1/8ページ
カタログの表紙 カタログの表紙 カタログの表紙
カタログの表紙

このカタログをダウンロードして
すべてを見る

ダウンロード(2.2Mb)

I TとO Tの融合を実現 IoT対応PLC「FC6A形 Plus」

ホワイトペーパー

このカタログについて

ドキュメント名 I TとO Tの融合を実現 IoT対応PLC「FC6A形 Plus」
ドキュメント種別 ホワイトペーパー
ファイルサイズ 2.2Mb
登録カテゴリ
取り扱い企業 IDEC株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

このカタログの内容

Page1

IoT対応PLC「FC6A形 Plus」 ITとOTの融合を実現 IoT対応PLC「FC6A形 Plus」 プログラムレスでクラウド接続 『IoTとは?』『IoTはなぜ必要?』数年前はこんな会話をすることが多くありました。しかし近年では、多く の人にIoTの利便性や必要性が認識されたことにより、具体的な手段の検討段階にあります。なかでも最大の 関心事となっているのが、データを生み出すリアルな製造現場(OT -Operational Technology-)と、そのデー タを蓄積して処理する場であるクラウド(IT -Information Technology-)をどのように連携させるかという、 いわゆる「ITとOTの融合」です。それぞれに違う進化を遂げてきた要素技術をどのようにつないで連携させる かに注目が集まっています。そこで今回は、「ITとOTの融合」を中心に、それに最適なIDECのIoTコントローラ 「FC6A形 Plus」を紹介します。 目 次 ● IoTは製造現場のQCDを高める武器 …………………………………………… 2 ● 人手不足、技術承継など現場課題の解決にも必要 …………………………… 2 ● IoT=モニタリングシステム×インターネット ……………………………………… 3 ● 現場データをムダ削減や改善、改良に有効活用  ……………………………… 4 ● IoTシステム構築の課題 ITとOTの違い  ……………………………………… 4 ● OT(制御)メーカーが提案するITとOT融合のための最適解 …………………… 5 ● FC6A 特長1 ITとOTをつなぐ IoTゲートウェイ機能搭載PLC  …………… 5 ● FC6A 特長2 AWS IoT Core認定デバイスで簡単接続・安心セキュリティ … 6 ● FC6A 特長3 IoTに最適な通信プロトコル MQTT対応  …………………… 7 ● FC6A 特長4 プログラムレスでクラウド接続 …………………………………… 8 ●「  FC6A形 Plus」のうまい使い方・用途 ………………………………………… 8 1
Page2

IoT対応PLC「FC6A形 Plus」 IoTは製造現場のQCDを高める武器 IoT は Internet of things の略で、「モノのインターネット」という説明がされているのは、ご存知の通りです。 はじめに、あらためて製造業、製造現場や工場におけるIoTの必要性と導入意義、効果について確認しましょう。 製造業のビジネスは「作って売る」というサイクルがベースにあり、利益を最大化するには「安く作って高く多 く売る」ことが必須となります。そのため製造部門には、Quality(品質)、Cost(コスト)、Delivery(デリバ リー・納期)の、いわゆる高いQCDによって「安定した品質でコストを抑えながら作り、短納期で収めること」 が求められます。これができると営業部門は動きやすくなり、企業全体としても「作って売る」サイクルが早く 回るようになるため、結果として利益の増加につながります。IoTは、製造現場がどうなっているかを細かく見え る化し、このサイクルを強化するための新たな武器であり、増収増益で強い経営体質になるためには必要な技 術となります。 人手不足、技術承継など現場課題の解決にも必要 日本の製造業各社を取り巻く環境は順風満帆とは言い難い状況にあります。例えば、日本の製造業の生産 性は、日本生産性本部のレポートによると、OECD加盟31か国中16位。1990年代から2000年にかけてはトッ プだったのが、年々追い抜かれていっての中位です。製造業で働く人の数も、経済産業省などがまとめた「も のづくり白書」2020年版によると、日本の製造業の就業者数は、2002年に1200万人超だったのが2019年 には1063万人まで減少しています。これまで技術力を支えてきた熟練者の引退も進んでいます。さらに、デジ タル化の進展とコロナ禍によって製造業の働き方や価値観、現場のあり方が大きく変わっています。こうしたな かIoTは、人の作業を支援する、人が行っていた業務を代替する、人ができなかった領域を拡張することがで き、単にこれまでの延長線上としてのQCD強化だけでなく、人手不足や技術承継など直面する現場課題を解 決する効果的な技術としても広がっています。 単位:USドル 製造業の労働生産性水準(2018年/OECD加盟国) 550000 200000 150000 100000 50000 0 順位 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 アスデ米ベスオノフオルイフド韓日英アスイギスリポチスチハエラポ イイン国ルウラルィークスライ国本国イペタリロトルェロリンストー ルスマギェンウンスセランツ スイリシベアトコバガトビラ ラーーーダェラトンエス ランアャニニガキリニア平 ンク デーンブル ア ン リ ン アルアーア ド ド均 ド ン アル ド ク 公益財団法人日本生産性本部レポートから引用 2 OECD
Page3

