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超音波(液循環)システム の解析と制御 2011・01.15

事例紹介

具体的な説明を通して、 統計モデルを利用した効果的な事例を提示

超音波(液循環)システム の解析と制御 2011・01.15
多くの超音波(水槽)利用の目的は、
水槽内の液体の音圧変化の予測あるいは制御にあります。
しかし、多くの実施例で理論と実際との間の距離の著しさも指摘されています。
この様な事例に対して
1)障害を除去するものは統計的データの解析方法の利用である
2)対象に関するデータの解析の結果に基づいて対象の特性を確認する
3)特性の確認により制御の実現に進む
といった道程により良い結果の実施例があります
超音波(水槽)システムにおいても同様な方法を進めてきました
具体的な説明を通して、
上記の統計モデルを利用した効果的な事例を提示します

目次
1 何が問題か 2
2 困難の実例 3
超音波水槽の事例 10
制御の実際と問題点 29
3 基礎的な準備 30
4 成功の実例 33
5 計算プログラム 36
6 まとめ 38
参考(具体例)40-66

ダイナミックシステムE1について
「ダイナミックシステムの統計的解析と制御」
:赤池 弘次、中川 東一郎/共著:サイエンス社(1972)
上記の書籍を超音波水槽に適応させた資料です
原則的には、書籍による具体的な事例と同様に
超音波の個別システムについても
十分な説明が行われていると考えます。
超音波固有の複雑さを含め、具体的な事例を掲載することで
ダイナミックシステムとしての超音波現象の重要性・有効性を説明しています。

このカタログについて

ドキュメント名 超音波(液循環)システム の解析と制御 2011・01.15
ドキュメント種別 事例紹介
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取り扱い企業 超音波システム研究所 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

