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中波赤外線ヒーターがもたらす 本質的な加熱効率と品質の違い
工業用途における赤外線加熱と言えば、従来はセラミックヒーターが、事実上の業界標準でした。
一方、立ち上がり速度や高温域を求める用途では、カーボンヒーターが採用されるケースもあります。
セラミックヒーターは、安定性と汎用性に優れる反面、立ち上がりに時間を要し、連続通電を前提とした運用になりがちです。
カーボンヒーターは、瞬熱性と高出力を特長としますが、被加熱物に対して温度が過剰になりやすく、温度制御性、均熱性、消費電力の面で、課題が生じることも少なくありません。
波長特性で見ると、
セラミックヒーターは遠赤外線寄り、
カーボンヒーターは近赤外線寄りに位置します。
近年、この中間領域である中波赤外線が、注目されています。
中波赤外線ヒーターは、
カーボンヒーターの高速立ち上がり性能、
セラミックヒーターの汎用性と扱いやすさに加え、
被加熱物の吸収特性に適合した波長による、高いエネルギー効率を実現します。
実際にトライいただくと、
加熱時間の大幅短縮、
消費電力量の低減、
といった効果に、驚かれるユーザーは少なくありません。
加熱プロセスにおけるランニングコスト削減は、今や多くの産業分野で、避けて通れない課題です。
ぜひ一度、中波赤外線ヒーターによる加熱をご体験ください。
従来方式との違いを、数値と結果で実感いただけます。
このカタログについて
| ドキュメント名 | 中波赤外線ヒーターのパフォーマンス |
|---|---|
| ドキュメント種別 | 製品カタログ |
| ファイルサイズ | 2.3Mb |
| 登録カテゴリ | |
| 取り扱い企業 | 株式会社ライスター・テクノロジーズ (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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中波赤外線ヒーターがもたらす 本質的な加熱効率と品質の違い
はじめに
中波赤外線ヒーターは
近赤外線や遠赤外線ヒーターと比べ 消費電力と均熱性に明確な差が出ます。
本資料では、
近赤外線・中波赤外線・遠赤外線の違い を整理し、
なぜ中波赤外線が多くの工業用途で合理的な選択となるのかを解説します。
ヒーターの種類 中心波長 外観
ハロゲンヒーター 1.0‐1.2 μm 石英ガラス管の中にコイル状のフィラメント
カーボンヒーター 1.8‐2.5 μm 石英ガラス管の中に黒系の細いカーボン素子
金属箔ヒーター 2.5‐3.5 μm 表面積の広い金属箔フィラメントを使用、金属製ハウジング
セラミックヒーター 3.5 μm ~ 白色 ベージュ色 黒色などのセラミックを使用
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1. 多くの工業材料は中波赤外線で最も効率よく加熱される
樹脂、水、紙、木材といった多くの工業材料や物質は、材料の分子振動と赤外線波長の関係が深
いことが、実測と理論の両面から確認されています。
赤外線ヒーターの表面 色温度と波長の関係
各種材質と波長帯域との関係
PES ポリエステル
PA ポリアミド
PC ポリカ
PMMA アクリル
PVC 塩ビ
PVA/PVAC
PS ポリスチレン
ABS
PE/PP
POMポリアセタール
水
紙(白色)
0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 4.5 5 5.5 6 6.5 7 7.5 8
(単位:μm)
赤外線の中心波長は、ヒーターの表面温度によって決まります。
また、放射される赤外線エネルギー量は、表面温度の上昇に対して線形ではなく急激に増加します。
これは、ヒーターの表面温度が 2 倍になると、放射エネルギー密度が 16 倍になるという
ステファン・ボルツマンの法則に基づくものです。
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2. 赤外線ヒーターの特性上、ありがちな問題点
一般に、ハロゲンヒーターは近赤外線、セラミックヒーターは遠赤外線を主に放射します。
カーボンヒーターや特殊なセラミックヒーターは中波帯域を含む製品もありますが、中波赤外線を
銘打っていても、放射スペクトル 放射面積 均熱性はメーカー設計によって大きく異なります。
カーボンヒーター
・放射スペクトラムはどうしても 近赤外線寄り
・狭帯域でピーキーな特性 (材料との相性問題がある)
・エネルギー密度が高く、温度制御が難しい (高温になりすぎて品質が劣化する部位が発生)
・放射面積が狭く、放射角度大きいため、均熱性に影響を与えやすい
・パワーに頼る為消費電力が大きくなりがち
例えば CFRTP プレヒート用途で、ベー
スポリマーを変えると、加熱条件が大き
く変わってしまい、実験や研究がやりに
くくなる例も報告されています
セラミックヒーター
・放射スペクトラムはどうしても 遠赤外線寄り
・エネルギー密度が低く、立ち上がりが遅い (目標温度到達まで時間がかかる)
・連続して通電して使うので、待機電力のエネルギーロスが大きい (ランニングコストが高い)
・波長帯域は広いが、加熱効率は低い (ランニングコストが高い)
価格も安価で、真空成型を始め、乾
燥用途では一般的ですが、意外にラ
ンニングコストがかかってることに
気づかないユーザーが多くおります
ハロゲンヒーター、カーボンヒーター、セラミックヒーターにはそれぞれ固有の特徴がありますが、