IoT対応PLC「FC6A形 Plus」 IoT=モニタリングシステム×インターネット IoTによって実現できることを端的に表すと「センサで製造現場の状態を監視・管理し、問題の発生を未然 に防ぎ、トラブル発生時には迅速に対応する。またデータから原因究明や再発防止につなげる」というものです。 これまでのプログラマブル表示器やSCADAソフトを活用したモニタリングシステムとほぼ変わらないため、一部で 「こんなことはずっと昔からやっている」「そんなのは当たり前のこと」という意見もあります。ここからは従来の モニタリングシステムとIoTの違いについて見ていきます。極論を言えば、従来のモニタリングシステムもIoTも 基本は同じものです。しかし決定的に異なるのは「インターネットを利用するか否か」ということです。モニタリ ングシステムが発展し、インターネットを活用することでより便利に使いやすくなり、色 な々ことができるようになっ たものがIoTという位置付けです。もともと製造業におけるモニタリングシステムは、機械1つ1つの監視や操作 のために使用され、工場全体へと広がっていきましたが、その領域はあくまで工場や企業内での利用が中心で した。それに対しIoTは、Internet of Thingsの名前の通り、インターネットにつながることを前提とし、オープ ンにさまざまな利用が可能です。モニタリングシステムで得たデータをもっと活用しよう、他の工程や部門など にも共有して、もっと便利にしていこうというものがIoTです。 3
Page4

IoT対応PLC「FC6A形 Plus」 現場データをムダ削減や改善、改良に有効活用 製造業におけるモニタリングシステムについて、具体的な例を挙げると、不具合やトラブルの検知・発報シス テム。機械の停止や急激な温度・水位の上昇など設定値を超えるとディスプレイや表示灯にアラートが発出さ れるものですが、基本的に発出されるのは現場にあるディスプレイや表示灯、または工場の管理システム内だけ でした。これがIoTになると、発出されるのは現場や工場内だけでなく、インターネットを通じて工場長や工程 の管理者、保全担当者が持っているスマートフォンに情報を伝えることができます。これにより保全の担当者が 駆けつける時間が短縮され、関係者への情報共有がスムーズになり、不具合やトラブルによるロスを小さくする ことができます。 また、そのトラブルの原因究明・再発防止についても、従来のモニタリングシステムでは工場内に設置した オンプレミスのサーバーの容量が限られるため、センサデータを蓄積していないケースも多 あ々ります。この場 合、問題発生までの流れや原因の分析ができず、再発防止も難しくなります。これに対してIoTでは、インター ネットを通じてクラウドにデータを蓄積することが可能になります。蓄積したデータは分析に活用でき、トラブル の原因究明や改善・改良のもとになります。このように、「センサによって検知し、データ化(蓄積)、そのデー タを利用する」ことは、従来のモニタリングシステムもIoTも変わりません。しかしながら、距離や時間の制限 を取り払い、現場から上がってくるデータをもっと使いやすく応用できるようにしたものがIoTとなります。 IoTシステム構築の課題 ITとOTの違い IoTとは、モニタリングシステムの進化形であり、インターネットを活用した便利なものですが、そのシステム を構築するには大きなハードルがあります。それが「ITとOTの違い」です。ITがInformation Technologyの 略で情報処理であるのに対し、OTとは、Operational Technologyのことで、いわゆる製造現場で採用され、 動いている技術領域のことを指します。例えばセンサやPLC、モータ、アクチュエータなどハードウェアはもちろ ん、それらを動かす制御ソフトウェアなどもOTに含まれます。IoTの広がりに合わせて広がった言葉で、2018 年ころから色 な々ところで見聞きするようになりました。 ITで使われている技術や機器、プログラミング言語はOTとは異なります。例えばITでシステムを構築する場 合、PCベースのコンピュータを使用し、プログラミング言語はPythonやJavaを使うのが一般的ですが、OTで は機器の制御専用コントローラであるPLCを使い、言語はラダー言語となります。この違いは、OTからのインター ネットやクラウドへの接続の難しさ、ITからのセンサやアクチュエータ、PLCへの接続の難しさに直結しています。 ITとOTの両方の技術に精通している人であれば、ITとOTの接続に支障はありませんが、そうした人材は決 して多くありません。IoTの導入、普及に向けて、このITとOTの融合を行える人材不足が最も大きな課題となっ ています。最近は多くのメーカーからITとOTの接続の難しさを解消できる機能を持つ製品が登場し、少しずつ ではありますが、ITとOTの融合に向けたハードルは下がってきています。 4
Page5

