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複雑化した自動運転や電気自動車システムには、再現性のあるテストが必要です
掲載内容
◆車載ネットワークの高速化の必要性
◆物理層のテスト
◆レシーバーテストの準備
◆トレンドがレシーバーテストを促進
◆複雑な変調方式一 NRZの次へ
◆レシーバーの物理層検証
◆車載ネットワークの規格
◆テストをしないということ
◆デバイスの特性評価
◆高速ネットワークの費用
◆キーサイトへの信頼 など
◆詳細はカタログをダウンロードしご覧いただくか、お気軽にお問い合わせ下さい。
このカタログについて
| ドキュメント名 | 車載ネットワークの性能を向上するレシーバーテスト |
|---|---|
| ドキュメント種別 | その他 |
| ファイルサイズ | 4.6Mb |
| 登録カテゴリ | |
| 取り扱い企業 | キーサイト・テクノロジー株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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WHITE PAPER
車載ネットワークの性能を
向上するレシーバーテスト
複雑化した自動運転や電気自動車システムには、
再現性のあるテストが必要です
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目次
車載ネットワークの高速化の必要性 .................................................................................................................... 3
物理層のテスト .................................................................................................................................................... 5
レシーバーテストの準備 ...................................................................................................................................... 6
トレンドがレシーバーテストを促進 .................................................................................................................... 8
複雑な変調方式ー NRZの次へ ............................................................................................................................ 10
レシーバーの物理層検証 .................................................................................................................................... 13
車載ネットワークの規格 .................................................................................................................................... 14
テストをしないということ ................................................................................................................................ 17
デバイスの特性評価 ........................................................................................................................................... 20
高速ネットワークの費用 .................................................................................................................................... 21
