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日本の製造業に多い多品種少量生産品の検査自動化に関するポイントを整理し、検査自動化を実現するための方法についてご紹介します。
多品種少量生産品の検査を実際に自動化しているユーザー企業様の声を、こちらから聞くこともできます。(オンデマンドウェビナー)
◆アペルザTV:初めてでも失敗しない!事例から学ぶ「現場で使える」AI外観検査
※ユーザー企業「乾光精機製作所」様出演
https://tv.aperza.com/watch/836
日本の製造業は多品種少量生産品が多いことから、一般的には検査自動化が困難であると言われている。その一方で、工場における検査要員の人手不足は深刻化しており、AI等の最新技術を活用した自動化への取り組みが急務になっていることも事実である。本稿では、多品種少量生産品の検査を自動化するにあたってポイントになる項目を整理した上で、検査自動化を実現する方法について解説する。また、工場の現場において、エッジAI端末がどのように検査自動化に活用されているかを紹介する。
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このカタログについて
ドキュメント名 | 【多品種少量生産品のAI検査自動化】諦めてませんか?gLupeなら実現できます。 |
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ドキュメント種別 | ハンドブック |
ファイルサイズ | 8.5Mb |
登録カテゴリ | |
取り扱い企業 | 株式会社システム計画研究所/ISP (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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製造業向け外観検査ソフトウェア
多品種少量生産品
の検査自動化
g L u p e H A N D B O O K
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はじめに
日本の製造業は多品種少量生産品が多いことから、一般的には検査自動化
が困難であると言われている。その一方で、工場における検査要員の人手不
足は深刻化しており、AI 等の最新技術を活用した自動化への取り組みが急
務になっていることも事実である。本稿では、多品種少量生産品の検査を自
動化するにあたってポイントになる項目を整理した上で、検査自動化を実現
する方法について解説する。また、工場の現場において、エッジ AI 端末が
どのように検査自動化に活用されているかを紹介する。
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多品種少量生産品の検査自動化に対する課題
多品種少量生産品は、同じ製品が多くても ��� 個や ��� 個程度しか生産されないことから、
自動検査設定をするためのデータが十分に収集できないことが多い。仮に設定用のデータが収集
できたとしても、従来のルールベースや AI による自動検査設定作業にかなりの時間と労力を要
するのに対して、似たような見た目のサイズ違いの製品であっても個別に設定を行う必要がある
ことから、労力に見合った恩恵をなかなか得ることができないという課題がある。さらに、自動
検査設定が完了した後でもすぐに検査要員をゼロにできるわけではない。運用開始後しばらくは
自動検査の後段に検査員を配置し、検査装置の判定を人が確認しながら設定の微調整をしていく
作業が必要になる。しかし、元々が多品種少量生産品であることから、設定の微調整を行ってい
るうちに生産が終了してしまい、結果的に中途半端な結果で終わってしまうケースがほとんどで
ある。また、検査設定を行うためには光学系、画像処理、AI( 機械学習・Deep Learning) 等の専
門的なノウハウが必要であるため、人材の採用や育成に費用と期間を要するという課題もある。
その結果、自動化の取り組みに人的リソースを割くことを断念し、従来どおり目視検査に人的リ
ソースを割く状況からなかなか脱却できない、という状況が続いている。
以上のことから考慮すると、多品種少量生産品の検査を自動化するためのポイントは、以下の
� 点であると考えられる。
❶ 検査自動化の設定に必要なデータは、画像数枚レベルの極少量であること
❷ 似たような見た目の製品であれば検査設定の使いまわしが可能であること
❸ 専門的な知識が無くても、新しい製品の検査設定が簡単にできること
図 � 多品種少量生産品の検査を自動化するための課題とポイント
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多品種少量生産品の検査自動化を実現する gLupe
gLupe は、製造業における画像検査に特化して開発した AI 外観検査ソフトウェアである。AI
