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【ホワイトペーパー】”デートコード2年”の常識を超えて 半導体製造中止品を安心して使い続けるには

製品カタログ

トレーサビリティがどのようにサプライチェーンのレジリエンスを強化し、リスクを最小限に抑え、コストを削減し、そして効率を向上させるのかをご紹介します。

半導体業界では、サプライチェーンの複雑化と信頼性を求める傾向の高まりにより、トレーサビリティの重要性がかつてないほど高まっています。
従来の”2年間のデートコード”という常識は、最新の保管技術や品質管理基準とは必ずしも一致していません。
適切な環境下で保管された半導体製品は、長期間高い信頼性を維持することが可能です。

本ホワイトペーパーでは、ロチェスターエレクトロニクスによってサプライチェーン全体におけるトレーサビリティとレジリエンスの向上をどのように実現しているのかをご紹介します。

内容:
・半導体トレーサビリティの進化する標準
・長期保管とデートコードに関する誤解を解く
・サプライチェーンのレジリエンスのためのトレーサビリティ
・半導体製品の保管、認証、そしてトレーサビリティの維持
・拡張されたデートコードによる業界への影響
・半導体トレーサビリティの未来

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このカタログについて

ドキュメント名 【ホワイトペーパー】”デートコード2年”の常識を超えて 半導体製造中止品を安心して使い続けるには
ドキュメント種別 製品カタログ
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取り扱い企業 Rochester Electronics,Ltd. (この企業の取り扱いカタログ一覧)

このカタログの内容

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デートコードの向こう側に 半導体製品の信頼性とサプライチェーンの レジリエンスにおけるトレーサビリティの重要性
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序論 3 半導体トレーサビリティの進化する標準 4 トレーサビリティ標準の進化 4 現代のトレーサビリティにおけるデートコード 4 トレーサビリティと偽造防止対策 5 変化する業界に対応したトレーサビリティの近代化 5 長期保管とデートコードに関する誤解を解く 6 デートコード規格の歴史的背景とその根拠 6 材料と保管における技術的進歩 6 長期保管の信頼性を裏付ける実証データ 6 誤解を解き、証拠を尊重する 7 サプライチェーンのレジリエンスのためのトレーサビリティ 9 透明性を通じてレジリエンスを構築する 9 なぜトレーサビリティがライフサイクルの長い業界において重要なのか 9 半導体製品の保管、認証、そしてトレーサビリティの維持 12 半導体製品の品質を保つための保管方法 12 J-STD規格への準拠 12 認証取得までの流れ 13 ロチェスターの実践 14 拡張されたデートコードによる業界への影響 15 COVID-19からの教訓 15 拡張されたデートコードのサポートにおける課題と機会 15 半導体トレーサビリティの未来 18 新たな技術 18 業界の動向 18 ロチェスターエレクトロニクスのビジョン 19 まとめ 20 参考文献 21
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序論 半導体業界は長年にわたり、世界最大の技術革新の最前線に 製品在庫の柔軟性を低下させ、そして販売代理店やエンドユー 立ってきました。航空宇宙、医療機器、オートモーティブ、 ザーにとってコストの増加を引き起こす可能性があります。 そして産業用オートメーションなどの様々な分野は、半導体技術 COVID-19パンデミック中の半導体不足により、こうした慣行の の進歩によって大きな影響を受けています。しかし、半導体 もろさが浮き彫りになりました。この期間中、多くの業界が 自体は大きな影響を与えてきた一方で、業界の物流は顕著な 2年間の基準を考慮せず、また品質問題を報告することなく製品 課題となっています。 を使用していました。この経験から、業界は現在の技術的能力 を踏まえたうえでトレーサビリティを再評価し、近代化する これらの分野は多くの場合、25年以上にわたる半導体製品の きっかけとなりました。 ライフサイクルを必要とし、サプライチェーンの継続性と信頼性 に大きく依存しています。最も重要な点は、半導体製品の供給元を このホワイトペーパーでは、進化する半導体業界における 追跡し、ライフサイクル全体を通じて品質や状態が保たれている 製品のトレーサビリティについて考察しています。トレーサビ ことを保証できる信頼性があるかということです。しかし、 リティ標準の歴史と進化を検証し、デートコードにまつわる 「2年間のデートコード」などの従来の指標に依存することは、 誤解を解き明かし、 そしてサプライチェーンのレジリエンスを 現代のサプライチェーンのトレーサビリティや品質要求に対応 高めるトレーサビリティの重要性について洞察しています。 するには、ますます不十分であることが証明されています。 そして最後に、オリジナル半導体メーカーから認定された 正規販売代理店およびトレーサビリティのリーダーとして 今日、グローバル化したサプライチェーンと「ジャストイン 数十年間にわたる経験を持つロチェスターエレクトロニクス タイム」製造のプレッシャーが、デートコードに関連する課題 が、品質、保証、 そして長期的な信頼性を確保しながら、 を悪化させています。2年間というデートコードの制限は、 これらの変化に対応できるよう、どのように業界をサポート 厳格に適用すると、半導体製品の不要な製造中止を招き、 しているかについて説明します。 3
