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R&S FSWP 位相雑音アナライザ/ VCOテスタ

製品カタログ

信号源とコンポーネントの詳細解析

R&S®FSWP 位相雑音アナライザ/VCOテスタは、超低雑音の内蔵信号源と相互相関により、きわめて高い感度を実現しています。レーダーアプリケーションなどに用いられるきわめて安定度の高い信号源の位相雑音を、わずか数秒で測定できます。R&S®FSWPは、パルスド信号測定、残留位相雑音(パルスド信号を含む)の特性評価、およびシグナル・スペクトラム解析などの追加オプションを備えたユニークな測定器です。マルチタッチディスプレイにより、直感的でわかりやすい操作性を実現しています。組み込まれたSCPIレコーダーにより、実行可能なスクリプトを簡単に作成できます。

このカタログについて

ドキュメント名 R&S FSWP 位相雑音アナライザ/ VCOテスタ
ドキュメント種別 製品カタログ
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R&S®FSWP 位相雑音アナライザ/ VCOテスタ 信号源とコンポーネントの詳細解析 Product Brochure Version 01.00
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概要 R&S®FSWP 位相雑音アナライザ/VCOテスタは、超低雑音の内蔵信号源と相互相関により、きわ めて高い感度を実現しています。レーダーアプリケーションなどに用いられるきわめて安定度 の高い信号源の位相雑音を、わずか数秒で測定できます。R&S®FSWPは、パルスド信号測定、残 留位相雑音(パルスド信号を含む)の特性評価、およびシグナル・スペクトラム解析などの追加 オプションを備えたユニークな測定器です。マルチタッチディスプレイにより、直感的でわかりや すい操作性を実現しています。組み込まれたSCPIレコーダーにより、実行可能なスクリプトを簡 単に作成できます。 R&S®FSWP 位相雑音アナライザ/VCOテスタは、レーダーアプ ボタン1つで測定できます。残留位相雑音測定のために、内蔵 リケーションや、シンセサイザー、OCXO、DRO、VCOの開発/ 信号源だけでなく、例えばユーザーが独自の高品質発振器を 製造に最適なテストソリューションです。さまざまなアプリケー 保有している場合などは外部信号源も使用できます。従来、こ ション要件に合わせて、容易に設定可能です。低雑音の内蔵局 のような測定には、外部信号源、スプリッター、移相器から構成 部発振器により、市販のほとんどのシンセサイザーや発振器 される高価で複雑なシステムが必要でした。 を、追加オプションなしで測定できます。 R&S®FSWPは、位相雑音を測定するだけでなく、フル機能のシ ハイエンドのアプリケーションの場合は、R&S®FSWPに第2受 グナル・スペクトラム・アナライザとしても使えます。そのため、 信経路を装備することで、相互相関を可能にし、感度を最大 例えば、ユーザーは、必要な信号が使用可能かどうかを判断す 25 dB(使用する相関の数に依存)向上させることができます。 ることができます。 優れた内蔵信号源とデジタル主体のアーキテクチャーにより、 位相検波器の後で信号をデジタイズするテストシステムに比べ R&S®FSWPは、さまざまな測定チャネルを容易に切り替えられ て高速に動作します。 るオールインワンのソリューションです。スペクトラムを確認し てから、位相雑音測定に切り替えるといった操作も簡単です。 R&S®FSWPは、パルスド信号源の位相雑音や、個々のコンポー ネント(パルスドコンポーネントにも対応)の残留位相雑音を、 2
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主な特長 ► 周波数レンジ:1 MHz~8/26.5/50 GHz、(外部高調波ミキサーの使用により最高325 GHz) ► 相互相関と極めて低ノイズの内蔵基準信号源による高感度の位相雑音測定 – 代表値 -174 dBc(1 Hz)(キャリア周波数1 GHz、オフセット10 kHz) – 代表値 -158 dBc(1 Hz)(キャリア周波数10 GHz、オフセット10 kHz) ► 振幅雑音と位相雑音の同時測定 ► ボタンを押すだけのパルスド信号源の位相雑音測定 ► パルスド信号を含めた残留位相雑音を測定するための内蔵信号源 ► デジタルアーキテクチャーによる高速な測定速度 ► VCOの特性評価のための低雑音内蔵DC電源 ► 自動VCO特性評価 ► 最大8 GHzの広い周波数ホッピング(過渡現象)の解析とセトリングタイムの自動測定 ► アラン分散の測定 ► SCPIレコーダーによる簡単なコード作成 ► シグナル・スペクトラム・アナライザおよび位相雑音アナライザを一体化 – ハイエンド・シグナル・スペクトラム・アナライザ、10 Hz~8/26.5/50 GHz – -156 dBm(1 Hz)(ノイズキャンセルなし)の低い表示平均雑音レベル(DANL)と、 25 dBm(代表値)の大きいTOIによる、広いダイナミックレンジ – 320 MHzの信号解析帯域幅 – 総合測定不確かさ:<0.3 dB(3.6 GHzまで)、<0.4 dB(8 GHzまで) Rohde & Schwarz R&S®FSWP位相雑音アナライザ/VCOテスタ  3
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主な利点と特長 高速測定 ボタンを押すだけのパルスド信号源の位相雑音測定 ► 生産ラインでの使用に最適 ► シンプルな試験セットアップ ► 開発の迅速化 ► 感度抑圧にも関わらず高感度 ► 6ページ ► 自動パルスパラメータ測定 ► 10ページ 位相雑音と振幅雑音の高感度の測定 ► 極めて低い内蔵信号源の位相雑音 パルスド信号を含めた残留位相雑音を測定するための ► 相互相関による位相雑音感度の向上 内蔵信号源 ► ダイオード検波器より著しく高い振幅雑音測定の精度 ► 短時間で簡単に行える測定 ► 相互相関による感度の向上の表示 ► 相互相関による感度の向上 ► 最大入力周波数までの周波数オフセット ► パルスド信号の残留位相雑音 ► アラン偏差およびアラン分散の測定 ► パルスド信号の位相/振幅安定度の測定 ► 7ページ ► 12ページ 4
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シグナル・スペクトラム・アナライザおよび最大50 GHzの 過渡現象または周波数ホッピングの測定 位相雑音アナライザを一体化 (過渡現象解析) ► シンプルでコストパフォーマンスの高いテストセットアップ ► 周波数および位相解析のための最大8 GHz帯域幅 ► 価値ある投資 ► 位相偏差または周波数偏差のトリガリング ► ハイエンド・シグナル・スペクトラム・アナライザ ► FMCWチャープのリニアリティー解析 ► 14ページ ► セトリング時間の自動測定 ► 18ページ VCOの特性評価のための低雑音内蔵DC電源 ► 完全なVCO特性評価 高速デジタルアプリケーションでクロックのような信号の ► より高い高調波の測定 ランダムジッタや周期ジッタを解析 ► 同調電圧と比較した位相雑音 ► 基準クロックのジッタ測定 ► 16ページ ► 被試験レーン(LUT)上のクロックパターンを使用した高速 データレーン上のジッタ測定 ► 20ページ Rohde & Schwarz R&S®FSWP位相雑音アナライザ/VCOテスタ  5
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高速測定 生産ラインでの使用に最適 開発の迅速化 R&S®FSWP 位相雑音アナライザ/VCOテスタでは、高速なプロ 測定時間の短縮は、開発プロセスの高速化にもつながりま セッサとFPGAの組み合わせにより、データを即座に処理でき す。R&S®FSWPでは、ハイエンドの発振器の位相雑音トレース ます。測定時間を決める要因は、物理的に必要な時間(データ をわずか数分で表示できます。従来は、このような測定には何 記録)だけです。信号の復調やさまざまな測定シーケンスの相 時間もかかるのが普通でした。 関のために追加の時間は不要です。 新しいキャパシタや抵抗をOCXOに追加した場合などの回路 特に製造アプリケーションでは、速度が最も重要な要因です。 の変更の影響を測定するのに数分しかかからないので、信号 高品質の内蔵信号源により、位相雑音測定に必要な相関の数 源の開発と最適化が大幅に簡単かつ高速になります。 が少なくなるため、実効的にデータ記録時間が短縮されます。 さらに例えば、類似したシステムよりも10 dB以上高い感度を 利用可能です。R&S®FSWPの内蔵信号源では、DROやOCXO といった高感度の発振器の測定に必要な相関の数が100分の 1に減少します。これにより、測定スループットが大きく向上しま す。これは特に、データ記録が測定時間の決定要因となる搬送 波近くでの測定の際に有効です。 さらに、内蔵のSCPIレコーダーにより、実行可能なスクリプトを 容易に作成できるので、製造にて自動測定のセットアップにか かる時間を短縮することができます。 背面図 6
