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EtherCATが支える 産業用オープンネットワークの技術

ホワイトペーパー

アペルザ「EtherCATが支える産業用オープンネットワークの技術」特集 より
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 産業用Ethernetとして、「EtherCAT(イーサキャット)」の採用が増えている。高速性、リアルタイム性、高精度時刻同期機能などに優れ、一つのネットワークでモーション、I/O、セーフティまで対応できることも評価されている。使い易さ向上に向けた新技術開発にも意欲的に取り組んでいる。

 アペルザにおいても2017年9月「トヨタが選んだつなげる規格『EtherCAT』特集」として第一弾の特集を組んだ。それから一年、EtherCAT Technology Group 日本オフィス 小幡正規代表に最近の取り組み状況を聞いた。本特集では、アペルザ独占取材コンテンツを公開する他、EtherCAT Technology Group メンバー企業各社の取り扱う様々な製品を紹介する。
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参考:https://www.aperza.com/feature/page/703/

このカタログについて

ドキュメント名 EtherCATが支える 産業用オープンネットワークの技術
ドキュメント種別 ホワイトペーパー
ファイルサイズ 548.5Kb
登録カテゴリ
取り扱い企業 EtherCAT Technology Group日本オフィス (この企業の取り扱いカタログ一覧)

このカタログの内容

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EtherCATが支える 産業用オープンネットワークの技術 産業用Ethernetとして、EtherCATの採用が増えている。高速性、リアルタイム性、高精度時刻同期 機能などに優れ、一つのネットワークでモーション、I/O、セーフティまで対応できることも評価され ている。使い易さ向上に向けた新技術開発にも意欲的に取り組んでいる。EtherCAT Technology Group 日本オフィス 小幡正規代表に最近の取り組み状況を聞いた。 ✕
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EtherCATが支える 産業用オープンネットワークの技術 ジアはいなかった。15年たった現在、ワールドワイ EtherCAT Technology Groupの概要 ドで約5000社超、日本は約600社となっている。分 布は、ヨーロッパが約45%、アメリカが約15%であ EtherCATは、2003年の4月にベッコフオートメー るが、最近はアジアが急速に増え、日・中・韓を中心 ションがハノーバーメッセで公表した技術で、その年 に約40%となっている。アメリカも伸びているが、 の11月のSPS展でEtherCAT Technology Group アジア・ヨーロッパの伸びが著しい。韓国は半導体関 (以下、ETG)が発足した。当時の構成メンバーは 連、日本はFA関連メーカーの多くが何らかの形で 35社で、ドイツ、ヨーロッパ、北米メーカーで、ア EtherCATに関わっており、2017年11月のSCFでも ほとんどの出展メーカーがEtherCAT製品を展示して いたので、お分かりいただけたと思う。 EtherCAT製品が増えている要因 高速であること、リアルタイム性が高いことが大き い。EtherCATは標準のEthernetではあるが、それは 物理層クラスだけで、インフラには標準的なスイッチ ングハブを使わずに、スレーブに入っているスレーブ コントローラのハードウェアチップを使って通信を 行っている。このため、高速性、リアルタイム性が担 保されている。また、ひとつのネットワークで、モー EtherCAT Technology Group(ETG)日本オフィス代表 ション、I/O、センサ/アクチュエータレベルに加え 小幡 正規 氏 セーフティまで網羅しているネットワークはあまりな 1
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い。従来、フィールドバスではそれぞれが分けられて EtherCAT P仕様にするとともに、ケーブルの色を 使われていたことを考えると大きなメリットがあると EtherCAT専用のカラーリングにしている。 思う。一方、マスタの方はすべてソフトで実装できる。 既存コントローラが使えるという点で、他のネット 注目が集まるTSN技術 ワークとは異なる。従来の組み込み系のハードやPC ETGとしての取り組みは ボードで制御していたものを、自分たちのコントロー ラボードの上に直接ソフトウェアスタックを搭載して TSN(Time Sensitive Networking)は、Ethernet EtherCAT通信に対応することで、今までボトルネッ のリアルタイム性を向上させる技術として活用が進ん クになっていた制御デバイスとの通信の高速化、リア でいる。ETGも当初から関心をもって取り組んできて ルタイム制御化に対応できることが、多くの企業で使 おり、技術スペシャリストのカールウェバー氏をワー われるようになった背景にある。 