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シングルチップエンコーダーによる制御装置の性能向上

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制御装置の全般的性能向上の助けとなるS.C.エンコーダーに関する説明を掲載しています

用途に合わせた対応としてシングルチップエンコーダー(以下S.C.エンコーダー, 正確にはシングルチップセンサーモジュールとディスク/ローターとの組合せのエンコーダーの意味)を使って設計を行えばより高度で集約されたセンサー技術を利用できます。シングルチップ使用により形状や寸法に自由度が増し、より精度の高い出力信号でシステム全体の性能を向上させる事が可能です。

このカタログについて

ドキュメント名 シングルチップエンコーダーによる制御装置の性能向上
ドキュメント種別 製品カタログ
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磁気式 18ビットアブソリュート ワンチップIC
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テクタイト株式会社

このカタログ(シングルチップエンコーダーによる制御装置の性能向上)の内容


Page 1:White Paper[テキストを入力] www.ichaus.com  シングルチップ エンコーダー による 制御装置の性能向上制御装置を 設計する場合、動作速度や位置の情報を 既存の ロータリーエンコーダー や リニアーエンコーダーで フィードバックする事が出来ます。 標準エンコーダーは 通常の 大部分の設備や制御装置に 機械的 及び 電気的に 接続可能になっています。エンコーダーの場合、標準ハウジングに 収まったものや モジュール型が 一般的です。 従来からの センサー類は 多くの制御装置設計に使われ 標準形状で設計されています。 この様な 標準製品が 大部分の制御の用途に使われていますが、エンドユーザーの選択は 限られた 形状や寸法に 限られます。そこで 用途に合わせた対応として シングル チップ エンコーダー (以下 S.C.エンコーダー, 正確には シングルチップセンサーモジュールと ディスク/ローターとの 組合せのエンコーダーの意味)を 使って 設計を行えば より高度で集約された センサー技術を 利用できます。 シングルチップ使用により 形状や寸法に 自由度が増し、より 精度の高い 出力信号で システム全体の性能を 向上させる事が 可能です。この白書では 制御装置の 全般的性能向上の 助けとなる S.C.エンコーダー に関する 説明を致します。説明内容1)   動作制御装置の性能向上2)   S.C.エンコーダーによる方策3)   S.C.エンコーダーの型式と選択4)   性能向上に役立つ S.C.エンコーダーの 利点5)   纏め  6)   関係資料1)   動作制御装置の性能向上 Increasing Performance in Motion Control Applications動作制御の場合、設備全体の性能を向上させる 一つの方法は 動作のフィードバック経路の 改善にあります。 種々の用途に於いて、ロータリー 或いは リニアーエンコーダーは 回転速度や位置情報を データとして リアルタイムで 制御装置へフィードバック します。

Page 2:White Paper[テキストを入力] www.ichaus.com(1)

Page 3:White Paper[テキストを入力] www.ichaus.com制御装置の性能向上の場合の例としては次の様なものが考えられます。•   位置決め精度の 向上•   作業速度アップ•   システム効率の 向上•   信頼性と再現性の 改善また下記の例の様な事を 可能にする事が 考えられます。•   装置全体と 組立部品の 校正•   リアルタイムでの 設定 調整•   寸法公差精度 改善•   機械的位置決めの 調整•   予防的メンテナンスの 調整この様な多様なシステム改善が いつも 出来れば 有り難いのですが、新規や既存の設計に於いて 必ずしも この様な利点を 使えるとは限りません。 この様な変更を 実行すると、設備設計を 複雑にしたり、生産性を下げたり、形状やコストに 影響したり、市場へ売出すタイミングを 遅らせたりしかねません。 しかし ここでは 動作制御に於ける エンコーダーからの フィードバックに 照準を合わせて、この様な問題点を 総合的に 減らしたり 取除いたりする エンコーダー設計の方策を 議論したいと考えます。2)   S.Cエンコーダーによる方策 The Single-chip Encoder Approach一つの例として 図-1の標準的モーターの組立に付いて考えてみましょう。BLDC  MotorEncoderPower,Comm,DrivePower,ABZ  or  ABSNote:  BLDC=  Brushless  DC    Comm=  Commutation,  ABZ=  Incremental  Output,  ABS=  Absolute  Position  Output  図-1: 通常の ハウジングに入ったエンコーダーを 取付けたブラシレスモーターここでは ブラシレスモーターに 回転制御の目的で、 通常売られている 標準的エンコーダーが、 軸の位置情報のフィードバックのために 取付けられています。 一旦 モーターに付いた エンコーダーを 制御装置に接続すると、装置の性能向上 目的で 出力や 条件設定など、エンコーダー自体に 施す必要のある 機械的や 電気的な 調整は ほとんど出来ません。大抵の場合、これで 全然 問題有りませんが、より高い性能が要求される 設備に使われる場合は 設計目標に合う様

