1/28ページ
ダウンロード(5.9Mb)
汚染管理戦略 Contamination Control Stratgegy ~全体像を提示し意思決定を助けるために必要なデータや情報を特定・収集する~
■はじめに/汚染管理戦略(CCS)と改訂のポイント
■Annex1が明確に分ける「3つのモニタリング概念」/清浄度管理
■Annex1における清浄度分類とモニタリング
■国際規格における清浄度分類/ISO 14644の構成
■環境モニタリングにおける再適格評価/トレンド管理
■環境モニタリングシステム図/気中パーティクルカウンタ測定原理
■気中パーティクルカウンタの紹介/清浄度監視システム
■ISO 14644 と EU GMP Annex1
■Grade 別の管理ポイント
■まとめ/お問い合わせ
◆詳細は本資料をダウンロードしご覧いただくか、お気軽にお問い合わせ下さい。
このカタログについて
| ドキュメント名 | PIC/S GMP Annex1における清浄度分類とモニタリング |
|---|---|
| ドキュメント種別 | ホワイトペーパー |
| ファイルサイズ | 5.9Mb |
| 登録カテゴリ | |
| 取り扱い企業 | ニッタ株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
この企業の関連カタログ
このカタログの内容
Page1
スライド 1
NITTA Corporation All Rights Reserved. 2026
Page2
スライド 2
はじめに ‐PIC/S GMP Annex1 とは ‐
PIC/S( Pharmaceutical Inspection Co-operation Scheme :医薬品査察協定および医薬品査察協同スキーム
) は、 医薬品の製造・ 品質管理に関する国際的な基準 ・ 査察の枠組みです。 GMP基準は従来国ごとに異なっ
ていましたが 、 医薬品流通のグローバル化に伴い 、 現在はPIC/S GMP が事実上の世界標準 となっています 。
PIC/S GMP Annex 1 は、 無菌医薬品の製造( Manufacture of Sterile Medicinal Products ) に関する要求事項
を定めた付属書です 。 2022年8月に大幅改訂され ( 2023年8月発効) 、 文書量は旧版の約16ページから約 58
ページへと拡充されました 。
Annex 1 の最重要キーワード = 汚染管理戦略( CCS: Contamination Control Strategy )
|清浄度分類と環境モニタリングの位置づけ
無菌医薬品の製造において 、 清浄度分類( Classification ) と 環境モニタリング ( Monitoring ) は、 製品
の無菌性を保証する CCS の根幹をなす要素です 。 本書では両者の概念・ 規格・ 実務を体系的に整理し 、 皆さ
まの CCS構築と運用の一助となることを目指します 。
58 ページ +99 項目 CCS必須化
旧版(約 16頁)から大幅拡充 新規追加された段落 施設全体の汚染管理を要求
POINT Annex 1の 原則は、一部が液剤・クリーム等の非無菌製品の汚染低減にも応用可能とされています。
1 NITTA Corporation All Rights Reserved. 2026
Page3
スライド 3
汚染管理戦略( CCS)とは — 5つの中核要素
CCSは、 無菌製品の製造において微生物 ・ 微粒子・ エンドトキシン/パイロジェンなどの汚染を最小限に抑
えるために 、 施設・ 設備、 製造プロセス 、 要員、 モニタリング 、 清浄化/消毒を統合して計画的に管理する
戦略です。 5つの中核要素が、 ガバナンス ( 医薬品品質システム: PQS) を中心に連携して機能します 。
施設・設備 製造プロセス
設備・建屋・ユーティリティ プロセス設計・バリデーション
設計段階での汚染リスク排除 原材料管理
CCS / ガバナンス
医薬品品質システム( PQS)
要員 清浄化・消毒
人員管理・教育訓練・更衣 清掃・消毒プログラム
最大の汚染源からの保護 予防保全による清浄度維持
環境モニタリング
環境・プロセスモニタリング
CCS有効性の検証
NITTA Corporation All Rights Reserved. 2026 2
Page4
スライド 4
CCS構築の3ステップ
