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コリオリ流量計の概要

ホワイトペーパー

コリオリ流量計の使用を検討している、既に使用しているけれど改めて特長や用語などを確認したい方に向けたホワイトペーパーです。
コリオリ流量計の概要として、一般的な計測原理や構造・特長、選定時の注意事項やトラブルシューティングをご紹介します。

このカタログについて

ドキュメント名 コリオリ流量計の概要
ドキュメント種別 ホワイトペーパー
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取り扱い企業 株式会社オーバル (この企業の取り扱いカタログ一覧)

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このカタログの内容

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表紙

コリオリ流量計の 概要
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はじめに

コリオリ流量計の概要 はじめに 本稿は、これからコリオリ流量計の使用を検討される方、あるいは既にコリオリ流 量計を使っているが、基礎知識が不十分と考えている方の参考となるべく、コリオ リ流量計の概要として、一般的な計測原理や構造・特徴、そして選定時の注意事項 やトラブルシューティングなどをまとめています。 2
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目次

コリオリ流量計の概要 目次 1.コリオリ流量計とは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 2.コリオリ流量計の歴史・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 3.コリオリの力とは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 4.コリオリ流量計の計測原理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 5.コリオリ流量計の構造・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8 6.コリオリ流量計の特長・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9 7.コリオリ流量計の定義と用語・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10 8.チューブ形状の代表例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12 9.選定時に検討するべき事項・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16 10.トラブルシューティング・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17 3
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1. コリオリ流量計とは、2. コリオリ流量計の歴史

コリオリ流量計の概要 1. コリオリ流量計とは  コリオリ流量計は、流体の温度、圧力、粘度、密度などの変化に影響を受けない 「質量」を、直接連続的に測定する質量流量計です。  また、コリオリの力を利用したユニークな原理により、高精度で質量流量を検出 し、アナログや周波数出力などへ変換することが可能です。  計測対象は一般液体のほか、食品、薬品、スラリー、高密度ガスなどの流量計測 も可能であり、流量計測と同時に、温度、密度計測も行える複合センサでもあります。 2. コリオリ流量計の歴史  1950 年代に、流体が通過する検出管部を回転させ、発生するトルクを検出し、 質量流量に比例した出力を得る装置(ジャイロスコピック)が開発されました。し かし、検出されるトルクに比べ回転機構の磨耗や機械的問題が多く、実用化にはい たりませんでした。  この弱点を改良し、1974 年に初めてコリオリ質量流量計が開発され、実用モデ ルとして登場したことにより、直接形質量流量計測という流量計の新しい概念が生 まれ、その後、各メーカにより改良され、さまざまなチューブ形状の測定管が市場 に登場するようになりました。  1999 年に国際規格である ISO 10790 が発行、2003 年に JIS 規格として、JIS B 7555 が発行されています。 4
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3.コリオリの力とは

コリオリ流量計の概要 3.コリオリの力とは  コリオリの力は回転座標系上で移動した際に移動方向と垂直な方向に移動速度に比 例した大きさで受ける慣性力(見かけ上の力)の一種です。  回転円盤上の軸芯から外周方向(周速の速くなる方向)に向かって、下図左側のよ うに球をまっすぐ発射すると、球の軌道が回転方向に逆らう方向にずれていきます。  また、回転円盤上の外周から逆(軸芯周速の遅くなる方向)に向かって、下図右側 のように球をまっすぐ発射すると、球の軌道は回転方向に従う方向に軌道がずれて いきます。  この「ずれる」力の働きは、フランスの科学者ガスパール=ギュスターヴ・コリ オリによって数学的に証明し確立されたので、彼の名前にちなんでコリオリの力と 呼ばれています。 回転方向 回転方向 周速度 方向 方向 発射方向 回転 回転 軸心 軌道 軌道 発射方向 5
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4.コリオリ流量計の計測原理