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半導体トレーサビリティ の進化する標準 トレーサビリティは、電子機器製造の初期段階 JEDEC JEP160は、品質保持のために管理された環境を重視した から半導体業界において、重要な要素となって 電子部品の長期保管に関するガイドラインを提供しています。 います。 2011年に発表されたJEP160は、温度と湿度の範囲を含む特定の 保管条件、封止と梱包のベストプラクティスなどを概説してい 20世紀後半、半導体製品の急速な普及は、製造プロセスや材料 ます。JEP160は、保管要件の形式化において大きな前進を示し の大きな変動と重なりました。そのため、保管された半導体製品 ていますが、業界がすでに任意のデートコードによる制約を採用 の信頼性に対する初期の懸念から、製品の製造時期を追跡し、 してから数十年後に発表されました。そのため、特にこの標準 製造履歴を可視化する簡単な仕組みとしてデートコードが導入 より前のレガシー製品については、保管要件の実施は均一では されました。しかしこの実践の根底にある前提は、当時の制限 ありませんでした。 に結び付いていました。[1] SAE AS6496は、正規販売代理店がトレーサビリティと信頼性を 1980年代から1990年代にかけて、半導体製造プロセスは未熟な 確認するための要件を定めています。この規格では、正規販売 技術に依存しており、長期的な信頼性に対する懸念が高まって 代理店が半導体製品の完全な保管管理記録を維持し、製品が いました。例えば、古いプラスチック成形コンパウンドは吸湿 製造から最終使用まで認定されたチャネル内に留まっていること しやすく、はんだリフロー工程で層間剥離や故障を引き起こす を確認することが義務付けられています。一般的なガイドライン 可能性がありました。同様に、錫ウィスカ現象 (錫めっきされた とは異なり、AS6496は、適合証明書(C of C)や堅牢な在庫管理 表面で電気的なショートを引き起こす可能性のあるフィラメント システムの使用など、偽造リスクに対処するための包括的な枠 状の自然発生的な成長)は十分に理解されておらず、重大なリスク 組みを提供しています。 とみなされていました。これらの要因は、保管中の経年劣化に より製品の信頼性を損なう可能性があるという認識が生まれ、 ロチェスターエレクトロニクスはAS6496の厳格な要件を遵守し、 「2年間のデートコード」 などの制約の確立が正当化されました。[2] すべての製品が製造時点からエンドユーザーにまで完全に認定 されたサプライチェーン内に留まるようにしています。AS6496 このような懸念は、初期の製造能力という点では一定の根拠が の認定製品と非認定製品を混在させて扱う販売業者とは ありましたが、材料科学とプロセス技術の進歩により、そのよ 異なり、ロチェスターはオリジナル半導体メーカーに認定された うなリスクは大幅に軽減されました。例えば、最新のエポキシ 製品のみを保有し、顧客からの返品、過剰在庫の買い戻し、 成形コンパウンドは、耐湿性と機械的安定性が大幅に改善され グレーマーケットでの調達に伴うリスクを排除しています。 ています。さらに、錫合金を組み込んだ表面仕上げは、ウィスカ このようにしてロチェスターエレクトロニクスは、顧客にすべて の成長を最小限に抑えるよう最適化されており、JEDECや の製品が本物であり、適切に取り扱われ、オリジナル半導体 NASAが包括的な緩和策を公開しています。このような進歩の メーカーまで追跡可能であるという絶対的信頼を提供しています。 一方で、業界はトレーサビリティ慣行の更新が遅れており、 2年間のデートコードはもはや現代の技術能力を反映しないレガ 現代のトレーサビリティにおけるデートコード シー標準として残っています。 デートコードは、製品が製造された日付のタイムスタンプを提供 トレーサビリティ標準の進化 することにより、引き続き主要なトレーサビリティツールとして 機能します。この情報は、製造ロットの追跡、潜在的な欠陥の 特定、リコールの管理に役立ちます。しかし、信頼性の代用と 半導体業界が複雑化し、グローバルに展開されるようになった してデートコードのみに依存することは、重大な課題を引き ことで、品質保証、偽造品対策、サプライチェーンの透明性に 起こします。特に「2年間のデートコード」ルールは、完全に 対応する厳格なトレーサビリティ標準が開発されるようになり 機能する製品を不必要に廃棄することに繋がることが多く、サプ ました。特に影響力のあるフレームワークは、JEDEC JEP160 ライチェーン全体に非効率性とコストをもたらします。 およびSAE AS6496規格です。 また、製品が製造中止(EOL)になった場合、2年間のデートコー 4
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年 週 デートコード デートコードは半導体製品の製造日を示しています 画像出典:ロチェスターエレクトロニクス ドによって残っている製品の供給が著しく制限される可能性が 半導体メーカーの仕様への準拠を証明しています。対照的に、 あります。 グレーマーケットで活動する流通業者は、真正性を証明するた めの文書が不足している可能性があります。このような業者は、 最新のトレーサビリティシステムには、ロット番号、シリアル 顧客に重要なリスクを負わせることになります。 番号、バーコードなど追加の識別子が組み込まれています。 これらの識別子により、各製品をその製造条件、材料、および もう1つの基本的な標準規格はAS5553で、電子部品を取り扱う組織に プロセス履歴にリンクされ、より詳細な追跡が可能になります。 おける偽造品対策に重点を置いています。AS5553は、主にグレー 例えば、高度なトレーサビリティシステムでは、各ロットの マーケットやオープンマーケットの取引におけるリスクを軽減 正確な部品表(BOM)と工程を記録することができるため、 することを目的としていますが、製品の真正性を確認するための エンジニアは故障をその根本原因まで正確に追跡することが 文書、検査、テストの重要性を強調することで、AS6496を補完 できます。 しています。 このような進歩にも関わらず、従来の慣行や商業的圧力により、 変化する業界に対応した 製品の使いやすさに対して恣意的な制約が課され続けています。 販売代理店や受託製造業者は、技術的な正当性がないにも関わ トレーサビリティの近代化 らず、2年間のデートコードを実質的な制限として挙げることが よくあります。 トレーサビリティ標準の進化は、半導体業界が品質、信頼性、 効率性のバランスを保とうと継続的な取り組みを反映しています。 トレーサビリティと偽造防止対策 「2年間のデートコード」のような初期の慣行は、当時の制約に 基づくものでしたが、材料、プロセスおよび標準規格の進歩に より、そのような制約は時代遅れとなりました。現在、AS6496 偽造は半導体業界では依然として大きな課題であり、偽造半導体 やJEP160のようなフレームワークに支えられた堅牢なトレー は、航空宇宙、防衛、医療機器などの安全性が重要なアプリ サビリティシステムが、製品の信頼性を確保するためのより ケーションにリスクをもたらしています。トレーサビリティは、 効果的なアプローチを提供しています。 製品が認定された正規の供給元から供給され、認定された正規 のサプライチェーンの管理外で改ざんされていないことを確認 しかし、これらの手法を広く採用するには、凝り固まった業界の することが、偽造を軽減するために必要不可欠です。 常識を克服し、最新のトレーサビリティの利点について関係者を AS6496のような標準規格は、流通業者に対し、保管管理記録全体 教育する必要があります。これらの進歩を取り入れることで、 を文書化することを義務付けることによって、役割を果たして 半導体業界はますます複雑化するアプリケーションの要求に応え います。例えば、ロチェスターエレクトロニクスは、製品在庫 ることができる、より強靭で効率的なサプライチェーンを構築 のすべてについて詳細な記録を保持し、その真正性とオリジナル することができます。 5
