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【導入事例】日立建機株式会社様

事例紹介

工作機械への導入で待機電力の可視化を実現し           省エネとエネルギー生産向上への取り組み

このカタログについて

ドキュメント名 【導入事例】日立建機株式会社様
ドキュメント種別 事例紹介
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取り扱い企業 SKソリューション株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

このカタログの内容

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IoT お客様の声 vol.2 写真左より、日立建機株式会社 生産・調達本部 生産技術センタ インフラ施設課 課長 兼 環境推進室員 水町 勇一郎氏、同センタ 同課 生産イノベーション推進係 技師 庄子政裕氏 工作機械に     を導入して、 待機電力の可視化を実現し、 省エネとエネルギー生産性向上に取り組みました 日立建機株式会社 日立建機株式会社(以下、日立建機)では、AirGRIDを導入して、 待機電力の可視化にともなうエネルギー生産性向上に 取り組んでいます。 I N D E X 1. グローバルに事業を展開する建設機械の 5. 導入・運用負荷が少なく、短期間に導入できるAirGRIDを採用   リーディングカンパニー「日立建機」 6. 無線通信環境の事前調査を実施 2. 工作機械の待機電力を可視化するためAirGRIDを導入 7. 生産性向上や海外工場への展開も視野に、新たなソリューションにも期待 3. 省エネとエネルギー生産性向上への取り組み 4. グループで取り組む電力削減プロジェクトの一環としてPLCの導入も検討
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1 グローバルに事業を展開する建設機械の 2 工作機械の待機電力を可視化するためリーディングカンパニー「日立建機」       を導入 日立建機についてご紹介ください。      の利用状況について教えてください。 日立建機は、世界3大建設機械メーカーの1社として、世界 工作機械に搭載されているパトライト社の信号灯に をリードする先端技術の開発により、世の中のニーズを実 AirGRIDを取り付け、各工作機械の稼働情報を収集してい 現するとともに、パイオニアとして常に挑戦を続けていま ます。対象となる工作機械は、土浦工場、霞ヶ浦工場、常陸 す。日本や欧米などの先進国はもちろん、東南アジアや 那珂工場、常陸那珂臨港およびグループ会社の工場、龍ケ BRICsなどの新興国においても、製造事業および販売・サー 崎工場(いずれも茨城県)の5工場で稼働している合計760 ビス事業を積極的に展開しており、現在、海外における売上 台となります(760台は初期導入時)。 高比率は約7割におよびます。 日立建機の製品は、従来の油圧技術をさらに発展させると 収集した情報はどのように活用しているのですか。 ともに、信頼性が向上している電子制御技術の適用を広げ、 総合エネルギーマネジメントサービス「EMilia(エミリア)」 建設機械の高性能・高機能化に取り組んでおり、また、環境・ にデータを取り込み、待機電力を可視化しています。すなわ リサイクル製品やハイブリッド製品など環境に調和したもの ち、各工作機械の稼働状況と消費電力を時系列で見ること づくりにも積極的に取り組んでいます。 で、加工作業をしていないとき(表示灯の緑ランプが消灯) の電力使用状況を可視化し、工作機械ごとの省エネルギー 化と生産性向上を図るための資料として活用しています。 もちろん工作機械によっては、加工作業をしていなくても段 取り作業で電力が必要な場合もありますし、全体の作業工 程や生産計画などの影響で待機時間が発生することもある ので、一概に待機電力のすべてが削減対象になるわけでは ありません。 通常、可視化したデータは日次、週次、月次のレポートを関 係者に配付していますが、新しい工作機械などを導入したと きには要請に従って、関連するデータを抽出して提供するこ 大型ダンプトラックEH5000AC-3(左)、超大型油圧ショベルEX8000-6(右) ともあります。 (写真提供:日立建機) 具体的には、EMilia(エミリア)で工作機械ごとの消費電力 に展開し、設備稼働状態(表示灯の緑ランプの点灯状態)を 時系列に重ね合わせることによって、次のような項目の判定 をしています。 ●工作機械の加工状態 ●何も付加価値を生まない待機状態 ●設備操作をともなう加工の前後作業の状態 また、その判定をするために工作機械ごとに消費電力の閾 ICT油圧ショベルZX200X-5B(写真提供:日立建機) 値を設定しています。
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善策の実施⇒結果確認⇒さらなる課題の抽出」というよう にエネルギー生産性を可視化し自律的に改善のサイクル をまわすことがシステム導入のねらいであり、待機電力の 表化はその第一ステップです。これから、さらにどのように 応用していくのかが重要だと考えています。 待機電力自動検出の考え方 電力 (kW) 稼動状態  効 果 4  意識改革とコミュニケーション活性化 閾値 定期的に情報が届き、課題の抽出や改善結果の検証も客観 ON 的なデータで見えるようになったことで、省エネと生産性向 OFF パトライト情報 上に対する現場の意識がレベルアップしています。 また、現場内はもちろん、経営者層を含めた利害関係者間 においても自然と関心度が高まり、改善策を議論したり、報 3 省エネとエネルギー生産性向上への取り組み 告したりする際のコミュニケーション活性化や共通理解の 深まるといった効果も見られます。      の導入効果について教えてください。 今まで見えなかった待機電力が可 4 グループで取り組む電力削減プロジェクトの 視化されたことにより、これまでは 一環としてPLCの導入も検討 対応が難しかった工作機械の省エ      を導入した経緯を教えてください。 ネとエネルギー生産性向上の取り 日立建機グループは、地球温暖化 組みを進められたこと。