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【導入事例】島津プレシジョンテクノロジー株式会社様

事例紹介

自動運転の加工設備ラインへの導入。生産能力向上や変化点管理なども効果が出たため、組立・性能試験ラインへの導入も検討!!

このカタログについて

ドキュメント名 【導入事例】島津プレシジョンテクノロジー株式会社様
ドキュメント種別 事例紹介
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取り扱い企業 SKソリューション株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

このカタログの内容

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IoT お客様の声 写真左より、島津プレシジョンテクノロジー株式会社 生産技術部 設備保全グループ 主査 相根 直樹氏、同部 副部長 石原 巧氏、 同部 加工プロセスグループ 主査 國居 保春氏、同部 組立プロセス瀬田グループ 主査 小塩 昭彦氏 自動運転の加工設備・ラインに     を導入しました。 生産能力向上や変化点管理など成果が出ているので、 組立・性能試験ラインへの導入も検討しています。 島津プレシジョンテクノロジー株式会社 島津プレシジョンテクノロジー株式会社(以下、島津プレシジョンテクノロジー)ではAirGRIDを導入して、加工設 備・ラインの生産能力向上をはじめ、変化点管理や設備の信頼性評価などに取り組んでいます。AirGRID導入の経 緯と効果について伺いました。 I N D E X 1. 島津グループの製造子会社「島津プレシジョンテクノロジー」 5. 加工設備のメーカーに制約がなく、導入コストと手間を抑えられる点を評価 2. 加工設備・ラインの稼働状況を可視化するためAirGRIDを導入 6. カイゼンやムダ取りの取り組みを継続できる仕組みを実現 3. AirGRIDで収集したデータを活用して生産能力の向上を実現 7. さまざまな業種や製造現場におけるAirGRIDの普及に期待 4. チョコ停や故障によるムダ取りを進めるため、  稼働データ収集ツールの導入を検討
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1 島津グループの製造子会社 加工設備・ラインの稼働状況を可視化するため「島津プレシジョンテクノロジー」 2       を導入 島津プレシジョンテクノロジーについてご紹介ください。      の導入状況について教えてください。 当社は島津グループの一員として、株式会社島津製作所 フルイディク 油圧機器を製造する機械加工職場において、加工設備の稼働データ ス事業部で取り扱っている、油圧ポンプ・油圧モータ・油圧バルブなど を取得するために利用しています。82台の加工設備に搭載しているパ の油圧機器と、同社 産業機械事業部が取り扱っているターボ分子ポ トライト表示灯すべてにAirGRIDを設置して、無線(IEEE802.15.4 ンプの製造を担っています。一部の設計から製造・検査まで独自のラ ZigBee準拠)で設備稼働情報を取得しています。工場全体を無線受 インを構築・運用しており、妥協を許さない技術の追求と一貫した品質 信機6台でカバーできています。パトライト表示灯およびAirGRIDを設 保証への取り組みにより、さまざまな機器のコンパクト化、軽量化、高 置している、加工設備の種類の内訳は次の通りです。NC工作機械:  圧化など多彩なニーズに応えています。 82台(内訳:マシニングセンター、旋盤、歯切盤、研削盤など) なお、AirGRIDから取得した各信号灯の設備稼働情報は、パトチャート (GLOVIA smart MESPATCHART、現在「FUJITSU Enterprise Application GLOVIA smart MES」に統合)で見える化しています。 油圧ギヤポンプ(単体ポンプ) 加工設備に設置されているパトライト表示灯とAirGRIDの設備 油圧ギヤポンプ(二連ポンプ) 3       で収集したデータを活用して生産能力の向上を実現      で収集した加工設備の稼働データは、どのように 利用しているのでしょうか。 「稼働率や可動率(べきどうりつ)を集計」する ことで、「設備の信頼性評価」、「生産能力向上 コントロールバルブ のための分析」、「変化点管理」などの用途に 利用しています。  利 用 例 1 稼働率と可動率の共有(月次) 「加工ラインのムダ取り 設備グループごとに総稼働時間を集計し、日 に、AirGRIDで収集したデータを活用しています」 次、月次で稼働率と可動率を集計しています。 (石原氏) 集計された情報は、生産会議や職班長会議などにおいて報告・共有し ています。なお、可動率は90%以上を維持することを目標としてほぼ パワーパッケージ 実現できています。 (写真提供:島津プレシジョンテクノロジー)
