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『化学工業における閉所空間 - 仕事は常に千差万別』

事例紹介

閉鎖空間作業の計画・監視・保護工程における安全性の確保

ドレーゲルは、閉鎖空間作業におけるソリューションとサポートを提供しています。 閉鎖空間作業のリスクアセスメント向けガイダンスは、閉鎖空間作業に必要な手順、許可、機器の準備に役立ちます。

閉鎖空間作業で正しい手順を踏むため、そして閉鎖空間からの救助を落ち着いて行うために必要な専門的なノウハウや実践的な閉鎖空間作業のトレーニングを、当社のエキスパートによって提供しています。

信頼できる閉鎖空間用ガス検知器や個人を保護するための閉鎖空間作業用装備などの、閉鎖空間用の監視機器製品によって、現場責任者や工場作業者に作業における自信と安全を提供しています。

このカタログについて

ドキュメント名 『化学工業における閉所空間 - 仕事は常に千差万別』
ドキュメント種別 事例紹介
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登録カテゴリ
取り扱い企業 ドレーゲルジャパン株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

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このカタログの内容

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化学工業における 閉所空間 – 仕事は 常に千差万別 閉所空間での洗浄・メンテナンス作業は、化学工業の安全担当者に とって特に大きな課題となっています。 この文書では、安全かつ効率 的に作業を行うための基本的な5つのルールを概説しています。 © Drägerwerk AG & Co. KGaA 1
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化学工業における閉所空間 – 仕事は常に千差万別 カラム、タンク、サイロの洗浄、メンテナンス、修理は、この業 界では頻繁に行われている日常的な作業です。 例えば、 閉所空間における一般的な怪我 バッチ交換の際には、タンクやサイトは汚泥洗浄、汚染除 去、再調整が必要になります。 メンテナンスサイクルを遵守 - 酸 素欠乏による意識喪失または窒息 し、定期的な点検を実施しなければなりません。 - 有 害物質による中毒および化学火傷 死亡に至る可能性が高い閉所空間での事故 カラム、タンク、サイロのようなアクセスが困難で換気状態が - 感電 悪い場所では、機械的な事故が発生したり、危険なガス雲が 突然発生したり、自然発火が起きたりすることがあります。 - 機械的衝撃や硬い物質による打撲傷や運動制限 酸素不足、毒性・爆発性ガス、有害な粒子、機械的衝撃など による怪我のリスクもあります。 閉所空間やコンテナ内の 最も多い事故原因は何でしょうか? 事故は、死に至る場合が多く、通常は一度に複数の人に影響 事故の原因はいくつか挙げられ、それには以下が含まれ を及ぼします。 これらの事故についての詳細な情報や、怪 ます: 我の種類や程度、後遺症、死亡者数などの正確な影響範囲 を示す公的統計は不足しています。 しかしながら、単独地 – 危険の特定とリスクアセスメントの欠如または不足 域の事例に関しては、正確な数値を発表している科学的研 – 危険の兆候の認識不足 究があります。 米国のカリフォルニア州バークレー大学が発 – ガス検知警報器の未使用または選択誤り 表した 2012 年の研究によると、米国内で1990年から2005 – 不適切な個人用保護具の使用または 年の間に閉所空間での作業中に発生した事故は431件で、毒 – 閉所空間内作業割り当て担当者のトレーニング不足 性ガスまたは酸素不足により死亡した作業者の数は530人で す。 この数字から、米国内だけで年間平均29件の事故で36 単に知識または能力の不足が原因で起こる事故もありま 人が死亡していることがわかります。 この研究によると、最 す。 例えば、国内外の人員で編成されたチームが日本語で も高い頻度で事故が発生する作業は、修理とメンテナンス トレーニングや指示を受けた場合、日本語が母国語ではない 作業 (対象事例の24%) で、それに洗浄作業 (12%) と点検・ 作業員が指示を誤って解釈する可能性があります。 これに 検査 (11%) が続いています。1 よって、指示内容が不完全または誤った方法で適用されるこ とになります。 その他に考えられる事故原因として、エネルギー供給源、 熱源、またはその他の機械的、化学的影響源から閉所空間 を切断するのを忘れるなどの不注意が挙げられます。 タン ク内のガス濃度 (酸素含有量 – OX、爆発の危険 – EX、中毒 のリスク – TOX) は、しばしば過小評価されます。 また、作 業者が進行中の化学反応やタンクの内容物 (物質、温度、強 度など) の状態に気付かないこともよくあります。 その他の 危険は、防爆保護されていない火花が出る可能性のある電 動工具のような発火源の持ち込みです。 閉所空間への立入 りは、常にリスクの増加が見込まれます。それは、適切な予 防策が講じられていたとしても、内部がどのような状態かを 100%の精度で予測することは不可能だからです。 © Drägerwerk AG & Co. KGaA 2