コリオリ流量計の概要 4.コリオリ流量計の計測原理  コリオリ流量計の計測原理について、図解を交えてより簡易的に説明していきます。  U 形のトンネル ( フローチューブ ) の中をバス ( 流体 ) が時速Vで連続的に走行して いると考えてください。 流出側 バス B バス A 流入側  入口、出口を振動の支点として、トンネルUが下図のように振動しているとします。 振動させる理由はバスに変化を起こさせるためです。コリオリ流量計はどのタイプの ものでも、変換器の電源を投入した瞬間にチューブが振動し始めます。  トンネルを通過中のバスがまっすぐ水平に走行していますが、バス A とバス B は方 向が反対向きです。トンネルは振動しているので、バス A は地面に衝突し、バス B は 天井に衝突することとなります。衝突力は互いに反対方向に作用するので、この時ト ンネルがねじれる方向に変化を始めます。  この衝突力をコリオリの力と考えると、バス A は振動方向(回転方向)に逆らう方 向に力を発生し、バス B は振動方向(回転方向)に従う方向に力を発生します。 コリオリの力 振 流れ 動 の 方 向 コリオリの力 6
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コリオリ流量計の概要 衝突力(コリオリの力) ( 回振 振動の支点 転動 方の 向方 )向 流出側 (バス B) ( 回振 振動の支点 転動 方の 向方 )向 流入側 (バス A) 衝突力(コリオリの力)  今までの説明でフローチューブがねじれる理由をご理解頂けたものと思います。  次に、ねじれ角が質量流量に比例する理由について説明します。  トンネルの中を同じ大きさの、「空っぽのバス」が走る時と「満員のバス」が走る 時で考えてみると、ねじれを発生させるための、衝突力に大きな差が出ることが分か ると思います。従ってねじれ角も大きくなるため、ねじれ角はバスの大きさ ( 容積 ) に関係なくバスの重さ ( 質量 ) に関係するのです。  ここが容積流量計との大きな違いです。容積流量計はバスの一台二台…の台数は感 知できますが、バスに乗っている人の重さまでは感知できないのです。言い換えれば、 容積流量計は1L、2L は計測できますが、同じ1L でも重たいのか、軽いのか感知で きません。  最後に、コリオリの力 ( F=衝突力A=衝突力B ) を表す式を示します。ここまで ご理解できたなら、この式の意味を実感できると思います。  F=2mωV  F:コリオリの力  m:バスの質量  ω:トンネルの角速度(チューブの単振動)  V:バスの速度 7
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5.コリオリ流量計の構造

コリオリ流量計の概要 5.コリオリ流量計の構造  機械部品は  ● 流出流入口のフランジと流路を2本に分けるマニフォールド  ● 2本のフローチューブ(単一チューブタイプもあり) のみで構成されています。  流体はフランジを通過し、マニフォールドにて2本のフローチューブに分けられ、 フローチューブを通過した流体はマニフォールドで合流しフランジから出ていきます。 この時、質量流量を計測する電気部品として左右に電磁ピックオフ、電磁オシレータ、 そして温度センサが配置されています。  電磁ピックオフ、電磁オシレータはマグネットとコイルの組み合わせです。一方の チューブにマグネットが固定され、もう一方のチューブにはコイルが固定されています。  ● 電磁ピックオフ   左右2箇所に取り付けられ、チューブのねじれによる位相差信号を検出します。  ● 電磁オシレータ   チューブを固有振動数で振動させる働きをします。  ● 温度センサ   チューブの熱変化(流体温度の変化に依存する)による弾性係数を補正します。  構造が単純かつシンプルで部品数も少ないコリオリ流量計ですが、最先端の製造技 術とエレクトロニクス技術がなければ製造できないものです。 変換器 フローチューブ コイル フローチューブ + マグネット 温度センサ 電磁ピック - 電磁オシレータ 8
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6.コリオリ流量計の特長

コリオリ流量計の概要 6.コリオリ流量計の特長  これまで説明してきた計測原理と構造により、コリオリ流量計は以下の特長を持っ ています。 (1)直接質量流量の計測が可能。 (2)高精度。 (3)レンジアビリティが大きい。 (4)ほとんどの流体が計測可能。 (5)接液部に検出センサなどの露出物が一切ない。 (6)流量だけでなく、密度の計測が可能。 (7)流体温度の計測が可能。 (8)原理的に密度や粘度の影響を受けない。 9
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7.コリオリ流量計の定義と用語