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位相雑音と振幅雑音の高感度の測定 極めて低い内蔵信号源の位相雑音 相互相関による位相雑音感度の向上 従来、ハイエンドの位相雑音測定システムには、コストのかか 位相雑音がきわめて小さい信号源を測定する場合、相互相関 る外部信号発生器が基準信号源として必要でした。位相雑音 用に、R&S®FSWPに第2局部発振器(R&S®FSWP-B60または 測定の感度は、使用する信号発生器または外部信号源の品質 R&S®FSWP-B61オプション)を装備できます。これにより、使用 によって制限されていました。R&S®FSWPには、外部基準信号 する相関の数に応じて、感度が最大25 dB向上します。この機 源は不要です。内蔵局部発振器の位相雑音特性は、市販され 能により、次のような向上を期待できます。 ているどの信号発生器よりも優れています。下表に、内蔵信号 源の1 GHzでの代表値を示します。もっと高い感度が必要な場 ???? = 5 ⋅ ??????(??) 合は、相互相関により感度を最大25 dB改善できます。 ΔL: 相互相関による位相雑音感度の向上(単位:dB) n: 相関/平均の回数 相関の数を10倍に増やすと、R&S®FSWPの位相雑音は5 dB低 下します。アナライザの低ノイズ内蔵信号源により、高品質な発 振器の測定においても、多くの場合わずかな相関で十分処理す ることができます。信頼できる結果を迅速に入手できるので、開 発や製造の時間を短縮できます。 R&S®FSWP-B61オプション搭載時の感度(代表値、入力周波数1 GHz、スタートオフセット1 Hz) 1 Hz 10 Hz 100 Hz 1 kHz 10 kHz 100 kHz 1 MHz 10 MHz 1 GHz -84 dBc -108 dBc -127 dBc -157 dBc -174 dBc -182 dBc -185 dBc -185 dBc R&S®FSWP-B61オプション搭載時の感度(代表値、さまざまな周波数、スタートオフセット1 Hz) –30 50 GHz –40 10 GHz –50 1 GHz –60 100 MHz 10 MHz –70 –80 –90 –100 –110 –120 –130 –140 –150 –160 –170 –180 –190 1 Hz 10 Hz 100 Hz 1 kHz 10 kHz 100 kHz 1 MHz 10 MHz 100 MHz Frequency offset from carrier Rohde & Schwarz R&S®FSWP位相雑音アナライザ/VCOテスタ  7 Phase noise in dBc (1 Hz)
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ダイオード検波器より著しく高い振幅雑音測定の精度 相互相関による感度の向上の表示 R&S®FSWPは、位相雑音に加えて振幅雑音も測定します。両方 ユーザーには、信号源の測定に必要な相関の数がわからない の測定の結果を、ダイアグラムまたは別ウィンドウに同時に表 場合があります。このために、トレースの下のグレーの部分によ 示できます。R&S®FSWPは、高精度の信号源と相互相関の組 って、選択した数の相関によって特定の測定で実現可能な感度 み合わせにより、ダイオード検波器の測定確度を上回り、最大 レベルが示されます。相関を追加しても感度が向上しない場合 20 dB高い感度を実現します。 には、相関プロセスを自動的に中止することもできます。 R&S®FSWPは、位相雑音と振幅雑 音を同時に測定できます。結果 は別のウィンドウに表示すること も、1つのウィンドウにまとめて表 示することもできます(グレーの部 分:R&S®FSWPの相関利得、緑のトレ ース:振幅雑音、黄色のトレース:位 相雑音)。 トレースメニューで、位相雑音また は振幅雑音、または両方の測定に トレースを割り当てることができ ます。また、スプリアスの除去、トレ ースのスムージング、トレースの残 光表示モードのオン/オフも選択 できます。 8