キーサイトへの信頼 ........................................................................................................................................... 21
詳細はこちら ー 関連リソース ........................................................................................................................... 21
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車載ネットワークの高速化の必要性
完全自動運転や電気自動車へ移行が進むにつれ、自動車の電気的なアーキテクチャーは、より複雑になっています。
センサーと制御ユニット、その間のインタフェースは、その数を増やし、機能を拡張しています。
車載エレクトロニクスの拡大に伴い、自動車は5年前あるいは10年前よりも多くのセンサー、制御ユニット、イン
タフェースを扱っています。最近の自動車は多くのアプリケーションを搭載しており、今後さらに複雑さが増すと
言われています。これらのアプリケーションには、より高い帯域幅、より速いデータ転送速度、そしてより信頼性
の高いネットワークが必要となります。
ゾーンアーキテクチャーまたはドメインアーキテクチャー内の機能を統合することにより、各ノードの複雑性が
増大しても、トータルの処理ノード数は少なくすることができます。各電子制御ユニット(ECU)あるいはゲートウェ
イは、複数の異なる入力/出力(IO)にアクセスすることで、より多くの処理能力を提供することができます。自動
運転に移行するには、センサーや電子機器が収集したデータを、正確かつ迅速にメインCPUに転送する必要があ
ります。
LiDAR V2X通信 GPS eCall/ eCall
ERA-glonass
IVN
カメラおよびレーダー
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例えば、自動車をバックさせるときに、自転車に乗った子供が車の後ろにいるのを想像してください。車内ではバッ
クカメラを確認し、注意深いドライバーなら後ろを振り返り、後方確認をすることでしょう。バックカメラの通信
が途絶えたり、一瞬画面が黒くなったりしても子供を確認し、回避できる可能性は高いです。しかし、完全自動
運転車の場合、バックカメラは非常に重要です。1秒でも通信が途絶えたら、子供の生死を分ける可能性があります。
図1. 信号にノイズがあるバックカメラの画面例
運転手と同乗者に正確な情報を提供するかどうかは、乗っている車両に依存します。バックカメラから車内ディス
プレイに送られる情報は、車の後方でおきている真実がそのままリアルタイムで映し出されます。ここからが車載
ネットワークの出番です。車載ネットワークは、車の後方に配置されたカメラからの信号をセンターコンソールの
ディスプレイまで送ります。バンパーとディスプレイの間で発生する干渉によって、データの破損や劣化はあって
はなりません。このデータ伝送を確実なものにするためには、システムを構成するさまざまな部品のベンダー間の
広範な相互接続性を、規格に基づいて繰り返しテストする必要があります。このレベルのテストにより、エンジニ
アは不具合のリスクを最小限に抑え、すべての人の安全を保証することができるのです。
しかし、データ伝送中に何も失われなかったことをどうやって証明するのでしょうか。
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物理層のテスト
キーサイトでは、テストを異なるレイヤーに分割し、物理層と物理的信号、メッセージの送信方法、そしてメッセー
ジが相手側でどのように受信されるかをテストしています。物理層には、歪み、反射、減衰、および他のソースか
らのノイズを除去するシグナルインテグリティーが含まれます。次のステップは、被試験デバイス(DUT)の機能を
より高いレベルで、物理層とECU間のトラフィックが正しく優先順位付けされているかどうかを検証します。
テストでは、DUTを一連のストレス状態に置き、どの過程で落ちるかを特定します。システム全体を考慮するこ
とも大切ですが、ここでは、物理層でのレシーバーテストに焦点を当てます。
IVN物理層テストのアーキテクチャー
トランスミッター (Tx) コネクタ/ケーブル(Lx) レシーバー (Rx)
SoCまたはセンサ SoCまたはディスプレイ
車載SerDes
MIPI A-PHY、ASA
シリアライザ/デシリアライザ(SerDes)
モバイル業界プロセッサインタフェース(MIPI)A-PHY
Automotive SerDes Alliance (ASA) 電子制御ユニット(ECU)
システムオンチップ(SoC)
車載用イーサネット
10 M~10 G
測定システム