Page 4:White Paper[テキストを入力] www.ichaus.com(2)に エンコーダーに対して さらに追加の設定が必要になります。 次に 比較のため 図-2 に 示してある S.C.エンコーダーに付いて 説明致します。Single-­chip  based  Magnetic  EncoderBLDC  MotorPower,Drive,ABZ,ABS,Sin/Cos,Comm,ConfigMagnetiC-­MHNote:    Comm=  Commutation,  ABZ=  Incremental  Output,  ABS=Absolute  Position  Output    Sin/Cos=  Analog  Sine  and  Cosine  outputs,  Config=  Encoder  Configuration    図-2: S.C.エンコーダーを 使用した場合の ブラシレスモーターここでは 通常のハウジングに入った エンコーダーの代わりに S.C.エンコーダーが 使用されています。 チップの設計段階に於いては 電気回路と チップ化のための パッケージ化設計が必要になります。 この際、機械的な設計は比較的簡単なのですが、電気回路の設計は 最初は かなり困難そうに見えます。しかし高度に集積された S.C.エンコーダーがあると、エンコーダーチップ 1箇と 数個の 補助的 個別部品があれば 事足ります。 この場合 通常、電気回路 参考設計図と部品配置図は エンコーダー用・ICの メーカーから 入手できます。  図-2では 通常のエンコーダーの代わりに S.C.エンコーダーで 設計されていますが、この場合 S.C.エンコーダーは iC-MHという 磁気エンコーダーIC です。 この様な設計により エンコーダーの条件設定を デジタル接続に 合わせることが 可能になります。 こうする事により、この様に 種々の条件に適応して 動作制御フィードバックを 高度化し システムの改善が出来ます。次に S.C.エンコーダー用 IC自体 とは別に、図-1から 図-2への 設計変更に際して 注意すべき点を 説明します。既に説明致しました様に 電気回路設計は エンコーダーICと 補助的個別部品で 構成されます。 また必要であれば、他の目的の 特別な回路や 接続点を 追加する事も可能です。 例えば、ブラシレスモーターの場合、モーターの電源ケーブルが エンコーダーの回路に取り込まれ、モーター/エンコーダーの 電源・信号出力が 1本のケーブルで 制御装置へ接続され、ケーブル取付けを単純化できます。 さらに、もし そうしたければ ブラシレスモーターの制御装置(ドライブ)の電気回路さえ 追加する事も 可能です。 図に示してある様に、エンコーダーチップが モーター軸の回転の検出する方法は直径方向に着磁された 磁石を通して行われています。