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長期保管とデートコードに 関する誤解を解く 「2年間のデートコード」規格は、数十年にわたり半導体の保管 の侵入を防ぎ、層間剥離やクラックに関連するリスクを最小限 方法を形成してきました。この規格は、老朽化した製品への懸念 に抑える改良された化学配合を特徴としています。これらのコン に対応するための予防措置として導入され、材料やプロセス技術 パウンドは損傷することなく熱サイクルに耐えられる優れた が成熟していなかった当時、業界全体の枠組みを提供しました。 機械的・熱的安定性を備えています。 しかし、封止材料、保管環境、トレーサビリティシステムの進歩 により、現在では製品は2年を遥かに超えてもその機能を維持 以前の世代の製品で懸念されていた表面仕上げも進歩しています。 できるようになりました。このような発展にも関わらず、2年間 最適化された錫鉛めっき仕上げは、ウィスカの発生を事実上排除 というルールは存続しており、非効率性を生じています。 し、純粋な錫めっき仕上げは現在、安定性を高める改良された めっき技術の恩恵を受けています。さらに、最新の鉛めっき法は デートコード規格の歴史的背景と根拠 酸化を防ぎ、何年も保管した後でもはんだ付け性が損なわれな いことを保証します。高度なフラックス化学物質の統合は、古い この2年間というルールは、初期の半導体製造に付随する実際の 表面の再活性化を可能にし、信頼性の高いはんだ接合形成を保証 リスクに対応するために制定されました。例えば、20世紀後半 することにより、これらの改善をさらに強化しています。 に一般的であったプラスチック封止製品は、水分の吸収率が高く、 剥離やクラックを引き起こしました。これらの不具合は、閉じ 管理されていない保管環境から規制された標準ベースの方法への 込められた水分が膨張して内部損傷を引き起こすはんだリフロー 移行は、こうした材料の進歩を補完してきました。JEDEC 工程で特に顕著にみられました。また、純錫に依存するような JEP160とJ-STD-033は、推奨温度範囲、湿度レベル、ドライ 初期の表面仕上げは、ウィスカが自然に成長しやすく、電気的 パッケージング要件など、湿気に敏感な製品についてのパラメー なショートを引き起こしました タを定義しています。 当時の保管方法にも一貫性はなく、温度や湿度レベルを管理する 長期保管の信頼性を裏付ける実証データ 規制がほとんどありませんでした。多くの機器メーカーは、 製品を管理された環境で保管するインフラを欠いていたため、 長期保管の信頼性を裏付ける証拠は数多くあるにも関わらず、 長期間保管された製品の結果は様々でした。このような状況に 製品の老朽化に関する誤解は根強く残っています。研究では、 おいて、2年間というデートコードは、最適とはいえない条件 管理された条件下で保管された製品は、15年以上その性能を維持 下での長期保管がもたらすリスクに対するセーフガードとして することが、証明されています。 機能しました、 幸いなことに、製造と保管方法における現代の進歩は、こうした問 電気的および機械的特性 題を軽減しています。現在、エポキシ樹脂モールドコンパウンド は耐湿性設計が施され、以前のものよりも吸収率が大幅に低く 例えば、一般的な誤解として、製品は保管条件に関係なく2年 なっています。また、表面仕上げも進化し、ウィスカの発生を で本質的に劣化するというものがあります。しかし、85℃相対 抑える応力緩和および不活性化技術が取り入れられています。 湿度85%という加速エージング条件下で15年間の保管をシミュ このような改良にも関わらず、2年という基準は、現在の技術的 レートした試験では、性能劣化はごくわずかでした。リーク電流、 な現実よりも、従来の慣行によって推進されているのが現状です。 スイッチングしきい値、オン抵抗などの電気的パラメータは、 オリジナルの仕様の範囲内に留まり、新しく製造された同等品 材料と保管における技術的進歩 と比較して差異は1%未満でした。[2] [5] 半導体製造プロセスの変革により、長期保管時の製品の性能が また、製品が規格に準拠した環境で保管されている場合、機械的 根本的に変化しました。最新のモールドコンパウンドは、水分 完全性は安定しています。JEDEC JEP160の条件下で15年間 6
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74AC11175DWRダイの光学顕微鏡写真では、 9年間適切に保管した後でも異常は見られませんでした 画像出典:テキサス・インスツルメンツ 保管した製品に対して実行されたリード線引張強度試験では、 実際、乾燥剤と組み合わせた最新のMBBは、周囲の湿度暴露を 引張力に測定可能な低下は見られず、スモールアウトラインIC 5%未満に抑えることができます。15年以上保管された製品の場合、 では一貫して10N~15Nの範囲でした。ボンディングワイヤのX線 はんだ付け性試験では、濡れ時間が 0.2 秒以内であることが示さ 分析では、ボイド、破断、変位は見られず、ダイアタッチ層は れ、業界標準のしきい値である 1 秒を大幅に下回っています。 完全な接着強度を保持し、製造時のベンチマークと一致しました。 より強い活性化を示す化学物質を含むフラックス配合の進歩に より、わずかな酸化層を持つ製品でさえ、追加的な前処理なし はんだ付け性 で信頼性の高いはんだ接合部を実現できるようになりました。[3] [4] もう1つの一般的な誤解は、古い製品は時間が経つとはんだ付け 偽造リスク 性が低下するというものです。これは鉛仕上げが長期保管中に 不可逆的に酸化するという誤解から生じてしまう懸念です。 長期保管により偽造リスクが高まるという考え方は、技術的な 乾燥剤入りの防湿袋(MBB)に15~20年間保管した製品のはんだ 現実というよりはむしろサプライチェーンのダイナミクスに根 付け性試験を実施したところ、98%以上のサンプルがJ-STD-002 差したもう一つの誤解です。 はんだ付け性規格に適合していました。同様に、ウェッティング バランス法(平衡法)試験を用いた濡れ性試験では、はんだ接合部 偽造は、製品の古さではなく、主に無許可の流通経路に関連し の引き抜き強度の低下は見られず、新しく製造された製品と ています。AS6496規格に準拠する流通業者は、すべての製品の 同等の性能を示しました。[2] [3] 真正性を証明する検証可能な文書を提供する完全な保管管理記録 7