リアルタイムオシロスコープ ベクトル・ネットワーク・アナライザ 任意波形発生器(AWG)
(VNA)
図2. 車載SerDesか、シングルペアのイーサネットかに関わらず、リンクの部分は同じ方法でテスト
このホワイトペーパーで扱うリンクとは、あるECUともう一つのECU間、もしくは、あるECUからディスプレイや、
センサーからECU間の接続のことです。リンクはトランスミッター、レシーバー、そしてケーブルやインライン
コネクタを含むパッシブ相互接続の3つの要素から成り立ちます。双方向の車載イーサネットでは、リンクの
テストとしてトランスミッターとレシーバーの両端の接続と、両者間の接続で評価する必要があります。シリアラ
イザ/デシリアライザ (SerDes) リンクには、ダウンリンクとアップリンクに使うトランスミッターとレシーバー、
そしてその間の接続があります。SerDes は非対称性があるので、テストする方向によってテスト要件が異なり
ます。
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リアルタイムオシロスコープは、アナログ特性を仕様と比較するために、信号を大幅にオーバーサンプルします。
トランスミッターのテストは、基本的なシンボル周波数の高調波を複数捕捉することで、特定の実装リニアリ
ティー、パワースペクトラム密度 (PSD)、および出力ジッタに関する独自の知見を提供します。
レシーバーテストでは、任意波形発生器(AWG)を使用して複雑な広帯域ノイズプロファイルを作成します。
AWGは、デジタル・メモリ・レコードをアナログ出力に変換する非常に多機能な測定器です。自動車用ノイズプ
ロファイルを電圧vs時間の関数としてとらえて、テスト計画で必要な広帯域ノイズの組合せをAWGにプログラム
することができます。
ベクトル・ネットワーク・アナライザ(VNA)は、パッシブの相互接続や、ケーブル、アダプタの応答特性を評価し、
インピーダンスミスマッチが起こる場所や許容できない減衰レベルがでる場所を特定します。また、VNAを使用
してトランスミッターを測定し、ポートのリターンロスを評価することができます。
レシーバーテストの準備
物理層で行うレシーバーテストのポイントは、レシーバにストレスを与えて、ノイズの多い車本来の厳しい環境で
動作することを検証することです。レシーバーテストでは、障害を受けた入力信号からデータを回復するレシーバー
の能力を測定することで、デジタル伝送の品質を確認することができます。主な指標はビット・エラー・レート
(BER)、つまり受信した全ビット数に対するエラーの割合です。
エラー回数
BER =
測定時間*DR
最終的にこのテストは、ダイナミックなノイズソースが存在する場合でもレシーバーが信号を正しく受信できるか
どうかを判断することを目的とします。そのため、規格の中では、歪んだ信号を生成するトランスミッターを
再現し、その歪みが伝送に与える影響を解析することを求めています。考え方としては、歪み、干渉、熱、振動、
車内ノイズが同時に発生したという最悪のケースを作り、レシーバーは送信された信号を検出できるのかを確認し
ます。
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高速デジタルのシステムでは、レシーバーが正しく動作するかどうかを確認するために2つのテスト段階があり
ます。
1. 既知の信号に対してテストを行い、理想的な条件下でのレシーバーのベースラインを決定します。
2. 信号にノイズを加え、ストレス下でのレシーバーの挙動を確認します。
第1段階では、低出力レベル、高出力レベル、さまざまな動作周波数においてレシーバーの動作範囲内のテストを
実施します。多くの場合、信号発生器の性能は、一般的なトランスミッターの性能を上回る必要があります。
第2段階では、ストレス条件下でのテストを行います。実環境の条件がリンク性能に影響を与えている状態でター
ゲットレシーバーをテストし、性能を定量化します。典型的なテストでは、明確に定義された障害信号がある中で、
目標レベルのBERを維持することに重点が置かれています。
自動車の場合、ノイズはダイナミックに変化する複数のソースから発生する可能性があります。測定器で広帯域の
環境ノイズを発生させると同時に、狭帯域の電磁干渉(EMI)も発生させなければなりません。さらに、テストアー
キテクチャーの中には、DUTとそのリンク間のアクティブリンクにダイナミックノイズをカップリングする要求
もあります。これには、システム応答に影響を与えるアンプや結合メカニズムが必要です;複雑なノイズ プロファ
イルを生成するときは、潜在的な損失を考慮する必要があります。特定のプロファイルをAWGのメモリにプログ
ラムすると、ノイズソースとしてそれらを使用することができます。
また、ループバック・テストに対応する機器では、ビットエラーレートテスター (BERT)をノイズソースおよび
データソースとして使用することができます。
