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「リニアは高価で特殊な用途向け」という従来の認識が、技術革新によりどのように変化したか、コストパフォーマンスの観点も含めて最新の選定基準を紹介します。
本資料は、生産現場で幅広く使用されている「ボールねじ」「ベルト」方式のアクチュエータについて技術的特性を再整理し、近年普及が進む「リニアモータ」方式の特長やメリットを解説しています。
特に「リニアは高価で特殊な用途向け」という従来の認識が、技術革新によりどのように変化したか、コストパフォーマンスの観点も含めて最新の選定基準を紹介します。
このカタログについて
| ドキュメント名 | リニアモータ駆動アクチュエータの基礎知識~ボールねじ・ベルト・リニアの特性比較と選定基準~ |
|---|---|
| ドキュメント種別 | ホワイトペーパー |
| ファイルサイズ | 4.2Mb |
| 登録カテゴリ | |
| 取り扱い企業 | 株式会社ミスミ(ダイセキ) (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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生産技術者のための「リニアモータ駆動アクチュエータ」の基礎知識
~ボールねじ・ベルト・リニアの特性比較と選定の最適解~
「リニアモータは高価な特殊仕様」は過去の話?
ボールねじ・ベルトに続く『第 3 の選択肢』リニアモータの現在地
はじめに
生産ラインの生産性向上や設備の省メンテナンス化において、「アクチュエータの選定」は極
めて重要な要素です。
本資料では、生産技術の現場で広く使われている「ボールねじ」「ベルト」方式の技術的特性
を再整理するとともに、近年急速に普及が進む「リニアモータ」方式について解説します。
特に、従来「リニアは高額で特殊な用途向け」とされてきた常識が、近年の技術革新によって
どのように変化しているのか。コストパフォーマンスの視点を交えて、最新の選定基準をご紹
介します。
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1. 従来方式のメカニズムと構造的特徴
まずは、生産設備で一般的に採用されている駆動方式について、その原理と構造上避けられな
い特性(メリット・デメリット)を整理します。
1-1. ボールねじ駆動方式
モータの回転運動をねじ軸で直線運動に変換する方式です。
● 構造的メリット:
○ 高推力: 減速機やボールねじリードのギア効果による増力によって、重いワークの搬送
や推力が必要な圧入工程などに適しています。
● 構造上の課題:
○ 速度限界: ギア効果を利用しているため、高推力と高速の両立が困難。また、軸の回転
数に限界(危険速度)があるため、ストロークと高速の両立も困難です。
○ メンテナンス: 多くの機械的接触部品を持つため、経年摩耗によるバックラッシ(ガタ
つき)の発生が避けられず、定期的な確認・メンテナンスが必要です
1-2. ベルト駆動方式
プーリとベルトを使用し、モータの回転運動を直線運動に変換する方式です。
● 構造的メリット:
● 低コスト・長ストローク: ボールねじではなくベルトで引っ張る方式のため、安価であり
長ストロークが構築可能です。
● 構造上の課題:
○ 精度限界: ベルトの弾性(伸び)により、高精度な位置決めが不向き。また重量物搬送
の急停止時に振動収束に時間がかかる。
○ メンテナンス: ベルト伸びの管理が必須であり、破断リスク等、定期的な確認・メンテ
ナンスが必要です。
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2. リニアモータの駆動原理とメリット
リニアモータは、回転型モータを切り開いて平らに延ばした構造をしています。「回転」を
「直動」に変換する機構を持たず、電磁石の力でダイレクトに推力を発生させます。
変換機構を持たないことによるメリット
① 速度・加速度の制約がない
ボールねじのような機械的な接触抵抗や危険速度の制限がありません。理論上の速度限界が極
めて高く、装置のタクトタイム短縮に直結します。
② 省メンテナンス・長寿命
非接触(または接触部が極小)で駆動するため、摩耗部品がほとんどありません。初期の精度
を長期間維持でき、メンテナンス工数を大幅に削減可能です。
③ 低コスト
シンプルで部品点数が少ないため、本質的に 低コストな構造です。また、モータの飛び出しが
無いため装置のコンパクト化に貢献します。
④マルチスライダが可能
スライダ自体がモータであるためマルチスライダ化が容易であり、複数軸を1台に集約してコ
