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【導入事例:AutoForm】ウィストン・インダストリーズ様 / AutoFormでトライアウトの時間短縮と金型製造のコスト軽減を実現

事例紹介

シミュレーションを活用することで、表面的な欠陥やスキンのサーフェス精度に関する不具合も検討して解決を図ることができます

イギリスにおいて、プレス金型の製作で50年以上の歴史とノウハウを有するウィストン・インダストリーズ(以下、ウィストン社)。同社は、金型設計においてAutoFormのソフトウェアを長年にわたって活用し、トライアウトの時間短縮と金型製造のコスト軽減を実現しています。同社のエンジニアリング・テクニカル・コンサルタントのスティーブ・ハケット氏に伺いました。

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このカタログについて

ドキュメント名 【導入事例:AutoForm】ウィストン・インダストリーズ様 / AutoFormでトライアウトの時間短縮と金型製造のコスト軽減を実現
ドキュメント種別 事例紹介
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取り扱い企業 オートフォームジャパン株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

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このカタログの内容

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Case Study [海外導入事例]ウィストン・インダストリーズ様 AutoFormでトライアウトの時間短縮と 金型製造のコスト軽減を実現 イギリスにおいて、プレス金型の製作で50年以上の歴史とノウハウを有する ウィストン・インダストリーズ(以下、ウィストン社)。 同社は、金型設計においてAutoFormのソフトウェアを長年にわたって活用し、 トライアウトの時間短縮と金型製造のコスト軽減を実現しています。 同社のエンジニアリング・テクニカル・コンサルタントのスティーブ・ハケット氏に伺いました。 ウィストン社は、イギリスを代表する金型 問し、工場および最新のAutoFormソフト 製作所です。委託機械加工を専門とし、そ ウェア活用現場を紹介していただきました。 の取引先は世界規模の自動車、航空宇宙、 この工場では、ソフトウェアのスペシャリ ウィストン社のエンジニアリング・テクニカル・ 医療、エネルギーおよび海上関連業界と多 ストと強い関係を築き、シミュレーション後 コンサルタント、スティーブ・ハケット氏 岐にわたります。また、トランスファー金型、 の再切削解消を目標に、継続的な品質向上、 順送金型、プレス成形金型やダイの製作、 効率化、およびコスト削減に努めています。 フトウェアの活用やツール活用の経験を基 金型の修理やダイの交換サービスなども に、金型生産サイクル早期の工程および設 行っています。主要構造部品、シャーシ、少 ウィストン社では、多岐にわたる 計に関する詳細な基準を策定しました。こ 量および大量生産に適したクラスAの外板 ホワイトボディ(BiW) れにより、 生産性の最大化および最終部品 など、自動車のホワイトボディ(BiW)部品 の高精度化が確証され、バーチャル・ダイ 部品を供給しています の金型も幅広く供給。高強度鋼材やアルミ フェースによるブランク展開の予測が可能 など様々な材料を使用し、自動車業界全体 になりました。 では年間で約80種類の金型を製作してい 設計および 同社のエンジニアは、高度なインクリメ ます。 プレス成形シミュレーション ンタル・シミュレーション技術の活用と成 自動車および航空宇宙関連のプレス金 形限界図の正確な解釈により、一般的な薄 型の製作には50年以上の経験を有し、取 「ウィストン社は、イギリスで初めてCAD 板やアルミシートにおけるしわ、われ、過 引先も世界規模の自動車OEMや一次サプ を導入し、機械加工を開始した金型製作所 剰板減、過剰板厚、スプリングバックなど ライヤのお客様として、 ジャガーランドロー です。1980年代に急成長を遂げ、特に大 の不具合を予測しています。この不具合予 バー、レンジローバー、ベントレー、アスト 型のトライアウト・プレスに投資したこと 測と金型設計において、AutoFormソフ ンマーティン、STADCO、フォルクスワー から、大型のタンデム金型の製作が可能に トウェアを長年にわたって活用してきまし ゲン、ロールスロイス、MGローバー、アウ なりました。イギリスにおいて大規模な金 た。AutoFormソフトウェアは、同社のお ディ、フォードトラック、PACCARトラック、 型に対応できる数少ない企業のひとつで、 客様が使用しているCADシステム(Catia、 BMW、メルセデス・ベンツなど錚々たる企 フォード社にてQ1ステータスを有するの Ideas、Powershape、Unigraphics、 業が並びます。今回は、バーミンガム近郊に は、当時、欧州の金型製作所の中でも我が AutoCad、IGES、VDAおよびDXF等) ある同社のクラッドリー・ヒースの施設を訪 社のみだったと記憶しています」と、エンジ の生データに対応しています。 ニアリング・テクニカル・コンサルタントの 「我が社では、コンセプト作成(Die スティーブ・ハケット氏は語ります。 Designerを使用したブランクホルダや余 肉形状のフィージビリティ・データ)から金 ウィストン社は、イギリスで 型の検証まで、すべてのプロジェクトにお 大規模な金型に対応できる いてAutoFormを利用しています。部品は 100%の内部公差が必須であるため、かな 数少ない企業のひとつです り早い段階からスプリングバックの不具合 に着目しました。AutoFormを使用するこ ウィストン社の外観 同社は、プロセス・シミュレーション・ソ とで、プロジェクトの早期段階からスプリン