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トレンドがレシーバーテストを促進
レシーバーテストは、多くの高速デジタル技術の中でも一般的なものです。高速技術がより速いデータレートに
移行し、パルス振幅変調4レベル(PAM4)のようなより複雑な変調に移行するにつれて、その必要性はさらに高まっ
ています。レシーバーテストとは、さまざまな劣化源が存在する中でレシーバー性能を評価するものです。これに
よりレシーバーが正しい信号を捕捉できることを確認します。BERは、さまざまな劣化源が存在する中、元の
データを回復するレシーバーの能力を示します。
車内に搭載される電気システムは、様々なノイズソースの存在を克服しなければなりません。これらの高速電気リ
ンクは、電磁波干渉に対して脆弱なのです。車載環境では狭帯域RF、過渡応答パルス、広帯域分布など、さまざ
まな干渉が発生します。ケーブルの長さ(車載ネットワークでは最大15 m)によっても伝送データは、クロストー
クにさらされ、ケーブルハーネス内の挿入損失も大きくなります。このような現実から、徹底した電磁両立性(EMC)
評価が、車内の複雑な電気システムの性能を検証するために重要なポイントとなっています。
有線通信技術では、より高いデータレートと複雑な変調形式により、検証の焦点はレシーバーに移っています。
データレートが上がり変調方式が複雑になると、レシーバーはチャネルの障害や干渉を考慮しながら、イコライゼー
ションや誤り検出訂正の技術を実装しなければなりません。このように複雑さが増すと、レシーバーのテスト方法
へ注力と投資の必要性が高くなります。送信信号の検証だけではもはや十分ではなく、エラーのない動作を維持し
ながら、自動車特有のノイズ環境に対応するレシーバの能力を確認することが不可欠です。
早期のテストと測定に投資をすることで、自動車がよりコストのかかる壊滅的な問題に見舞われるのを防
ぐことができます。
他の業界やデータセンターでの経験に基づき、自動車業界でも、MIPI A-PHY、ASA、およびマルチギガビッ
ト車載イーサネットなどの最新のデータレートでは、レシーバーテストが必須であることを理解するとよ
いでしょう。
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チップセットベンダーの枠を超えたレシーバーテスト
データレートの高速化に伴い、チップセットベンダーの枠を超えたレシーバーテストに大きな注目が集まってい
ます。各ベンダーのレシーバー実装は、アダプティブイコライゼーションやその他のエラー検出訂正メカニズムの
性能に若干の違いがあります。ECUに統合されたチップセットは、マルチレイヤ―のプリント回路基板(PCB)上に、
電源分配回路(PDN)、ダブルデータレート(DDR)、ローパワーダブルデータレート(LPDDE)メモリバス、および
peripheral component interconnect express (PCIe)など、他の高速相互接続とともに実装されます。Tier 1 サプ
ライヤーと自動車メーカー (OEM)にとって、自動車ノイズ下でレシーバー性能を検証するだけでなく、実装する周
囲のデジタルおよびRFシステムの動作環境下での検証も不可欠となります。
自動車市場において、安全に関する問題の可能性は計り知れません。電子機器、先進運転支援システム(ADAS)、
自動運転(AD)システム、またはサブシステムのいずれかに障害が発生すると、回復不可能な人命損失や傷害につ
ながる可能性があります。安全性の問題は、メーカーに負担がかかるリコールとなり、一度発生すると消費者から
の信頼とブランドの評判に長期的な影響を与える可能性があります。路上ではなくラボで問題を発見する決定論的
なテスト手法に重点を置くことで、設計プロセスの早い段階で問題を特定できるようになります。プロセスの初期
段階でテストと測定に投資することにより、致命的な安全問題の発生を防ぐことができます。
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複雑な変調方式ー NRZの次へ
新しい車載ネットワーク技術では、16Gbps 以上のデータレートを維持しながら、15mまでのケーブル長をサポート
する要求があります。このようなデータレートを実現するためには、非ゼロ復帰(NRZ)の発想を変えることが必要
です。Gbps を超えるデータレートでは、チャネルロスのためにNRZは望ましくありません。NRZはPAM4 や 8、
16に比べて消費電力が少なく、S/N比(SNR)も低く、変調方式も複雑ではありませんが、デメリットとして同じ
ビットレートを達成するためにPAM4の倍のシンボルレートが必要になります。簡単に言えば、PAM4はNRZと
比較して、送信シンボルあたり2倍のビットがエンコードされています。同じデータレートであればPAM4は、
NRZの半分のナイキスト周波数で動作します。チャネル挿入損失は、低周波数では大きな問題ではないのでより
