 処理装置 スロットダイ、小径グラビア、コンマ ステーション バーの10種類に対応。IR内蔵加熱ロー ラを使ったドライラミネートも可能。 「単独の方式に特化したテストコー ターは市場にあると思いますが、1台 でこれだけ多用途をカバーできるのは VCMLのデモ機。オプションのコロナ処理装置により、 大きな強みですね。極薄膜の塗工から コーティング直前のインラインコロナ処理が可能 コンバーテック 2019. 4 45
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Spotlight 特集 UV照射装置 小型テストコーターとしては比較的強力な熱風乾燥炉を2セクション搭載可能。 高速グラビアプルーファー「GP100」 間にあるのはUV照射装置で、乾燥炉の前後に取り付けることもできる 討する可能性もあるとのこと。 素パージ機構付き UV照射システムを ト(最大彫刻面積 160× 95mm)から、  VCMLにはさまざまなオプションを 取り付けた特注品も受注している。ち ゴムが被覆された印圧ローラに貼り付 加えられるが、デモ機では、ロードセ なみに、VCML の価格のイメージは、 けられた基材にインキを転写する仕組 ルによるテンションコントローラー ヘッドの種類やオプションによってか み。ドクターブレードが取り外しやす (搬送速度1~50m/min)、熱風乾燥 なり幅があるが、2000 万~ 3000 万 いため、版プレートと印圧ローラの洗 炉(容量11kWのヒーターを2セクショ 円ぐらいが一応の目安になるのではな 浄も簡単。「R&Dやコンピュータカラー ン)、ドライラミネート機構、UV硬 いかとのこと。 マッチングデータ、品質管理、プレゼ 化システム、コロナ処理装置、ATEX ンサンプル作製といった用途で活用で コーティングゾーン(コーティングス コンパクトなUV-LED照射 きます。インキメーカーさんや添加剤 テーションの防爆仕様化)を搭載。RK 装置などの活用にも期待 メーカーさんなどで役立てていただけ 社では、IR照射装置やエッジガイドの  「ショールームには、VCML以外にも、 るのではと期待しています」。 実績もある。 性能の高さや使い勝手の良さなどを評  「UV-LED 照射装置 コンベアタイプ」  片田リーダーは、注目技術の 1 つ 価され、販売数を伸ばしている注目の は、卓上 100V 仕様で、365,385, として、UV 硬化システムを挙げる。 マシンがあります」と片田リーダー。 395,405nm の 4 波長に対応し、波 VCML では、英国GEW社の UV硬化  高速グラビアプルーファー「GP100」 長域の変更はヘッドを交換するだけで システムを採用しており、高圧水銀ラ は、最大速度 100m/min での印刷テス 簡単に行える。ヘッドはコンベア上に ンプやUV-LEDの選択ができる。「特徴 トが可能で、実生産で用いるのと同等 最大 3つまで搭載可能。照射する波長 として、規定の使用法を守る限り 5年 の粘度のインキを使った印刷見本を一 域の幅が狭く、オゾン発生につながる 間の保証を付けていることがあり、メ 瞬で作製できる。「粘度や速度によって 254nm周辺の波長の光が出ないため、 リットは小さくないと考えています」。 インキの発色は微妙に違ってきますが、 オゾン排気用ダクトの設置が必要ない。  2月のデモ機設置以来、何件ものテ GP100 を使えば実生産に近い色味を出 A4サイズのサンプルまで対応でき、搬 スト依頼が舞い込んでおり、すでに窒 すことができます」。電子彫刻版プレー 送スピードは 0.7 ~ 10m/min。照射 巻出軸 ラミネート時の第2基材 巻取軸 巻出軸 サーボドライブで1~70m/min(ロードセルバージョンは1~50m/min)の搬送が可能。 右の写真はラミネーターステーションで、ウェットおよびドライラミに対応 46 コンバーテック 2019. 4
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Spotlight ウェットコーティング 特集 として必要な機能がコンパクトにまと 在をあまり聞いたことがなく、市場ニー まっており、かつリーズナブルな価格 ズに合致しているせいか販売数を順調 で提供できるのが特徴です」。 に伸ばしており、今後は海外市場展開  粉体・液状の熱硬化性樹脂や 2液硬 も視野に入れています」。 化型樹脂の硬化時間(ゲルタイム)を 測定できる自動硬化時間測定 装置「まどか」(㈱サイバー製) は、試料プールに入れた試料 を加熱(最大 300℃)しなが ら撹拌棒でかき混ぜ、撹拌棒 にかかる抵抗が硬化に従って 上昇する過程をグラフ表示で コンベアタイプのLED-UV照射装置の きる。塗料やインキ、各種接 標準仕様(上)と照射ヘッド 着剤、半導体封止材、プリン ヘッドは、LEDランプを高密度に配置 ト基板用プリプレグ、エポキ しつつ効率的な放熱を実現しており、 シ、フェノール、シリコーン、 ファン強制空冷方式で照射強度 2200, ポリウレタンなど幅広い種類 2500,3000,3600mW/㎝ 2をカバー。 の樹脂材料に適用。「従来、こ 「作業者の目を守るための遮光カバー うした樹脂硬化時間の測定は がついたウィング式扉を閉じないとコ 手作業で行っているケースが ンベアが作動しないインターロック機 少なくありませんが、一定条 構といった安全対策仕様もラインアッ 件で測定することで品質の数 プしており、これまでの採用例はほと 値管理が可能となります。類 自動硬化時間測定装置「まどか」(左)。試料プール んどがこのタイプです。開発・実験用 似した機能を持った製品の存 (右)に材料を入れ、熱を加えながら撹拌する コンバーテック 2019. 4 47