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ユーザーは、測定器を要件に容易に適合させることができま アラン偏差およびアラン分散の測定 す。アプリケーションによっては(製造など)、高感度を必要とし 発振器の周波数安定度を評価するには、一定のタイムインター ないものもあります。第2局部発振器やシグナル・スペクトラム・ バルで周波数のタイムドメイン測定を行い、測定値の偏移/分 アナライザ機能が不要な場合もあります。これらの機能は、測 散を求めます。このパラメータは、通常は1つの値として出力さ 定要件が厳しくなった場合(高精度の水晶発振器の測定など) れるのではなく、時間軸上にプロットされます。これは特に、衛 には、簡単に追加できます。 星ナビゲーションシステムなどに用いられる高安定度の信号 源を評価する場合に重要です。 最大入力周波数までの周波数オフセット R&S®FSWPは、1 µHzのオフセット周波数から位相雑音を測定 数千秒といった長時間にわたる周波数安定度も、近傍位相雑 できます。最大オフセットはR&S®FSWPの入力周波数によって 音から計算できます。R&S®FSWPは、最大100万秒のアラン偏 のみ制限され、最大30 MHzのオフセットでAMノイズと位相雑 差およびアラン分散を表示します(最小オフセット:1 µHz)。従 音のパラレル表示が可能です。このような大きい帯域幅にもか 来の方法と異なり、この方法では、位相雑音スペクトラムにスプ かわらず、ダイナミックレンジの制限はありません。R&S®FSWP リアスエミッションとして現れる不要な副作用の抑圧が容易に は高速な周波数処理が可能で、測定レンジを段階的にカバー なります。測定器の内蔵信号源の位相雑音による短時間の擾 するからです。 乱も、容易に抑圧できます。 R&S®FSWPは、位相雑音測定に基づいてアラン偏差を計算します(上のウィンドウ)。 例えば、10 mHz~10 MHzのオフセット範囲は、100 ns~100 sのタイムドメイン表示に対応します。 Rohde & Schwarz R&S®FSWP位相雑音アナライザ/VCOテスタ  9
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ボタンを押すだけのパルスド信号源の位相雑音 測定 シンプルな試験セットアップ 感度抑圧にも関わらず高感度 従来、レーダーアプリケーションなどで使用されるパルスド信 R&S®FSWPでは、相互相関と、パルスド信号源測定に対するテ 号源の位相雑音測定には、極めて高コストで複雑なシステム ストポート(ゲーティング)を定義するオプションにより、長いパ が必要でした。安定した測定を達成するには、正確なパルスパ ルスオフ時間に伴う平均信号パワーの低下から生じる感度低 ラメータ情報と大きな忍耐が求められました。 下を補正できます。そのため、R&S®FSWPは、パルスド信号の 位相雑音測定においても、広いダイナミックレンジを実現しま R&S®FSWPにR&S®FSWP-K4 オプションを搭載すると、ボタン す。 を押すだけでこれらの測定を行うことができます。R&S®FSWP は信号を記録し、すべてのパルスパラメータを計算します。続い て、信号を復調し、位相雑音と振幅雑音を表示します。安定した 測定がわずかな時間で行われます。 ボタンを押すだけですべての結果を取得できるため、ユーザー は回路設計の最適化に集中できます。 パルスパラメータは自動的に 測定され、ユーザーはゲートを 定義できます。 10
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自動パルスパラメータ測定 専用のパルス測定アプリケーション(R&S®FSW-K6/ R&S®FSWP-K6)と同様に、R&S®FSW-K4を搭載した R&S®FSWPは、パルスド信号の位相雑音の測定に関連するす べてのパルスパラメータ(例:パルス繰り返し数、パルス幅)を自 動的に判定します。ユーザーは、これらのパラメータの正しい設 定に関して心配する必要はありません。ただし、過渡現象を抑 制するなどの目的でゲートを定義することは可能です。事後の 補正、トレースのシフト、使用可能なオフセット範囲の手動制限 は不要になりました。 パルスド信号測定:左上のウィンドウには、パルスド信号源の位相雑音が、パルス繰り返し周波数の半分に相当するオフセットまで表示されま す。振幅雑音は、右上のウィンドウに表示されています。下の表には、パルス解析結果とすべての重要なパルスパラメータが表示されています。 Rohde & Schwarz R&S®FSWP位相雑音アナライザ/VCOテスタ  11