IoT対応PLC「FC6A形 Plus」 OT(制御)メーカーが提案するITとOT融合のための最適解 ITとOTの融合に向けて、OT側の制御機器メーカーである私たちIDECが提案するのが、ITとOTを簡単に つなげることができるクラウド接続対応PLC、IoTコントローラ「FC6A形 Plus」です。 FC6A 特長1 ITとOTをつなぐ IoTゲートウェイ機能搭載PLC FC6A形 Plusは、PLCをベースとしながらクラウドにデータを上げるためのIoTゲートウェイ機能を備え、1台 でOTの制御とIoT実現のためのクラウドへの接続を可能にします。一般的なIoTシステムの構成としては、OT 領域にセンサやアクチュエータなどのフィールド機器と、それらの頭脳となり制御するPLC、IT領域にクラウドか オンプレミスのサーバー、さらにOTとITをつなぐためのIoTゲートウェイが必要とされます。IoTゲートウェイは、 OT機器との通信機能を持ち、PLCを経由して集めたデータをクラウドに上げます。この構成では、従来の制御 機器に加え、IoTゲートウェイを追加で用意する必要がありますが、FC6A形 Plusを使用すれば、PLCとIoTゲー トウェイが統合されているため、ハードウェアのコストを低く抑えることができます。見た目や形状、取り付け方 法はPLCと同じなので、通常のPLCと同様に制御盤内に収めて使うことができ、省スペース化や省配線化にも 役立ちます。 Gatewayが別途必要! 一般的なIoTシステム構成例 センサ PLC Gateway クラウド 端末 (PC、タブレット等) プログラム プログラム プログラム 作成① 作成② 作成③ FC6A使用する場合 Gatewayを統合! センサ PLC クラウド 端末 (PC、タブレット等) 5
Page6

IoT対応PLC「FC6A形 Plus」 FC6A 特長2 AWS IoT Core認定デバイスで簡単接続・安心 FC6A形 Plusは、クラウドサービスとして世界的な大手であるAmazon Web Service  (AWS)のAWS IoT  Core認定デバイスを取得しています。AWS IoT Coreとの接続は確認済みであり、確実につなげることができ ます。また、AWS IoT Coreのデバイス認定に必要な要件を備えており、安心して使用して頂くことが可能です。 クラウド環境として、既にAWSを利用されている方には既存のシステムと連携しやすいPLCとなっています。 また、日本製PLCであるため、サポートも安心です。 E-mail送信機能 WindEDIT FTPサーバー/クライアント ワイヤレス通信 Webサーバー Modbus qualified device BACnet 6
Page7

