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超音波を利用した「振動計測技術」

製品カタログ

超音波テスターによる<測定・解析・制御>の応用技術

超音波システム研究所(所在地:東京都八王子市)は、
オリジナル製品(超音波テスター)を利用した全く新しい、
 <<振動計測技術>>を開発しました。

これまでに開発した、超音波の音圧測定解析技術について、
 超音波の非線形現象に関する「測定・解析・制御」技術を応用します。

ものの表面を伝搬する超音波のダイナミック特性を
 測定・解析・評価したデータの蓄積から、
 低周波(0.1Hz)~高周波(100MHz)の振動状態を
 <測定・解析・評価>できる技術を開発しました。

建物や道路の振動・騒音、機器・装置・壁・配管・机・手すり・・・
溶接時の金属が溶解する瞬間の振動、機械加工時の瞬間的な振動、・・
 に関して、新しい振動現象に基づいた対策が可能になりました。

これは、新しい方法および技術です、
 これまでの解析結果から
 様々な応用事例が発展しています。

 特に、標準測定時間として連続72時間のデータ採取が可能ですので
  非常に低い周波数の振動や
  不規則に変動する振動に対しても計測が可能です 

超音波装置での実績として
 1)装置の振動モード、瞬間的な振動現象の測定
 2)工場の振動モードの測定
 3)機械加工時の瞬間的な振動の測定
 4)自動車、電車・・乗り物の振動を測定
 5)対象物の音響特性による振動モードの測定
 6)その他・・・・

具体的には
 2種類の超音波プローブを利用して
 2つの音圧データの関係性を解析することで
 非線形な振動と固有の振動モードについて分析します。

超音波プローブの概略仕様
 発振範囲 0.1Hz~10MHz
 測定範囲 0.001Hz~300MHz
 コード長さ 10cm~
 対象材質 ステンレス、樹脂、セラミック、ガラス・・・

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ドキュメント名 超音波を利用した「振動計測技術」
ドキュメント種別 製品カタログ
ファイルサイズ 3.8Mb
取り扱い企業 超音波システム研究所 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