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パルスド信号を含めた残留位相雑音を測定する ための内蔵信号源 短時間で簡単に行える測定 以前、このパラメータを測定するには、高品質の外部信号源、 R&S®FSWPには、残留位相雑音寄与を測定するための内蔵信 スプリッター、適切な移相器を備えた複雑なセットアップが必 号源(R&S®FSW-B64オプション)が用意されています。さらに、 要でした。測定も、電磁妨害と振動に対して極めて脆弱でし このオプションには、ユーザー独自の外部信号源を使用して測 た。R&S®FSWPでは、内蔵信号源をDUTの入力に接続し、DUT 定を行いたい場合のための局部発振器入力が用意されていま の出力をR&S®FSWPに接続するだけです。ボタンを押せ す。これにより、例えば、他のテストセットアップを用いたときの ば、DUTの残留位相雑音が測定可能になります。 結果を比較することができます。増幅器、逓倍器、スプリッター などの2ポートコンポーネントは、信号を発生しなくても、残留 位相雑音の原因になります。例えば、ハイエンドのレーダーアプ リケーションを開発する場合、これらの個別のコンポーネント や局部発振器が信号経路にどれだけの位相雑音を加えるかを 把握しておくことが必要です。それによって初めて、超低ノイズ の送信機を開発することができます。 増幅器の残留位相雑音測定の代表的なセットアップと結果トレースの表示。緑色のトレースは、DUTなしでの感度を示しています。 12
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相互相関による感度の向上 パルスド信号の位相/振幅安定度の測定 R&S®FSWPは、この動作モードでも相互相関を使用して、内部 移動物体を探知するレーダーアプリケーションでは、パルス コンポーネントの残留位相雑音を抑制しています。そのため、こ の位相と振幅がきわめて安定している必要があります。これ のアナライザは、PLLベースの測定より大幅に高い感度を実現 は、物体を不要な反射から明確に区別するための唯一の方法 します。これにより、さらにノイズの小さいトランスミッターを開 です。信号が不安定になる最大の原因は、発振器と増幅器で 発して、レーダーシステムの位置判定や時間分解能の改善など す。R&S®FSWPにR&S®FSWP-K6およびR&S®FSWP-K6P オプ に役立てることができます。 ションを搭載することで、このような不安定性を測定して表示 できます。さらに、内蔵信号源(R&S®FSWP-B64)を搭載すれ パルスド信号の残留位相雑音 ば、増幅器、ケーブルなどの2ポートコンポーネントのパルス安 R&S®FSWP-K4 オプションを搭載したR&S®FSWPは、パルスド 定度の残留測定も実行できます。R&S®FSWPは、これまできわ 信号の残留位相雑音を測定することができます。 めて高価で複雑な少数の測定システムでしか実現できなかっ たレベルの感度を備えています。単一パルスおよびさまざまな 例えばレーダー送信機のコンポーネントを評価し、最適化する パルスシーケンス(バースト)の位相/振幅安定度を3Dプロッ には、パルスド信号を実環境下で使用してこれらのコンポーネ トに表示することで、さらに精密に概要を把握できます。 ントをテストする必要があります。パルスドモードの増幅器と、 連続波モードの増幅器では、動作がかなり異なる場合がありま す。この測定にはこれまできわめて複雑なテストセットアップが 必要でしたが、R&S®FSWPならボタン1つで実行できます。 さまざまなパルスシーケンス(バースト)のパルス位相安定度の3Dプロット Rohde & Schwarz R&S®FSWP位相雑音アナライザ/VCOテスタ  13
