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光電センサの導入と基礎知識

ハンドブック

光電センサの用語集

光電センサの用語を中心に導入や調整に必要な基礎知識が分かります。

このカタログについて

ドキュメント名 光電センサの導入と基礎知識
ドキュメント種別 ハンドブック
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このカタログの内容

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光電センサ 導入と基礎知識
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2 | センサ 導入と基礎知識 I 3 光電センサ 外乱光 周辺の環境光など、投光器から発せられておらず、受光器が検出してしまう光を示します。 不感帯 検出面と最小検出距離の間にあるターゲットを検出できない領域を示します。 /ブラインドゾーン 周囲温度範囲 Ta センサが機能を最大限に発揮でき、動作できる最大許容温度範囲のことを示します。 カラーセンサ 色の評価や検出を行う光電センサを示します。 アラーム出力 誤動作の発生時に警告信号を発する受光器の機能です。汚れや機械的な調整不良が主な原因となり 汚れ/汚染 センサに付着し、清潔な空気環境下と比較して、光線センサや光ファイバーの性能を低下させる汚れ ます。アラーム出力は、定められた時間内に受信信号がアラームの範囲内にあるとき出力されます。 やホコリを指します。これがレンズ上に堆積すると、光の吸収や乱反射により光の透過率が低下しま す。オイルフリーの圧縮空気をかけることで、汚れや汚染の影響を取り除くことができます。 安定 (緑LED) 安定 不安定 出力の アラーム しきい値 補正係数 物体の反射特性に応じてセンサ検出範囲を決定するための値です。例えば、黒い物体の場合、光が 安定 (拡散反射型光電センサ) 吸収されてしまうので、センサの検出範囲は狭くなります。 異なる反射特性の物体ごとに、以下の補正係数と適用することができます。 (以下の表を参照) センサアンプ センサアンプは、センサヘッドや光ファイバーからの信号を受信し、スイッチング信号やアナログ信号 に変換します。 補正係数 物体、表面特性 1 紙、白、光沢なし 200 g/m² 1.2 ~ 1.6 金属、光沢あり オートコリメーション リフレクタに当たった光線がそのまま平行に反射して戻ってくる反射原理で、投光部と受光部は同じ 1 発泡スチロール、白 光学レンズを使用します。この機構では照射光と反射光は同一の光軸上に存在します。2つのレンズ 0.6 綿布、白 を使用した機構と比べると、センサの直近できる不感帯が存在せず、より近い位置でも応答速度が変 0.5 PVC、灰 わりません。 0.4 木、凹凸あり 0.3 段ボール、黒、光沢あり ビームスプリッタ 0.1 段ボール、黒、光沢なし 投光部 検出範囲 レンズ ダークオン 受光部(器)に光が入ってこない状態で出力がONになるタイプの光電センサのことを示します。 リフレクタ 受光部 受光部(器) アンプ 出力 背景抑制機能(BGS) 背景がある環境で確実にターゲットを検出するための機能です。ターゲットの色や表面状態に依存 非受光 完全変調 出力ON せず検出できます。反射する背景の影響を受けません。背景抑制機能を持つ光電センサは、1つの投 受光 変調なし 出力OFF 光部と複数の受光部で構成されています。ターゲットの位置を三角測距法で検出し、この位置に応じ た検出距離を設定することで、ターゲットと背景を区別します。 検出範囲 標準検出体を用いて光電センサの動作距離を設定できる領域を示します。 照射光特性 集光 集光とは、照射光がある任意の位置で最も小さな直径の光として集まることです。この光が集まる位 拡散反射型 このタイプのセンサには投光器と受光器が1つのハウジングに内蔵されています。ターゲットに対す 置を集光点と呼びます。この位置では、スイッチング精度が最大になり、小さな部品の検出に最も適し る位置決めはそれほど精度を要求されません。ターゲット(例: 反射率90 %の標準検出体)の表面で ています。 反射した光を受光器が検出します。ターゲットが応答曲線内に入ると出力信号が変化します。検出距 離は、ターゲットの表面状態やサイズ、形状、色により異なります。反射率90 %のコダック製グレーカ コリメート ードを使用した場合、約2 mの検出距離が得られます。 平行に照射される光線です。そのため、光のスポット径は検出範囲内でほぼ変わりません。これによ り、距離に依存しない安定した物体検出が可能です。 応答曲線 拡散光 照射光/反射光 拡散光の場合、投光器から照射された光のスポット径は、距離に比例して大きくなります。透過型や 回帰反射のセンサでは、拡散光であれば受光器やリフレクタの位置決め調整が簡単になります。 投光器/ 受光器 反射率90 %の 標準検出体 www.balluff.com