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このカタログの内容

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ダイナミックシステムとしての 超音波(水槽液循環)システムの解析と制御 超音波システム研究所 斉木 和幸 03 多くの超音波(水槽)利用の目的は、 水槽内の液体の音圧変化の予測あるいは制御にあります。 しかし、多くの実施例で理論と実際との間の距離の著しさも指摘されています。 この様な事例に対して 1)障害を除去するものは統計的データの解析方法の利用である 2)対象に関するデータの解析の結果に基づいて対象の特性を確認する 3)特性の確認により制御の実現に進む といった道程により良い結果の実施例があります 超音波(水槽)システムにおいても同様な方法を進めてきました 具体的な説明を通して、 上記の統計モデルを利用した効果的な事例を提示します 目次 1 何が問題か 2 2 困難の実例 3 超音波水槽の事例 10 制御の実際と問題点 29 3 基礎的な準備 30 4 成功の実例 33 5 計算プログラム 36 6 まとめ 38 参考(具体例)40-66
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テーマ <問題の確認と対処の方針> 1 何が問題か 取り扱おうとしている問題の意義 統計モデルの作成と現実のデータの解析を繰り返しながら 実用的で普遍的なモデルを構築することで 超音波の効率的で効果的な利用を可能にすることが出来ます 問題の具体的な形 目的の超音波利用のための、 固有の水槽・・の条件に対して最適な 超音波の制御に適した条件を求める 統計的ダイナミックシステム 超音波の音圧変化は時間領域での *不規則であるが一定の傾向もある現象 *時間的な記憶つながりが問題となるシステムである 従って、統計的ダイナミックシステムである システム解析の目的 *現象は統計的ダイナミックシステムである *システム解析とはシステムを有効にするために 理論と対称との確認の作業によりモデルを明確にすることである 従って、システム解析の目的は適切な論理モデルの構築である 統計理論の使い方 ケチの理論(principle of parsimony) 現実の近似であり未定にパラメータの少ないモデルを採用する
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2 困難の実例 超音波の変化する様子を示した写真です それぞれの状態により超音波の伝搬状態が異なります したがって、安定して超音波を利用することのむずかしさが確認できます <補足> 1、2:超音波照射により、液の脱気、温度上昇により超音波の伝搬状態が変化した事例 3,4:液循環の追加により、液の脱気、温度上昇による伝搬状態の変化を安定させた事例 参考 http://www.youtube.com/watch?v=3BkLcbv5tGM 説明:洗浄器に入れている水に工夫をしています 若干脱気して(溶存酸素濃度 5-7mg/l)、マイクロバブルの拡散性を利用して 均一な液体(濃度分布、温度分布)になっていることで動画や写真4の状態になります
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溶存酸素濃度と音圧の関係に関する基礎資料を紹介します 音圧を単純にコントロールできない理由(プロセスの影響)がここにあります この溶存気体を安定させるためには 容器の構造や水面の状態に対して工夫(注2)が必要です 注1:溶存気体は各種条件により、変化の傾向がことなります この結果が超音波の音圧としては様々な状況を生み出しています 同じ状態にセットした溶存気体の濃度でも音圧は変化します (例 気圧の変化状況の違いによる場合 など) 注2:オーバーフロー、水槽構造、・・ <補足> 溶存気体の濃度が高い液体は、軽くて温度も高くなる傾向にあります 溶存気体の濃度が低い液体は、重くて温度も低くなる傾向にあります 上記を攪拌して、均一な液体にすることは難しいのが現実です そこで、超音波とマイクロバブルを利用します その結果、溶存酸素濃度の変化は適切なプロセスになります 参考:http://www.youtube.com/watch?v=rpZLu1YsLNA 説明:マイクロバブルが超音波により崩壊します マイクロバブルの気泡群や崩壊現象により、ナノバブルが発生します ナノバブルを利用することが安定した均一の液体のノウハウです
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2日間の溶存酸素濃度変化例を紹介します 何もしないと溶存酸素濃度は不安定であることがわかります 大きな変化の原因は「人」です 人の出入りや、水槽に触れたりして急激な濃度変化の原因になっています 空調設備のある部屋で 24時間溶存酸素濃度の変化を測定した記録例を紹介します 補足 上記の原因に対して、安定させる必要があります 参考 http://www.youtube.com/watch?v=WargIi6wjn8 説明:水槽・振動子・液循環のバランスで安定した超音波照射状態にした事例です 液温は上昇しますが、7時間以上安定した、超音波の効果を保持しています
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環境条件による複雑な濃度変化を発生しているデータ例を紹介します 脱気ポンプと循環ポンプを動作する場合は一般的に上図のようになりがちです 各種パラメータ設定のバランスを調整すると傾斜や上下の変化の少ない安定し た状態に設定出来ます この設定がある程度出来ないと環境の影響による対応は難しいとおもいます 特に台風や変化の激しい季節では超音波が不安定になり、エロージョン発生の 原因になります 補足 単純な対策や考え方では「溶存酸素濃度」を安定させることは 難しいということを説明しています
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液温と音圧について これはしばしば測定される結果ですが、利用する場合には注意が必要です 論理的な事項として 音速(伝播速度)は水温により 約3-4%(20℃から40°への変化)の変化があります 従って、測定値の音圧変化が大きい原因は別にあることが考えられます ひとつの事例として 30℃から60℃の水の状態は、 何もしなくても各種の分布が比較的安定しているということがあります 確認の測定を行っています(70°の均一な液状態設定は大変難しいです) 上記を確認するために、液の分布状態を均一にさせると 低かった温度での音圧測定値は最大値以上の値になりました 注:10℃や70℃の均一な環境は恒温槽等を利用して、 環境温度の影響を小さくしないと大きな温度分布が発生します 使用条件の影響に正しく対応(設定)する必要があります、 しかし何もしなくても安定する状況があるため、詳細な検討が行われない状況ではないか と思います 注)実験装置でも最適な設計は難しいのですが、 「超音波を無効にする設定をしないようにする」と言う考え方で設計を繰り返す中で、最適 設計につながってきているように思います 補足 液温を管理することは難しいが、30-40℃で使用する場合は成り行きということでも 問題は最小限になるということです。 特別な温度(10℃、70℃・・)の利用条件がある場合は、各種の注意と工夫が必要です 参考 http://www.youtube.com/watch?v=6dV6TtOQOT0 説明 70℃の液温での超音波照射状態です (2時間の照射実験のため、各種の工夫を行っています)
