1/6ページ
カタログの表紙 カタログの表紙 カタログの表紙
カタログの表紙

このカタログをダウンロードして
すべてを見る

ダウンロード(1.1Mb)

適切な標準物質の選択方法とは?

ホワイトペーパー

品質グレード、分析証明書、計量トレーサビリティは何を意味するか

標準物質は分析システムのキャリブレーションやメソッドのバリデーション、品質管理プログラムなどを通じて、試験の精度を確保します。そのため、標準物質は分析のワークフローのなかで重要な要素であり、特に試験所の試験用途に適した標準物質を適切に選択することが重要です。

しかし、認証標準物質(CRM)をはじめとする標準物質の品質グレードから、分析証明書、計量トレーサビリティ、その他の概念まで、標準物質の世界は広大なため、時には混乱を招くこともあります。

この冊子では、標準物質の重要なトピックである、計量トレーサビリティや標準物質のグレード、分析証明書、標準物質のフォーマットと用途など、目的に合った標準物質を選択する際に考慮する事項をまとめています。

掲載内容
・適切な標準物質を選択できていますか?
・計量トレーサビリティとSI単位
・ISO 17034と品質グレード
 認証標準物質(CRM)、標準物質(RM)、標準試薬(Analytical standard)
・標準物質の各グレードでは何を測定しているの?
・分析証明書で標準物質の内容を理解する
・標準物質のフォーマット
 あなたが必要なのは未希釈?溶液品?それとも組成型/マトリックス標準物質?
・試験の目的に合わせて正しい標準物質を選ぶ
・目的に合った品質のグレードは?

◆詳細はカタログをダウンロードしご覧いただくか、お気軽にお問い合わせ下さい。

このカタログについて

ドキュメント名 適切な標準物質の選択方法とは?
ドキュメント種別 ホワイトペーパー
ファイルサイズ 1.1Mb
登録カテゴリ
取り扱い企業 メルク株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

この企業の関連カタログ

この企業の関連カタログの表紙
超純水・純水製品装置 カタログ2023
製品カタログ

メルク株式会社

この企業の関連カタログの表紙
超純水・純水製造装置 Milli-Q IQ 7003/05
製品カタログ

メルク株式会社

このカタログの内容

Page1

適切な標準物質の選択方法とは? 品質グレード、分析証明書、計量トレーサビリティは何を意味するか 適切な標準物質を選択できていますか? 計量トレーサビリティとSI単位 標準物質は分析システムのキャリブレーションやメソッドのバリ 標準物質の世界において計量トレーサビリティは重要な概念で、 デーション、品質管理プログラムなどを通じて、試験の精度を確 その基本となるのは、SI単位です。 保します。そのため、標準物質は分析のワークフローのなかで重 国際単位系(SI)では、7つの測定単位を、他のすべてのSI単位か 要な要素であり、特に試験所の試験用途に適した標準物質を適 ら派生することができる基本単位として定義しています。その中 切に選択することが重要です。 で標準物質のトレーサビリティにおいて最も一般的なSI単位は、 しかし、認証標準物質(CRM)をはじめとする標準物質の品質グ キログラムとモルの2つがあります。 レードから、分析証明書、計量トレーサビリティ、その他の概念ま 計量トレーサビリティは”異なる場所で、異なる時間に、異なる人 で、標準物質の世界は広大なため、時には混乱を招くこともあり が、異なる機器を使用して、測定値を有意義に比較できること” ます。 を意味します。 この冊子では、標準物質の重要なトピックである、計量トレーサ 測定結果は、SI測定単位までさかのぼり、文書化された切れ目 ビリティや標準物質のグレード、分析証明書、標準物質のフォー のない校正の連鎖を通じて、関連付けられていなければなりま マットと用途など、目的に合った標準物質を選択する際に考慮す せん。 る事項をまとめています。 質量−キログラム 光度−カンデラ kg 長さ−メートル 物質量−モル 時間−秒 K A 温度−ケルビン 電流−アンペア 図 1. 計量トレーサビリティ – SI Unit of Measurement The life science business of Merck operates as MilliporeSigma in the U.S. and Canada. mol cd s m
Page2

