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最新の産業用ロボット技術に対応する新しい「ISO 10218」とその影響

ホワイトペーパー

産業用ロボットに関するISO 10218シリーズは、前回改定から10年以上が経過し、昨今の技術進歩を規格に反映させるために改定されました。
本規格はロボットメーカー、システムインテグレーターやユーザーなど産業用ロボットに関わるすべての人にとって、安全確保のための重要な役割を果たしています。
本書では、規格改定の概要と主要な変更点を解説し、IDECソリューションがどのように規格準拠をサポートするかを詳しく紹介します。

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ドキュメント名 最新の産業用ロボット技術に対応する新しい「ISO 10218」とその影響
ドキュメント種別 ホワイトペーパー
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取り扱い企業 IDEC株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

このカタログの内容

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最新の産業用ロボット 技術に対応する 新しい「ISO 10218」と その影響
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最新の産業用ロボット技術に対応する新しい「ISO 10218」とその影響 ISO 10218シリーズの改訂 産業用ロボットに関する ISO 10218シリーズは、前回の改訂 から10年以上が経過し、昨今の技術進歩を規格に反映させる ために改訂されました。本規格は、ロボットメーカー、システ ムインテグレーターやユーザーなど産業用ロボットに関わるす べての人にとって、安全確保のための重要な役割を果たして います。 2
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最新の産業用ロボット技術に対応する新しい「ISO 10218」とその影響 主な変更点 今回の改訂において、重要な変更点の 1つに、ISO/TS 15066の ISO 10218シリーズへの統合が挙げられます。 これにより、以前は ISO/TS 15066に記載されていた協働 ロボットへの要求事項が ISO 10218シリーズに組み込まれ ました。また、新たなロボットクラスの定義が導入され、 それぞれのロボットクラスに対する要求事項が規定されてい ます。さらに、協働アプリケーションにおける要求事項も定 義されています。加えて、これら要求事項の妥当性確認に 必要なリスクアセスメントのための、危害のひどさや発生確 率などの考え方や要素が、新たに追加されています。 これらの変更点を含む改訂内容を理解し、新しい ISO 10218 シリーズへ準拠することは、すべての関係者にとって非常に 重要です。 3
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最新の産業用ロボット技術に対応する新しい「ISO 10218」とその影響 規格改訂への対応 IDECは、最新の ISO 10218シリーズに準拠した安全ソリューショ ンを提供し、スムーズな移行を支援します。イネーブルスイッチ、 非常停止用押ボタンスイッチ、セーフティレーザスキャナ、 HT4P形セーフティコマンダ™は、移行を進めるための有効な ソリューションです。 本書では、規格改訂の概要と主要な変更点を解説し、IDECの ソリューションがどのように規格準拠をサポートするかを詳しく 紹介します。 4
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最新の産業用ロボット技術に対応する新しい「ISO 10218」とその影響 目次 1 はじめに 1.1 ISO 10218シリーズの改訂 ............................... 6 1.2 ISO 10218シリーズ概要 .................................. 6 2 ISO/TS 15066の ISO 10218シリーズへの統合 ........ 6 2.1 統合の主なメリット ............................................ 7 3 ロボットクラス ........................................................ 7 4 協働アプリケーション ............................................... 8 5 安全性と生産性向上に有効なリスクアセスメント ........... 8 6 新しい ISO 10218シリーズに準拠した安全方策の例 6.1 イネーブルスイッチ ........................................... 9 6.2 非常停止用押ボタンスイッチ ............................. 10 6.3 HT4P形セーフティコマンダ™ ........................... 10 6.4 セーフティレーザスキャナ ................................. 11 7 おわりに ............................................................... 11 5