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シグナル・スペクトラム・アナライザおよび最大 50 GHzの位相雑音アナライザを一体化 シンプルでコストパフォーマンスの高いテストセットアッ 価値ある投資 プ 一般に、位相雑音アナライザ単体の購入を正当化できるほど、 大半の位相雑音アナライザは、位相検波器の後にノイズを記録 ラボでの用途は多くありません。測定器にシグナル・スペクトラ し、周波数ドメインに変換します。被試験信号の搬送波は、表示 ム・アナライザ機能を追加すれば、測定器の使用率は極めて高 されなくなります。ユーザーは、測定対象が正しい周波数であ くなります。ラボではスペクトラム測定の頻度が極めて高く、シ るかどうか、不要なスプリアス信号であるかどうかを把握でき グナル・スペクトラム・アナライザを使用できるためです。測定 ません。搬送波が不安定だったり、ドリフトが速すぎたりしたた 器のダウンタイムはほぼゼロになるため、安全な投資と言え めに測定結果が正しくなくても、あるいは測定信号と基準信号 ます。 源の差が大きくなりすぎたとしても、知る方法はありません。こ のような判定と、高調波やスプリアスエミッションの測定には、 自動テストシステムのメーカーも、スペクトラム・アナライザの スペクトラム・アナライザが必要です。 追加購入が不要となるため、スペースと費用を削減することが できます。 R&S®FSWP 位相雑音アナライザ/VCOテスタ は、R&S®FSWP-B1 オプションを追加してシグナル・スペクトラ ム・アナライザ機能を組み込むことで、簡単にアップグレードす ることができます。ユーザーは各測定チャネルの信号をモニタ リングできるため、複雑な配線作業を行わずに測定を迅速か つ効率的に最適化し、開始することができます。この機能は、自 動テストシステムにもメリットがあります。 スペクトラム・アナライザと位相雑音アナライザ の測定チャネルは切り替えることができ、両方を 同時に表示することもできます。 14
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ハイエンド・シグナル・スペクトラム・アナライザ トル信号解析機能を使用すると(R&S®FSWP-K70 オプション このシグナル・スペクトラム・アナライザの独自のRF性能と高 使用時)、デジタル変調信号を評価できます。アナログ変調信号 感度は、R&S®FSWと同等です。位相雑音の低いこのアナライ には、R&S®FSWP-K7 オプションが用意されています。I/Qデー ザを使用すると、正確な変調解析、ダイナミックレンジの高い隣 タをコンピューターにアップロードして、独自の解析を行うこと 接チャネルのパワー測定、スプリアスエミッションの測定を搬送 もできます。 波付近でも行うことができます。また、内蔵プリアンプにより、表 示平均雑音レベル(DANL)は-165 dBm(1 Hz)未満まで低 主な特長 下します。雑音除去機能を追加すれば、DANLは理論的な極限 ► -156 dBm(1 Hz)の低い表示平均雑音レベル(雑音除去 である-174 dBm(1 Hz)付近まで低下します。R&S®FSWPが 機能およびプリアンプなし)および代表値25 dBmの高い 測定に用いる分解能帯域幅は他の低感度のスペクトラム・アナ TOIによる広いダイナミックレンジ ライザより高いため、特にスプリアスエミッション測定は高速に ► 総合測定不確かさ:<0.2 dB(3.6 GHzまで)、 なります。 <0.3 dB(8 GHzまで) ► 位相雑音:1 GHzで-140 dBc(1 Hz) 高い3次インターセプト(TOI)(代表値25 dBm)によって広いダ (100 kHzオフセット) イナミックレンジが実現するため、ユーザーは大きな入力信号 ► 320 MHzの信号解析帯域幅 が存在するときでも小さな入力信号を測定でき、広帯域変調 ► オプションの内部測定アプリケーション 信号の隣接チャネル除去を判定することができます。 — パルス測定(R&S®FSWP-K6/K6S/K6P) — ベクトル信号解析。デジタル変調シングルキャリアの解析 シグナル・アナライザとして使用される(R&S®FSWP-B1 オプ 用(R&S®FSWP-K70) ション)R&S®FSWPは、最高320 MHzの解析帯域幅を使用し — アナログ変調(AM、FM、PM)シングルキャリアの変調解 (R&S®FSWP-B320 オプション)、信号解析のためにI/Qデー 析(R&S®FSWP-K7) タに基づく内部オプションを提供します。そのため、例えば、パ — 雑音指数測定(R&S®FSWP-K30) ルスを自動的に解析できます(R&S®FSWP-K6 オプション) — 低レベルのスプリアス信号の検出と表示 。R&S®FSWPでは、広帯域のデータが記録され、ボタンを押す (R&S®FSWP-K50) だけで、パルス幅、立ち上がり時間、パルス繰り返しレートなど — ホップ信号と周波数チャープの解析 の重要なパルスパラメータがすべて計算されます。内部のベク (R&S®FSWP-K60/-K60H/-K60C) 高感度の位相雑音測定、スペクトラム解析、パルスド信号解析: R&S®FSWPでは、複数の測定チャ ネルを容易に切り替えて結果を同時に表示することができます。 Rohde & Schwarz R&S®FSWP位相雑音アナライザ/VCOテスタ  15