ISO 17034と品質グレード 認証標準物質(CRM)、標準物質(RM)、標準試薬(Analytical standard) 図 2. 標準物質のヒエラルキー 国家計量標準( 例:NIST, JRC, NMI Australia) 公定規格書に規定された標準品( 例:USP, EP, BP, JP, IP) • 認められた機関による発行 • 最高レベルの精度とトレーサビリティを提供すると考えられている 認証標準物質/Certified Reference Materia(l CRM) ISO 17034, 17025 • 最高レベルの精度、不確かさ、SI単位へのトレーサビリティを提供する • 標準物質製造者の認定をうけた施設で製造 標準物質/Reference Materia(l RM) ISO 17034 • CRMよりも要求度の低いISOの要求事項を満たしている • 標準物質製造者の認定をうけた施設で製造 標準試薬/Analytical Standard ISO 9001 • 分析証明書が利用可能 • 製造者によって独自に定義された仕様 試験研究用試薬 • 標準物質として使用できるように特徴づけられていない • 分析証明書が無いものも存在する 標準物質のヒエラルキーには、国家計量標準やその他の一次標 標準物質製造者は、認証標準物質(CRM)または標準物質(RM) 準から、認証標準物質(CRM)、標準物質(RM)、標準試薬、試験 を製造するために、これらのISOの要求事項を満たさなければな 研究用試薬まで、主に5つの品質グレードがあり、認証とトレー りません。また、CRMとRMの品質グレードではいずれも分析証明 サビリティの要求事項のレベルは、レベルが上がるごとに高くな 書を提供する必要があり、その中に含まれる情報もISOガイドラ ります。 インで定義されています。 ISO17034、ISO/IEC17025、ISOガイド31において、標準物質の標 ヒエラルキーの下位にある2つのレベルの品質の仕様は、 国や 準化について提供しています。 ISOの認定ではなく、個々の製造者によって独自に定義されてい ます。 Level of Certification and Tracability
Page3

標準物質の各グレードでは何を測定しているの? 標準物質の品質グレードごとに行われている一般的な各パラ 一次標準、CRM、RMには均質性が要求されますが、低品質の メーターの違いについて表1にまとめました。 グレードではこのパラメータは見られません。不確かさとトレー 純度やアイデンティティは基本的に5つの品質グレードすべてに サビリティの情報は、一次標準とCRMだけに限定されます。 含まれます。しかし、含有量と安定性はについては、標準試薬 なお、医薬品の世界では、二次標準はCRMやRMになりますが、 と試験研究用試薬のグレードでは、これらを確認するかどうか ここではISOで定義されたCRMのSI単位へのトレーサビリティ は製造者によって異なり、含まれている場合と含まれていない と、医薬品の二次標準特有の要求事項である一次コンペンディ 場合があるため確認が必要です。 アルスタンダード(薬局方標準品)へのトレーサビリティの2種 なお、標準試薬はISO Guide 80に従った品質管理用物質の場 類があります。 合があります。 NMI Standard/ 公定規格書に 標準試薬/ 試験研究用試薬/ パラメーター 国家計量標準 規定された標準品 認証標準物質/CRM 標準物質/RM Analytical Standard Research Chemical 純度 ✓ ✓ ✓ ✓ ✓ ✓ アイデンティティ ✓ ✓ ✓ ✓ ✓ ✓ 含有量 ✓ ✓ ✓ ✓ maybe 安定性 ✓ ✓ ✓ ✓ ✓ 均質性 ✓ ✓ ✓ ✓ 不確かさ ✓ ✓ トレーサビリティ ✓ ✓ ✓ Type Primary Primary or Secondary Measurement Secondary Standard Standard Standard or Primary (Pharma) (Pharma) Standard (Pharma) 表1. 標準物質のヒエラルキー
Page4