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4 | センサ 導入と基礎知識 I 5 アナログ距離センサ 検出面とターゲットの位置の距離を継続的な変位で出力するセンサのことを示します。任意の距離( グレー値変動 異なる物体の反射率の違いでキャリブレーションする際の距離の差を示します。まず、反射率90%の 測定範囲)をリニアな出力信号として生成します。 Kodakグレーカードを使用してセンサの距離を測定し、その後、反射率18%のKodakグレーカードを 使用して距離を測定します。この2つの検出距離の差(%)をグレー値変動と呼びます。グレー値変動 が小さいほど、センサは色に依存せず検出できます。 光ファイバー 光ファイバーは、最小50 μm径のガラスまたはプラスチック製の繊維を、数百本束ねた構造になって います。優れた柔軟性が特徴であり、光学特性は水蒸気や刺激性のある媒体の影響を受けません。 ヒステリシス 距離センサの場合、機械的に定められた位置に一方から近づき、その点を通過後、今度は逆側から同 光ファイバーの設置方法 じ位置を通過した時の信号の誤差を示します。スイッチングセンサの場合、センサ信号の立ち上がり 光ファイバーをアンプに接続する際、シーリングのリングを通してしっかり固定させてください。 点(物体が近づく)と立ち下がり点(物体が離れる)の位置の差を示します。 光ファイバーの種類 レーザー、 物理的な効果とレーザー光線を発生させるための装置の両方の故障です。レーザーは、「light ampli- UZGタイプ MZGタイプ SMGタイプ レーザー保護クラス fication by stimulated emission of radiation」の略で、レーザー光線は電磁波です。レーザー保護クラ n ポリウレタン製被覆 n 金属メッシュカバー n シリコン製保護被覆 スは、上限値を規定することで、レーザー照射から人を保護することを目的とします。これに基づき、 n ストレインリリーフ n ストレインリリーフ n 金属メッシュカバー 危険度に従って、レーザーは分類されます。この分類に関する計算と関連する上限値は、EN 60825- n ガラス製光ファイバー n ガラス製光ファイバー n ストレインリリーフ 1:2001-11で定義されています。グループ分けは、パワーと波長の組合せに基づき、発光時間、パルス n 柔軟 n 耐熱性: –20 ~ +170 °C n ガラス製光ファイバー 数、角度が考慮されます。 n 優れた薬品耐性 (最大+250 °C@固定時) n 拡張温度範囲: n 油・クーラント耐性 n 柔軟 –40 ~ +150 °C バルーフのセンサは以下のレーザー保護クラスに分類されます: n 温度耐性: –20 ~ +85 °C n 耐衝撃 n 極めて柔軟 クラス 1: 危険性なし、特別な対策不要 n 耐溶接スパッタ n 耐衝撃 クラス 2: 低出力、目の保護はまばたきで十分 BOS 30MとBFO 18Vの取付け方法 光源 光電センサが動作に使用する光媒体を示します。ターゲットによりセンサ内では、光路上(投光器と受 光ファイバーから 光器の間)での光強度の変化が引き起こされます。この変化をセンサは評価します。ターゲットや光源 アダプタディスクを取り外す の特性により、照射される光線は遮断、反射、拡散されます。投光器には通常、高出力の赤色LEDや レーザーLEDが搭載され、受光器にはフォトダイオードやCCD(charge coupled devices: 電荷結合 アダプタ 素子)が搭載されます。赤色LEDは光線と検出位置が目視で確認できるため、調整が容易です。 レー BAM00NM ザー光は、光のスポットがより鮮明に判断でき、遠く離れた場合でも視認性に優れます。 ライドバンドセンサ LEDライトバンドセンサ 個別の筐体に複数の投光器と受光器を並べたLED光電センサです。光学部品が密接に配置されて いるため、投光器が照射する光は帯状になり、対向する受光器は全体の光強度を測定します。 フォークセンサ 投光器と受光器が互いに向き合ったコの字型ハウジングスタイルを持つ透過型センサです。簡単な レーザーライトバンドセンサ 設置、位置決め、シンプルな接続が特徴です。 レーザー光をプリズムへ鋭角に照射し、屈折させ、均一な帯状の光を生成するレーザー光電センサで す。受光器にはCCD(charge coupled devices: 電荷結合素子)が搭載されおり、2mの距離でも正確 に物体のエッジを検出することができます。CCDは精密に配列された感光セルで構成されており、内 蔵されたエレクトロニクスで測定・処理されます。 一般公差 一般的にバルーフ製品の外形寸法、形状、位置の公差のバラつきはDIN ISO 2768-cKで定められて いる範囲内に収まっています。