長い伝送距離を実現することができます。
AM4、PAM8、PAM16などの高次変調方式は、シンボルあたりのビット数を増やすことで、ボー (baud)とナイキ
スト周波数の範囲で十分ロングケーブルをサポートすることができます。PAM4は、最終的なハーネス組み立てに
おいて、ケーブルとコネクタに対する新しい要件が出現するため、トランシーバーの設計とテストに複雑さをもた
らします。
マルチギガビット車載イーサネット、MIPI A-PHY、および Automotive SerDes Alliance(ASA)は、少なくともテ
ストモードの一部でPAM4 変調を使用しています。車載イーサネットの規格は、すぐに利用できる技術で確立さ
れたネットワーキングプロトコルを使用した、対称的なポイント to ポイント接続とマルチドロップ接続を定義し
ています。一方、SerDesは非対称に設計されているデータ転送の高速ダウンリンクを使用します。例えば、カメ
ラから中央処理装置(CPU)への伝送です。そして、低速のアップリンクは要求の少ない機器のモニタリングや制御
などに使います。このタイプのリンクは、高速出力を必要としながらも、理想的には実装の複雑さ、電力要件、
およびコストに制限のある、車内のリモートセンサーに適しています。
PAM4は測定の課題を増加させる新たな複雑さが存在します。しかし、PAM4リンクの初期段階におけるテストと
測定は、リンクエラー性能を損なう人為的な原因とメカニズムの理解を深めるのに役立ちます。障害は、クロック
リカバリーの実装やスキュー、圧縮、非線形性のようなクローズドアイに関する所から発生する可能性が大きい
です。トランスミッターの出力を評価するために新しい測定法も出現するでしょう。さらにPAM4技術が進歩し、
PAM4の課題とソリューションに対する理解が深まるにつれて、レシーバー入力の特性評価のための新しいストレ
ステストも登場するでしょう。
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PAM4 テストの課題
タイムドメインの観点から、PAM4には図4にあるように4つのデジタル振幅レベル(-3、-1、1、3)があります。
PAM4では、各レベルあるいはシンボルにおいて、NRZまたはPAM2と比べて同じボーレート(28 GBaud PAM4
は56 Gb/s)なら、2ビットの情報により2倍のスループットを提供します。PAM2は、低レベル信号と高レベル
信号を使ってデジタル論理信号の1/0を表示するバイナリコードです。NRZは、シンボル周期あたり1ビット(0あ
るいは1)の情報しか伝送できません(図1)。周波数ドメインから見るとPAM4は、NRZの半分の帯域幅で伝送が
可能です。図3のPAM4アイビューでは、4つのレベルによって作られた3つの垂直アイを表示しています。PAM4
レシーバーには、アダプティブまたはNRZに対して時間変化の3つのスライサーレベルがあります。差動信号の
場合、判定レベルは0 Vに設定されます。PAM4 を使用したデータ伝送には、以下のような新しい設計とテストの
課題があります。
NRZ(PAM-2) PAM-4
• 2振幅レベル • 4振幅レベル
• 各シンボルに1ビットの情報 • 各シンボルに2ビットの情報
( 同じbaud rateで2倍のスループット)
• S/N比が低いほど、ノイズの影響を受けやすい
図3. NRZ アイダイアグラムとNRZ(PAM2)振幅レベル 図4. PAM4 アイダイアグラムとPAM4振幅レベル
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クロックリカバリー
異なる振幅に対する立ち上がり時間差は、固有の符号間干渉(ISI)に影響してクロックリカバリーを困難にします。
PAM4データ信号の遷移時間は、信号の立ち上がりと立ち下がりの時間によるスイッチングジッタによって、著し
い水平方向のアイクローズを引き起こす可能性があります。クロックリカバリーのためにアナログレベルを調べる
には、適切な位相検波器が必要です。
デシジョン・フィードバック・イコライゼーション(DFE)
エンジニアは、DFEを使用してロジックのしきい値に追加する補正値を計算し、しきい値を上下にシフトさせます。
これにより、新たにイコライズされたしきい値を基準にして合理的な判断を行うことができるようになります。
S/N比(SNR)の損失
PAM4信号は、レベル間隔 (level-spacing) によりNRZ 信号に比べて振幅が3分の1となるため(SNRの損失は
約9.5 dB)、ノイズの影響を受けやすくなっています。PAM4信号の挿入損失は低いので、PAM4シグナリングの
信号振幅の減少によるSNRの9.5 dBの損失を補えることもあります。
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レシーバーの物理層検証