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最新の産業用ロボット技術に対応する新しい「ISO 10218」とその影響 1 はじめに 1.1 ISO 10218シリーズの改訂 1.2 ISO 10218 シリーズの役割 ISO 10218シリーズは、産業用ロボットの安全性に関する重要な国際 最新の ISO 10218シリーズは、ISO 10218-1ならびにISO 10218-2 規格であり、安全な運用を実現するための包括的な要求事項とガイド によって構成されています。いずれも産業用ロボットとその運用に関す ラインを定めています。 る安全性確立のための規格です。 以前の ISO 10218:2011シリーズは発行から10年以上が経過してお • ISO 10218-1:2025は、ロボット本体の要求事項を規定しており、 り、近年急速に進歩するロボット技術に対応するために、今回の改訂 マニピュレータ、コントローラ、ティーチングペンダントを対象として が実施されました。本書で紹介する最新の ISO 10218:2025シリー います。本規格は特にロボットメーカー向けに設計されており、設計・ ズは、協働アプリケーションをはじめとする技術進歩を反映し、最新の 製造段階で適用すべき安全方策を定め、ロボット本体が厳格な安全 産業用ロボット技術に適応する内容へと更新されています。 方策を満たすことを求めています。 • ISO 10218-2:2025は、産業用ロボットアプリケーションおよび セルの安全性を対象としています。本規格は主にシステムインテ グレーターやユーザー向けに策定されており、設計、インテグレー ション、試運転、テスト、プログラミング、運用、保守に関する 要求事項や、リスクアセスメントのガイドラインを提供します。 これらの規格は、産業用ロボット運用に伴うリスクを最小限に抑え、 作業者とロボットアプリケーションおよびセルの安全を確保することを 目的としています。 2 ISO/TS 15066のISO 10218シリーズへの統合 今回の規格改訂の大きな変更点の1つとして、ISO/TS 15066の しかし、ISO/TS 15066は技術仕様(Technical Specication)として ISO 10218シリーズへの統合です。この変更は、協働アプリケーショ の扱いであり、規格としての取扱いではありませんでした。 ンの運用に関する要求事項に大きな影響を与えます。 今回の改訂により、ISO/TS 15066で規定されていた要求事項 以前の ISO 10218シリーズは産業用ロボットの要求事項を定めており、 が、新しい ISO 10218シリーズに統合され、より包括的で一貫 協働ロボットについての言及は一部にとどまっていました。そのため、 性のある安全基準が確立されました。特に、新しい ISO 10218 協働ロボットに関する具体的な要求事項は、ISO/TS 15066で詳しく記 シリーズでは、「協働ロボット」という用語が廃止され、規格上、 述されていました。 産業用ロボットと協働ロボットの区別がなくなりました。 Type A Type A Standard ISO 12100 Standard ISO 12100 Basic safety Basic safety standards standards - Type B Standard Type B Standard ISO 13849 1 Generic safety standards ISO 13850 ISO 13849-1 ISO 13851 IEC 62061 Generic safety standards ISO 13850 IEC 62061 ISO 13851 B1 B2 B1 B2 For specic For safeguard For specic For safeguard safety aspects safety aspects ANSI/RIA R15.06 ISO 10218-1 Type C Standard ANSI/RIA R15.06 ISO 10218-2 Type C Standard Machine safety standards Machine safety standards ISO 10218-1 CAN/CSA-Z434 (product standard) ISO TS 15066 CAN/CSA-Z434 (product standard) ISO 10218-2 ISO 10218:2011シリーズ ISO/TS 15066 ISO 10218:2025シリーズ 図1 ISO 10218シリーズ比較 6
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最新の産業用ロボット技術に対応する新しい「ISO 10218」とその影響 2.1 統合の主なメリット 統合の主なメリットは、安全規格への準拠プロセスの効率化です。 ISO 10218シリーズの枠組みに ISO/TS 15066の詳細な技術的要件 産業用ロボットの要求事項と協働アプリケーションに特化した要求事項 を統合することで、新しい ISO 10218シリーズは、協働アプリケーショ を統合することで、プロセスの効率化が図られ、より明確な基準に基 ンの安全確保に向けた強固で包括的なアプローチを提供します。これ づく対応が可能になります。 により、安全性と効率性を両立した協働アプリケーションの実現が促進 されると考えられています。 