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はんだ付け性試験は、 8年から20年経過した製品で成功を収めています 画像出典:ロチェスターエレクトロニクス を保持しています。この規格は、製品が認可された流通経路に 留まることを義務付けており、デートコードが10年または 20年を超える製品であってもトレーサビリティを保証します。 例えば、ロチェスターエレクトロニクスのAS6496に準拠した 業務により、顧客は20年以上保管された在庫品に、その真正性と 品質に完全な自信をもってアクセスすることができます。 誤解を払拭し、証拠を受け入れる 「2年間のデートコード」に依存し続けることは、半導体業界に とってサプライチェーンの効率を最適化する機会を逃すことに なります。実証的な証拠によれば、適切に保管された製品は、 最新の基準に従えば、2年をはるかに超えてもその機能を維持 することが証明されています。結局、製品の老朽化に関する誤解 に対処するには、長期保管の科学について関係者を啓蒙するた めの協調的な取り組みが必要です。 8
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サプライチェーンのレジリエン スのためのトレーサビリティ 製品のライフサイクルが25年を超えることが 製造中止の管理 多い業界では、製品のトレーサビリティは必須です。 製品の製造中止は、ライフサイクルの長い業界においては注目 数か月や数年でサプライチェーンが一巡する製品とは異なり、 すべき課題です。半導体の製品ライフサイクルは数年しか続か 航空宇宙、医療機器、オートモーティブ、産業用制御システムで ないことが多いですが、サポートするシステムは何十年も使用 使用される半導体は、数十年にわたって確実に機能する必要が され続けることがあります。トレーサビリティシステムは、 あります。このような状況において、偽造品や欠陥製品がもたら 半導体を使用する機器メーカーが互換性のある代替品を特定し す影響は、運用の非効率性だけでなく、人的安全、経済的損失、 たり、認定された正規販売代理店が保管する製造中止品在庫を および規制の不遵守といったリスクにまで及びます。 見つけたりできるようにすることで、このギャップを埋めるの に役立ちます。 透明性を通じてレジリエンスを構築する 例えば、航空宇宙用ナビゲーションシステムを製造するメーカー トレーサビリティにより、包括的で透明性の高い保管管理記録 が、製造中止になった2005年製のマイクロプロセッサの交換が を維持することで、製品が当初の仕様を満たし、ライフサイクル 必要になる場合があります。トレーサビリティデータを活用 全体を通じて認証されることを保証しています。製品のライフ することで、このメーカーはロチェスターエレクトロニクスの サイクルの各段階に透明性を持たせることで、サプライチェーン ような正規販売代理店から入手した代わりの製品がオリジナルの のレジリエンスを強化します。具体的には透明性により、偽造 仕様と合致していること、そして準拠した条件下で保管されて 防止、製造中止管理、および欠陥解決という3つの課題に対応 いることを確認することができます。 しています。 不具合品の解決とリコール 偽造防止 不具合や品質問題が発生した場合、トレーサビリティにより機器 偽造半導体は、特に性能不良が深刻な結果をもたらす可能性の メーカーは影響を受ける製品を迅速に特定し、隔離することがで ある産業において、増大する脅威となっています。2011年に米国 きます。例えば、湿気に敏感な製品が含まれるリコールの場合、 半導体工業会が発表した報告書では、偽造品による世界の電子 トレーサビリティデータにより、影響を受けるロットがJ-STD-033 機器産業の損害は、年間750億ドル以上と推定されています。 規格に従って保管されていたかどうかを確認することができます。 半導体が普及するにつれ、この数字は増加しています。[6] このような的確な対応は、リコールによる財務的および評判へ の影響を減少させ、顧客の信頼を維持することができます。 トレーサビリティは、製品がオリジナルメーカーから調達され、 輸送中に改ざんされていないことを確認するため、販売代理店に なぜトレーサビリティがライフサイクルの 詳細な保管管理記録を保持することを義務付けることによって、 長い業界において重要なのか 偽造品のリスクを軽減しています。 製品ライフサイクルが長い業界では、故障時のコストが高く、 SAE AS6496などの規格は、偽造防止のための堅牢なフレーム 交換製品の調達の難しいため、トレーサビリティシステムに ワークを提供します。例えば、ロチェスターエレクトロニクスは 対して独自の要求があります。 AS6496に準拠し、オリジナル半導体メーカーからエンドユーザー までのすべての取引を文書化し、すべての在庫品に対して適合 証明書を発行しています。 9
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(a) (b) (c) X線画像によって検出された偽造品の欠陥 不適切なダイ (a) 欠落したボンドワイヤ (b) 破損したボンドワイヤ (c) 画像出典:Guin et al. 航空宇宙システム 医療機器 航空宇宙分野はトレーサビリティの重要性を示す代表的な例 医療分野でも、信頼性の低い製品がもたらす影響は同様に深刻 です。民間航空機や軍用航空機は通常、25年から30年の運用を です。ペースメーカー、インスリンポンプ、人工呼吸器などの 前提に設計されていて、航空電子機器、エンジン制御システム、 医療機器は、長期間にわたって完璧な性能を発揮する半導体製品 航法モジュールは過酷な環境条件に耐える半導体に依存してい に依存しています。ISO 13485などの規制フレームワークは、 ます。これらのシステムで使用される製品は、しばしば連邦航空 埋め込み型または生命維持に関わる製品の品質を確保する上で、 局(FAA)や欧州連合航空安全機関(EASA)によって課される トレーサビリティの役割を強調しています。トレーサビリティ トレーサビリティ要件の対象となります。これらの規制では、 システムは機器メーカーがリコール時に不良ロットを迅速に 交換製品がオリジナルの製品と同じ厳格な仕様を満たすように、 特定して隔離することを可能にし、患者の安全を守るとともに、 各製品の原産地、製造プロセス、および流通に関する詳細な記録 医療従事者への影響を最小限に抑えることができます。 を義務付けています。 オートモーティブ・アプリケーション トレーサビリティを維持できないと、悲惨な結果を招く可能性 があります。例えば、飛行制御システム内の偽造品が検出され 電気自動車や自動運転車(EVとAV)の台頭により、自動車業界は ないと、航空機の安全性を損ない、重大な人命や経済的損失を 変革を遂げ、電力管理、センサ統合、人工知能のために先進的 引き起こす可能性があります。トレーサビリティは、交換する な半導体への依存が高まっています。これらの製品は、長期間 製品がレガシーシステムと互換性を保つことを保証することで、 にわたり乗客の安全と車両の性能を保証するために、厳しい信頼 このようなリスクを軽減し、長期的なメンテナンスプログラムを 性基準を満たす必要があります。トレーサビリティシステムは、 サポートします。 これらの半導体が製造および品質保証プロセスの詳細な文書化 を必要とするIATF 16949などの自動車業界の基準を満たして いることを確認するのに役立ちます。 10