コリオリ流量計の概要 7.コリオリ流量計の定義と用語 [1]定義  速度 V で回転振動系の回転中心に向かう(または中心から離れる)質量 m の質点 に働くコリオリ力 Fc が、質量と速度の積に比例することから、コリオリ力を測定して 質量流量を求める方式の流量計をコリオリ流量計と呼びます。  差圧、電磁、容積流量計などと比較すると非常に新しい流量計ですが、以下の優れ た特長から、プロセス制御、バッチ制御などあらゆる業種において、プロセス改善や 効率アップを確実に実現する流量計として、世界中で数多くの稼動実績をあげていま す。  ● 直接的に質量流量が高精度に得られる  ● 磨耗などを起こす機械的稼動部分がない  ● 保守性に優れている  ● 密度が計測できる [2]用語  コリオリ流量計に関する JIS 規格は、JIS B 7555「コリオリメータによる流量計測方 法」として 2003 年に制定されています。以下で、JIS に基いた各用語について記述し ていきます。 (a)コリオリ流量計  軸に直交する方向に振動する測定管(振動管)に測定流体を流し、発生するコリオ リ力によって測定管の所定の上下流 2 点での振動の位相差または時間差を検出し、こ れによって質量流量を測定する流量計をさします。主として質量流量を計測する流量 検出器(第 1 の装置)と変換器(第 2 の装置)とからなる機器のことです。 (b)流量検出器(第 1 の装置)  振動管、駆動装置、検出装置、支持構造およびハウジングからなる機械部をさします。 10
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コリオリ流量計の概要 (c)振動管  計測される流体が管の中を通過するとき、振動を与える管をさします。 (d)駆動装置  振動管の振動を誘起する装置をさします。 (e)検出装置  コリオリの力を検出し、振動管の周波数を計測するセンサをさします。 (f)支持構造  振動管を支持する機構です。 (g)ハウジング  流量検出器を周囲の環境から保護するケースのことです。 (h)変換器(第 2 の装置)  振動管の駆動回路を持ち、流量検出器からの信号を、計測諸量に応じた出力に変換 する電気制御装置のことをさします。温度などのパラメーターから計測諸量を補正す る機能も備えています。 (i)ゼロオフセット  流量ゼロの状態で、通常、周囲の配管系およびプロセス条件によって、振動管に応 力がかかる結果、指示される測定出力をさします。 (j)ゼロ安定性  ゼロ調整後、流量ゼロの状態で指示される測定出力の大きさで、製造業者によって、 質量流量の絶対値で表現されています。 11
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8.チューブ形状の代表例

コリオリ流量計の概要 8.チューブ形状の代表例  市販されているコリオリ流量計には色々な形状のものがありますが、計測チューブ の本数でいえば、ほとんどが 1 本もしくは 2 本から構成されています。  また計測チューブの形状からいえば、直管形、ベンディング形、およびループ形に 分類されます。  (a)複数チューブ方式 (b)複数チューブ方式 (c)単一チューブ方式 (d)単一チューブ方式 ベンディング形 ベンディング形 ループ形 ループ形 (e)複数チューブ方式 (f)複数チューブ方式 (g)単一チューブ方式 (h)複数チューブ方式 ベンディング形 ベンディング形 ループ形 ベンディング形 (i)複数チューブ方式 (j)単一チューブ方式 (k)単一チューブ方式 (l)単一チューブ方式 直管形 直管形 シングル形状 ベンディング形 12
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コリオリ流量計の概要 [1]チューブ本数による分類 (a)単一チューブ方式  前ページの図に示す(c)(d)(g)(j)(k)(l)が単一チューブ方式になります。一般 的に単一チューブ方式は、ピックアップコイルがハウジング側に付き、マグネットがチュー ブ側に付く構造となるので、外部からの振動の影響を受けやすくなります。  しかしながら、単一チューブの中でも(d)と(g)はループ形状をしており、ピックアッ プコイルおよびマグネットがチューブ上に付けられますので、外部の振動を受けにくくな ります。  メンテナンス面で見ますと、圧力損失が高くなりがちで、セルフドレンの構築が難し いとされます。その一方で、ピグを使ってのチューブ内面の清掃効果や効率は複数チュー ブ方式に比べ高くなります。 (b)複数チューブ方式  前述したように、複数チューブといっても 2 本チューブが一般的であり、図に示す(a) (b)(e)(f)(h)(i)がこれにあたります。構造的には入口の分岐で 2 本のチューブに分 流し、出口の分流管でまたひとつにまとまって流出するものが多く、単一チューブ方式の 欠点を補っています。  ピックアップコイルとマグネットの両方がチューブ上に設置されますので、外部の振動 影響を受けにくいです。  複数チューブ方式は 2 本のチューブを対向振動させるために共振振動が発生し、低エ ネルギーで安定した振動が得られます。ただし、2 本チューブのものは形状が複雑で、 チューブが長いものがあり、流速が大きくなると圧力損失が増大し、キャビテーションを 起こしやすくなるものがあるので注意が必要です。 13
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コリオリ流量計の概要 [2]チューブ形状による分類 (a)直管形  直管形は図に示す(i)( j)になりますが、(j)の構造が最もシンプルで理想的であり、 1 本の直管形測定管が該当します。また、単一直管形のガス計測用コリオリ流量計も実用 化されていますが、振動影響や温度影響などをいかに克服するかが問題です。  一方、2 本の直管形も優れた構造のコリオリ流量計で、前述のように外部振動を受け にくく、また安定した振動を持続することができます。また直管形は変形しにくいので、 次に説明するベンディング形やループ形と比較すると、原理的に感度が悪いという欠点 を持っています。  しかしながら、付着性、閉塞性流体に対する洗浄性が優れており、外形寸法を小さく できる利点もあります。 (b)ベンディング形  現在、世界のコリオリ流量計の主流となる計測チューブ形状がベンディング形であり、 図に示す(a)(b)(e)( f)( h)(l)がこれにあたります。  ベンディング形の特徴は、計測チューブが変形しやすいのでコリオリの力が最も発生 しやすく、S/N 比の高い時間差信号(質量流量信号)が得られるように各メーカで工夫 がされています。  しかしながら、構造がシンプルでないため直管形に比較すると外形寸法が大きく、付 着性や閉塞性の流体に対して洗浄がしにくい点があります。  さらに構造によっては気体やスラッジが溜まりやすいので、取り付け姿勢にも注意が 必要です。 14
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コリオリ流量計の概要 (c)ループ形  図の中で、(c)(d)(g)がこれにあたります。1 本の均一な内径を有する計測チューブ を連続的にダブルループ巻きとして、平行する 2 本の計測チューブ構造のように形成し ています。  さらに、流体の入口から出口まで一様な連続的流れを形成することができますので、 流れの分岐がない特徴を持っています。このため、ピグ押しや食品洗浄が効果的にでき るのでサニタリ用に適しています。特性的にはベンディング形に遜色はないとされます。 (d)シングル形状  シングル形状は図に示す(k)がこれにあたります。シングル形状はチューブ側に永久 磁石を取り付け、ハウジング側にピックアップコイルを取り付ける構造となっていること で、外部の振動影響を受けやすい構造となります。  しかしながら、高次モードで駆動させることにより、外部振動の影響を受けないように 工夫がされています。 15
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9.選定時に検討するべき事項