3 ロボットクラス 新しい ISO 10218シリーズでは、ロボットクラスの概念が追加され、 ただし、この分類はロボットの潜在的なリスクに基づくものであり、 それぞれのロボットに要求される安全方策が明確化されました。下記 実際の運用方法を直接反映しているものではありません。クラス I のロボットクラスは、ロボットが作業者に与える潜在的なリスクに基づ のロボットであっても、危険性の高い環境で使用されたり、適切な いて決定されます。 安全方策が講じられなかったりすると、大きなリスクを伴う可能性 があります。したがって、具体的なロボットアプリケーションおよび クラス Iのロボットは比較的リスクが低く、クラス IIのロボットは比較的 セルを考慮し、適切な安全方策を講じることが重要です。 リスクが高いと定義されています。使用環境によっては、クラス Iの ロボットにはクラス IIほど厳格な安全方策が求められない場合があり ます。 ロボットクラス マニピュレータ当たりの マニピュレータ当たりの 有効質量( kg) 最大力 FMPM(N) 最大速度(mm/s) クラスⅠ 10以下 50 最大250 クラスⅡ 10超過 50超過 250超過 表1 新しいISO 10218シリーズにおけるロボットクラス “ 新しいISO 10218では、ロボットクラスの概念が追加され、 クラスIとクラスIIのロボットに要求される安全方策が明確化。” 7
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最新の産業用ロボット技術に対応する新しい「ISO 10218」とその影響 4 協働アプリケーション 近年、人とロボットが共存する協働アプリケーションの需要が高まる中、 新しい ISO 10218シリーズでは、特に協働アプリケーションの要求事項 が注目されています。 作業者とロボットが、同じ空間で共存または協働する場合、そのシステ ムは「協働アプリケーション」として扱われます。「協働アプリケーション」 を実装するためには、ロボットは定められた以下の3つの要求事項のう ち、少なくとも1つを満たす必要があります。 • 速 度と間隔の監視(SSM: Speed and Separation Monitoring): 作業者が協働空間に入るとロボットが停止を含めた速度制限を行う、 もしくは姿勢を変更することで隔離距離を維持する機能。 • 動 力および力の制限(PFL: Power and Force Limiting): ロボットの動力と力を適切に制限し、人との接触時のリスクを低減す る機能。 • ハンドガイドコントロール(HGC: Hand-Guided Control): 作業者が直接ロボットの動きを制御できる機能。 5 安全性と生産性向上に有効なリスクアセスメント ISO 10218-2: 2025では、ロボットシステムのリスクアセスメントに 新しい ISO 10218シリーズでは、これらのリスクアセスメントの要素 有効な危害の深刻度や暴露頻度、発生確率、回避の可能性を見積も や要求事項を明確にすることによって、協働アプリケーションの安全か るための各要素や考え方が提供されています。これにより、産業用ロボッ つ効果的な活用を促進することを目指しています。 トを用いたさまざまなアプリケーションにおける効率的なリスクアセス メントが可能となります。例えば、情報管理や人の能力管理などもリス クアセスメントの要素に含まれるため、これらの活用が作業者の安全 性向上はもちろん生産性向上を促進します。 “ ISO 10218-2: 2025は、効率的なリスクアセスメントを可能にし、  作業者の安全性と生産性の向上を促進します。” 8
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最新の産業用ロボット技術に対応する新しい「ISO 10218」とその影響 6 新しいISO 10218シリーズに準拠した安全方策の例 6.1 イネーブルスイッチ IDECは、ISO 10218の要求事項を満たすように設計されたイネーブ ルスイッチを提供しています。 以前の ISO/TS 15066のガイダンスでは、想定されるリスクを他の 手段で低減できる場合、協働ロボットに3ポジションイネーブルスイッ チの搭載は必須ではありませんでした。 しかし、新しい ISO 10218シリーズでは、ロボットがクラス II(および 一部のクラス I)に分類される場合、3ポジションイネーブルスイッチの 実装が求められるようになりました。これにより、従来の ISO 10218 シリーズでは搭載が義務付けられていなかった協働ロボットにも、 3ポジションイネーブルスイッチの実装が必要となる場合があります。 IDECのイネーブルスイッチは、ISO 10218の厳格な要求事項に準拠 するよう設計されています。さらに、IEC 60947-5-8をはじめとする 関連安全規格にも準拠しており、包括的な安全方策が実施可能です。 IDECのイネーブルスイッチを採用することで、ロボットメーカーや システムインテグレーターは、安全性と信頼性を確保できます。 動作を開始したり、動作を引き起こす 可能性のあるすべてのペンダントは、 イネーブル機能と 3ポジションイネーブル装置を備えてい クラスⅡ る必要がある。 リスクアセスメントの結果、 予測可能なロボットタスクが スタート 3ポジションイネーブル装置なしで 安全に実行できない。 クラスⅠ リスクアセスメントの結果、 3ポジションイネーブル装置は不要だが、 予測可能なロボットタスクが 外部の3ポジションイネーブル装置を 3ポジションイネーブル装置なしで 統合するための 安全に実行できる。 安全機能入力ポートは必要。 図2 それぞれのロボットクラスへの安全要求 9