レシーバーの性能テストには主に2つの方法があります。
ループバック・ラウンドトリップ・モード・テスト
DUTをループバックモードにし、メディアアクセス制御(MAC)層内のDUTにデータを送信します。データは
ループしてトランスミッターに戻ります。送信されたデータと戻ってきたデータが等しいことを確認します。理想
的な状態では、アナライザは図5に示すようなゴールデンデバイスとなります。
ノイズソース RX
ゴールデンデバイス TX
DUT
図5. ループバックモードでは、DUTは受信データを送り返し、それをゴールデンデバイスと比較します
巡回冗長検査(CRC)モードテスト
データを一方向(ダウンストリーム)に送信し、DUT内部で、CRCエラーカウンターを確認します。パケットが来
るたび、CRCにエラーがあるとカウントします。この場合は、片方向のテストになります。エンジニアは、次の
読み取り前にカウンターを読み取り、リセットする必要があります。
ノイズソース RX エラーカウンター
TX DUT
PC上のテスト・オートメーション・
ソフトウェア
図6. 物理層内のエラーカウンターの例
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車載ネットワークの規格
車載イーサネットと標準化された車載SerDesの2つの車載ネットワークで、物理符号化副層(PCS)のレシーバーテ
ストが規定されています。
車載イーサネット
まず、車載イーサネットは全二重通信であるため、レシーバーが車載イーサネットのテストを受けられるようにす
るには、リンクを立ち上げる必要があります。これは、高精細度マルチメディアインタフェース(HDMI)、PCIe、
USB などの他の規格と同様です。パケットの送信を開始する前にリンクの設定が必要です。リンクが立ち上がると、
リンクを維持するために物理層間で情報が行き来します。
車載イーサネットではゴールデン・デバイス・テスト方法を使用します。
ノイズソース RX
ゴールデンデバイス TX
DUT
図7. ノイズソースには、任意波形発生器(AWG)やファンクションジェネレータを使用します。
しかし、車載イーサネットのテストにおいて、この方法には1つ注意事項があります。RxとTxのデータに対して
一対のワイヤーを使用する場合、両方向の信号に同じ障害を与えてしまうため、ビットエラーがダウンストリーム
の途中で発生したのか、DUTから戻る途中で発生したのか切り分けできなくなります。DUTのレシーバーをその
トランスミッター機能から分離することは不可能です。
設計サイクルのできるだけ早い段階でテストを実行し、デバイスがシステムの他の部分にどのような影響を与える
かを理解することが不可欠です。最終的には後工程での時間を節約することにつながります。イーサネットは、
パケットベースの技術であるため、破損したビットが1つでも発見されるとパケット全体が使えなくなります。
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レシーバーに関する1000base-T1 車載イーサネット Rx テストの概要
表1. 100BASE-T1 および 1000BASE-T1 に適用される車載イーサネット特有のテストケースと手順
テストケース 目的 手順
ビット・エラー・ DUTが10-10未満のBERを維持できる 2,470,000個の1,518バイトのパケットを送信
レート(BER) ことを検証 し(10-10 BERの場合)、モニターはパケット
エラーの数をカウントします。フィクスチャ
を使わない直接リンクテスト
エイリアン エイリアンクロストークのレシーバー レシーバーDUTに550 MHzのノイズソースを
クロストーク除去 での許容値を検証します。 加えます。BERは、フレームロス率の仕様を
満たす10-10とします。
信号品質指標(SQI) 品質が低下または上昇するチャネル 通信チャネルに人工ノイズを加え、物理層の
に対して、物理層の示す信号品質が SQI値を少なくとも100回測定します。物理層
低下または上昇するかを確認します。 がリンクを確立しなくなるまで、ノイズ発生
器でノイズレベルを0.1 dBずつ増加または
減少させます。
レシーバークロック DUTが750 MHz ±100 ppm(あるい トランスミッターを749.925 MHzのクロック
周波数の許容値 は749.925 MHzか ら750.075 MHz) でデータを送信するよう設定します。
のシンボルレートで受信データを適切 2,470,000個のパケットを送信し、エラーを
に受け入れることができるかどうか カウントします。750.075 MHzで繰り返し
検証します。 ます。DUTは、BER10-10を維持するものとし
ます。フィクスチャを使わずに直接リンクテ
ストします。81160AのゴールデンDUT(また
はリンクパートナー)としてAPM1000E-CLK
を使用し、テストします。