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航空電子工学システムは、 製品のトレーサビリティ向上から恩恵を受けることができます 画像出典: Wevolver トレーサビリティは、オートモーティブのサプライチェーンに おける偽造品への懸念にも対応しています。EVやAV技術は 収益性の高い市場となっていることを背景に、偽造品は重大な リスクとなり得ます。包括的な保管管理記録を維持することで、 トレーサビリティシステムはバッテリ―管理ユニットやレーダー センサなどのミッションクリティカルなシステムに、真正で 高品質な製品のみが統合されていることを保証します。 産業用制御装置 産業オートメーションシステムは、数十年にわたって継続的に 稼働することが多いプログラマブル・ロジック・コントローラ (PLC)、モータードライブ、センサなどに依存しています。 これらの環境には、極端な温度、振動、電磁干渉など、特有の 課題があります。トレーサビリティにより、メンテナンスサイ クル中に調達された交換製品がオリジナルの製品の仕様と一致 していることが保証され、システムの信頼性が維持され、 そしてコストのかかるダウンタイムが回避されます。 11
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半導体製品の保管、認証、 そしてトレーサビリティの維持 半導体製品の長いライフサイクルと信頼性は、適切な保管方法、 酸化を抑制し、長期間にわたってはんだ付け性能を維持すること 業界標準の遵守、および強固な認証取得までの流れに大きく ができます。 依存しています。数十年にわたる動作の信頼性が求められる アプリケーションにおいて、はんだ付け性の低下、湿気の侵入、 J-STD規格への準拠 機械的な故障など、不適切な保管によるリスクは、システムの 品質と安全性を損なう可能性があります。 JEDEC規格 J-STD-020およびJ-STD-033は、組立の際や 長期保管中の故障を防止するため、湿気に敏感な半導体製品 製品の品質を保つための保管方法 (MSD)のための最良の実践方法を定義しています。 半導体製品の保管環境は、時間の経過とともに性能を劣化させ J-STD-020 湿度感度レベル(MSL)の分類 る環境要因から保護する必要があります。湿気、温度変動、 汚染物質への曝露は、製品のライフサイクルを脅かす主な要因 J-STD-020は、半導体製品の湿度感度レベル(MSL)を分類する です。これらのリスクを軽減するためには、管理された保管環境、 ための手順を規定しています。MSLの評価は1から6まであり、 パッケージングソリューションの進化、および高度な監視システ 製品がベーキングやその他の予防措置を必要とする前に製品が ムが不可欠です。 許容できる露出レベルを示します。例えば、MSLが3の製品は、 30℃、相対湿度60%の環境に曝露された後、168時間以内に 管理された環境 実装を行う必要があります。この時間を超えると、製品は吸収し た湿気を取り除くためにベーキング処理を受ける必要があります。 湿気は半導体製品、特にプラスチックパッケージに封入された 製品の劣化の主な原因です。高湿度に長時間さらされることで 機器メーカーは、加速劣化試験や、リフロー試験を通じてMSL 湿気が吸収され、はんだリフロー時の剥離、デラミネーション、 評価を決定します。この分類は最終的に、正規販売代理店や 内部亀裂、および損傷につながる可能性があります。これを防ぐ エンドユーザーに、保管や組立中に半導体製品が適切に取り には、JEDEC J-STD-033規格で定められているように、管理 扱われるようにするためのガイダンスを提供します。 された保管環境では、相対湿度を10%未満、温度を5℃から 25℃の範囲内に保つ必要があります。[4] J-STD-033湿度感度半導体製品(MSD) の取り扱い方法と保管に関する規格 高度な梱包仕様 J-STD-033はJ-STD-020を補完し、湿気による損傷を防ぐため 保管中の半導体製品の保護には、梱包仕様が重要です。湿気に の湿度感度半導体製品(MSD)の保管および取り扱い要件を概説 敏感な製品には、乾燥剤と湿度インジケーターカードを備えた しています。この規格は、長期保管のための管理された環境だけ 防湿袋 (MBB)が一般的に使用されます。 防湿袋は、アルミ箔 でなく、梱包にMBB、乾燥剤、湿度インジケーターカードを使用 などの多層素材で作られており、極めて低い水蒸気透過率 することを義務付けています。また、ベークアウト手順を通じて (WVTR) を実現しています。残留水分を吸収する乾燥剤と、 周囲条件にさらされた製品を再調整するためのガイダンスも提供 水分レベルを視覚的に確認できる湿度インジケーターカードを しています。 組み合わせることで、これらの梱包仕様は製品を乾燥、そして 安定した状態に保ちます。 J-STD-033の中心的な側面は、「適切な」、「監視された」、 「維持された」保管方法に重点を置いていることです。これには、 5年以上の長期保管が必要な半導体製品には、空気と湿気を完全 パッケージの完全性の定期的な検査、乾燥剤の定期的な交換、 に排除するために真空密封包装がよく使用されています。 および許容される暴露時間を超えた製品に対する特定のベーク さらに、窒素ガスが充満している環境を利用することで、 アウト・プロトコルの遵守が含まれます。 12