用途や条件によって限界があります。
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3. 金属箔ヒーター は波長と放射面積で、これらの課題を解決
具体的にカーボンヒーターと金属箔ヒーターを比較します。
カーボンヒーター
定格出力: 3,500W
寸法: 150mm × 380mm
表面積:0.057 m²
エネルギー密度:61 kW/m²
金属箔ヒーター
型式: G14-25-2.5 MINI7
定格出力: 2,500W
寸法: 250mm × 250mm
表面積:0.0625 m²
エネルギー密度:40 kW/m²
材料:CFRTP 3mm 厚 板材
加熱面:片面加熱
加熱距離:100mm
条件:同一の材料、測定器
エネルギー密度やパワーに 1.5 倍ほどの差があっても同等以上のパフ
ォーマンス。均熱性は金属箔ヒーターのほうが高い結果に。
さらに、加熱対象とヒーターの距離が大きくなる条件では、金属箔ヒーターはカーボンヒーターと比較して顕
著に優れた加熱特性を示します。これは、カーボンヒーターではガラス管で中波が吸収されることに加え、
放射面積が小さいため放射角度が大きく、距離の増加に伴って放射エネルギー密度が急激に低下する こ
とが主な要因と考えられます。
一方で、ガラス管を使用しない金属箔ヒーターは、有効放射面積が大きく、指向性の影響を受けにくいた
め、加熱距離が離れた条件においてもエネルギー密度を維持しやすい特性を有しています。これは温度ム
ラの抑制に寄与しています。
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別仕様のカーボンヒーターでも同様の結果を確認 (CFRTP 部材を全く同じ時間加熱)
• カーボンヒーター
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• エネルギー密度 = 80 kW/m
• 局所的に加熱しやすく、温度ムラが多い
• 金属箔ヒーター
2
• エネルギー密度 = 40 kW/m
• 半分のエネルギー密度で、表面も均熱性が高い
これはつまり、
同じ加熱結果を得るために 消費電力が 2 倍異なるということを意味します。
・電力コスト ・加熱時間 ・設備容量、 これら全てに影響する差になります。
・しかも均熱性の違いにより、仕上がり品質にも差がでます。
近赤外線ヒーター
(ハロゲンヒーター)
中赤外線ヒーター
(カーボンヒーター)
中赤外線ヒーター
(カーボンヒーター)
中波波赤外線
(金属箔ヒーター)
セラミックヒーター
低くフラットなスペクトラム
図示は割愛
各種赤外線ヒーターにおける相対放射強度と波長スペクトラムとの関係
波長が短いほど、立ち上がりは早いが、帯域が狭い為、材料・材質との相性問題が発生する。電力大。
遠赤外線は帯域が広く、材質を選ばず加熱できるが、立ち上がりが遅く、エネルギー密度も低い。電力大。
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4. Krelus クレルス 赤外線ヒーターの特徴
・ 幅広い工業材料に高効率で吸収される、2.6μm の中波を発生する金属箔ヒーター
ハロゲンやカーボンヒーターが 大出力で押し切る加熱になりやすいのに対し、金属箔ヒーター
は 波⾧適合によって高効率で無理なく加熱でき、より安定した温度制御が可能です。
同時に、材料によって加熱条件が大きく変わってしまうリスクも低減できます。
・ コルゲート(波形)構造の大面積放射による均熱性
硬化や乾燥、フォーミングなど様々な用途で品質向上が期待できます。
・ セラミックヒーターの常時通電に対し、オンデマンド通電ができる瞬熱型
常時通電はランニングコスト増大の最大の要因です。オンデマンドなら電気代が抑えられます。
・ 背面の断熱材に 30 ㎜厚の大型セラミックを採用
CFRTP プレヒートや真空成型のような短時間のオンデマンド加熱用途では、セラミック部は蓄
熱せず、高速制御に必要な降温性を妨げません。
一方、コーティングや乾燥のような連続加熱用途では高い熱容量により蓄熱し、負荷変動に強い
性能を発揮します。さらに遠赤外線を放射することで、均熱性や効率向上にも寄与します。
・ サイズ、出力は複数選択可。密着してブロック配置も可。パイロメーター用穴付き仕様あり
目的に応じて複数の種類より選択可能です。モジュール式で組み合わせも自由自在です。
近赤外線の瞬熱性と、遠赤外線の素材適応性
を踏まえ、波長適合によって高効率な加熱を
成立させた赤外線ヒーターが Krelus です。
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5. なぜ Krelus クレルスは世界企業に採用されるのか?
・ Krelus はセラミックヒーターの約3倍の価格帯に位置するハイエンド赤外線ヒーターです。
一方で、消費電力の大幅抑制や工程時間の短縮といった実運用での効果により、各種乾燥、
粉体塗装硬化、真空成型、ラミネート、コーティング、フォーミングなどの分野で世界的企業に採
用され、評価が次の導入へとつながっています。
また、各種ガス熱風炉のプレヒートとして併用すると、工程を高速化でき、ランニングコストを大幅
に削減することができます。レトロフィットを含め、お気軽にご相談ください。デモ機もあります。
株式会社ライスター・テクノロジーズ 技術営業:石井 06-6310-6200
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