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化学工業における閉所空間 – 仕事は常に千差万別 リスクの特定と評価 実際には、リスクアセスメントによって、計画されている閉所 閉所空間やコンテナ内での作業では、プラントオペレータに 空間内作業がどちらのカテゴリーに当てはまるか決定されま よる徹底的なリスクアセスメントを実施する必要がありま す。 米国OSHAはまた、雇用主に許可証を要する閉所空間 す。 作業者には作業手順書によって、特定の条件や潜在す 内作業において、特定される危険を指摘する警告サインの設 る危険に関する情報が提供されなければならなりません。 置と、明示的な閉所空間内作業プログラムの実装を義務付 タンク洗浄作業には、正式な資格 (呼吸保護具を使用する けています。 このようなあらゆる安全規制と組織的な予防 作業に必要な職業健康診断書など) に加え、豊富な経験や 措置にもかかわらず、閉所空間への立入りは依然としてリス 訓練、体力、精神力が要求されます。 事故が発生した場合 クの高い作業です。 に備え、監督者は最短時間内で適切な救助措置を取れるよ う準備をしておく必要があります。 この様な理由から、タン サンプリング・事前測定を正確に行うには ク洗浄担当者には適切な認証の取得が義務付けられていま 多くの事故調査では、コンテナへの立入り前に実施する内部 す。 これは、ガス検知器、個人用保護具、呼吸保護具の使 環境測定において、頻繁に知識、スキル、経験が不足してい 用にも適用されます。 ることが指摘されています。 適切なガス検知器の選択とそ れを正しく操作することは、リスクを最小限に抑えるために 国際的に認識される用語「Confined Space Entry(閉所空間立 不可欠です。 いわゆるサンプリング測定に関しては、測定 入り)」は、閉所空間での作業に使用されます。 閉所空間内 場所が誤っていることによる誤計算が一般的です。 不適切 作業には高いリスクが伴うため、米国では、労働安全衛生管 なセンサ技術の使用も多く見受けられます。 例えば、EXセ 理局 (OSHA) 規則1910.146「閉所空間内作業に伴う許可証 ンサーは、ガスが爆発濃度範囲に達していないかどうかを測 取得の義務」のような特別な安全基準が適用されます。2 定するもので、大気中に存在している可能性がある毒性物質 を検知することはできません。 毒性濃度でも非常に低いも OSHAでは、閉所空間が以下の条件を伴う場合、閉所空間 のは、中毒の危険性がある場合でも、EXセンサーの測定値 内作業の許可証が必要であると定めています 上に表示されない場合があります。 EXセンサーは一般に体 – 危険性 (の可能性) がある大気環境 積分率のみを測定するため、爆発の危険性は検知しますが、 – 作業者を覆う可能性のある物質が存在する 濃度がすでにppm範囲内 (ppm:100万分の1) であったとして – 空間の設計により作業者が圧迫される可能性、または窒 も、中毒の危険性は 検知できません。 このような場合に 息を引き起こす可能性がある は、ppm範囲の有害物質の検知が可能な光イオン化検出器 – 安全衛生上認識されている重大な危険性が存在する (PIDセンサ) を使用します。 許可証が不要な閉所空間は以下のように定義されてい EXセンサーはまた、交差感受性のため、特にトルエン、キシレ ます。 ン、ヘキサンなどの検知には不向きで、測定誤差につながる – 作業に十分なスペースが確保されている 可能性があります。 しかしこのような重要な側面も、この問 – 出入り口が制限されている 題に何度か対処したことのある人しか気づくことができませ – 常勤場所として適していない ん。 そのため、適切な知識、経験、トレーニングが不可欠と なります。 © Drägerwerk AG & Co. KGaA 3
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化学工業における閉所空間 – 仕事は常に千差万別 閉所空間での適切な作業 立入りせずに作業を進めることはできますか? vvbv サービスの中止 立入りを禁止 作業許可を与える責 作業を認可 任者への問い合わせ セクションを機械、化学 大気中の毒性ガス、可 物質、熱源から分離 燃性ガス、酸素レベ ルの確認と継続 モニタリング 空気のモル質量が 液体、ガス、煙などの危険物の侵入源はあるか? 29 g/mol 160 の場合、有害物質の質量および はい いいえ 万人の作業者 物理的性質を理解することが、 が年間およそ480万か所の認可済 閉所空間でクリアランス測定を み閉所空間で、作業を行っています 行う上での非常に重要な2つの 要素となります。 汚泥や堆積物は いいえ 除去できるか? はい 制御 | 換気 | パージ | クリーニング 認証を受けた呼吸器を 用いて作業を実施 閉所空間内部および閉所空間 呼吸器を使用せずに への入出時に、呼吸器が確実 いいえ 作業を進めることは はい に着用されていることを確認 できるか? 