汚染を「特定」 →「管理」 →「戦略化」する流れで、すべての重要管理点を網羅します。
STEP 1 STEP 2 STEP 3
汚染の特定(定義) 管理(リスク低減) 戦略の構築・運用
• 汚染の種類を定義( 浮遊 • 材料とインフラ ( フロー • 環境モニタリング ( 温湿
/付着粒子・ 微生物・ エ 設計・ 保守・ ろ過・ 設備) 度・ 差圧・ 浮遊/付着粒
ンドトキシン ・ パイロジ 子・ 微生物)
ェン等 ) • 要員( 更衣・ 取扱い・ 教
育訓練) • 要員モニタリング ・ 各種
• 発生源を特定( HVAC・ 要 試験( 無菌性・ バイオバ
員・ 材料・ 不十分な清掃 • 各種適格性評価( 供給者 ーデン ・ 完全性)
手順) ・ 要員・ 設備・ プロセス )
と培地充填試験 • データのトレンド評価と
• 潜在的な汚染エリアを把 定期的な見直し ( 最低年1
握( 原材料→調製→無菌 回)
ろ過 →充填→打栓)
PDA TR 90 (汚染管理戦略の構築に関する技術報告)も、科学的知識を基盤に同様の枠組みを示しています。
3 NITTA Corporation All Rights Reserved. 2026
Page5
スライド 5
Annex 1 改訂のポイント( 2009 → 2022 )
|主な変更点
観点 2009 年版 2022 年版(現行)
汚染管理戦略( CCS) 記載なし 施設全体に対する必須要件
品質リスクマネジメント 限定的 QRM/PQSを全体に適用
文書量 約16ページ 約58ページ/ +99項目
分類とモニタリング 1表に混在 明確に分離(表を別建て)
適用範囲 無菌製品中心 非無菌製品への応用に言及
先端技術 限定的 RABS・アイソレータを推奨
|押さえるべき本質
管理状態の「 継続的な証明」 科学的根拠とリスクベース 非無菌への波及
適格性評価・ バリデーションは 測定点・ 頻度・ 限度値は、 プロ 清浄度分類・ モニタリングの考
出発点。 日常モニタリングとト セス理解とリスクアセスメント え方は、 非無菌製造の汚染低減
レンドで管理状態を継続的に証 に基づき正当化します 。 にも適用できます 。
明することが求められます 。
環境に潜むリスクを定期的に測定 ・ 評価し 、 製品品質と患者安全を担保することが 、 改訂版 Annex 1 の
一貫した思想です 。
NITTA Corporation All Rights Reserved. 2026 4
Page6
スライド 6
もくじ
はじめに/汚染管理戦略( CCS)と改訂のポイント P. 1
Annex1 が明確に分ける「 3つのモニタリング概念」 /清浄度管理 P. 6
Annex1 における清浄度分類とモニタリング P. 8
国際規格における清浄度分類 /ISO 14644 の構成 P. 12
環境モニタリングにおける再適格評価 /トレンド管理 P. 15
環境モニタリングシステム図/気中パーティクルカウンタ測定原理 P. 20
気中パーティクルカウンタの紹介 /清浄度監視システム P. 22
ISO 14644 と EU GMP Annex1 P. 24
Grade 別の管理ポイント P. 25
まとめ/お問い合わせ P. 26
5 NITTA Corporation All Rights Reserved. 2026
Page7
スライド 7
Annex 1 が明確に分ける「 3つのモニタリング概念」
GMP Annex 1 は環境モニタリングを 3 つの明確な概念に区別します 。 これらは目的も基準も異なり 、 独立し
た作業として扱うのではなく 、 連携させることで CCS の一部として機能します 。 環境モニタリングは 、 戦略
が正しく動いているかを確認する 「 目」 の役割を果たします 。
Annex1
区分 Annex1 での扱い(概要) 参考規格
主な記載箇所
清浄度クラス分類
初期分類 設備・部屋の設計・据付・運転状態が ・ 4.28 ISO
Classification
要求を満たしていることを確認
/Qualification ・ 4.29 14644 -1:2015
※初期適格評価
再適格評価
Requalification 初期の清浄度クラスが ・ 4.29 ISO
/Continued 継続して維持されていることを確認 ・ 4.30 14644 -2:2015
compliance
日常(ルーチン )