機能に関わらる重要な寸法は製品図面やデータシートに特定の公差 として示されています。特定の公差の指定がない場合、DIN ISO 2768-cKで定められた一般公差が 適用されます。 直線寸法の最大誤差: 公差クラス c エリアセンサ この光電センサは、投光器と受光器が別々の筐体に分かれています。投光器と受光器を個別に向か (ライトグリッド) い合わせて配置し、広いエリアでターゲットを監視します。このエリアにターゲットが入るとすぐに 公差クラス 0.5以上 3以上 6以上 30以上 120以上 400以上 1000以上 2000以上 スイッチング信号が出力されます。アナログ出力のエリアセンサでは、ターゲットの位置や高さを計測 3未満 6未満 30未満 120未満 400未満 1000未満 2000未満 4000 未満 することができます。 c (粗さ) ±0.2 ±0.3 ±0.5 ±0.8 ±1.2 ±2 ±3 ±4 直線性と平面性: 公差クラス K 公差クラス 10未満 10以上 30 30以上 100以上 300以上 1000以上 未満 100未満 300未満 1000未満 3000未満 K 0.05 mm 0.1 mm 0.2 mm 0.4 mm 0.6 mm 0.8 mm www.balluff.com
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6 | センサ 導入と基礎知識 I 7 ライトオン 受光部(器)に光が入ってきた状態で出力がONになるタイプの光電センサのことを示します。 オンディレイ 物体が検出距離に入ってきたとき、センサが応答に必要とする時間を示します。 受光部(器) アンプ部 出力 受光 変調 ON 偏向フィルタ 特定の振幅方向でのみ通過できる光学フィルタで、散乱する光を効果的にフィルタリングできます。 光は偏向されます。これにより、金属表面の反射による誤検知を削減できます。 遮光 無変調 OFF 光の屈折 光学密度が異なる2つの光学媒体(ガラス/空気など)の境界で起こる光線の方向の変化を示します。 屈折の角度は、それぞれの媒体の光学密度の量と光軸の入射角εに依存します。光線が密度の高い 媒体nから媒体n'を通る場合、より大きな角度ε’で通過します。εcrit.(臨界角: 屈折した光線が境界に 沿って平行に進む角度) を超えると光線は媒体nへ再び反射します。これを全反射と言います。 相対湿度 この値が高い環境では、レンズの曇りなど、センサの機能に何らかの影響が出るおそれがあります。 全反射 リフレクタ、 空間内では、光線は直線状に伸び、物体に当たると反射します。物体の表面状態により、全反射、回帰 反射板 反射、拡散反射の種類があります。 光学式の物体検出や画像処理では、再帰反射がよく用いられます。再帰反射は、互いに垂直に並べ られた2枚のミラーで発生します。光線は二重反射により同一逆方向に反射します。そのため、広い範 囲で入射角を変化させることができます。この2次元的な再起反射の原理は、互いに直角に配置され 光源タイプ 光電センサでは、異なる色の可視光や人の目には見えない光など、異なる波長の光源が使用されま た3面鏡による三次元のシステムにも応用できます。このシステムに入射した光線は、3つすべての鏡 す。光電センサで使用される主な光源の種類は以下です: 面で全反射し、入射光と同じ角度で射出されます。 赤色光: 位置合わせが容易な可視光です。多くの用途で使用されます。 赤外光 (IR): 不可視光ですが、汚れの多い環境でも色に依存しない検出が可能です。 赤色レーザー光: 可視光で、レーザーの物理的特性により小さな物体や長距離、精密性が求められる 検出に最適です。 白色光: 可視光で、コントラストセンサやカラーセンサなど特殊な用途で採用されます。 紫外線 (UV): ほぼ不可視で、蛍光マークなどの検出に適しています。 回帰反射 互いに垂直に並べられた2枚のミラーで発生します。光線は二重反射により同一逆方向に反射しま す。そのため、広い範囲で入射角を変化させることができます。 MICROmote 超小型の光電センサヘッドと専用のセンサアンプを組み合わせ、光線センサシステムです。極めて小 さいセンサヘッドが大きな特徴です。 Microspot/ピンポイント 広角≤3°のLEDです。小さく、極めて強度の高いスポット光が要求される用途に最適です。 回帰反射型光電センサ 回帰反射型の光電センサには投光器と受光器が同じ筐体に搭載されています。センサと反対側にあ るリフレクタが投光器により発せられる光線を受光器に反射します。ターゲットとなる物体により反射 スポット径 [mm] 光が遮断されることで、出力信号を変化させます。表面が反射する物体の場合、誤検知を防ぐため、 偏向フィルタを用いて、物体の反射光をフィルタリングすることをお勧めします。 35 30 標準的な赤色光 25 20 標準的な 15 赤色光 10 投光器/受光器 リフレクタ Microspot 5 ターゲット センサからの距離 Microspot 5 10 15 20 25 30 35 40 45 [mm] www.balluff.com