分析証明書で標準物質の内容を理解する 入手した標準物質について濃度、効力、含有量のいずれであって また、標準物質生産者の品質システム、標準物質の認証プロセ も、認証された特性値を理解し、何が認証されているのかを確認 ス、CRMのトレーサビリティに関する情報もCoAで確認すること することは非常に重要です。 ができます。 認定標準物質(CRM)や標準物質(RM)のグレードには分析 CoAは、その標準物質の認証が試験方法やアプリケーションの 証明書(CoA)が付属しています。その中にはAccuracy/精度、 中で目的に合っていることを確認するために必要な情報を試験 Consistency/一貫性、Homogeneity/均質性、Purity/純度、 所に提供します。 Stability/安定性など、その標準物質を理解する上で重要な品質 パラメータが記載されています。 Accuracy/精度 プライマリソースまたは認証されたセカンダリ ソースとの比較 - 曲線/校正標準 複数の独立して調整したものとの比較 Consistency/一貫性 前ロットと比較してロット間の整合性を検証 Stability/安定性 リアルタイムでの安定性試験により有効期限を 設定 Homogeneity/均質性 アンプル/バイアルのバッチ間の確認 Purity/純度 未希釈の原料との整合性 コンタミネーションや分解がない
Page5

標準物質のフォーマット あなたが必要なのは未希釈?溶液品?それとも組成型/マトリックス標準物質? 標準物質は、メソッドの要件と製品の入手可能性に応じて、さまざ そして組成型、マトリックス標準物質の3つです。Supelco®の標準 まなフォーマット(形状)で使用することができます。標準物質で提 物質は、試験所の必要性と試験アプリケーションに応じて、各形状 供される形状は、未希釈または粉末、溶液に溶解されているもの、 のCRM、RM、または標準試薬を提供しています。 未希釈 溶液 組成型/マトリックス Neat Analyte In Solution In Matrix 形状 バイアル アンプル/バイアル/ボトル アンプル/バイアル/ボトル 用途 ストック溶液やワーキング溶液の作成の為に 調整済み、 認証済みですぐに使える、 調整済み、選択したマトリックスの作業レベル 毎日または毎週重量を秤量し調整する または 希釈して使用する で認証 メリット 広く利用可能 便利 - 時間の節約 便利 - 時間の節約 様々な用途に柔軟に対応 濃度は認証され、トレーサビリティも確保 選択したマトリックスからさらに希釈する 大容量のサイズが利用可能 安定 - 蒸発、蒸散、O から守る 必要性を取り除く 2 濃度と安定性はトレーサブルで認証されている デメリット 物質の特性(吸湿性、粘性、不安定性等)により 分析対象物を正しい濃度と量で正確に マトリックスと希釈液での分析物の長期安定性 取り扱いが難しい場合がある 混合する必要がある 生物学的マトリックスの特別な取り扱いと 調整による時間や手間がかかる 希釈溶媒とメソッドの適合性 保管について考慮が必要 結果の変動が大きくなる可能性がある 表 2. フォーマット の違いー試験所での標準物質の使い方 試験の目的に合わせて正しい標準物質を選ぶ 選択した標準物質は、試験の目的を達成するのに役立つもので メソッドバリデーションでは、試験所のメソッドが正確であるこ なければなりません。 とを示すために、高精度で正確な材料を使用することが非常に たとえば、装置のクオリフィケーション(適格性評価)やキャリブ 重要です。アイデンティティとスクリーニングの目的で使用する場 レーションでは、トレーサビリティの確立と維持が非常に重要で 合は、証明された真正性とアイデンティティが含まれます。定量、 す。日常的に行われるシステム適合性のアプリケーションでは、 アッセイ、安定性評価のためには、安定で正確な標準物質が必 実用的で使いやすく、かつ信頼性が高く、日常的な使用に適する 要です。 費用対効果の高いものを必要とします。 試験の種類 標準物質の使用 例 標準物質の必要条件 装置のクオリフィケーション(適格性評価)/ システム性能の確立 年次の適格性再評価 トレーサブル キャリブレーション 測定精度 定期的な天秤の校正 定期的なキャリブレーション/ 毎日/毎週 使用前の天びん校正 使用に適していると認められていること システム適合性 システム/メソッド固有 システムパフォーマンスの確認 ルーチンパフォーマンスの確立 (LC-UV/MS; GC-FIDなど) メソッドバリデーション 正確さ 医薬品QC;環境試験 正確さ 精度 分析対象物の標準、干渉物、不純物 トレーサブル 特異性と干渉 LOD/LOQと直線性 アイデンティティ 未知のものと既知のものの比較 医薬品、食品等の受入原料 信頼性 スクリーニング 含有量またはアッセイ 分析対象物の定量 農薬/毒物のリミット 認証された含有量 Pharma QC - API トレーサブル 安定性評価 製品の安定性をモニター 医薬品QC 安定かつ均質 内部品質管理 メソッドの精度 定期的な分析対象物の定量 認証された含有量 - 医薬品/農薬/診断薬 トレーサブル 表 3. 標準物質の使用-試験の種類
Page6