モニタリング 日常運用下での ISO
Monitoring Chapter9
管理状態の維持・逸脱の検知 14644 -2:2015
/Continued
compliance
「 初期適格評価 」 「 再適格評価」 「 日常モニタリング 」
3つは独立した作業だが、連携させることで汚染管理戦略( CCS)の一部として機能する
第一に「初期分類(Classification/Qualification)」は、設備・部屋の設計・据付・運転状態が要求を満たして
いることを確認する段階であり、Annex1の4.28、4.29およびISO 14644-1:2015に基づいて清浄度クラス分類
を実施します。
第二に「再適格評価(Requalification/Continued compliance)」は、初期の清浄度クラスが継続して維持されて
いることを確認するプロセスで、Annex1の4.29、4.30およびISO 14644-2:2015に準拠します。
第三に「ルーチンのモニタリング(Monitoring/Continued compliance)」は、日常運用下での管理状態の維持
と逸脱の検知を目的とし、Annex1のChapter 9およびISO 14644-2:2015に従って実施されます。
これらの3つの概念は、それぞれ異なる目的と基準を持ち、独立した業務として扱うのではなく、連携さ
せることでリスクを封じ込める汚染管理戦略(CCS)の一部として機能します。
環境モニタリングは、この戦略が正しく動いているかを確認する「目」の役割を果たします。
|3つの概念の役割
初期分類 再適格評価 日常モニタリング
環境のベースラインを確立し 、 確立した清浄度クラスの 「 維持」 を 連続的な監視で逸脱を即時検知しト
要求適合を証明 定期検証 レンド評価
NITTA Corporation All Rights Reserved. 2026 6
Page8
スライド 8
清浄度管理のライフサイクル
設計から運用まで、 3つの概念がどの段階で機能するかを時系列で示します。
設計 据付 初期適格評価
Design As Built (分類) 運用開始 継続運用
①初期分類/適格性評価:運用開始前に、 清浄度クラス・ 各種試験で要求適合を一度だけ証明( ISO14644-1) 。
② 再適格評価: 運用開始後、 Grade A/Bは6か月以内、 C/Dは12か月以内ごとに 「 維持」 を再検証( +重
要変更・ 逸脱時) 。
③ 日常モニタリング: 運用中は連続/順次/定期で常時監視し 、 アラート ・ アクションレベルとトレン
ドで管理状態を継続証明 。
|なぜ区別が重要か
目的が異なる: 分類は「 達成の証明」 、 再適格評価は「 維持の確認」 、 モニタリングは 「 逸脱の早期検知」 。
頻度・ 容量が異なる: 分類は規格に基づく大容量サンプリング 、 モニタリングはリスクに応じた頻度 ・ 容
量で運用。
限度値が異なる: 分類値とモニタリング限度値は別物 ( 特に5µm ) 。 同一視すると過小評価 ・ 過剰警報を
招く 。
POINT 設備の改造・移設、 HVAC( Heating, Ventilation, and Air Conditioning:空調換気設備)設定変更、
長期休止後の再稼働では、定期スケジュールに関わらず再適格評価を検討します 。
7 NITTA Corporation All Rights Reserved. 2026
Page9
スライド 9
Annex 1 における清浄度分類とモニタリング
分類( classification ) VS モニタリング( monitoring )
各 Grade において「分類」と「モニタリング」は明確に区別され、それぞれ適切に実施しなければなりませ
ん。分類は ISO 14644-1 に従い必要時に清浄度を判定、モニタリングはリスクアセスメントに基づき変化・
逸脱を早期に検知します。
① 分類( Classification ) 最大許容粒子数(個 /m³ )
Grade 非作業時 ≧0.5 µm 非作業時 ≧5µm 作業時 ≧0.5 µm 作業時 ≧5µm
A 3,520 - ※1 3,520 - ※1
B 3,520 - ※1 352,000 2,930
C 352,000 2,930 3,520,000 29,300
D 3,520,000 29,300 - ※2 - ※2
② モニタリング( Monitoring ) 最大許容粒子数(個 /m³ )