Page 5:White Paper[テキストを入力] www.ichaus.com(3)磁気ローターは モーター軸の外径に 直接 取付けられており、モーターの 軸位置や 回転速度を 直接 エンコーダーチップへ伝える事が出来ます。 面白い事に この場合 ブラシレスモーターであるにも拘わらず、整流用のホール素子が付いていません。 このエンコーダーチップは 整流信号を出力する事も 可能なため、この場合 余分な もう一組のセンサーを付ける必要がなくなります。 さて この S.C.エンコーダーの設計に於いて 最も 強調しておきたい事に 動作制御に 複数の異なる信号の検出が 出来る事があります。 S.C.エンコーダーの場合、インクリメンタル信号、サイン・コサインの アナログ信号 (関係資料[4]) の出力 また 諸条件設定と 絶対位置のデータ解析 のための デジタル シリアル接続を 同時に行う事が出来ます。 図-2の 設計思想を参考にして 設備性能向上のために S.C.エンコーダー設計を もう少し 詳しく進めて行きます。  3)   S.C. エンコーダーの型式と選択 Single-chip Encoder Types and OptionsS.C.エンコーダーには 二つのタイプが有ります。 図-3 に示した様に 磁気式と 光学式の 2種類です。 用途により これら二つのタイプの どちらを使うかは 設備の性能に 大きな影響が有ります。 例えば、磁気式の場合、大変 厳しい使用環境に 耐えますし、エンコーダーの構造も 大変 簡単になりますが、分解能や 信号精度は通常 類似の 光学式よりは劣ります。 この例として、磁気式用の iC-MH8 と 光学式用の iC-LNG を 比較してみて下さい。 この様に、エンコーダーが使用される 用途と その環境を考えて 選択をする事が 重要です。図-3: シングルチップICを使用した磁気式(磁石ローター) と 光学式(LED+ディスク)

Page 6:White Paper[テキストを入力] www.ichaus.com(4)  例として、表-4の S.C.エンコーダーIC 型式 仕様比較表を 参考にして下さい。 各々の ICの 特徴を比較して、システムの性能の向上に 最も適した対応を 見つけ出す事が出来ます。表-4: S.C.エンコーダーIC型式 仕様比較表出力形態 Output Format図-5にある iC-LNG の様な S.C.エンコーダーICは 複数の異なる信号を 同時に出せます。 その出力形態は 標準のAB+Z 矩形信号、サイン・コサインの アナログ信号、シリアル接続のアブソリュート、パラレル接続のアブソリュート です。図-5: iC-LNG: 光学式アブソリュートエンコーダーICで 可能な 多種類の信号

Page 7:White Paper[テキストを入力] www.ichaus.com(5)iC-MH8 の様な S.C.エンコダーには 条件設定と 絶対位置測定のために 高速シリアル接続を 可能にする BiSS(Bi-directional Synchronous Serial Interface、二方向シンクロ直列接続) という 無償公開の シリアル接続のソフトが 有ります。図-6, に示されている様に 、この接続には クロックと 絶対位置読取り用データ 及び エンコーダー条件設定の 読取り・書込み データがあれば 充分です。 位置データの 読取りは SSI (server side include)に 似ていますが、ご覧の様に設定データの 読取りと書込みは 2箇の マスタービットCDM スレーブビットCDS で 上手く 処理されます。 BiSS そのもの自体が SSI エンコーダー接続を 可能にするだけでなく、より高い データ処理量や データの精度を 上げるための 繰返し重複チェックの様な ビルトイン機能を持っています。 BiSS に関する さらに詳しい情報は BiSS website 関係資料[1] で ご覧下さい。.二地点間 : 2データ言語と 2方向制御データ での Sensor-to-PLC 伝達:CDMにより マスターから スレーブへ、CDSにより スレーブから マスターへBiSS マスターは 各々のサイクルで ライン と 測定値の遅れを自動的に調整する。図-6: BiSS 直列接続 - 二地点間接続4)   性能向上に役立つ S. C.エンコーダーの 利点Single-chip Encoder Features for Boosting PerformanceS.C.エンコーダー内の諸部品機能は チップ上の センサー素子を 上回る進歩をしています。 これらの部品は 現在では