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車載SerDes
車載向けSerDesリンクは非対称であるため、ダウンリンク(順方向)はアップリンク(逆方向)よりも大幅に高い
データレートを有します。また、PAM4 のように、高次変調を使用してより高速なデータ レートを実現するダウ
ンリンクの変調方式へ変化しています。一方、低速なアップリンクのデータは、NRZエンコードを使って行われ
ます。これらの変調方式の変化により、テストトラフィックの方向によって、テスト方法が異なってきます。最終
的に、ダウンリンクレシーバーはアップリンクレシーバーよりもはるかに大変な作業になるので、テスト方法には
この状況を反映する必要があります。
車載向けSerDesシステムは、イーサネットとは異なるエラー補正方式を使用することもあるため、テスト仕様に
もそれなりのばらつきがあります。例として、MIPI A-PHY仕様に沿ったノイズ特性評価には、被試験レシーバー
とリンクパートナー間のアクティブリンクにのる複雑なノイズプロファイルをAWGを使用して生成することが
必要です。
変化するノイズプロファイル
ノイズプロファイルには、様々な周波数と振幅で異なる信号タイプがあります。ノイズをリンクにのせる際、コン
ポーネントは、AWGの出力を著しく減衰させるので増幅が必要です。
ノイズが存在する間、DUTのレジスタ空間は、エラーカウントを続けます。サイドバンド・チャネルやリンクパー
トナーを介してレジスタにアクセスすることで、BERを決定することができます。リアルタイム・オシロスコープ
やスペクトラム・アナライザなどの測定器は、増幅器や結合フィクスチャ出力のノイズレベルを校正することがで
きます。レシーバーの設計では、送信データのいかなる欠陥も処理できるよう求められます。
実環境の模擬
自動車には、広帯域の環境ノイズソースと間欠的な過渡現象のダイナミックなノイズが組み合わさっています。
その中でレシーバーは、シンボルの連続したストリームのクロッキングを担当します。これらのノイズソースは
演算で表現できるため、すべてを同時に含む波形を生成することは可能です。MIPI A-PHYなどの規格では、適切
なレベルのBERを維持するためにA-PHYレシーバーが許容しなければならないノイズソースの種類、周波数、
振幅を定義しています。
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目標は、テストセットアップを使ってDUTインタフェースの仕様が定義する許容BERレベルを達成することです。
必要なクロストークおよび広帯域ノイズと高速過渡応答やランダムノイズを同時にDUTに送るには、多くの課題
があります。データ損失が致命的となり得る実際のアプリケーションにおいて、これらの課題を模擬するノイズ
ソースを組み合わせてテストすることは、レシーバーがどのように機能するかを特徴付ける有意義な評価手法と言
えます。
任意波形発生器
狭帯域インタフェース
RX エラーカウンター
広帯域ノイズ
TX DUT
増幅および結合
RX フィクスチャ
リンクパートナー
TX PC上のテスト・オートメーション・
ソフトウェア
図8. 物理層レジスタはエラーカウントを追跡、記録し、レシーバー性能の指標として読み出されます。
テストをしないということ
先進運転支援システム(ADAS)の主要な目標は、車両内および車両周辺のすべての同乗者および歩行者の安全を
確保することです。サブシステムは、そのレシーバーが許容可能なBERで動作している間のみ正しく機能します。
レシーバーテストは、このホワイトペーパーに記載のある関連するすべてのコンプライアンステスト仕様(CTS)に
記述されていることに着目してください。レシーバーテストを行うことで、システムの相互運用性とシグナル
インテグリティーを確認することができます。しかし、レシーバーのテストを行わなかった場合はどうなるのでしょ
うか。
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レシーバーに影響を与えるシグナルインテグリティーとパワーインテグリティーのソース
• トランシーバーの特性 (リニアリティー、PSD、出力ジッタを含む)
• 環境ノイズ
• エラー補正メカニズム
• パワー (PDN、PSIJ、PoC/PoDLを含む)
• ケーブルとコネクタの性能
• クロストーク (ケーブルバンドル、MDIを含む)
シグナルインテグリティーの問題
いろいろある指標の中で、トランスミッターのリニアリティー、PSD、出力ジッタなどは、レシーバーのシンボ
ルクロック能力に影響を与える性能の指標になります。同様に、レシーバーのノイズに対する耐性、環境ノイズの
フィルタリング、エラー補正メカニズムは、実際の車両環境での運用能力を示す重要な指標となります。
パワーインテグリティ
シグナルインテグリティーの問題の多くは、電源分配回路(PDN)のインテグリティーに起因します。パワーインテ