Grade 非作業時 ≧0.5 µm 非作業時 ≧5µm 作業時 ≧0.5 µm 作業時 ≧5µm
A 3,520 29 3,520 29
B 3,520 29 352,000 2,930
C 352,000 2,930 3,520,000 29,300
D 3,520,000 29,300 - ※2 - ※2
※1 5µm は分類では「規定なし」だが、 CCS または過去の傾向によって示される場合に考慮できる。モニタリングでは 29 個/m³ が重要指標。
※2 予め設定されていない。適用する場合はリスクアセスメントや日常データに基づき設定する 。
5µm をモニタリングで残す理由: Grade A の 5µm は、 HVAC・ フィルタの初期故障や機械セットアップ
時の不良を早期に示す指標 。 単発検出はノイズの可能性があるが 、 連続・ 反復検出は重大な逸脱 として
調査が必要。
NITTA Corporation All Rights Reserved. 2026 8
Page10
スライド 10
占有状態 — As Built / At Rest / Operational
As Built ( 施工完了時) : 部屋が完成し 、 すべてのサービス ( ユーティリティ ) が接続・ 機能している
が、 生産設備・ 人員が存在しない状態 。
At Rest ( 非作業時/安静時 ) : すべての設備が設置され合意された方法で稼働しているが 、 人員が存在
しない状態 。 作業完了後、 設計上の回復時間( Clean -up time ) 後に清浄度を達成すべき 。
Operational ( 稼働時) : すべての設備が機能し 、 規定人数が合意された手順で作業している状態 。 最
も汚染負荷が高い 。
分類は At Rest と Operational の両状態 で実施します。 Grade A/B は作業時も非作業時と同等の清浄度
維持が求められます。
9 NITTA Corporation All Rights Reserved. 2026
Page11
スライド 11
清浄度区域 Grade A –D の定義
Grade 区域の内容と要求 ※3
リスクの高い無菌操作のクリティカルエリア ( 無菌操作ライン ・ 充填ゾーン ・ ストッパーボ
A ウル・ 曝露一次包装・ 無菌接続部 等) 。 一方向気流( RABS/アイソレータ内 ) で保護し 、
一方向気流の維持を全域で実証 ・ 適格性評価する。 作業者の直接介在は設計で最小化する 。
アイソレータでない場合の 、 無菌操作による調製 ・ 充填の背景となるクリーンルーム 。 室間
B 差圧は連続的にモニタリングする 。 アイソレータ技術使用時は Grade B より低い清浄度も考
慮できる 。
無菌製品製造の重要度の低い段階や、 アイソレータの背景に用いるクリーンルーム 。 最終滅
C / D
菌製品の調製・ 充填にも使用できる 。
※3 本資料は、 “PIC/S GMP Annex1”をニッタ株式会社が訳文し作成したものです。
また、訳文は原文を解釈するための参考であり、判断と行動は原文により実施してください。
|清浄度評価の場所(測定位置)
規格で定められた測定点 ・ 高さ ( 原則として作業高さ ) で測定する 。 サンプリングチューブは使わないの
が最良。 使用する場合はできるだけ短く ・ まっすぐにし 、 粒子損失を抑える 。 リスクの高いクリティカル
な処理位置は、 文書化されたリスクアセスメントとプロセス知識に基づいて決定する 。
参考 FDA 無菌操作ガイダンスでは 、 リスク点から約 30cm ( 1フィート ) 以内を重要モニタリング点とし
ています 。
NITTA Corporation All Rights Reserved. 2026 10
Page12
スライド 12
微生物モニタリングの限度値(適格性評価時)
Annex 1( 2022) は、 適格性評価時の各 Grade の最大許容微生物汚染レベルを規定します 。 重要な変更点と
して 、 結果の平均化は認められず 、 Grade A は「 検出ゼロ ( No growth )」 が要求されます 。
浮遊菌 落下菌(φ90mm) 付着菌(φ55mm)
Grade
CFU/m³ CFU/4 時間 CFU/プレート
A No growth No growth No growth