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このカタログの内容

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超音波を利用した、振動測定システム 超音波システム研究所 斉木和幸 写真1 超音波を利用した振動測定(発振 1MHz 5V) ■ はじめに 超音波の伝搬にはたくさんの条件があり、それぞれの影響が複雑に関連している。その 中に、影響の大きさに比べ研究が少ない事項が、物の表面を伝搬する(表面弾性波)の ダイナミックな振動伝搬現象である。この特性を振動が伝搬する対象物への超音波伝搬 現象として検討し、超音波のダイナミック特性を解析・評価することで、振動システム としての新しい振動評価パラメータ(発振・受振に関する相互作用)を開発した。超音 波テスター(オリジナル音圧測定解析システム)を利用したこれまでの計測・解析によ り、超音波伝搬現象に関する各種の相互作用・応答特性(注)を検討(統計処理)する ことで、超音波の伝搬状態と各種機器の構造と表面の状態に関する振動評価方法(非線 形振動現象の解析評価技術)を開発した。 注:パワー寄与率、インパルス応答・・・ 現在、この超音波システムを応用して、超音波による超音波機器の設置方法による振動 状態の評価改善や精密部品の表面検査・・・を実施している。 その結果、複数の超音波発振に対する超音波伝搬状態の解析評価による、測定条件の最 適化技術による超音波を利用した振動測定システムが実現した。 1
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■1)何が問題か? 現在、振動測定は様々な機器で実用化されているが、多数の問題がある。 最大の問題は、測定周波数の範囲が狭いため、低周波・高周波によるダイナミック な振動特性が測定・評価されていないことである。 工場や建物の振動状態を無視した測定では、不確定なバラツキが発生することになる。 モータの振動・・限定的な振動測定では上記の事項は問題にならないが、工場の機械や 製造プロセス装置・・では、この振動は、長期的に安定性・寿命・・保守・メンテナン スに関して、重要な振動評価パラメータとなる。 特に、自動車・電車・人の動き・・・による振動は日常的に発生し、低周波・高周波の 振動が複雑に関係している。 この問題を、 超音波テスター(オリジナル音圧測定解析システム)を応用した、 超音波洗浄、超音波加工、超音波溶接、超音波攪拌・・の成功経験に基づいた「表面弾 性波の測定解析技術」と、複数の超音波発振制御を利用したダイナミック超音波制御シ ステム開発の成功経験を利用した「抽象代数学の論理モデルに基づいた、時系列データ の解析技術」を組み合わせることで解決し、対象機器やシステムに伝搬する振動現象の 特徴を評価することが可能になった。 写真2 超超音波測定プローブ 写真3 超音波発振制御プローブ 写真4 各種超音波プローブ 2
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■2)どのようにして解決するのか? 新しい超音波システム技術 超音波伝搬状態の測定解析による、超音波のダイナミック特性の利用技術 <超音波伝搬状態の発振・測定・解析システム> *測定(解析)周波数の範囲 仕様 0.01Hz から 100MHz *表面の振動計測が可能 *24時間の連続測定が可能 *任意の2点を同時測定 *測定結果をグラフで表示 *時系列データの解析ソフトを添付 測定方法 超音波プローブを対象物に取り付けて発振・測定を行う。 測定したデータについて、位置や状態と、弾性波動を考慮した解析で、 各種の音響性能として検出する。 超音波発振制御プローブ:概略仕様 測定解析範囲 0.01Hz~1GHz(測定電圧 0-20V) 発振範囲 0.1kHz~10MHz(発振電圧 0-20V) 材質 ステンレス、LCP樹脂、シリコン、テフロン、ガラス・・・ 発振機器 例 ファンクションジェネレータ 発振方法 対象物・・の音響特性に対応した制御設定を行う その結果、オリジナル非線形共振現象のコントロールにより 目的に合わせた超音波伝搬状態を実現する。 図1:超音波測定データ(超音波の発振制御による受信データ) 3
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図2:超音波測定データの解析結果 超音波テスター(オリジナル音圧測定解析システム)の超音波の音圧測定・解析 1)時系列データに関して、 多変量自己回帰モデルによるフィードバック解析により 測定データの統計的な性質(超音波の安定性・変化)について解析評価する 2)超音波発振による、発振部の発振による影響を インパルス応答特性・自己相関の解析により対象物の表面状態・・に関して 超音波振動現象の相互作用として解析評価する 3)発振と対象物(洗浄物、洗浄液、水槽・・)の相互作用を パワー寄与率の解析により評価する 4)超音波の利用(洗浄・加工・攪拌・・)に関して 超音波効果の主要因である対象物(表面弾性波の伝搬) あるいは対象液に伝搬する超音波の非線形(バイスペクトル解析結果)現象により 超音波のダイナミック特性を解析評価する この解析方法は、 複雑な超音波振動のダイナミック特性を時系列データの解析手法により、 超音波の測定データに適応させる、これまでの経験と実績に基づいて実現している。 4
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写真5:振動発生機器(洗浄器)の設置方法による振動の変化 写真6:超音波洗浄器の設置方法による音圧データの変化(解析結果) 5