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洗剤による効果を紹介します 均一性は非常に良い状態になります 注:ただし安定させるためには工夫と実験確認が必要です 時間の経過により、洗剤と超音波は様々な化学反応を起こしています 効果的な場合もありますが、変化し続けるので洗剤の濃度管理は大変難しい状 況です(多くの場合、ベテランの経験者が洗剤の投入を行っています) 参考 http://www.youtube.com/watch?v=o48iQeikYuM 間接容器の中に、5%の洗剤を入れて洗浄している様子です 均一で高い音圧の超音波伝搬状態です
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脱気装置による溶存酸素濃度の制御例を紹介します 液循環の工夫により、変化に対して制御可能な状態を示しています 説明 1017hPaから1003hPaに変化することで 超音波の音圧(効率)が低下します 水槽内の液体の各種の分布が大きな原因です 液循環により分布の広がりを押さえることで音圧(効率)を改善しています 補足 気圧が徐々に低下していく変化に対しては、 上記のような方法が必要です 急激な変化や、気圧上昇傾向に対して、問題は小さく 問題となりにくい傾向があります
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超音波水槽の事例 説明:ポンプの吸い込み側のチューブを絞った脱気装置です (この方法は特許「特許 4159574」に抵触します 回避方法のアイデア・・は別途資料で説明しています) 参考 http://www.youtube.com/watch?v=qjlPAKJ3Ksg 液循環による( 42kHz 35W )超音波照射の効果です
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説明:適正な脱気(マイクロバブル)と液循環により 効果的な超音波の利用が可能になります 参考 http://www.youtube.com/watch?v=ouraH1EGF8E マイクロバブルを利用した液循環による効果です 動画は、液循環ポンプを取り外して撮影しています
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説明:「特許 4159574」に抵触しない脱気装置の構造例です この詳細は、別途資料「液循環に関する資料」で説明します
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説明:水槽の水面と底面の溶存気体の濃度・温度を均一にすることが 最大のテーマです 参考 http://www.youtube.com/watch?v=BXLdT6AlY2g 良く見ると、液循環を行わないため、一定の傾向が発生し 超音波の状態は悪くなっています
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説明:「特許 4159574」に抵触しない脱気装置の構造例です つまり、現状の装置においても、バルブ調節で脱気は可能です この装置でも、バルブ調節で脱気・マイクロバブル発生を行っています 参考 http://www.youtube.com/watch?v=g8m5jYn9URQ 液循環の様子 http://www.youtube.com/watch?v=83_CgElqA4I 超音波照射の様子
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説明:ポイントはチューブ(吸い込み、吐き出し)の位置です 総合力で判断しても難しい状態です (統計モデルの利用のポイントがここにあります) この装置でも、吸い込みは液面付近 吐き出しは水槽底面付近です 参考 http://www.youtube.com/watch?v=PnlJ0s9EKpo
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説明:間接容器を利用する場合も、チューブ(吸い込み、吐き出し)の位置 が大切です 参考 http://www.youtube.com/watch?v=8d3HWESGHP8
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説明:間接容器の利用で、チューブ(吐き出し)を 容器内にセットする方法は良い方法です 容器の水槽に対する位置が重要になります (統計モデルの利用のポイントがここにあります) 参考 http://www.youtube.com/watch?v=uflkzJFmy9w 基本の液循環を設定すると 各種容器を組み合わせた応用・制御状態が可能です
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説明:超音波照射の例です 参考 http://www.youtube.com/watch?v=qhM8s9uwTZY 間接容器を含めた、「液の流れ」と「超音波の伝搬」に対する 適切な設定状態
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説明:赤丸:吐き出しは水槽底面に押し出すように 緑丸:吸い込みは水面付近から 以上が原則です(実施例の写真です) 参考 超音波水槽<液循環のノウハウ No.44> http://www.youtube.com/watch?v=xVh74MmwmNU 吐き出しは水槽底面に押し出すように 吸い込みは水面付近から(オーバーフロー)
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説明:適切な液循環による事例です 参考(制御例) 定在波の制御 http://www.youtube.com/watch?v=VDv1BKQLv0I 出力の制御 http://www.youtube.com/watch?v=S82LxMEnyzA