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ロチェスターエレクトロニクスのJEDEC J-STD-033準拠パッケージ 画像出典:ロチェスターエレクトロニクス 認証取得までの流れ レガシー製品に関連する課題に対処するため、認定を受けてい ない代理店やブローカーは、半導体製品の品質と真正性を確認 半導体製品のサプライチェーンにおけるトレーサビリティと するために、はんだ付け性試験、X線検査、電気的パラメータの 品質保証は、製品の真正性、原産地、そして保管条件に関する 確認などの試験プロトコルに頼ることが良くあります。しかし、 検証可能な文書を提供する認証メカニズムに大きく依存 これらの試験は製品の真の履歴や性能を示す信頼できる指標と しています。 は限りません。認定された正規販売代理店には適用されず、 独立系の販売代理店に主に適用されるAS6081は、主に目視 これの一環として、適合証明書は、サプライチェーンにおける 検査や基本的な電気試験を義務付けていますが、完全なトレーサ 透明性と信頼性を維持するためのツールです。認定メーカーや ビリティと信頼性を確保するには不十分です。これらの要件は、 正規販売代理店により発行される適合証明書には、ロット番号、 ブローカーが調達した製品を評価するための試験フレームワーク 製造日、および業界標準への準拠など、半導体製品に関する詳細 を提供するAS6171とは異なりますが、それでも完全に認定を な情報が記載されています。これらの証明書により、エンドユー 受けた製品在庫に設定された基準とは一致していません。 ザーは製品をその製造元までさかのぼって追跡し、適切に調達 ブローカーレベルの試験フレームワークとは異なり、AS6496 は、 され、保管されていることの確認を可能にします。 新品、未使用、そして完全に認定された半導体製品を確保する ためのゴールドスタンダードとなっています。 しかし、古い半導体製品はしばしば従来の慣行により正式な 適合証明書が欠如していることがよくあります。トレーサビリ ロチェスターエレクトロニクスは、AS6496準拠の正規販売 ティの記録がないことで、これらの製品の品質や真正性につい 代理店として、完全な保管管理記録を維持し、製造元に直接 ての不確実性が生じる可能性があるため、長期的な信頼性が求 さかのぼるトレーサビリティを保証することで、ブローカーから められる業界にとっては課題となります。標準化された文書が 調達された製品に関するリスクを排除します。 欠如していることは、製品が準拠した条件下で保管されていたか、 もしくは認定されたチャネルから調達されたかを確認することも 困難になります。 13
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ロチェスターの実践 います。この取り組みにより、供給チェーンにおける偽造半導体 の流入リスクが排除され、顧客は本物で高品質な製品を受け取っ 業界をリードする認定された正規販売代理店として、ロチェスター ているという確信を得ることができます。各取引の詳細な記録を エレクトロニクスは半導体製品の保管、製品保証、そして製品 保持することで、ロチェスターは製造から最終利用までの完全な 履歴において最良の方法を実践しています。 トレーサビリティを実現しています。 例えば、ロチェスターエレクトロニクスはJEDEC J-STD-033 最後に、ロチェスターはAS6496 規格に厳密に準拠することで、 に完全に準拠しており、半導体製品が入手可能な場合は常に、 半導体製品在庫の品質と真正性を確保し、在庫の製品に対する オリジナル半導体メーカーのパッケージ封止で製品を保管して 追加の試験が不要になります。ロチェスターは認定されたオリジ います。例えば、製品が再梱包を必要とする場合、ロチェスター ナル半導体メーカーからのみ製品を移管しているため、顧客は はJ-STD-033のガイドラインに従い、低透過性の防湿バリア すべての製品がオリジナル製品の仕様に準拠しているという信頼 バッグ(MBB)、確認済みの乾燥剤レベル、および湿度インジ を得ることができます。 ケーターカード(HIC)を使用したドライパッキングを行い、 製品を湿気による劣化から保護し、長期保管および展開に対する ロチェスターは、J-STD-002に準拠したはんだ付け性試験、 信頼性の期待に応えています。 X線分析、および電気的性能検証を含む試験サービスを提供して いますが、これらのサービスは在庫の標準的な取り扱いとしてで ロチェスターは、製品在庫内のすべての半導体製品がオリジナル はなく、機器メーカーや顧客のニーズに応じて提供されています。 半導体メーカーまで追跡可能である認定された製品のみ保有して 14
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拡張された デートコードの業界への影響 「2 年間のデートコード」は、半導体製品の供給サイクルやサプ COVID-19からの教訓 ライチェーンの最適化など、半導体業界の財務的および物流的な 考慮事項をさまざまな方法で形作ってきました。ですが特に COVID-19パンデミック中の世界的な半導体不足は、JITモデルの COVID19パンデミック中の混乱により、業界はこのデートコード 脆弱性と厳格なデートコード基準の限界を明らかにしました。 という制限について再考する必要が生じました。 具体的には、パンデミック中の供給網不足への対応の緊急性から、 多くの企業が一時的にデートコード制限を緩和するようになりま 2年間のデートコードという規定は、「ジャストインタイム した。サプライチェーンが前例のない混乱に見舞われたため、 (JIT)」のサプライチェーンモデルの原則と密接に関連しています。 業界は認定された正規販売代理店が保管する古い製品在庫に頼ら JITは、保有製品レベルを最小限に抑え、保管コストを削減し、 ざるを得ませんでした。 そして生産スケジュールをリアルタイムの需要に合わせて調整 することによって効率を優先します。このアプローチは、 この変化は必要に迫られて起こったものですが、製品の在庫管理に 業務の効率化に貢献してきましたが、それと同時に2年以上経過 おいてより柔軟なアプローチの潜在的な利点を実際に示すことに した製品は実行可能性が低いという認識を意図せずに強化して もなりました。従来厳格なデートコード制限を課していた業界は、 しまった面もあります。 古いデートコードの製品でも、適切に保管すれば新しい製品在庫 と同等の信頼性が得られることが判明しました。 2年間のデートコードに基づく財務的倫理は、正規販売代理店が 在庫をどれだけ早く販売し、補充するかを測定する半導体製品の しかし、この調整が一時的なものであることは、デートコードの 供給サイクルに根ざしています。主要な正規販売代理店は通常、 基準について恒久的な再評価が必要であることを示しています。 年間6回から12回の「サイクル」を達成することが多く、これ 体系的な変更がなければ、市場は供給網が安定した後に無駄な は製品在庫が年に6回から12回ほど循環することを意味します。 慣行に戻り、より回復力と効率性に優れたシステムを構築する機会 これらの指標は、急速な技術進歩と短い製品ライフサイクルを を失うリスクがあります。 特徴とする業界では、収益性を維持することと同義になってい ます。この文脈では、古い製品在庫は、技術的な淘汰の可能性 だけでなく、保管条件が適切に管理されていない場合に品質が 拡張されたデートコードの 低下するリスクがあると認識されるため、リスクとして認識さ サポートにおける課題と機会 れています。 半導体業界全体でデートコードの延長を採用することは、課題と 残念ながら、迅速な半導体製品在庫のサイクルを重視することが 機会の両方をもたらしてくれます。長期での保管に対する技術的 サプライチェーン全体に波及効果をもたらしています。契約製 な実現可能性は十分文書化されていますが、根強い慣習を克服し、 造業者(CM)や受託製造メーカー(OEM)は、オリジナル半導体 関係者の調整を行うには、協調的な取り組みが必要になります。 メーカーの慣行に合わせるために同様のデートコード制限を採用 することが多く、これが古い製品の使用を阻む悪循環を作り出し ています。このアプローチは、短期的なリスクを最小限に抑える のに効果的ですが、適切に保管された製品が完全に機能してい るにも関わらず、根拠のないデートコード制限によって廃棄され ることで、非効率や無駄を引き起こす原因となります。 15