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写真7 図3:超音波伝搬状態のダイナミック特性(インパルス応答) 6
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写真8 図4:超音波伝搬状態のダイナミック特性(パワー寄与率) 7
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以上の技術を基礎として超音波伝搬状態の測定解析評価を実現させる ■3)どうして新しい超音波システムなのか? 超音波システムの特徴 機械設計技術(材料力学、流体力学、熱力学、加工工学、振動工学、・・) 制御設計技術(自動制御工学、システム工学、統計学、プログラミング・・) 上記により、 現状では検出・解決が難しい、超音波伝搬状態のダイナミック特性を 複数の超音波発振制御による超音波の振動変化として検出する 測定パラメータの最適化 圧電素子の表面特性と、超音波の発振制御(周波数、出力・・)について 相互作用による不安定な影響を最小限にする 特に、超音波プローブの超音波を送受信する部分は、表面状態を調整することで 目的に応じた様々な特性が検出可能になる 実用的な最適化として、測定条件(超音波の発振条件とサンプリング時間の設定)を (振動システムの系として)実験確認により決定する 写真9:超音波プローブ(発振用、受信用) 写真10:3MHzの線形超音波伝搬 8
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写真11:パルス発振とスイープ発振による非線形超音波伝搬 図5:非線形超音波送受信データ ■4)<具体例> 以上による超音波の振動計測利用に関して 伝搬する超音波のダイナミック特性を考えた場合、 技術として最も重要な事項は 対象物と超音波プローブの送受信部の形状・材質・製造方法・・と対象物の超音波振動 に関する相互作用である 測定解析評価により、影響の小さい方法を採用することが必要であるが、 様々な測定評価事例から、測定環境条件・振動機器の設置条件による変化を確認・利用 することで、簡単に解決できることが分かった。以下具体的な事例を紹介する。 9
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写真12 物と超音波プローブの振動特性を音圧データ解析(バイスペクトル)で検出 写真13 物と超音波プローブの振動特性を音圧データ解析(バイスペクトル)で検出 写真14 物と超音波プローブの振動特性を音圧データ解析(バイスペクトル)で検出 10
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解析結果(バイスペクトルの変化)を利用するために、目的の表面状態に対して 評価基準値を(統計数理に基づいて)設定することで、 簡単に検出評価(注)が実現できる 注:具体的な対象に関する各種条件 (素材、加工、サイズ・・)に合わせた設定が必要となる より精密に行うためには、 解析結果(バイスペクトル)の内容に自己相関・パワースペクトルを追加する。 さらに、応答特性(インパルス応答、パワー寄与率・・)に関する 解析結果を追加することで、ユニークな振動特性の検出が可能となる 写真15:非線形発振制御技術 写真16:超音波を利用した振動測定 11
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<< 超音波の振動測定に関するまとめ >> 「振動現象の複雑さ」を超音波伝搬状態の音圧データ解析結果(注)で定義する 注:受信データのバイスペクトル・自己相関・パワースペクトルの変化 発信と受信に関する、インパルス応答、パワー寄与率 その結果 1:100kHz以上の高周波の振動が発生している場合 機器への超音波伝搬状態は制御しやすい 高周波の発振制御による、2種類の超音波プローブ受信(注)で、 低周波と高周波の振動特性を推定する 注:受信プローブ(共振型、非線形型) 2:10Hz以下の低周波の振動が発生している場合 機器への超音波制御は難しい 2種類の超音波発振制御(注)による、2種類の超音波プローブ受信(注)で、 低周波と高周波の振動特性を推定する 注:発振プローブ(非線形型、非線形共振型)、受信プローブ(共振型、非線形型) 3:100kHz以上の高周波の振動と 10Hz以下の低周波の振動が変動・発生している場合(現実的な場合) 1)共振型受信プローブで、振動変化の様子を測定確認する。 2)非線形型プローブで、高周波の振動変化の様子を測定確認する。 3)上記測定データの非線形解析により、超音波の伝搬特性を評価する。 4)超音波の伝搬特性に基づいて 超音波の、発振・受振に関する、各種プローブを決定し 超音波の送受信を行う、音圧データを測定解析する。 相互作用の解析結果から、振動状態を推定する。 (機器の運転状態に関しては 操作可能であれば、運転時と非運転時の測定を行うことで 効率的な振動測定が可能になる) 上記のように 超音波計測・解析により 機器の構造・・・諸条件・・による振動モードを推定し 振動特性を決定することが可能となる 注意 超音波の測定・解析に関して サンプリング時間・・・の設定は オリジナルのシミュレーション技術を利用している( オリジナルノウハウ ) 12