コリオリ流量計の概要 9.選定時に検討するべき事項  これまで紹介したさまざまな形状のコリオリ流量計から、選定を行わなければなりま せん。正しい選定を行ううえで検討すべき事項を以下に記していきます。 [1]精度  意図した設置および運転条件で求められる精度が、メーカが公表するデータで満たせ るかを確認します。 [2]設置  まず、コリオリ流量計を設置するスペースを確保しましょう。次に配管や接続条件の 確認が必要となります。さらに、設置場所が爆発の危険性がある区域かどうか、あるい は環境(湿度、腐食性雰囲気、振動や電磁影響)の検討を行います。 [3]運転方法と運転条件  連続運転なのか間欠運転なのか、また流入流出の状態(合流か分流か)や流れの変動 度合いも重要です。同時に運転時の温度、圧力(圧力損失やキャビテーション)も把握 すべき事項となりますので気をつけましょう。 [4]計測流体の状態  計測流体の特性(粘度、密度、二相流、汚染物)は、メータに直接影響を与えること があるので大変重要です。 [5]変換器  変換器については、流量計をコントロールするうえで完全に稼動しなければなりません。 そのために求められる項目が下記になります。 (a)安全性  具体的にいうと電気的、電子的、気候的および安全上の適合性に問題がないかの確認 が必要です。 (b)必要な出力 (c)プログラミングの簡便性と安全性 (d)適切な安定性と応答時間 (e)システムエラーを示す出力 16
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10.トラブルシューティング