部分に当社独自技術を採用することにより、最低 � 枚の画像からでも学習できる特長をもつ。最
終的に実運用で必要になる学習枚数については検査する対象や見つけたい不良のタイプにもよる
が、一つの製品を �� 枚弱の画像で学習させた AI モデルを用いて自動検査を運用しているケース
もあり、従来の AI と比較して圧倒的に少ないデータでの運用を実現している。
AI 学習を行う際の操作方法も簡単で、不良箇所に簡単な印を付けるだけの操作で外観検査用の
AI モデルを構築することが可能である。そのため、新しい検査対象が追加された場合でも、現場
の担当者が自分たちで検査設定を構築し、自動検査の運用を実現していくことができる。実際に、
AI の技術的なノウハウを持っていない現場の担当者自身で AI 学習や検査設定を行い、自動検査
を運用に載せている事例も多数存在している。
図 � gLupeを用いたAI学習
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gLupe は現在 (���� 年 � 月現在 ) までに �� 社以上の導入実績があり、各種自動車部品 ( 照明部品、
鋳造・ダイカスト製品、ベアリング、塗装 )、溶接、重包装製品、半導体ウェハー、樹脂製品、フィ
ルム、衣料品、焼き菓子、食品パッケージ、メッキ製品など様々な対象の検査自動化を実現して
いる。中には、立体部品を �� 箇所以上の異なる角度から撮影した画像を全て共通の AI モデルを
用いて検査している例もある。その事例からも分かる通り、gLupe で学習させた AI モデルは高
い汎用性を持つ。その汎用性の高さを活かした、似たような見た目の異なるものに対しての水平
展開のし易さも特長の一つである。多品種少量生産の現場でよく発生する、サイズ違いの製品、
付いている部品違いの製品、素材は同じだが形の異なる製品等については、gLupe で学習させた
AI モデルであれば使いまわしが可能である。そのため、生産が終了してしまった製品で調整済み
の AI モデルも無駄になることはなく、新しい製品の検査に活用することが可能となり、多品種
少量生産現場における検査自動化の歩を着実に進めて行くことができるようになる。
以上のことから、gLupe は前節で挙げた多品種少量生産品の検査を自動化するポイントをカバー
する特長を持っており、これまで実現が難しかった多品種少量生産品の検査自動化に大きく寄与
する製品であることが分かる。
表 � 多品種少量生産品の検査自動化ポイントとgLupeの特長
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gLupe 導入時のシステム構成
検査工程を自動化するにあたってのシステム構成は、図 � で示す構成であることが多い。
図 � 検査工程を自動化する際のシステム構成
生産装置、または、検査装置を PLC が制御しており、そこにカメラと照明が設置されている。
カメラのシャッタートリガーは PLC がタイミングを取り、撮影された画像は gLupe がインストー
ルされた PC に送られる。gLupe は送られてきた画像を用いて検査を行い、検査結果を PLC に
出力する。検査結果が NG だった場合に特別な装置制御が必要な場合は、撮影時と同様に PLC
がタイミングを取って装置制御を行う。gLupe は、このような構成における各機器との連携は既
にできるようになっており、カメラと PLC に接続するだけですぐに連携が可能である。
なお、上記システム構成における外観検査用 AI である gLupe は、クラウド等ではなくエッジ
環境で動作させることが必須となる。製造業では、一日により多くの製品を生産することが重要
であることから、検査処理でも速度が求められる。場合によっては、目視検査から自動検査に置
き換えることで、従来よりも速いスピードで生産できるようにすることを望まれることもある。
そのため、画像をクラウドに送信してしまうと、通信速度がネックとなり処理が間に合わないこ
とから、製造業における外観検査については全ての処理をエッジ環境で動作させることが必須と
なる。
図 � 検査処理をクラウドで行う場合とエッジで行う場合の違い
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おわりに
本稿では、多品種少量生産品の検査自動化に関する課題を整理し、検査自動化のポイントにな
る項目を説明した。そのうえで、AI 外観検査ソフトウェア gLupe とその特長を紹介し、多品種
少量生産品の検査自動化に適している製品であることを示した。
gLupe は、エッジ環境で学習からインライン検査まで全てをカバーできる製品である。また、AI
の技術的なノウハウが無くても比較的簡単に使いこなすことができる、AI モデルの使いまわしが
できる、など、従来の AI 製品には無い特長を持っている。従って、これまで様々な要因で自動
化が困難だった検査に対しても、適用が期待できる製品といえる。