Page 8:White Paper[テキストを入力] www.ichaus.com多くの ビルトイン機能を持ち 一つのチップ上で 集積部品を 形成し 高機能の エンコーダーシステムを 作り上げました。(6)図-7に 示されている様に ビルトイン機能の例は 下記のようなものが有ります。アナログ信号調整サイン・コサイン波の 逓倍デジタル信号化信号エラーチェックゲインの自動調整複数のエンコーダー信号出力形式ブラシレスDCモーター用 整流出力デジタル信号設定ラインドライバー機能システム内 プログラミング機能    図-7: iC-MH8 磁気式エンコーダーICのブロック図強調して置きたい事は、一つの エンコーダー部品に この様な 自由度の高い 多様な機能が収まっているだけでなく、これらの機能を 用途の必要性に応じて 調整出来るという事です。 例えば、アナログ信号を 設定・調整 出来る機能は高精度信号を出力出来る事に繋がります。 また、整流極数を 選択できる機能は 多種類の ブラシレスDCモーターへの 対応を 可能にします。 この様な 柔軟性に富んだ仕組みが 1箇の エンコーダーチップ内の RAMに収まっているだけではなく、チップ内の信頼性の高い RAMに プログラムされており、この設定が 電源を入れると共に 読取られ働きます。 これらの全ての利点により 自由度高く 設定可能な S.C.エンコーダー は システムの機能向上に 貢献する事は 明らかです。この様に設定可能な部品に於いても それを容易に設定できる簡単な 手段が必要です。 この様な設定が 直列接続に対して プログラムされる一方で、iC-MH の様な エンコーダーICには 単純で リアルタイム相互作用と 部品のプログラム

Page 9:White Paper[テキストを入力] www.ichaus.com設計を 可能にする PC.GUI (Graphical Use Interface) の手段があります。 電気回路上の エンコーダーICへの接続には パソコンアダプターの プラグが差し込まれますが、このアダプターは USBで パソコンへ接続されます。(7)図-8に示された PC GUI は S.C.エンーダー設計の鍵になる システム内設定と プログラミングを 可能にします。      図-8: iC-MH 磁気式エンコーダーIC PC測定GUI (Graphical User Interface)この 個別仕様 設定可機能に加えて、これらの 多くの利点は 機能向上に 自由度を増し、制御システムに 新設計の助けになります。 ここで動作制御のシステムの 機能向上に貢献出来る 下記の長所に付いて 考えたいと思います。分解能 Resolution図-1 と 図-2に 示されたデザインを 振り返って見ましょう。 動作制御の 機能改善が 必要になる場合で 最初に 思い浮かぶのは エンコーダー信号の 分解能です。 もし エンコーダーの出力が 100 CPR (cycles per revolution ) 或は 400直角位相 (quadrature edges, 通常 エッジと呼ぶ) から より高い値の 1000 CPR 或は 4000エッジに 上がれば 分解能は10倍に 上がります。 これを角度で見ると 動作制御システムに取り 分解能は 0.9° から 0.09°に 跳ね上がります。この様な分解能アップを行う際、考えておかねばならない事は 動作制御に付いて回るバンド幅 と 応答時間 (関連資料[3]) です。10倍の数の パルスが 制御装置 或は 内蔵されているマイクロプロセッサーに 入ってくる事になります。 この増加に対して ハードウエアーも ファームウエアー(ハードウエアーを 制御するためのソフトウエアー) も インターラプト (割込み) と

Page 10:White Paper[テキストを入力] www.ichaus.comデータ プロセシングに 対応出来なくては いけないという事です。(8)