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 利 用 例2  設備の信頼性評価(年次)  利 用 例4  変化点管理 設備稼働時間と故障回数などの傾向分析から、信頼性の尺度となる固 稼働状況を可視化したデータは、工場内の不具合調査にも活用してい 有アベイラビリティと稼働時間を算出して、設備更新計画の指標とし ます。たとえば、日報などで工場内不具合の発生情報から、パトライト て活用しています。 表示灯の点灯状態を確認・分析することで、不具合の発生時間を特定 し、以降の加工品を不具合対象品とするといった対応を取っています。  利 用 例3  生産能力向上のための分析 ①日報等に工程内不具合の 設備稼働状況を可視化(ガントチャートなど)して改善点を抽出し、加 発生日を特定 工設備・ラインのムダ取りに取り組んでいます。各工程における加工 ②パトライトの点灯状態を 条件やロボットでのマテハン動作などを見直し、加工時間や平均動作 確認し時間帯を特定 時間の削減を実現しています。具体的な例は次の通りです。 この時間帯に座標調整 した可能性が高い ■生産能力向上の実績例 以後の加工品を 不具合対象品とする ●ギヤ加工におけるホブ加工条件を見直し、加工時間を約20%削減 ●ギヤ加工におけるシェービング加工条件を見直し、  加工時間を約16%削減 ●ギヤ加工スルーラインの平均サイクルタイムを約30%改善 ●加工設備の非稼働時間を可視化し、  時差勤務対応などの検討により生産能力を向上 変更点管理に用いるガントチャート例 4 チョコ停や故障によるムダ取りを進めるため、稼働データ収集ツールの導入を検討      を導入した経緯を教えてください。 日々、生産能力や設備稼働率の向上に取り組 む中、2011年頃から設備のチョコ停や故障に よる停止時間といったムダを排除するための 議論が交わされる機会が増えていきました。 しかし、当時は停止時間はもとより、正確かつ リアルタイムに稼働時間や稼働率を把握する 「正確かつリアルタイムに ための環境が整っておらず、当たり前の話で 稼働データを取得できるツールを探していました」 すが、正確な稼働状況を把握していないまま (國居氏) ガントチャートによる可視化例(サイクルタイムを可視化) 改善策を実施しても、大きな成果を上げることはできませんでした。そ 残業+早出対応 のため、加工設備ごとの正確な稼働時間および停止時間を収集して、 夜 勤 日 勤 夜勤 可視化・分析するためのツールの導入を検討することにしました。      以外にも、導入を検討したツールなどはありましたか。 非稼働時間の共有化 私たちが検討を開始した時は、AirGRIDのことを知りませんでした。そ 時差勤務等を検討 のため、PLC(Programmable Logic Controller)を用いたシステム など、他のツールや手法の導入を検討しました。また、具体的な検討に はいたりませんでしたが、パトライト表示灯の表示を光センサーで感 知してデータを取得するといったアイデアも出ており、 そのような時 に、ちょうどAirGRIDの案内がパトライト社から来たので、すぐに導入 ガントチャートによる可視化例(非稼働時間を可視化) の検討を開始しました。
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加工設備のメーカーに制約がなく、 間を削減させるため、すぐにアクションを起こせる環境作りにも取り組5 導入コストと手間を抑えられる点を評価 みたいと考えています。導入効果という点に関してさらに重要なポイ ントは、このようなカイゼンや生産能力向上への取り組みを継続的に      を採用した理由を教えてください。 取り組める環境を実現できたことです。これは加工ラインに限ったこと 加工設備は製造年代の異なる複数メーカーの ではなく、組立ラインや性能試験ラインでの応用も可能だと考えてお 加工機械で構成されています。そのような環 り、AirGRIDの導入効果はさらに広げられると期待しています。 境でPLCを導入しようとすれば、コストも、手 間も、時間もかかります。検討段階では、どの くらいの成果を上げられるか未知数な部分も 7 さまざまな業種や製造現場における      の ありましたので、稼働時間を把握するためだ 普及に期待「導入・運用コストを抑え、 けに導入を進めることは難しい状況でした。