保存 確認事項 個人用保護具は 作業員は (救急および蘇生装置を含む) 認証された呼吸器、ハーネス、 ライフラインを使用して 装置の使用に 通信手段を確 呼吸器なしで立ち入るために 安全で使 ついて訓練さ 保している 立入りを許可 利用可能 安全と証明されたエリア 用に適して れている いる 作業許可と救 要求に応じた 適切な種類 適切に着用 急処置を理解 人員を地上に である されている している 確保している 閉所空間に入り、 割り当てられた時間内で 作業を実施 許可を発行 責任者へ再度問い合わせ 制御方法を再確認 キャンセルのため 許可を更新、新しい許可を発 許可証を返却 割り当てられた時間 割り当てられた時間内 行、または作業をキャンセル サービスに戻る 内で作業を完了 で作業が未完了 © Drägerwerk AG & Co. KGaA 4
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化学工業における閉所空間 – 仕事は常に千差万別 救助の試みが非常に危険な理由とは? 閉所空間における致命的な事故の多くは、救助を試みている 間に発生しています。 仕事仲間は、正しく状況を評価するこ となく衝動的に対応してしまいます。 救助を試みた人の多く は、閉所空間で最初に危険な状況に陥った同僚と同じ原因 によって怪我や死に至っています。 コンテナ内で意識を失っ た同僚を助けようとして、適切な呼吸保護具を装着せずに中 に入った場合、救助者も同様に内部ガスの影響を受けてしま います。 事故が発生した場合、閉所空間であるがための制限が救助 活動を複雑にします。 出入り口が非常に狭かったり、視界が 制限されていたり、適切な機器がなかったりする場合がよく あります。 閉所空間で負傷者を救助している間、特に毒性ま たは酸素欠乏性の大気環境では、一秒一秒が非常に重要と メンテナンスプロジェクト – 立入り許可証 なります。 作業手順書に規定されているリスク防止策を確実に遵守す るために、安全管理者は作業者がコンテナ内に入る際、 最初から救助の概念を認識する プロトコルの形式に従って一時的な許可証を作成します。 職場で特定の緊急対策が準備されていなかったり、作業者 このプロトコルは、プロジェクト固有のタスクと基本条件に がそのような緊急対策があることを認識していなかったりす 厳密に対応します。 監督者は、指定されている測定方法、 ることがよくあります。 安全な職場には、特定の基本条件に 測定間隔、測定機器、測定結果、必要とされる個人保護具、 基づく、適切な緊急概念と救助計画が用意されている必要 緊急時対策を遵守します。 4ページの図は、閉所空間で安 があります。そうすることで、緊急事態が発生した場合に作 全に作業を行うための理想的な手順を示しています。 業者が専門的に対処するための準備が整います。外部の救 助隊は必ずしも閉所空間から負傷者を救助するための十分 事故を未然に防ぐには? なトレーニングを受けているとは限らないため、まず、時間の 閉所空間での作業における事故を回避するためには、適切 かかる準備対策を取ってもらう必要があります。 これは、 なトレーニングが重要な前提条件となります。 トレーニング 米国カリフォルニア州の例で示されているように、救助措置 セッションでは、実際の作業シナリオをシミュレーションし、 を大幅に遅らせる可能性があります。 「[…] 消防士は通常、 サンプリング・事前測定の正しい実施方法や個人用保護具 緊急通報を受けてから5〜7分以内に現場に到着しますが、 の使用方法などを確認し、閉所空間への出入りを練習しま 閉所空間から作業員を救出するまでに1~3時間くらいかかり す。 参加者はまた、ストレスの多い状況下や視界不良の内 ます。隊員らにとって、これは「低頻度、高リスク」の任務のた 部での対応方法、および意識不明者や負傷者を避難させる め、すぐにこの危険な状況下に突入していくようなことはし 方法を学びます。 ません。」 作業の開始前に、プラント担当者と一緒に特定の救助シナリ オを提示し、練習を行うことは、通常、プラントの職場安全 しかし、素早い対応が人命を救います。 特に閉所空間での チームの仕事です。 救助計画の考え方は、個々の基本条件 作業の場合、起こり得る「もしも」の事態にどのように対応 によってプラントごとに異なります。 閉所空間での事故に対 するかを事前に計画し、呼吸用保護具やその他の機器を装 応できるようにトレーニングを積んだ専属の救助隊を有する 備して閉所空間に立入りできる訓練を積んだ救助チームを プラントやプラントの従業員と一緒に定期的に閉所空間救 準備しておくことが極めて重要になります。 助の演習を行う、地域の消防隊を頼りにしているプラントな ど様々です。 © Drägerwerk AG & Co. KGaA 5