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VCOの特性評価のための低雑音内蔵DC電源 R&S®FSWPには、超低雑音の内蔵DC電源が備わっており、電 完全なVCO特性評価 圧制御発振器(VCO)に対する電圧供給と制御に使用できま R&S®FSWPでは、VCOの特性評価に必要なすべてのパラメー す。これにより、VCOの測定が容易になります。同様に、VCOの タをボタン1つで測定できます。 データシートの作成もきわめて容易になります。R&S®FSWPは ► 周波数対電圧 さまざまなチューニング/電源電圧で位相雑音を測定できる ► チューニングスロープ対電圧 ので、データシートに一般的に記載されるパラメータ値を入手 ► 出力パワー対電圧 できます。 ► 電流ドレイン対電圧 ► 出力パワー対周波数 内蔵DC電源の仕様 チューニング電圧または電源電圧を変更すべきかどうか、また 電源電圧 0 V~16 V チューニング電圧または電源電圧入力での電流を測定すべき 最大電流ロード 2000 mA かどうかを判定できます。 チューニング電圧 -10 V~+28 V 最大電流ロード 20 mA より高い高調波の測定 R&S®FSWPでは、基本波だけでなく、VCOの高次高調波のパ ワーを、チューニング電圧を基準として測定できます。 これが重要なのは、高調波はシステム全体に干渉を引き起 こすため、抑圧する必要があるからです。高次高調波の抑圧 は、VCOのデータシートに一般的に記載されているパラメータ です。 典型的なVCO測定。周波数、パワー、感度(同調勾配)、電流消費などの重要パラメータが同調電圧と比較して測定されます。マーカー は、全ウィンドウで連携可能で表に値を表示することができます。さらに、高次高調波のパワーを測定することもできます。 16
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同調電圧と比較した位相雑音 R&S®FSWPは測定が高速なので、長い測定時間をかけなくて も、チューニング電圧を基準としたさまざまなオフセット周波数 での位相雑音を表示できます。これにより、VCOの位相雑音と 周波数の関係が予期したとおりかどうか、あるいは干渉源また は寄生発振によって加わったノイズが特定のチューニング電圧 に観察されるかどうかを確認できます。 オフセット周波数1 kHz、10 kHz、100 kHz、1 MHzでのチューニング電圧を基準としたVCO位相雑音 Rohde & Schwarz R&S®FSWP位相雑音アナライザ/VCOテスタ  17
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過渡現象または周波数ホッピングの測定 (過渡現象解析) 周波数および位相解析のための最大8 GHz帯域幅 位相偏差または周波数偏差のトリガリング R&S®FSWPでは、周波数または位相特性の時間変動を解析す シンセサイザーの過渡応答を詳細に観察するには、トリガを使 るために、最大8 GHzの帯域幅を利用できます。これにより、ス 用して比較可能で再現性のある測定結果を得る方法が適して イッチング電源、シンセサイザーの周波数ホッピングおよび周 います。外部トリガまたはパワートリガを過渡解析に使用する 波数ランプを詳細に評価できます。 以外に、周波数または位相偏移でのトリガも利用できます。こ れは、入力信号のリアルタイム復調によって可能になります。 必要な周波数は満たされているか?スイッチング時間の長さ は?周波数はどのポイントで目標の許容範囲内にあるか?こう 周波数しきい値を定義することにより、信号が特定の周波数よ いった疑問の答えをボタン1つで入手できます。 り上または下の場合のみ表示することができます。 この広帯域解析に加えて、R&S®FSWPでは、最小40 MHzの狭 誤差解析またはシンセサイザーの最適化を行う場合、これによ 帯域解析も可能です。