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最新の産業用ロボット技術に対応する新しい「ISO 10218」とその影響 6.2 非常停止用押ボタンスイッチ ISO 10218シリーズでは、ロボットシステムで使用するため、ロボット 例えば、ISO 13850ではロボットのティーチングペンダントが取外し可 に外部の非常停止入力を接続できることが求められます。さらには、 能な場合、非常停止用押ボタンスイッチに対しての一定の安全方策が 非常停止機能および装置は ISO 13850にも準拠する必要があります。 求められます。その場合でも、IDECの照光式非常停止用押ボタンス イッチは、ティーチングペンダントの状態に応じて、点灯時に色が変わ IDECの非常停止用押ボタンスイッチは ISO 10218シリーズだけでな ることで、アクティブと非アクティブの状態の混乱を防ぎ、規格への準 くISO 13850に準拠しています。これらは産業用ロボット用途に適し 拠を実現します。 ています。 有効状態(赤点灯) 無効状態(消灯) 接続されている 抜けている • 有 効な状態/無効な状態とは、非常停止用押ボタンスイッチのボタン操作(ロック/アンロック)状態を表すものではありません。 図3 携行式オペレータコントロールステーションの照光式非常停止用押ボタンスイッチ 6.3 HT4P形セーフティコマンダ™ 新しい ISO 10218シリーズに準拠したティーチングペンダントを開発 IDECのHT4P形セーフティコマンダ™は、新しい ISO 10218シリー するためには、ロボットメーカーは規格の要求事項を十分に理解し、 ズに準拠する安全機能を備えたタブレットティーチングペンダント向け 安全性と運用効率を考慮した設計をする必要があります。 のセーフティデバイスです。HT4P形は3ポジションイネーブルスイッチ・ 非常停止機能・リセット機能・停止機能を搭載できます。 前述の通り、3ポジションイネーブルスイッチ未搭載のロボットメーカーは ティーチングペンダントの設計を見直し、3ポジションイネーブルスイッチ これらの機能を搭載することで規格の要求事項を満たし、運用の安全 を搭載することが求められます。 性を向上させます。HT4P形は安全性と信頼性を向上させ、ISO 10218への準拠しようとするロボットメーカーにとって理想的な選択肢 となります。 ロボット制御機能 IDEC製品 ティーチングペンダントへの装着時の要否 3ポジション イネーブルスイッチ HE6B 必要 • ティーチングペンダントを含むすべての制御機器に必要 非常停止用 押ボタンスイッチ XA1E 必要 • ティーチングペンダントには必ず必要 リセットスイッチ LB • ティーチングペンダント上もしくはペンダント外に設置可能 正常停止用スイッチ LB • ティーチングペンダント上もしくはペンダント外に設置可能 表2 HT4P形のロボット制御機能 10
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最新の産業用ロボット技術に対応する新しい「ISO 10218」とその影響 6.4 セーフティレーザスキャナ 先に述べたように、協働アプリケーションを導入するには、速度および 間隔の監視(SSM)、動力および力の制限(PFL)、または、ハンドガイ ドコントロール(HGC)の安全方策を実施する必要があります。実際の 運用では、生産性と安全性の両立を図るために、システムインテグレー ターやユーザーは速度および間隔の監視(SSM)を安全方策として採 用することが多いです。 速度および間隔の監視(SSM)を使用した「協働アプリケーション」では、 保護エリア 保護エリアの監視を行います。レーザスキャナなどを用いて、作業者 の保護エリア内への侵入や予期せぬ接近を検出します。作業者がこの エリアに入ると、システムはロボットを停止させるか、ロボットの軌道を 調整して安全な距離を確保することが求められます。 速度および間隔の監視(SSM)と動力および力の制限(PFL)を組み 図4 SSMを用いた協働アプリケーション(セーフティレーザスキャナ) 合わせる場合は、セーフティレーザスキャナは作業者の侵入や接近を 感知し、ロボットの速度を低下させます。また、接触発生時に保護停止 するなどの方策を行います。 保護エリアの監視には、IDECのSE2L形( セーフティレーザスキャナ) が有効なソリューションとなります。SE2L形は高い精度と信頼性を備え ており、安全で効率的な作業環境を実現します。ロボットと作業者が共 に働く空間に適した安全方策となります。 “ セーフティレーザスキャナで作業者の保護エリアを監視し、 安全で効率的な作業環境を実現。” 7 おわりに 新しい ISO 10218シリーズは、特に ISO/TS 15066の統合、新たな これらの改訂に対応するためには、規格の理解とそれに基づく方策が ロボットクラスの導入、そして協働アプリケーションへの要求事項など 必要です。関係者は現在の安全方策を見直し、改訂に準拠するアプ の点で、産業用ロボットに変革をもたらします。これらの規格改訂への ローチを導入しなければなりません。IDECはこのようなニーズに応え、 準拠は、すべての産業用ロボットに関わる人々にとって安全性を確保す ISO 10218シリーズに準拠した安全かつ生産性の高いソリューション るために不可欠です。 を提供します。 11
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