ま 簡単に導入できるツールを探していました」      の導入を検討している企業にアドバイスをお願いします。 た、新たなツールや仕組みを導入するに当た (相根氏) AirGRIDの設置作業はシンプルなのですが、当社の場合は設置する台 り、加工設備や機械への影響はできるだけ抑えたいという意向もあり 数が多く、表示灯が高所に設置されている場合もあり、作業に手間取 ました。そのため、次のポイントからAirGRIDの採用を決めました。 ることもありました。また、設置作業時には加工ラインや加工機械の一 ●PLCを使ったシステムなどと比較して、 部を停止しなければならず、作業スケジュールの調整や無線環境の調  導入・運用コストを大きく抑えることができる。 整などにも手間取り、当初予想していたよりも準備期間がかかってし ●既存のパトライト表示灯にAirGRIDの無線機器を接続するだけなので、  大がかりな工事などが不要。設備への影響やリスクがほとんどない。 まいました。短期間で導入するには、当社が導入した当時は整備され ●設備のメーカーや製造年代を問わず導入可能 ていませんでしたが(笑)、パトライト社の導入支援サービスを積極的  (AirGRIDに対応していない既設のパトライト表示灯は交換が必要になります)。 に活用した方が良いかもしれません。 ●設備の移設などレイアウト変更時の作業負担も少ない。 ●リアルタイムで稼働データを取得できる。       およびパトライト社への要望や期待があればお聞かせください。 ●表示灯において実績が豊富なパトライト社の製品なので、  安心して導入できる。 使い込んでいくと大量のデータを処理する機会も増えてきます。より速 く、簡単に、データの処理ができるようになれば、さらに適用できる範囲 も広がり、導入の価値も高められると思いますので、ハードウェアとソフ トウェアでのさらなる進化にも期待しています。AirGRIDはコストパ 6 カイゼンやムダ取りの取り組みを継続できる フォーマンスが高く、適応範囲も広いのですが、データは集めるだけで仕組みを実現 は意味がないので、さまざまな場面での活用提案や導入事例に関する      の導入効果について教えてください。 より積極的な情報提供をお願いします。AirGRIDのさらなる普及にも取 り組んでもらい、さまざまな業種や製造工程での利用が進むことにも期 利用例でも話をしましたように、すでにさまざ 待し、他社のAirGRIDの活用方法について情報交換をしたいと考えて まな成果が上がっていますが、まだ稼働デー います。当社での工場見学も可能ですので、パトライト社からの依頼が タを可視化・分析してできるカイゼンをやり尽 あれば情報交換の実現のためできるだけ協力したいと思っています。 くしたとは考えていません。たとえば、単なる 稼働や停止だけでなく、正味切削時間なのか、 お忙しい中、貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました。 非切削時間なのか。さらには、段取時、素材待 「稼働データを駆使したカ 島津プレシジョンテクノロジー株式会社 ち、生産指示待ちなどの設備、停止の原因な イゼンをやり尽くしたとは考えていません」 ■ 本 社 所 在 地:滋賀県大津市月輪1丁目8番1号 ども把握・分析できるようになれば、さらなる (小塩氏) ■ 設 立:1973年7月 ■ 代 表 者:代表取締役  岩崎 正弘 ムダ取りや生産能力向上が可能だと考えています。また、過去の結果 ■ 資 本 金:30百万円 を分析して対策を練るだけでなく、リアルタイムの稼働状況を大型モ ■ 従 業 員 数:365名 ■ 事 業 内 容:島津製作所の油圧機器およびターボ分子ポンプの製造 ニタのアンドンで現場で見える化することで、トラブル発生時の待機時 * 取材日時 2017年2月 * 記載の担当部署は、取材時の組織名です。 東 京 TEL.03(6865)1711  仙 台 TEL.022(256)5656  関 東 TEL.048(640)2020 横 浜 TEL.045(473)1118  名古屋 TEL.052(856)0001  大 阪 TEL.06(7711)8980 www.patlite.co.jp 広 島 TEL.082(535)5656  福 岡 TEL.092(686)7333  北海道サテライト ●上記に記載された会社名・商品名は一般的に各社の登録商標です。  Copyright ©2017 PATLITE Corporation. All Rights Reserved. 1704