目的に合った品質のグレードは? 目的に適した標準物質の選択の決定には、規制等の要求事項、入手可能性、試験アプリケーションの種類、精度レベル、サンプルマトリック スなど、いくつかの要因に依存することがあります。 Compendial Analytical Reagent 試験の種類 NMI Standard Standard CRM RM Standard Chemical 特性 装置のクオリフィケーション ✓ ✓ ✓ トレーサビリティ と精度 (適格性評価)/ キャリブレーション 定期的なキャリブレーション/ ✓ ✓ ✓ ✓ maybe 品質の確保された標準物質 システム適合性 (プライマリまたはセカンダリー) メソッドバリデーション ✓ ✓ ✓ ✓ 正確さ、高精度、バイアス アイデンティティ ✓ ✓ ✓ ✓ ✓ ✓ 物質が正しく確認できること 含有量またはアッセイ ✓ ✓ ✓ ✓ maybe 品質が確保されていること 安定性評価 ✓ ✓ ✓ ✓ maybe 品質が確保されていること 内部品質管理 ✓ ✓ ✓ ✓ maybe 品質が確保されていること 規制/認定 ✓ ✓ ✓ ✓ 品質が確保されていること 表 4. 標準物質選択における目的別適合性のガイダンス 詳細はこちら:bit.ly/merck-crm サイエンス系 かんたんカタログ検索 メルク ライフサイエンス - メールニュース お役立ちメディア www.merckmillipore.com/wm カタログ M-hub ファインダー メルク ライフサイエンス公式 SNS、動画コンテンツをご覧ください。 本紙記載の製品は試験・研究用です。ヒト、動物への治療、もしくは診断目的として使用しないようご注意ください。掲載価格は希望販売価格(税別)です。実際の価格は弊社製品取扱販売店へご確認ください。なお、品目、製品情報、価格等は予告なく 変更される場合がございます。予めご了承ください。 記載内容は2021年3月時点の情報です。 Merck, the vibrant M, and Supelco are trademarks of Merck KGaA, Darmstadt, Germany or its affiliates. All other trademarks are the property of their respective owners. Detailed information on trademarks is available via publicly accessible resources. ©2021 Merck KGaA, Darmstadt, Germany. All rights reserved. Original Lit. No. is MK_FL5855EN. リサーチ事業部 〒 153-8927 東京都目黒区下目黒 1-8-1 アルコタワー 5F 製品の最新情報はこちら www.sigmaaldrich.com/japan 製品に関するお問い合わせは、テクニカルサービスへ E-mail: jpts@merckgroup.com Tel: 03-6756-8245 在庫照会・ご注文に関するお問い合わせは、カスタマーサービスへ E-mail: sialjpcs@merckgroup.com Tel: 03-6756-8275 Fax: 03-6756-8301 シグマ アルドリッチ ジャパン合同会社はメルクのグループ会社です。 AAM095-2103-10K-E