コリオリ流量計の概要 10.トラブルシューティング  コリオリ流量計のトラブルは、さまざまな原因に基いてゼロ点が移動することによっ て生ずることが多いとされます。以下にゼロ点移動が原因による異常状況と、その対 策を示すトラブルシューティングの例を記します。 [1]トラブルシューティングの例 (a)停止時に気泡を封じ込めた場合 ● 状況  • ゼロ点が大幅に移動し、停止するたびに移動量が大きく異なります。  • ドライブゲイン電圧が上昇し、極端な場合は 13V 以上となり飽和します。 ● 対策  • 気泡の入らない状態としましょう。  • まれに起こる場合は移動を無視し、ゼロ点の都度調整はしません。  • ラインの圧力を上げることで気泡が小さくなりますので、より正確なゼロ点が     取れることがあります。 (b)微小な気泡、スラリーが停止中に分離する場合 ● 状況  • ゼロ点が徐々に移動しますが、移動パターンが停止するたびに同様となること   があります。 ● 対策  • 停止した直後(分布が流れている状態に近い)にゼロ点を取りましょう。  • 一旦ゼロ点が取れましたら移動しても見かけ移動となりますので無視します。  • 見かけ以上の移動出力が気になる場合は、カットオフ値を変更しましょう。 (c)流体の温度が変化する場合 ● 状況  • 温度によるゼロ点の移動は、同一サイズの流量計ではフルスケールが小さい   ほど大きくなります。 ● 対策  • 計量時の温度でゼロ点を取りましょう。  • 停止時温度が変化して、ゼロ点が移動してしまう場合は無視します。  • 計量温度が± 11℃以上異なる場合は、ゼロ点を取り直す方法も有効です。 17
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コリオリ流量計の概要 (d)配管ストレスが変化する場合 ● 状況  具体的には下記の 2 パターンに分類されます。  • 温度変化によるストレスの変化。  • 前後配管の機械的ストレスの変化。  ● 対策  • 出入口のいずれかにフレキシブルチューブを入れましょう。  • 出入口にゴムホースなどが設置されている場合は、メータとゴムホースの間に   2 点以上のサポートを取り付けます。 (e)配管振動がある場合 ● 状況  • ゼロ点が安定しません。ただし、移動量自体は少ないです。 ● 対策  • 計量誤差とならない場合が多いので、特別な対策を施すことはありません。 (f)コリオリ流量計の相互干渉 ● 状況  以下の配管によって、共振が発生する恐れがあります。  • コリオリ流量計を複数台、同一配管サポート上に設置。  • 分岐箇所の近くに設置。 ● 対策  • 片方の電源を切ってゼロ点を見てみましょう。 (g)計量液が揺れ動く場合 ● 状況  • 配管中に空気溜まりがありますと、圧力の変化によって液体が移動してしまい   ます。  ● 対策  • センサ直近に手動弁をつけることで、完全に流量ゼロの状態にしてみましょう。  • 配管途中にベントをつけて、エアーポケットをなくしましょう。 18
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コリオリ流量計の概要 (h)計量液の密度が異なる場合 ● 状況  • ゼロ点調整した液体と、計量を行う実液が異なります。  • ゼロ点調整時と計量時で液体の密度が変わる可能性が、予め見込まれていると   きもこちらに該当します。(計量液の組成が、常時変化してしまう場合。) ● 対策  • 実液において、最終的にゼロ点を取りましょう。  • 密度差が± 0.1g/cc 以上ある場合は、ゼロ点を取り直しましょう。  ( 一般的に、± 0.1g/cc 程度であれば、計量精度への影響は少ないとされます。) (i)センサチューブ内で流体が固着した場合 ● 状況  • ゼロ点が大きく移動し、調整が不可能となる場合が多いです。  ● 対策  • 加熱、洗浄などで溶融させましょう。 (j)電気配線が正しく行われていない場合 ● 対策  • 特に専用ケーブルのシールド線の配線に注意しましょう。 [2]故障診断  ノートパソコンやハンドヘルドコミュニケータ(HHC)により、流量計の変換器と 通信を行うことで、エラーメッセージの表示による故障診断機能を持っているものが あります。この機能を使うことで、以下に示す診断などができます。 (a)センサ異常 (b)温度制限オーバー (c)密度制限オーバー (d)スラグフロー警報(液体中に大量の空気混入) (e)変換器異常 (f)アナログ出力の不適正(高低) (g)周波数出力の不適正(高低) (h)質量単位、時間単位の不適正など 19
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記載内容は、発行時点での当社調べであり、予告なく変更する場合があります。 記載されている会社名、製品名等は、それぞれ各社の商標または登録商標です。 本資料の著作権は株式会社オーバルに帰属します。本資料の全部または一部を当社の許可なく転写、複写、転載を禁じます。 〒161-8508 東京都新宿区上落合3-10-8 本社:TEL(. 03)3360-5141・5151 大阪営業所:TEL(. 06)6190-6960 WPN-001-1 営業所:北海道・東北・新潟・北陸・鹿島・北関東・千葉・神奈川・静岡・名古屋・四日市・加古川・岡山・山口・九州・大分 20200225