B 10 5 5
C 100 50 25
D 200 100 50
|運用上のポイント
平均化の禁止 Grade A/B の菌種同定 手袋・ 更衣の管理
単一の測定結果でも限度値を超 Grade A/Bでは検出菌の菌種同定 Grade A/B では手袋( 5指) な
えれば逸脱として扱う ( 2009年 ( Species level) まで実施し 、 汚 ど要員由来の付着菌も監視対象
版の平均化は不可) 。 染源の特定に活かす。 とする 。
微生物モニタリングの測定点は固定ではありません 。 設備配置や要員フローの変化に合わせて 、 リスク
ベースで定期的に見直し 、 現状のクリーンルーム運用を正しく代表するよう更新します 。
11 NITTA Corporation All Rights Reserved. 2026
Page13
スライド 13
国際規格における清浄度分類( ISO 14644 -1)
PIC/SGMP Annex 1 の 4.3 項は、 清浄度分類を ISO 14644 -1 に従って実施することを明確に要求しています 。
空気中の粒子数濃度( 粒径別・ 個/m³ ) により 、 クリーンルームを ISO Class 1〜 9 に分類します ( 対象粒径
0.1〜 5.0µm 、 統計的に有効な測定に基づく ) ※4 。
ISO Grade 0.1µm 0.2µm 0.3µm 0.5µm 1.0µm 5.0µm
ISO 1 - 10 - - - - -
ISO 2 - 100 24 10 - - -
ISO 3 - 1,000 237 102 35 - -
ISO 4 - 10,000 2,370 1,020 352 83 -
ISO 5 A 100,000 23,700 10,200 3,520 832 -
ISO 6 - 1,000,000 237,000 102,000 35,200 8,320 293
ISO 7 B - - - 352,000 83,200 2,930
ISO 8 C - - - 3,520,000 832,000 29,300
ISO 9 - - - - 35,200,000 8,320,000 293,000
※4 基づくクリーンルームの設計・据付・運用状態を「性能として」評価するもの であり、 製造リスク評価そのものでは ありません。
|分類の主な条件( ISO 14644 -1)
測定器 ISO 21501-4( JIS B 9921)に適合した光散乱式気中パーティクルカウンタ
最小測定容量 上限粒子数において 20個となる容量、または 1分間、または 2L のうち最大の容量
測定点数 対象エリアの床面積に応じた最少測定点数(規格の表に基づく)
測定位置 均等分布、原則として作業高さ
判定 各測定点で平均値が上限濃度以下、かつ全測定点が条件を満たせば合格
検証頻度 12か月(リスクアセスメントにより延長可)
NITTA Corporation All Rights Reserved. 2026 12
Page14
スライド 14
サンプリング点数と最小サンプル量
|クリーンルーム面積と最少測定点数( NL )
面積A(㎡) 点数NL 面積A(㎡) 点数NL 面積A(㎡) 点数NL
2 1 52 10 148 19
4 2 56 11 156 20
6 3 64 12 192 21
8 4 68 13 232 22
10 5 72 14 276 23
24 6 76 15 352 24
28 7 104 16 436 25
32 8 108 17 636 26
36 9 116 18 1,000 27
NL:必要な最小測定点数 A:クリーンルームの面積
面積A が1,000 ㎡以上の場合: NL = 27 ×( A / 1,000 ) (小数点以下切り上げ)
|1測定に必要な最小サンプル量・吸引時間
統計的に有意な検出 ( 20 個) に必要な容量 流量と 1,000 L 測定に要する時間
V = (20 / Cn) × 1,000 ・ 2.83 L/min = 約353分
クラス上限値 ≧0.5µm: 3,520個/m³ → 20個カウント ・ 28.3 L/min ( 1CFM) = 約35.3分
に必要な容量=約1,000L( >2L・ >1分) ・ 100 L/min = 10分で完了
実務上のヒント: 大容量サンプリングを短時間で行うには高流量機(例: 100 L/min )が有効 。