Page 11:White Paper[テキストを入力] www.ichaus.comしかし、この事を良く考慮して分解能アップを行えば S.C.エンコーダーによる 問題解決が 最も威力を発揮する事になります。 多くの場合、分解能アップを行うには エンコーダーの メカニカルの変更も 必要になりますが、条件が揃えば 磁気式でも 光学式でも ICや 磁気ローターを 変える事なしに デジタル変更だけで済む事が 多々 有ります。 例えば、iC-LNB 光学式エンコーダーIC には フレックス カウント モジュール(flexible count module)が 内蔵されているので1cprから 65,536cpr まで 光ディスクを 取替える事なしに 分解能を 上げる事が出来ます。 この事は S.C.エンコーダーが 用途により 複数の異なった分解能を 出力できるという事を 意味します。省スペース      Form  Factor  S.C.エンコーダーの 一つの長所として エンコーダーの 形状を 大変 小さく出来る事があります。例えば iC-MH 磁気式エンコーダーIC は 僅か 5 x 5 mm² の パッケージに入っており、エンコーダーの 電気回路を 非常に小さな寸法にする事が出来ます。 このように 省スペースが 可能なため、非常に 制限された空間でも 回転速度や 位置 測定が可能になります。 という事は 今までは 使えなかった様な 狭い所にも エンコーダーを 取付けられるという 可能性が出て来ます。 このフィードバック を 以前は オープンループで 使っていた システムに 加える事により、オープンループシステムを オーバードライブしなくても、機能と効率のアップが 可能になります。エンコーダー センサー への入力 Encoder  Sensor  Input  エンコーダーの出力精度というものは 入力より良くなる事はなく、必ず 入力以下になります。 入力の源になるものは 磁気式エンコーダーの場合 円筒状の磁気ローターで 外周に着磁がされ、また 光学式エンコーダーでは LED (発光ダイオード) と スリットの入った 光を通すディスクが 入力の源になります。 性能を上げるためには エンコーダーの入力の精度を良く測定して 改善する事以外には 実現出来ません。 磁気式エンコーダーIC の場合、入力の精度アップは 高品質磁製材の ローターを使い、IC内の センサーと ローター着磁面の ギャップ を 最短距離に調整し、さらに メカニカル精度を上げ ローターの 外径と 内径の 同芯度を 上げる事が重要です。 光学式エンコーダーの場合は、高品質の LEDを使い LEDと チップ間の ギャップを狭くし、メカニカル設計を 最適化する事が重要です。 いずれの場合も 要するに 最良の入力信号を エンコーダーICに インプットする事が 肝心です。 こうする事により エンコーダーからの フィードバックを 最善のものにすることが出来ます。精度調整      Accuracy  Calibration  エンコーダーの精度の目合せ まず 基準精度と 比較し、それから エンコーダーの メカニカル調整と エンコーダー内蔵のICの 各々のパラメーターの 調整で 行います。   メカニカル調整に関しては、S.C.エンコーダーを使用した 設計では 省スペースに役立つ 小型形状が 従来の ハウジング入りエンコーダーに対して種々の優位性を与えてくれます。 エンコーダーICは 磁気ローター 或は 光ディスク に対し 微細な位置決めが 可能なため、ICに 最高の信号入力が 可能になります。一方では メカニカルの調整も 精度アップの 一つの方法ですが、S.C.エンコーダーの デジタル設定による改善も大いに利用すべきです。 S.C.エンコーダーは 内部の諸条件を デジタル シリアル接続に対して 設定出来るので、より精度の高い エンコーダーの精度調整が 出来ます。 エンコーダーの精度を 最高に上げる事が出来ると、システムの機能が 改善されるだけでなく、高精度のフィードバックにより、モーター制御の効率が上がります。この目合せの作業は いつも簡単という訳ではありません。 場合によっては テストしたい エンコーダーを 既存の標準エンコーダーと 比較する事が必要になります。 それから 専用のデータの入手と パソコンのプログラム により 精度や 誤差プロットなどの 測定値を 表示する事が可能になります。 もし この様な 設計を 最初から 始めると 大変な仕事量に なります。 幸いな事に エンコーダーの キャリブレーション(目合せ)に 使える 測定装置が あります。

Page 12:White Paper[テキストを入力] www.ichaus.com(9)図-9に示した様に SinCosYzer が この様なデータ作成を 助けてくれる 標準品測定器として売られています。 単に サイン・コサイン波の出力信号を入力する事により、キャリブレーションに 役立つ種々の測定値が 表示されます。 リサージュ図形、誤差曲線、精度 などが 色々な形で 示されるのは 特に 便利だと 強調しておきたいたいと思います。 この様な測定値が リアルタイムで 表示されるので S.C.エンコーダーの 迅速な目合せを 行う事が 可能となります。 この作業は図-8に示された エンコーダーチップPC GUI (graphical user interface)により 簡単に行えます。 これらの エンコーダーチップ内での 設定変更は 振幅 オフセットの 内部信号調整や さらには サインコサイン波の 位相調整により行われます。図-9: SinCosYzer エンコーダー用 キャリブレーション(目合せ) 測定器エンコーダーの信号位置調整 Encoder Signal Position Adjustment1エンコーダー信号の 零位置を デジタル調整する事は システムの性能アップに 役立つ もう一つの方法です。 図-10 に示されたエンコーダー信号を基にして iC-MH 磁気式エンコーダーチップの Z信号(インデックス信号 )の位置は 1.4°のピッチで 調整する事が出来ます。  図-10: iC-MH ABZ 及び BLDC UVW モーター整流信号