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化学工業における閉所空間 – 仕事は常に千差万別 閉所空間内作業(CSE)の事故防止のための5つのヒント 中空部分、メンテナンスアクセス用の空洞までもが閉所空間 1) 作業開始前に以下を確認しましょう。 国際または地 に分類されます。 域規制は満たされていますか? 例えば、BGR (117) に規 定されているように、ドイツではコンテナまたは閉所空 NFPAが発表する新しい閉所空間内作業(CSE) 間への立入りには、作業手順書と許可証が必要です。 マニュアル 作業が定期的に行われ、常に同様のリスクと保護措 賠償責任保険協会やOSHAなどの政府当局、その他の関連 置を伴う場合、作業手順書だけでも十分なケースもあ 機関などが定める既存のあらゆる規制にもかかわらず、 ります。 重大で致命的な事故がいまだ定期的に発生しています。 米国マサチューセッツ州クインシーに本部を置く全米防火協 会 (NFPA) が重要な側面を、最新ハンドブック「NFPA 350: 2) 誰が何をするのか、 責任は明確に確立されています 安全な閉所空間立入りと作業のためのガイド」にまとめたの か? 監督者はいますか、また、その監督者が安全に関す はこのためです。 るすべての質問の窓口担当者であることを全員が知って いますか? この実践志向のアプローチは、個人用保護具の選択と使 用、閉所空間立入り前および作業中のサンプリング・事前測 定、個々の緊急対策策定などに関する適切なヒントを提供し 3) サンプリング・事前測定に関する必要な作業手順書は ています。 用意されていますか? 有資格担当者と適切な機器は用 業界をまたぐNFPAのアプローチは、世界中の閉所空間での 意されていますか? 事故数を減らすための重要なステップです。 4) 作業者は個々の作業についてトレーニングを受けてい ますか? 個人用保護具、救助ベルト、レスキューウイン チの使用についてのトレーニングも受けていますか? 5) 警報器と救助計画は用意されていますか? 推奨される措置は常に検討されていますか? 専門家のコンサルテーションによる意識の向上 情報やコンサルテーションもまた非常に重要なトピックで す。 自社のプラントに閉所空間があることさえ認識してい ない企業もあります。 この場合、危険が認識されていない ため、リスクアセスメントも行われていません。 手ごわいの はその詳細です。 つまずく危険、ガス、電流、ミキサーや油 圧フラップなどの機械設備などはすべて、個別に検討した場 合、リスク計算が可能な側面です。 しかし、それらに頑丈な 壁や換気不足が組み合わさると、そのリスクは増大します。 経験豊富な安全エキスパートが入念なリスクアセスメントを 行うと、「無害」なはずのシャフトや大型水槽、シェル構造の © Drägerwerk AG & Co. KGaA 6
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化学工業における閉所空間 – 仕事は常に千差万別 参考資料 1 http://news.berkeley.edu/2012/02/13/confined-spaces/; アクセス日: 2016年6月3日 2 OSHA – Occupational Safety & Health Administration, source: https://www.osha.gov/pls/oshaweb/owadisp.show_document?p_id=9797&p_table=STANDARDS, アクセス日: 2016年6月1日 3 OSHA – Occupational Safety & Health Administration, source: https://www.osha.gov/pls/oshaweb/owadisp.show_document?p_id=9797&p_table=STANDARDS; アクセス日: 2016年6月1日 4 ››[…] 60 percent of deaths in confined spaces result from would-be rescuers entering to help a fallen buddy.‹‹ http://www.huffingtonpost.com/2012/05/24/ca- workplace-fatalities_n_1542829.html?goback=.gmp_2246751.gde_2246751_member_260516403#!, アクセス日: 2016年6月3日 5 http://www.huffingtonpost.com/2012/05/24/ca-workplace-fatalities_n_1542829.html?view=print&comm_ref=false, アクセス日: 2016年6月3日 6 http://www.nfpa.org/codes-and-standards/document-information-pages?mode=code&code=350; アクセス日: 2016年6月3日 インプリント/連絡先 本社 Drägerwerk AG & Co. KGaA Moislinger Allee 53–55 23558 Lübeck GERMANY www.draeger.com © Drägerwerk AG & Co. KGaA 7