1CFM( 28.3 L/min )は分類で広く用いられる代表的条件です。
13 NITTA Corporation All Rights Reserved. 2026
Page15
スライド 15
ISO 14644 シリーズの構成
清浄度の「分類・モニタリング・試験方法」は、それぞれ異なるパートが規定します。
清浄度クラスの分類
Part 1 粒子数濃度による空気清浄度の分類( ISO Class 1〜 9)。 Annex 1 の清浄度分類は
これに従う。
モニタリングによる適合性の実証
Part 2 分類状態の継続的な適合性を実証するためのモニタリング計画の要求。リスクア
セスメント文書が基礎。
試験方法
Part 3 粒子濃度・ HEPA完全性・風量/風速・差圧・回復時間など、各種試験の方法を規
定。再適格評価の試験はこれに準拠。
Part 4 / 5 設計・施工・運用
クリーンルームの設計・建設( -4)、運用( -5)など。設備ライフサイクル全体
ほか を補完する。
適格性評価の方法論はEU GMP Annex 15 に、検証(試験)の方法は ISO 14644 -3:2019 に従います。
Annex 1 はこれらを参照しつつ、無菌製造に固有の要求(連続モニタリング・ 5µm 監視等)を上乗せし
ています。
NITTA Corporation All Rights Reserved. 2026 14
Page16
スライド 16
環境モニタリングにおける再適格評価
|再適格評価( Requalification )とは
初回の適格評価( 初期分類・ 初期適格評価) で確立した清浄度クラスなどが 、 その後も継続的に維持されて
いることを 、 定期的または都度確認するプロセスです 。 初回が「 要求を満たす状態か 」 の証明であるのに対
し 、 再適格評価は「 その状態を継続して保てているか 」 の検証である点で目的が異なります 。
初期適格評価 再適格評価 日常モニタリング
ベースラインの確立 維持の定期検証 連続的な監視活動
|なぜ再適格評価が必要か
清浄度は時間とともに変化する:空調フィルタ ・ 設備の性能劣化、 要員・ 物品の持込みによる汚染蓄積で、
達成した清浄度が徐々に低下しうる 。 規制・ 規格上の要求: GMP・ ISO はクリーンルームの定期再評価に
よる継続適合性 ( continued compliance ) の確認を求める 。 品質・ リスクの担保:微生物 ・ 微粒子による
製品汚染は患者安全に直結。 定期的な見直しが製品と患者を守る土台となる 。
POINT 初回の初期適格評価は環境のベースラインを確立するもの、再適格評価はその維持を確かめるも
の、日常モニタリングは連続的な監視活動。 3つの役割を明確に区別して運用することが重要です。
15 NITTA Corporation All Rights Reserved. 2026
Page17
スライド 17
再適格評価を実施すべきタイミング
基本的には定期的なスケジュールに従って実施しますが、環境や運用状況の変化に応じて臨時の再評価も必
要になります。主なタイミングは次のとおりです。
タイミング 解説・具体例
定期スケジュール 所定期間ごとに必ず再評価し清浄度の維持を確認 。 規制で頻度が示される ( 例:
(年次・半期) ISO は原則12か月以内、 Annex1では Grade A/Bは6か月以内) 。
改造・ 設備の増設/移設、 空調設定変更、 レイアウト変更など環境に影響する変
重要な変更後
更時。 特に機器移設は気流変化で清浄度が変わる恐れがあり 、 影響範囲に応じ
(設備・工程・環境)
DQ/IQ/OQ/PQの一部または全部を実施 。
重大な逸脱・ 単発ではなくトレンドまたは反復的な汚染が生じた場合 、 調査・ 是正の一環とし
異常発生後 てより包括的な再評価を行い 、 環境性能の回復を確認する 。
長期休止後の 長期間の不使用やライン停止後の再開前に 、 環境条件が初期から変化していない
再稼働前 かを確認( 空調停止による汚染蓄積 ・ 設備劣化に対処) 。
これらのタイミングは CCS のもとでリスクに応じて設定します 。
多くの製薬工場では Grade A/B のクリティカルゾーンを 6か月ごとに再適格評価することが業界標準にな
りつつあります。独自頻度の場合は、査察で合理性の説明が求められるため、リスク評価に基づき頻度
を設定してください。