キンググループに送り込んで仕様策定から関与してい る。こうした取り組みをしているのはフィールドバス 2017年に発表し大きな話題を呼んだ 団体としてはあまりないと思う。2017年9月の段階 「EtherCAT P」の現在の状況 でEtherCAT with TSN profileのドラフト版をリリー スしている。 フィールドバスの技術は、リリースされてから普及 TSNは、スイッチングハブを高速化する規格で、時 まで4-5年はかかる。すでにヨーロッパでは採用され 刻同期、通信の信頼性向上、高速化促進、設定・診断 た装置やシステムがあるようだが、日本ではまだ評価 段階で製品が揃うのを待っている。ETGでは、 といった20~30の規格が組み合わったもので、この EtherCAT Pの普及を日本で図るために「EtherCAT うちEtherCATで使うのは高速化の部分がメインで、 Pテストセンター」を横浜に設置する予定で、早けれ EtherCATのマスタと最初のスレーブの間にTSNを入 れ込み、ストリームを提示する。 ば2019年の春頃に開設できるように準備を進めてい る。今までテストセンターはドイツだけだったので、 例えば、これまでだと100Mbpsを4つ増設して4 日本が世界で2番目の設置となる。 つのEtherCATにしていた。TSNスイッチを挿入する EtherCAT Pは物理層の拡張だけであり、従来の ことで、時間分けをして優先順位を決めることができ EtherCATの製品を持っている方は、簡単にEtherCAT る。1つの10Gbpsのポートを複数のEtherCATポー トとして使うことも可能になる。ほかの余っている Pに対応できる。Pは電源供給を意味していて、1本の ポートは、コントローラ間通信や、カメラなどにつな ケーブルでデータと電源を供給できる。特殊なチップ を使っているわけでなくて、標準の4線式Ethernetに ぐことで、混在通信も可能になる。 独立した2系統のオンオフ可能な24V電源を使用でき 一般的な産業ネットワークは、ストア&フォワード るようにする。通信回路に入る前の段階で24Vを分離 という形式で通信が行われている。スイッチングハブ して、回路の後にネットワークに出る直前のところで で読み取ってから次のポートへ送るようになっている。 また24Vを入れてやるといったアナログ的な回路が入 制御ネットワークは1台マスタがあって、その下に数 るだけのため、回路的に比較的簡単に作れる。上位に 十台のスレーブが繋がることから、同時に通信したら 乗せる通信内容は一切変わらない。ケーブルも中味は ネットワークで衝突が起こることになる。しかし、 変わらないが、誤配線を避けるためにコネクタ形状を TSNはカット&スルーといって、ヘッダの情報だけを 2
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見て、すぐに次の行き先にフレーム投 げてくれることからスイッチの遅延が 最少で済み、その分高速化されること になる。また、TSNスイッチが他の ネットワークと競合しないようにしな がら、EtherCAT最優先で通信すること もできるようになる。 TSNスイッチの供給に向けて 2018年4月のハノーバーメッセで TSN ス イ ッ チ 開 発 ベ ン ダ ー 4 社 (hilscher、HIRSCHNANN、MOXA、 XILINX)が発表されており、EK1000 は2018年冬に発売開始予定となっている。他のネッ るところであるが、早ければ2019年春頃には発表で トワークではこうした新しい技術を取り入れるとバー きるかもしれない。 ジョンが変わることが多いが、EtherCATは常にオプ ションの拡張で対応できており、2003年の開発当初 今後のイベント計画 の製品が互換性問題を起こすことなく今も使い続けら れている。互換性を保つように注意深く、機能拡張を してきた結果であると思う。 定期的に各種セミナーの開催や、展示会を通して EtherCATの普及に取り組んでいる。ETGメンバー限 定のイベントも充実させている。開発サポートセミ 新たな技術的取り組み ナーでは、仕様書の理解、技術サポート、相互接続性 のフォローなどが受けられる。11月の技術アップ デートイベントでは、日本のメンバーにEtherCATの 現在、技術委員会で共通診断インターフェース規格 最新情報を届ける。そこでも共通診断インターフェー のドラフトをつくっている。装置で障害があった場合、 スはひとつのトピックになってくるだろう。 従来であれば装置メーカーの担当者が専用ツールをマ スタにつないで診断するが、装置メーカーを呼ばずと 一般向けのセミナーとしては「EtherCAT採用セミ も、ユーザー側の保全担当者が障害を特定できる規格 ナー」を実施しているが非常に好評。次回は11月9日 である。Windowsなどのソフトに対応したマスタへ に東京で開催する。また、12月12~14日には東京 繋げば、障害特定が可能になるもので、各マスタにそ ビッグサイトで開催の「SEMICON Japan 2018」 れを実装してもらえれば、より使いやすいネットワー にも出展する。 クになっていく。インターナショナルのドラフト版仕 様書が2018年9月に発表され、現在意見を求めてい 取材協力 ▶ EtherCAT Technology Group 取材・文 ▶株式会社アペルザ オートメーション新聞 藤井 裕雄 3