IoT対応PLC「FC6A形 Plus」 FC6A 特長3 IoTに最適な通信プロトコル MQTT対応 FC6A形 Plusは、IoTに適した通信プロトコルとして標準的に使用されているMQTT(Message Queueing  Telemetry Transport)に対応しています。MQTTは多数のデバイスやアプリケーションを接続し、双方向で データのやり取りを行うための機能があり、さらに通信に使用されるデータサイズもHTTPのようなプロトコルと 比較して小さいため、多方面からデータが送られてきても負荷が小さく、トラフィックを抑えて安定した通信を行 うことが可能です。 MQTTプロトコルの特長① 私達が日常的に使用しているWebサービスで使われるHTTPはWebサーバーとの1:1通信のために利用さ れており、多数のデバイスとの通信や、双方向通信を行う仕組みはありません。一方、MQTTプロトコルはプ ロトコルの仕様として、多数のデバイスとの通信を行うための機能や双方向通信を行うための機能が組み込ま れています。このため、IoTを活用したシステムを構築する際に利用しやすいプロトコルと言えます。 MQTTプロトコルの特長② MQTTプロトコルは、元々、通信が不安定な環境で使用するために開発されているため、通信のためのデー タ量が小さくなる設計となっています。このため、帯域の細い無線回線を活用するIoTシステムでも通信負荷を 減らし、安定した通信を確保することが可能です。 MQTT Client MQTT Client MQTT Broker Publish: 24oC San Francisco, Subscribe to topic: temperature Publish to topic: tank_level California Publish: 25gal Cloud Publish to topic: temperature MQTT Broker Publish: 24oC New York,NY Publish to topic: pressure Publish: 40psi Publish: 40psi Subscribe to topic: pressure Tokyo, Japan 7
Page8

IoT対応PLC「FC6A形 Plus」 FC6A 特長4 プログラムレスでクラウド接続 ITとOTの融合で最大のハードルとなるのがプログラミング言語の違いです。ラダー言語を知らないとOTの制 御はできず、PythonやJavaが分からないとクラウド側のシステム構築が行えません。これに対してFC6A形  Plusは、プログラムを書くことなく、クラウドとの接続が可能です。FC6A形 Plusの設定を行うソフトウェアであ るWindLDRの設定画面でホスト名やアカウント、パスワード等を設定してPLCにダウンロードすれば接続が可 能になります。データの送受信も設定画面で必要項目を設定し、接続フラグをオンにすればクラウドにデータを 送ることが可能です。OTの技術者はPythonやJavaのプログラムを書かずに、IT技術者もラダープログラムを 書くことなく、クラウドと接続してデータが送れるようになります。クラウドに接続してデータを送信するだけであ れば、FC6A形 Plusの「MQTTハンズオントレーニング」を1時間程度受講するだけでクラウド接続ができる ようになります。  ※最終的に作成するアプリケーションでは、ラダープログラムを作成し、クラウド接続やデータ送信のタイミング を制御して頂く必要があります。 「FC6A形 Plus」の活用方法 FC6A形 Plusは、クラウドにデータを上げやすいIoT対応のPLCとなっています。このPLCの活用方法を2つ 紹介します。 ①複数台の機械をまとめてリモート管理 FC6A形 Plusはクラウドに簡単につなげることができ、クラウド上で複数台のデータをまとめて管理、見える 化システムを実現できます。これを使えば、例えば機械メーカーが自社製品にFC6A形 Plusを組み込んで販売 し、そこから上がってくるデータをクラウドでまとめて管理することで出荷後も製品の利用状況や消耗状態をリ モートで確認することができます。このデータをメンテナンスや保守サービスに活用することで、より手厚いサー ビスや、サポートが可能になります。 ②単体から複数台の見える化システムへとレベルアップ はじめは1台でIoTの導入効果を試し、効果が出たら横展開して他の機器にも広げていきたいというニーズは 多くあります。FC6A形 Plusはそうしたシステム拡張も視野に入れており、PLC単体でWebサーバー機能と Webページの作成ソフトを提供しています。これらを活用する事により、クラウドへのデータ集約を行う前に、 1台だけでIoTの概念を取り入れた仕組みを構築し、効果を確認することが可能です。この段階での効果が確 認でき、複数台への拡大を考える際は、同じハードウェアを使用し、追加費用無しで、クラウドへのデータ集 約も可能となります。 詳細はこちら 8