NITTA Corporation All Rights Reserved. 2026 16
Page18
スライド 18
再適格評価の頻度と必須試験
|最大再評価間隔
対象 規格/ガイドライン 最大間隔
GMP Grade A ・ B EU/PIC-S GMP Annex 1 6か月
GMP Grade C ・ D EU/PIC-S GMP Annex 1 12 か月
ISO Class 1 –9 ISO 14644-1 12 か月
+ 重要な変更後・重大な逸脱後・長期休止後の再稼働前は、間隔に関わらず都度実施を検討。
|再適格評価に最低限含めるべき試験( Annex 1 / ISO 14644 -3)
✓ 最終HEPAフィルタの完全性試験
✓ 清浄度分類
リーク試験により取付け・フィルタ健全性を
総粒子濃度( ≧0.5µm ・ ≧5µm )の測定
確認
✓ 風量測定 ✓ 室間差圧の検証
各吹出口の風量・換気回数の確認 部屋間の差圧(圧力カスケード)の確認
✓ 風速測定 ✓ 回復時間(推奨)
一方向気流の作業高さ/吹出面での風速確認 汚染後に清浄度へ戻る時間( ISO 14644-3)
風速・気流は数値測定に加え、 気流可視化(スモークスタディ) で一方向性を確認することが推奨され
ます。連続モニタリングのデータ活用で、再評価を効率化できます。
17 NITTA Corporation All Rights Reserved. 2026
Page19
スライド 19
モニタリングの方式(連続/定期 )
モニタリングは単なる測定でなく、環境が管理状態にあることを継続的に証明するプロセスです。 Grade A
では連続的モニタリングが必須です 。
方式 目的・特徴 適用
すべての介入・一過性イベント・設備劣化を検出。各場所に 1台
連続的 Grade A
のカウンタを配置し、生産フェーズ全体で常時データを取得。
Continuous Grade B
アラート/アクションレベルの評価に資するトレンドを提供。
分類テスト間の継続適合性を実証するため、スケジュール(例
定期的
:週 1回)で粒子モニタリングを実施。ユーザーが試験頻度を明 Grade C/D 等
Periodic
確に指定することが条件。
ISO 14644 -2 の要求: モニタリング計画の基礎は十分に開発されたリスクアセスメント文書 。
プロセス・重要エリア・潜在的汚染源を正しく理解した上で、測定頻度・場所・粒径・警報設定を決定
します 。
連続=常時データではなく「一貫したサンプリング 」 。
Grade A は重要処理の全期間(通常、生産の 20〜 30分前から終了・清掃まで)を連続監視し、少なくと
も 28.3 L/min ( 1ft³/min )以上の流量で測定します。
NITTA Corporation All Rights Reserved. 2026 18
Page20
スライド 20
アラート/アクションレベルとトレンド管理
アラートレベル ( Alert ) アクションレベル ( Action )
正常状態からのドリフト ( 偏り ) の早期警告を提 基準を超えた場合に 、 即時の介入・ 根本原因調査
供するために 、 ユーザーが設定するレベル 。 アク ・ 是正措置を必要とする 、 ユーザーが設定するレ
ションレベル到達を未然に防ぐために用いる 。 ベル。
|トレンド管理の意義
アラート・アクションに達する前に、データのトレンドから潜在的なハザードを察知し、予防保全や調整
を先回りで実施できる。アクションレベル未到達でも、傾向の悪化(連続・反復)は是正の契機。逸脱の
「発生頻度」に着目する。アラーム発報時は視覚・聴覚の両方で通知し、どの測定点かを即座に特定。介
入の正当性を記録に残す。
5µm モニタリングの実務 ( N of M 評価) : m³あたりの限度値を分単位に按分する際 、 5µm では単発1個
を即異常とせず 、 例えば「 1個=警告/2個=アクション 」 のように 、 一定時間内の発生回数( N of M) で評
価します 。 短時間サンプリングによる偽警報を避けつつ 、 HVAC・ フィルタの初期故障の兆候を捉えます 。
モニタリングのサンプル容量は分類 ( 1m³ ) と同一である必要はありません 。
自動システムの流量に応じて容量を正当化し 、 限度値・ 警報・ 是正の根拠を CCS文書に記載します 。
19 NITTA Corporation All Rights Reserved. 2026