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1 設計: プロセス 8 レビュー: 2 管理: KPIと指標 総合品質管理(TQM) 7 改善: JIT: 継続的改善 (Kaizen) 3 プル: 製品とプロセス 在庫管理プロセスと戦略 かんばん 6 構築: スキルと能力 4 確立: オリジナル半導体メーカーとの関係 5 微調整: ジャストインタイムの 製品在庫 製品在庫管理戦略の流れ 画像出典: Oracle Net Suite 課題 3. 規制および契約上の障壁: 一部の業界では、厳しい規制要件により、最新のデートコードが 1. 認識と慣性: つけられた半導体製品の使用が義務付けられています。例えば 品質低下に関する過去の懸念から、多くの業界の関係者は、デー 航空宇宙や防衛市場での契約では、認識されているリスク トコードの延長に対して懐疑的です。適切に保管された半導 を軽減するためデートコードの上限値が指定されていることが 体製品の信頼性を裏付ける実証的証拠があるにも関わらず、 良くあります。これらの要件を最新のトレーサビリティおよび この懐疑論は根強く残っています。この慣性を克服するには、 保管能力と整合させるには、標準や契約の枠組みの更新 認識を変えるための教育と啓発活動が必要です。 が必要です。 2. テスト要件の強化: 従来のデートコード制限を超えた半導体製品は、適切な条件で 保管され、確立された信頼性基準を満たしていれば、追加の試 験は本来必要ありません。しかし、保管条件が不明な場合や、 製品の既存の信頼性データでカバーされている期間を超えてい る場合、予防措置として、はんだ付け性試験や電気パラメータ の確認などの追加評価を実施する場合があります。 16
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機会 1. サプライチェーンのレジリエンスの強化: デートコードに対する柔軟なアプローチは、混乱時の在庫 の可用性が向上し、サプライチェーンのレジリエンスを強化 します。長期保管の専門知識を持つ正規販売代理店は、 品質基準を満たした完全に追跡可能な半導体製品を提供 することで、この移行をサポートするのに適した立場 にあります。 2. 廃棄物とコストの削減: デートコードの使用可能範囲を延長することで、半導体業界 での廃棄物を大幅に削減することができます。恣意的な 制限により廃棄されるはずだった適切に保管された 半導体製品を、サプライチェーンに再統合することで、コスト 削減と持続可能性の向上を実現できます。延長された デートコードを採用することで、毎年数百万ドル相当の 製品在庫を節約できます。 3. トレーサビリティシステムの活用: IoTやRFID技術を含む最新のトレーサビリティシステムは、 延長されたデートコードをサポートするために必要な透明性 を提供します。これらのシステムは、製品をその保管 および取り扱い条件に関する詳細な記録とリンク させることで、検証し、信頼できるようになります。 とはいえ、2年間のデートコードという制限は、歴史的な背景に 基づくものであるものの、現在の半導体製造および保管能力を 反映していません。COVID-19パンデミックの際に示されたように、 適切に保管された半導体製品であれば、拡張されたデートコード を持つ製品でも、ミッションクリティカルな用途の要求を十分に 満たすことが可能です。拡張されたデートコードを受け入 れることで、半導体業界は廃棄物の削減、サプライチェーンの レジリエンス、そしてより持続可能な未来の実現 につなげることができます。 17
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半導体トレーサビリティの未来 グローバル・サプライチェーンがますます複雑化する中、半導体 関するデータへの即時アクセスを提供することができます。 トレーサビリティの役割は進化し続けています。新たな技術、 例えば、RFID対応の保管施設では、温度や湿度などの環境パラ 業界のトレンド、そしてより高いレジリエンスへの要求は、 メータを自動的に管理記録し、長期保管に関するJEDEC JEP160 サプライチェーン全体で半導体製品を追跡し認証する方法が変化 規格への準拠を確認することができます。 しています。 IoT追跡システム 新たな技術 モノのインターネット (IoT)は、ストレージ環境の監視および 次世代のトレーサビリティ技術は、精度、効率、リアルタイムの 管理方法に変革をもたらしつつあります。保管施設や個々の 可視性を向上させ、従来のシステムの限界に対処することを目指 製品パッケージ内に埋め込まれたIoT対応センサは、温度、 しています。最も有望な進歩の中には、3Dバーコード、RFIDタグ、 湿度、気圧などのパラメータに関するデータをリアルタイム およびIoT対応のモニタリングシステムがあります。 で収集することができます。このデータは、集中型プラットフォー ムに送信され、継続的なモニタリングと予測分析に利用できます。 3Dバーコード IoTシステムは、保管状態に関する前例のない可視性を提供し、 QRコードやデータマトリックスコードなどの従来の2Dバー 関係者が製品の信頼性に影響与える前に潜在的な問題を特定し、 コードは、半導体製品のラベリングに広く使用されています。 対処することを可能にします。例えば、IoTセンサが湿度レベルの 効果的ではありますが、データ容量が限られていることが多く、 逸脱を検出した場合、システムは施設管理者に警告を発して是正 厳しい環境条件下では劣化する可能性があり、長期保管や高ストレ 措置を講じさせ、湿度による損傷を防ぐことができます。 ス環境での使用では、その価値が低くなります。3Dバーコードは、 レーザーエッチングやその他の微細加工技術を使用して、製品や 業界の動向 パッケージの表面に直接情報を埋め込むことで、課題に対処 します。 技術的な進歩だけでなく、半導体のトレーサビリティの未来は、 業界の慣行の調整にも左右されます。