ンパクトかつマルチタスク処理が可能。
技術トレンド:採用領域の拡大
リニアモータ駆動といえば、かつては半導体製造装置などの「超精密分野」限定と思われがち
でしたが、現在は一般的な組立・搬送・検査工程での採用が進んでいます。
その背景には、制御技術の向上により「扱いやすさ」がサーボモータと同等になってきたこ
と。さらには、用途により 「超高精度」 と 「高精度」 を使い分け、精度とコストの観点から
リーズナブルなリニアスケールを採用することで、本質的低コスト構造を最大限に活用した、
安価なリニアモータアクチュエータが出現し、一般的な組立・搬送・検査工程でも採用される
ようになったことが挙げられます。
リニアモータアクチュエータ
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3. 「機構」と「モータ」から見る選定の最適解
最適なアクチュエータを選ぶためには、「メカニズム(機構)」の違いと、
「駆動源(モータ)」の性能差という 2 つの視点を持つことが重要です。
【視点 1】メカニズムによる比較(剛性・精度・メンテ)
まずは、直動機構としての物理的な特性を比較します。
比較項目 ボールねじ方式 ベルト方式 リニアモータ方式
位置決め精度 ◎ △ ◎
高い 伸び影響有 フルクローズド
長距離搬送 △ ◎ ◎
危険速度の制限 得意 制限なし
メンテナンス △ △ ◎
ボールねじの摩耗 張力調整 駆動部は非接触
発塵 × × △
ボールねじとガイドから発塵 ベルトとガイドから発塵 ガイドから発塵
? ポイント:
「長ストロークでも精度を落としたくない」「重量物でも高速・高精度にしたい」「メンテナ
ンスの手間を減らしたい」というニーズに対して、リニアモータは構造的な優位性を持ってい
ます。
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【視点 2】駆動モータによる比較(コスト・制御性能)
次に、搭載されるモータの種類とコストパフォーマンスの相関です。
比較項目 ステッピングモータ サーボモータ リニアモータ
△ ○
トルク ◎
トルク小で 重量物可、
重量物でも高速
軽量物搬送向け ただし速度に制限有
○ ◎
制御方式 △
閉ループ制御 閉ループ制御
開ループ制御
(モータエンコーダ FB) (リニアスケール FB)
制御信頼性 △ ○ ◎
脱調リスク有 最終端の位置は不明確 最終端の位置を監視
導入コスト ◎ ○ △
最も安価 ステッピングモータよりは高価 以前よりは安価
信頼性重視・タクト重視
簡易的な移動 信頼性重視
推奨用途 高速・高精度搬送
軽量搬送・低速搬送 中速・高精度搬送、Z軸
マルチスライダ
? ポイント:
● コスト重視なら:依然として「ステッピングモータ」に分があります。
● 性能・信頼性重視なら:従来は「サーボモータ」が標準でしたが、現在はリニアも導入コ
ストが年々下がっており、「リニアモータ」も選択しやすくなってきています。
● リニアモータが「第 3 の選択肢」になる理由
技術革新により、リニアモータはサーボモータと同等の導入コストを実現しつつあります。
つまり、「サーボモータの予算感」があれば、ワンランク上の性能(速度・精度・寿命)を持
つリニアモータを選択肢に入れることができるのです。
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4. 生産ラインの競争力を高めるために
アクチュエータの選定は、工場の生産性や将来のメンテナンスコストを決定づける重要な要素
です。
もし、これからの設備計画において「電動アクチュエータ」の使用を検討している箇所があれ
ば、一度「最新のリニアモータ式アクチュエータ」のスペックや価格を確認してみることをお
勧めします。
● 従来の常識よりも安価に導入できる可能性がある
● 省メンテナンス・ランニングコスト削減によりトータルコストを下げられる可能性がある
技術の選択肢を広げることが、競争力のあるものづくり・生産ライン構築への第一歩です。
リニアモータが推奨される用途例
● 生産性向上、タクトアップが命題の設備・組立ライン全般
● マルチスライダによる高効率な設備で工程革新
ex)
・自動車部品の搬送ロングストローク高速化
・電機・電子部品の検査工程マルチタスク化
・樹脂成型品の高速取り出しハイサイクル化
[Information] 技術資料・カタログのご案内
本資料で解説した「サーボモータ同等価格帯のリニアモータ」に関する詳細なスペック、寸法
図、導入事例を掲載したカタログをご用意しています。
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