Page 13:White Paper[テキストを入力] www.ichaus.com(10)モーター整流の 零位置 (U信号の立上りの エッジ) も 1.4°の ピッチで 調整出来ます。 デジタルで 用途に合わせて 零位置が 調整出来るという事は 各々の用途において スタート位置の きめ細かな 設定が可能となります。 また モーター整流の デジタル 零位置 調整により モーター制御の 効率アップが 可能となります。 ブラシレスDCモーターの 磁極の位置を読む 固定された ホール素子センサーとは異なり、S.C.エンコーダーは モーター整流信号を 創造発信して 制御装置 そのものの 機能を高めます。 S.C.エンコーダーでは モーターの 回転数 信号と 整流信号の 両方の位置を 完全に調整して プログラムが出来るので 動作制御に より柔軟性に富んだ 対応が可能になります。  5)   纏め Summaryシングルチップエンコーダーは 従来からの 標準完成品のエンコーダーや モジュールエンコーダーに比べ 対応性に富み 自由な設定が 可能な フィードバックの選択を 提供します。 正確な調整と エンコーダーからの 最適のフィードバックを 必要とする制御に対して S.C.エンコーダーは 柔軟な対応性と 低コストの 新しい対策を 提供致します。 S.C.エンコーダーに基づいた新設計では エンコーダーを デジタル接続に 対応させる事が出来ます。 この様に 様々な条件に 合わせられるこの製品は 全般的なシステムの 能力アップのために 制御用フィードバックを 改善します。6)   関係資料 Literature[1]  BiSS  website:  http://www.biss-­‐interface.com/    [2]  Interfacing  Microcontrollers  to  the  Industrial  World,  iC-­‐Haus  White  Paper  [3]  Fast  and  simple  measurement  of  position  changes,  iC-­‐Haus  White  Paper    [4]  Flexible  Sensor  Signal  Conditioning  and  Safe  Transmission,      Marko  Hepp,  SensorsMag,  June  2010    [5]  Measure  angles  on  rotating  systems  with  high  resolution,    Dr.  David  Lin,    Automotive  DesignLine,  August  2007  [6]  Using  smart  drivers  to  save  energy  for  long  transmission  lines,    Dr.  David  Lin,    Industrial  Control  Design  Line,  July  2009    iC Haus 概要      Introducing  iC-­‐Haus  iC-Haus 社は、特定用途向けの標準 IC(ASSP)やカスタム ASIC を製造している、ドイツ有数の独立系半導体メーカーです。25 年以上にわたり、産業用、自動車用、医用機器用の特定用途向け IC の設計、製造、販売を手がけ、世界各地に代理店を持っています。iC-Haus 社では CMOS、バイポーラ、BCD 技術のセル・ライブラリをフルに活用し、センサー用 ASIC、レーザー/光応用 ASIC、アクチュエータ用 ASIC 等を製品化しています。各 IC は標準的なプラスチック・パッケージで提供されるほか、チップオンボード技術を利用して完全なマイクロシステムやマルチチップ・モジュールとして、また各種センサーと組み合わせた optoBGATM としても提供されます。  【お問い合わせ先】  テクタイト株式会社  東京都墨田区錦糸 1-­‐10-­‐10  電話:03-­‐5611-­‐2527  ファックス:03-­‐5611-­‐2526  E-­‐mail  :  yasuhara@techtuit.co.jp  担当 : 安原