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8 | センサ 導入と基礎知識 I 9 逆接続保護 電源のプラス/マイナスや配線の茶と青を逆に接続した際にセンサを保護する機能や回路のことを 透過率 光が媒体を透過する尺度を示します。透過光と入射光の比率(%)で定義されます。光が部分的または 示します。 完全に拡散する場合は、拡散透過率と言います。 センサヘッド センサヘッドは投光部と受光部で構成されます。透過型センサの場合、投光部と受光部は別々の筐体 三角測距 投光器と受光器の光円錐が互いに交差した点の角度で物体の距離を測定する方式です。ターゲット になります。 は投光器と受光器の光軸が交差する領域内でのみ検出されます。物体から反射または拡散された光 がこの領域外であった場合、受光器はこれを検知できません。この方式のメリットは、比較的小さな距 離の変化を計測できることと、ターゲットの色や形状に影響を受けにくいことです。 短絡保護回路 短絡や過負荷からセンサを保護する機能や回路のことを示します。DC電源で電力が供給されるバル ーフのすべてのセンサに搭載されています。過負荷や短絡が検知されると、出力トランジスタが自動 的に出力信号をオフにします。この障害が修正されるとすぐに、出力回路は通常動作にリセットされ ます。 投光器 ターゲット 標準的なPUR・PVCケーブル 固定時の最小曲げ半径: 5 × ケーブル径 の最小曲げ半径 可動時の最小曲げ半径: 10 × ケーブル径 受光部 ティーチング ボタン操作でセンサを設定する方式です。ポテンションメーターやスライドスイッチは使用しません。 定められた手順でセンサの設定が行われるため、検出が不安定な設定が行われることがありませ オフディレイ ターゲットがセンサの検出領域から離れて(放射パワーの50%以下)から出力信号を切り替えるまで ん。内蔵のプロセッサは、汚染用のインジゲータや出力の制御も行います。 の時間を示します。 テスト入力 投光器の光パルスを遮断することで、投光器と受光器の機能を確認することができる、センサの入力 信号です。汚れや光軸のズレがある場合、受光器に届く光はとても微弱になります。そのため、テスト 入力をONにしても、出力は切り替わりません。テスト機能により光電センサをリモート監視でき、予防 保全が可能になります。 透過型光電センサ 透過型の光電センサは、受光器と投光器で構成され、互いに向き合って設置します。最大50 mの範囲 で検出できます。ターゲットが光線を遮断すると受光器が動作し、出力信号が切り替わります。ホコリ や蒸気、油煙などが舞う厳しい環境でも、透過型の光電センサが安定して動作します。 投光器 受光器 ターゲット タイム・オブ・フライト タイム・オブ・フライトの光電距離センサは、投光器が光を照射して、ターゲットで反射し、受光器が光 (TOF) を検知するまでの時間を測定します。この時間の長さにより、ターゲットまでの距離を測定することが できます。 www.balluff.com
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バルーフ株式会社 〒103-0025 東京都中央区日本橋 茅場町2-9-8 茅場町第2平和ビル 3階 TEL: 03-5645-5880 info.jp@balluff.jp www.balluff.com/go/contact お問い合わせ 免責事項 本書を使用する場合、使用者は細心の注意を払って使用し、矛盾や齟齬があった場合、直ちにテキスト形式でバル ーフに通知する義務があります。この点について、バルーフは技術的な誤りや誤植に関する責任を負わず、本書を いつでも予告なく変更する権利を有します。 本書が無償で提供されたのち、バルーフに故意または十分な過失があると判断された場合に限り、本書の瑕疵に よる損害、またはその他の契約上もしくは契約外の義務違反による損害について責任を負うものとします。上述の 責任の制限は、詐欺的な意図、生命や身体、健康に対する損害、保証が想定される場合、および製造物責任法に基 づく責任の場合には適用されないものとします。上述の責任の制限は、バルーフの従業員、代表や団体、ならびに バルーフのすべての代理人に適用されるものとします。 システムや装置へ使用する前に、無償で提供される本書がお客様の用途に適しているか、確認してください。 本書と無償で使用することにより、お客様はこの免責事項について同意したこととみなされます。 950369_AA · JA · I22 · 内容は予告なく変更される場合があります。 A22から改定