さらには、 の防止に貢献するため、事業活動 現場の意識改革やコミュニケーショ 「可視化は最初の一歩。 どのように活用していくか にともなうエネルギー由来のCO₂ンの活性化がなされたされたこと が重要です」(水町氏) 排出量の削減を推進しています。 なども効果とだと捉えています。詳 生産の現場に関しても、ピーク電力 細は、次の通りです。 の削減と使用量の削減を目的にし 「日立建機グループ全体  効 果 1  システムの導入コストと期間を削減 た省エネプロジェクトをつくり活動 で、省エネに取り組んでいます」(庄司氏) 従来検討していたPLCと比べて、マクロ的な待機電力を捉え を推進する中で、工作機械やモー ることが優先と考えた当社にとって簡易的に導入できました。 タなどのインバータ化や最適稼働などについて継続的な改 善実施を行ってきました。  効 果 2  設備待機状態の可視化 待機電力の可視化も、そのような活動の一環という側面 消費電力と工作機械の稼働状況を時系列で把握できるよう もあります。一方、待機電力をより緻密に把握すること になり、これまで見えなかった待機状態の可視化が実現で で、これまで対応が難しかった生産性のさらなる向上を実 きたことで、新たな視点で省エネ対策と生産性向上の取り 現していきたいという考えが根本にあったことも間違い 組みが活性化しています。 ありません。 そのような状況下、当初はPLCを使ったシステムを導入する  効 果 3  自律的 PDCAサイクルを目指す ことで待機電力の可視化を実現しようと考えていました。仮 日次、週次、月次と定期的に情報を発信・共有することで、 定の話ではありますが、AirGRIDのことを知らなければ、そ 改善の成果や結果も把握しやすくなり「、課題の把握⇒改 のままPLCを導入していたと思います。
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導入・運用負荷が少なく、 ステム部門から不安の声も上がっていたのですが、精度の5 短期間に導入できる      を採用 高い事前調査(サーベイ)と、分かりやすいレポートを提供し てもらえたので、既存の環境に影響することがなく、安定し      の導入を決めた理由を教えてください。 た通信環境を実現することができました。現在まで、通信が AirGRIDは稼働情報をリアルタイムで収集でき、パトライト 途切れてデータを収集ができなかったことはありません。 社の表示灯に通信用の無線機を設置すれば済むので、工作 機械への影響やメーカーの違いなども意識する必要がな く、導入の負荷とコストを抑え、PLCを使ったシステムと比較 7 生産性向上や海外工場への展開も視野に、新たなソリューションにも期待 して短期間かつ手間やコストをかけずに導入できる点が導 入のポイントとなりました。 今後の拡張予定などがあれば教えてください。 PLCを使ったシステムの場合、各工作機器に接続し、その 待機電力の可視化と、そのデータを基にした省エネの継続 PLCのソフトも工作機械やメーカー、機種ごとに個別の対応 的な改善という、AirGRIDを導入して当初のねらいは、一定 が必要になります。一部の古い工作機械では対応が難しい レベルの成果を上げつつあります。その上で、今後は生産ス ものもあります。また、台数も多く、通信用のケーブルを敷 ケジューラとの連携などにもAirGRIDから得られる情報を 設しなければならないこともあり、導入にかかる負荷やコス 活用していきたいと考えています。 トが膨れ上がる可能性がありました。 また、このような取り組みは単なる電力使用量の削減にとど また、AirGRIDは無線通信で運用できるので、工作機械の更 まらず、社会貢献という点に関しても大きな意義があると思 改やレイアウト変更などにも柔軟に対応でき、通信規格 いますので、海外工場やサプライヤーなどにも横展開して (IEEE802.15.4 ZigBee準拠)の無線でデータの暗号化な いければとも考えています。 どセキュリティに関しても情報システム部門の確認が取れた こと。さらに当社の場合は、パトライト社の表示灯が工作機      およびパトライト社への 器の標準仕様となっており、既存の設備を有効活用できると 要望や期待があればお聞かせください。 いう点も導入の後押しとなりました。 AirGRIDを通じて収集できる情報はシンプルな点がメリット だと思います。今後、設備状態の詳細情報取得も行えるよう になり、様々なデータを連携すれば、より幅広い対応や取り 6 無線通信環境の事前調査を実施 組みができると考えており、パトライトのソリューションに期 待するところは少なくありません。今後も、これまでと変わ 導入にあたって苦労したことなどはありましたか。 らないサポートと新たな提案に期待しています。 AirGRIDの設置は、シンプルで自社で作業をしたのですが、 お忙しい中、貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました。 台数が多いのでパトライト社に電波環境調査や機器の初期 日立建機株式会社 設定、システム稼働確認などを支援してもらいとても助かり ■ 本 社 所 在 地:東京都台東区東上野二丁目16番1号■ 代 表 者:代表執行役 執行役社長 平野 耕太郎 ました。導入期間の短縮にもつながりました。 ■ 資 本 金:815億7,659万円■ 従 業 員 数:連結:21,193名 単独:4,315名 また、無線通信環境に関して、すでに無線LANを導入済み ■ 事 業 内 容:建設機械・運搬機械及び環境関連製品等の製造・販売・レンタル・アフターサービス で、一部、高周波を発生する工作機械もあることから情報シ * 取材日時 2017年1月 * 記載の担当部署は、取材時の組織名です。 東 京 TEL.03(6865)1711  仙 台 TEL.022(256)5656  関 東 TEL.048(640)2020 横 浜 TEL.045(473)1118  名古屋 TEL.052(856)0001  大 阪 TEL.06(7711)8980 www.patlite.co.jp 広 島 TEL.082(535)5656  福 岡 TEL.092(686)7333  北海道サテライト ●上記に記載された会社名・商品名は一般的に各社の登録商標です。  Copyright ©2017 PATLITE Corporation. All Rights Reserved. 1704