グリティーは、デバイスの性能を予測する上でも重要になってきています。PDNには複数の電圧レールと共通の
戻り経路があり、グランドバウンスや電源起因のジッタを発生させる可能性があります。これらはファンアウトし
てダウンストリームに拡散する傾向があります。この問題は、同軸給電(PoC)やパワー・オーバー・データ・ライ
ン(PoDL)を広く使用するSerDe規格に特に関連します。
電源起因ジッタ(PSIJ)は、デジタルシステムにおけるクロックおよびデータジッタの最大の原因の1つです。また、
これらのシステムにおけるクロックとデータの遷移によるスイッチング電流は、しばしばDC電源のノイズの原因
となります。設計者は、システムのデータジッタのうち、どの程度がPSIJであるか、また、DC電源のノイズのうち、
どの程度が特定のクロック、データライン、その他のトグリングソースから来るのかを把握しておく必要があり
ます。
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リンクセグメントのコンフォーマンス
コネクタ、ケーブル、ハーネスアセンブリの挿入損失とリターン損失に制限を設けることで、高速データを確実に
伝送できる通信チャネルを提供します。規格でケーブルバンドルや媒体依存インタフェース(MDI)のクロストーク
に制限を設けることは、複数の高速インタフェースが近接するゾーンアーキテクチャーにとって重要です。
カメラ
信号品質 デシリアライズ済み
信号品質
DDR
メモリ
SoC
PHY PHY SoC
クロストーク
ノイズ
SerDes/
イミュニティー イーサネット インピーダンス ECU
反射
DC-DC 電力IC
ECU
エミッション 電源インピーダンス
図9. 車両内のノードのサブシステムと隣接するシステムが干渉、ジッタ、反射を送信している例
重要な役割を担う各サブシステム
各サブシステムをテストしただけでは、車両環境からの固有の干渉があるかどうかなど、ADAS全体にかかわる
潜在的な影響についてはわかりません。すべての同乗者と近くの歩行者を保護することは、ADASにとって最優先
事項です。レシーバーが許容可能なBERで動作する場合にのみ、サブシステムは適切に動作します。
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デバイスを測定し、仕様を満たしていることを検証することで、設計時の目標、シミュレーション結果、最終的な
ハードウェア性能、の間の相関関係が明確になります。業界で受け入れられている実装方法(MOI)と整合する
ように、テスト手順を公式化することはとても有用です。業界にかかわる関係者は、複数ベンダーが参加する相互
運用性のテストイベントやテストベンチにおいて、MOIに基づくテストソリューションを使用することができます。
レシーバーのデータ損失に関する厳格なテストなしでは、干渉によってドロップフレームやパケットロスが発生
して、同乗者や歩行者の安全を守る ADAS/AD機能の設計に大きな影響が出る可能性があります。レシーバーの
反復テストは、自動車会社の潜在的なリスクを低減します。リコールや安全関連の問題が発生した場合のリスクは、
会社にとって壊滅的なものになり得ます。バックカメラのビデオフレームが数枚破損したり、レーダーや LiDAR
が数秒でも失われると、その影響は致命的なものになる可能性があります。
デバイスの特性評価
特定の環境でどのように動作するかを知るためには、デバイスの限界と故障し始めるところを把握することが重要
です。マージン解析は、反復しながら展開する強力な手法です。変化する環境にデバイスをさらしながら、あるい
は動作状態を変化させながら、再現性のあるテスト方法を実行することができます。数値を変えながら、デバイス
のテストリミットからの外れるところや、またはテストリミットへの収束状況を観察することで、設計の「余裕」
がどの程度あるのか、追加のエンジニアリングが必要かどうかを見抜くことができます。デバイスの動作マージン
を特性評価することで、信号品質に関する深い知見が得られます。設計の変更は、設計サイクルの後半になるほど
コストがかかります。設計の初期段階でテストを行うことで、問題をできるだけ早期に発見し、設計変更のコスト
を最小限に抑えることができます。テスト計画には、温度、湿度、EMIのソースが変化するダイナミックな環境も
組み込む必要があります。
デジタル規格の進化は、反復的なテストプロセスを継続することでテスト方法の革新に影響を与え、最終的には
広く受け入れられているテストソリューションへ展開されます。再現性のあるテスト方法とリミット値は、広範な
相互運用性を促進し、実装するフィールドでの故障リスクを最小化することに貢献します。テストの標準化が
進めば、参加するすべての企業が利益を得ることができます。
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