これは例えば、PLLの過渡応答を詳細に って特定の周波数ホッピングで選択的にトリガするのが容易に 観察するために適しています。 なります。 信号源の全体的性能の評価と最適化には、このような狭帯域 と広帯域での周波数/位相のタイムドメイン測定(過渡解析) が非常に有効です。これは主に、シンセサイザーや周波数アジ ャイルシステムのデザインに威力を発揮します。すべてのトレー スの残光表示により、これらのパラメータのバラツキの度合い や、外れ値があるかどうかを推定できます。 残光表示モードでのシンセサイザーの過渡応答。赤い水平線は周波数トリガのしきい値、垂直線はトリガオフセットを表し ます。明るい黄色のトレースは現在の測定、暗い黄色のトレースは過去のすべての測定を表します。 18
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FMCWチャープのリニアリティー解析 セトリング時間の自動測定 レーダーチャープ信号などの周波数ドメインでのリニア動作か トリガイベントが発生すると、R&S®FSWPは、シンセサイザー らのずれは、システム性能に重大な影響をもたらすため、詳細 の周波数が特定の周波数許容範囲内で安定するまでの時間を に解析する必要があります。R&S®FSWPでは、基準ラインが挿 自動的に測定します。この許容範囲は要件に応じて定義でき、 入されます。これは、2本の評価ラインの間の信号の回帰スロー 結果は画面上に表示されます。リミットラインやデルタマーカー プを計算した結果であり、タッチスクリーンから容易に調整で 機能を使用した複雑な設定は不要です。 きます。基準ラインからの周波数のずれが新しいウィンドウに 表示されます(下図参照)。 セトリング時間の自動測定:許容周波数範囲を定義すると、結果サマリーにセトリング時間が表示されます。 FMCWチャープのリニアリティー解析。左:ピンクの基準ラインが評価ラインの間に見られます。 右:リニア動作からの周波数のずれが表示されます。 Rohde & Schwarz R&S®FSWP位相雑音アナライザ/VCOテスタ  19
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高速デジタルアプリケーションでクロックのような 信号のランダムジッタや周期ジッタを解析 基準クロックのジッタ測定 被試験レーン(LUT)上のクロックパターンを使用した高 PCIe 6.0、IEEE 802.3ckなどの高速デジタルインタフェース 速データレーン上のジッタ測定 では超低ジッタ(例:100 fs未満)の発振器や基準クロック 高速インタフェースのデータレーンでも非常に低いRJが求めら (RefClk)が求められます。デバイスのジッタ性能を測定する れます。主に寄与するのは、基準クロックのジッタと位相ロック には、R&S®FSWPが最適な測定器です。業界最高のジッタ/ ループ(PLL)のジッタで、基準クロックはシンボルクロックに変 位相雑音感度により、被試験デバイスの真のジッタ性能を表示 換されます。 します。デジタル復調アーキテクチャーに基づいて、スペクトラ ム拡散クロック(SSC)方式の基準クロックを測定することも R&S®FSWPは、データレーン上のクロックパターンを用いて信 できます。R&S®FSWPはランダムジッタ(RJ)および周期ジッタ 号の真のRJおよびPJを測定します。基準クロックの代わりにジ (PJ)を表示して、重み付けフィルターを提供します。これによ ッタを無視できる準理想的な信号源(例:R&S®FSWP-B64オプ り、TX、RX、およびクロックデータリカバリー(CDR)の伝達関 ションまたはR&S®SMA100B RF/マイクロ波信号発生器など) 数に合わせてジッタに重み付けを加えることができます。 を使用することで、R&S®FSWPは、PLL特有のジッタ寄与も測 定することができます。デジタル復調アーキテクチャーは、PCIe 6.0で採用されている最大80 MHzのダウンスプレッドをもつ SSCを使用した測定をサポートしています。例えば、ジッタは、 レシーバーのCDRの動作をモデリングするためにビヘイビア CDRフィルターで重み付けすることができます。 スペクトラム拡散クロック(SSC)を用いた基準クロックの測定(100 MHz)。重み付けフィルター(スクリーンショット下部 の"PCIE_GEN5_CDR_100MHz"を参照)を適用することができます。積分範囲は1 kHz~80 MHzです。 20