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写真17:超音波発振計測解析システム ■ システムの概要 超音波の測定解析:超音波テスター オシロスコープ、超音波測定プローブ、解析システム 超音波の発振 ファンクションジェネレータ、超音波発振制御プローブ、超音波発振シミュレーション ■ まとめ 技術の進化とともに、新しい応用や組み合わせの可能性が大きく広がっている 特に、超音波の伝搬特性に基づいた分類方法を取り入れることで、超音波という技 術は、新しい利用方法が飛躍すると感じる 超音波の可能性を考え、超音波技術の抽象代数学モデルを利用して、自由な超音波 に対する発想により、新たな技術を検討していきたいと考えている 写真18:超音波を利用した振動測定 13
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図6:超音波の分類 写真19 4種類の超音波プローブによるスイープ発振 参考書籍 1)ダイナミックシステムの統計的解析と制御 赤池 弘次 (著), 中川 東一郎 (著) 出版社: サイエンス社(1972) 2)叩いて超音波で見る―非線形効果を利用した計測 佐藤 拓宋 (著) 出版社: コロナ社 (1995) 3)弾性波動論の基本 田治米 鏡二 (著) 槇書店 (1994) 14
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<<< 超音波技術 >>> 超音波プローブによる非線形伝搬制御技術 http://ultrasonic-labo.com/?p=9798 超音波の発振・制御・解析技術による部品検査技術を開発 http://ultrasonic-labo.com/?p=2104 超音波の応答特性を利用した、表面検査技術 http://ultrasonic-labo.com/?p=10027 表面弾性波を利用した超音波制御技術 http://ultrasonic-labo.com/?p=14311 メガヘルツの超音波を利用する超音波システム技術 http://ultrasonic-labo.com/?p=14350 音と超音波の組み合わせ http://ultrasonic-labo.com/?p=14411 超音波の非線形振動 http://ultrasonic-labo.com/?p=13908 オリジナル技術(音圧測定解析) http://ultrasonic-labo.com/?p=7662 オリジナル超音波プローブ http://ultrasonic-labo.com/?p=8163 メガヘルツの超音波発振制御プローブ http://ultrasonic-labo.com/?p=14808 16
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超音波の発振・制御技術を開発 http://ultrasonic-labo.com/?p=1915 複数の超音波発振制御技術 http://ultrasonic-labo.com/?p=15848 超音波発振による相互作用 http://ultrasonic-labo.com/?p=17204 超音波プローブ(発振型、測定型、共振型、非線形型)の製造技術 http://ultrasonic-labo.com/?p=1566 超音波制御技術 http://ultrasonic-labo.com/?p=16309 メガヘルツの超音波発振制御プローブ http://ultrasonic-labo.com/?p=14570 超音波の音圧測定解析システム(オシロスコープ100MHzタイプ) http://ultrasonic-labo.com/?p=17972 超音波の音圧測定解析システム「超音波テスターNA」 http://ultrasonic-labo.com/?p=16120 超音波の非線形現象をコントロールする技術 http://ultrasonic-labo.com/?p=14878 超音波洗浄器による<メガヘルツの超音波>技術を開発 http://ultrasonic-labo.com/?p=1879 超音波技術:多変量自己回帰モデルによるフィードバック解析 http://ultrasonic-labo.com/?p=15785 超音波プローブ http://ultrasonic-labo.com/?p=11267 17
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超音波発振システム(1MHz、20MHz) http://ultrasonic-labo.com/?p=18817 超音波プローブ(音圧測定・非線形振動解析) http://ultrasonic-labo.com/?p=1263 超音波システム(音圧測定解析、発振制御) http://ultrasonic-labo.com/?p=19422 複数の超音波スイープ発振制御技術を開発 http://ultrasonic-labo.com/?p=1915 超音波(キャビテーション・音響流)の分類 http://ultrasonic-labo.com/?p=17231 超音波伝搬現象の分類1 http://ultrasonic-labo.com/?p=10908 超音波伝搬現象の分類2 http://ultrasonic-labo.com/?p=17496 超音波伝搬現象の分類3 http://ultrasonic-labo.com/?p=17540 超音波伝搬現象の分類 http://ultrasonic-labo.com/?p=10908 以上 18