現在、電子部品産業協会(EC 3Dバーコードの主な利点は、従来の方法よりも大幅に多くの IA)のような組織が主導して標準化の取り組みが行われており、 データを保存ができることです。例えば、半導体パッケージに よりまとまりのある効率的なグローバル・サプライチェーン形成 エッチングされた3Dバーコードには、半導体製品の製造履歴、 を目指しています。 ロット番号、保管条件などの詳細な情報を、摩耗や環境への露出 に耐性のある形式で含めることができます。 一般的に、標準化は、半導体メーカー、販売代理店、エンドユー ザー間のトレーサビリティ慣行の相互運用性と一貫性を確保する RFIDタグ のに役立ちます。ECIA、JEDEC、SAE Internationalなどの組織は、 地域や業界間の不一致をなくし、非効率を減らし、グローバル・ RFID(Radio Frequency Identification)技術は、トレーサビリティ サプライチェーンの信頼を高めることを目的として、製品のラ を強化する強力なツールとして登場しました。視認した上で読取 ベル、トレーサビリティ記録、保管プロトコルに関する統一ガイ スキャンが必要なバーコードとは異なり、RFIDタグは遠隔地から ドラインの確立に取り組んでいます。 一括して読み取ることができるため、在庫管理を合理化し、 人的ミスを減らすことができます。リーダーの電磁場から電力 例えば、ECIAの取り組みは、正規販売代理店に対するトレー を得るパッシブRFIDタグは、低コストで耐久性が高いため、 サビリティ要件を概説するSAE AS6496のような規格の採用 半導体アプリケーションに特に適しています。 促進に重点を置いています。ECIAは、これらの規格を施行する ことにより、偽造半導体の蔓延を減らし、トレーサビリティ記録 RFIDタグを使用すると、サプライチェーンを移動する半導体 が厳格な品質および真正性の基準を満たしていることを確認する 製品をリアルタイムで追跡することも可能にします。先進的な ことを目指しています。 RFIDシステムは、クラウドベースのプラットフォームと統合 することで、関係者に製品の位置、保管条件、保管チェーンに 18
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RFID技術 データはRFIDデータベースに 資産に取り付けられた 送信され、そこで保存 RFIDタグは保存された および評価されます データをアンテナに送信します RFIDリーダーはアンテナに ワイヤレスで接続され、 RFIDタグからデータを受信します アンテナは、RFIDタグから 保存されたデータを受信し、 RFIDリーダーにデータを送信します RFID技術は在庫管理ツールとして広く使用されています 画像出典: Amazon Web Services 業界主導の取り組みに加え、規制の枠組みでもトレーサビリティ ロチェスターエレクトロニクスは、AS6496や業界全体の適合 の重要性がますます強調されるようになっています。航空宇宙、 証明書などの最新規格が確立されるはるか以前から、40年以上 オートモーティブ、医療機器などの分野では、詳細なトレーサビ にわたってオリジナル半導体メーカーより認定された製品の リティ記録を義務付ける厳しいコンプライアンス要件が適用され トレーサビリティを文書化してきました。ロチェスターの広範な ます。例えば、FAAとEASAは、航空機システムに使用される アーカイブシステムにより、すべての製品のトレーサビリティが すべての製品について、その起源、取り扱い、保管条件などを 記録され、すべての製品が認定されたサプライチェーン内にとどま 含む包括的な文書を保持することを航空機システムの製造 るようにします。製品のトレーサビリティを維持するだけでなく、 メーカーに義務付けています。 ロチェスターは製品の知的財産も保存し、オリジナル半導体メー カーの認証を得た製品でライフサイクルの長いアプリケーション 顧客の期待もまた、トレーサビリティの実践の変化を促してい をサポートする能力をさらに高めています。 ます。COVID-19パンデミック中のサプライ チェーンの混乱に よりJITモデルの脆弱性が浮き彫りになったため、機器メーカーは ロチェスターはまた、業界のベストプラクティスを積極的に形成 販売代理店などの供給元に対してより高い可視性とレジリエンス してきました。AS6496規格の開発を担当するSAEチームの中心 を求めています。リアルタイムのデータと予測的洞察を提供できる メンバーとして、ロチェスターは現在の正規流通を管理するトレー トレーサビリティシステムは半導体市場における差別化の要因に サビリティ要件の定義に貢献しました。そのため、ロチェスターの なりつつあります。 トレーサビリティフレームワークは、AS6496準拠のゴールド スタンダードとして認められています。 ロチェスターエレクトロニクスのビジョン ロチェスターはまた、ECIAやJEDECのような組織と協力し、 ロチェスターエレクトロニクスは、最先端の技術と長期的な信頼 レジリエンスと信頼性を促進する方針を策定することで、 性へのコミットメントという優れた組み合わせにより、長年に 業界の標準化活動にも積極的に参加しています。この一環として、 わたり半導体トレーサビリティのリーダーとしての地位を築いて ロチェスターは顧客教育を優先し、延長されたデートコード、 きました。業界が進化し続ける中、ロチェスターのビジョンは、 保管コンプライアンスや偽造防止などのトピックに関するリソース 新たな課題に適応し、卓越性の新たな基準を設定することに重点 やガイダンスを提供しています。顧客に知識を提供することで、 を置いています。 ロチェスターは業界がより持続可能で効率的な業界へと導い ています。 19
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まとめ サプライチェーンがますます複雑化し、業界全体で信頼性への 要求が強まる中、トレーサビリティはレジリエンスの方程式に おいて不可欠な要素となっています。適切な保管、厳格な規格の 遵守、そして新たなテクノロジーは、より高い透明性を引き出し、 半導体製品の長期的な供給が保証され、トレーサビリティの可能性 を再定義しています。しかし、これらのソリューションの有効 性は、品質、コンプライアンス、イノベーションを優先する信頼 できるパートナーとの連携にかかっています。 ロチェスターエレクトロニクスをパートナーとして選ぶというこ とは、オリジナル半導体メーカーに認定された膨大な製品在庫、 豊富な専門知識、将来を見据えたソリューションを利用できる ようになります。ロチェスターと協業することで、顧客はレジリ エンスを構築し、リスクを軽減し、現在と将来の両方において、 最も要求の厳しいアプリケーションをサポートする信頼性の高い 半導体製品の供給を確保することができます。 20