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Case Study グバックの不具合を検出できるため、例え ます。そのためには、スプリングバックを最 ば、治具、組み立て、またはクランプのコンセ 小に抑制する必要があります。また最初の 新たな挑戦 プトを変更するか、または公差をずらすかな 成形工程を終えた後、次工程の金型につい どの選択肢についてお客様と相談すること ても、例えば、部品がその金型上にどのよ ウィストン社で製造するすべての金型は、 ができます。金型のサーフェスは、実際に製 うにのるか等、詳細に検討しなければなり 事前に同社のCADチームが承認された金 造する金型と完全一致するようにモデル化 ません。 型基準をベースに完全構築しています。 そ します。モデル化にあたっては、ガス圧の上 そのため、トリムの実行後、最終部品とな の工程を経て3D完全機械加工のカッター・ 昇やドロービードを含む、すべての詳細を取 る前にドロー・シェルを作成した場合、最初 パスを最適なカット戦略として策定します。 り込みます。シミュレーションでは、実際に に実行したトリムを見込み補正するかどう 製造することを可能な限り完全に模倣しな かをAutoFormモデルで決定する必要が 金型製作では1/10/100ルール ければならず、この関連付けが重要で必須 あります。そしてスプリングバックが小さい が存在し、シミュレーションでは 事項でもあります。また、AutoFormソフト 場合は実行し、スプリングバックが大きい 1ポンド、設計には10ポンド、 ウェア(デジタル・マスター)で確認する結果 場合はドロー・シェルを作成して部品をス 金型の完成時には は、実際の現場で確認する結果と一致しな キャンすることも選択肢となります。金型の 100ポンドがかかります ければなりません」(ハケット氏) 製作は、複数の金型にわたる場合でも、高 い品質とパフォーマンスを両立しなければ 金型サーフェスは、 なりません。 一般的に金型を構築する方法には、ガ 実際に製造する金型と完全一致 ハケット氏は「AutoFormソフトウェア ス・スプリングやマニホールド等があります。 は、DieDesigner、Trim、Sigmaの3つ ウィストン社の金型トライアウト工程では、 するようにモデル化します のモジュールを使用していますが、どれも 最大5メートル(197インチ)の大きなトラ 十分に満足しています。 将来的にはヘミン イアウト・プレスを使用することができ、お シミュレーションによって金型の品質は グ・ソフトウェアの導入も検討しています」 客様の要件に応じて、水圧形式および機械 向上し、ドロー型を再切削する必要がほと と語っています。 形式の両方に対応することが可能です。ま んどなくなるためコスト削減にもつながり た、お客様の要件に応じて、サンプル部品 も生産します。 自動車の軽量化が進むにつれて、金型の 設計にアルミが使用されるようになってい ます。今や、部品の約70%にアルミが使用 されており、またアルミは鋼材よりもスプリ ングバックが顕著です。「金型の製作では、 常に何らかの問題解決に追われています。 製作するすべてのものが特注品で、一回限 りのものだからです。成形ソフトウェアは、 実質的なトライアウトにあたります。金型製 作では1/10/100ルールが存在し、シミュ レーションには1ポンド、設計には10ポン ド、そして金型の完成時には100ポンドと、 後工程にいくほどコストがかります」とハ ケット氏は話しています。 「我々はAutoFormのシミュレーション・ ソフトウェアを長年活用しています。この ソフトウェアを活用することで、工程に費 やす時間を節約できるため、より多くのシ ミュレーションを実行することができます。 プレス機から取り出された金型および成形部品 その結果、精度が大幅に向上します。金型
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Case Study 製作者にとって時間は敵となり、常に時間 不足と向き合わなければなりません。その 優先順位は、速度、精度、使い勝手、コスト 削減、そして全体的な効率です。シミュレー ションの設定が正確であれば、トライアウ トで問題は起こらないはずです。我が社で は、この10年間で、工程が大幅に改善され ました。以前はまずドロー・サーフェスを検 討し、それからトライアウトでその他の問 題を解決していましたが、現在ではシミュ レーションの時間は増加したものの、トラ イアウトの時間は大幅に短縮され、結果と してコストの大幅削減も実現しました」(ハ ケット氏) シミュレーションの時間は 増加しましたが、トライアウトの 時間は大幅に短縮され、 結果としてコストの アストンマーティンのボンネット 大幅削減につながりました のプロジェクトでは、公差は+/-0.8mmで 関するプロジェクトでも発揮されました。 した」(ハケット氏) アストンマーティンDB11のフードは、こ ハケット氏が代表的な例として挙げたの れまでに製作した中でも、最大級の冷間プ が、新規のレンジローバーヴェラールのプロ シミュレーションを レス金型となりました。ここまで深いドアは ジェクトです。ウィストン社は、このプロジェ 活用することで、表面的な欠陥や 同社においても初めてのことで、フード・ア クトで9個の部品の金型を供給しています。 スキンのサーフェス精度に関する ウターの金型は適合する生産プレス機すら AutoForm-DieDesignerを使用し、アル 不具合も検討して解決を ありませんでした。 ミを使ってタンデムおよびトランスファー金 同社はこの金型設計について、大いに頭 図ることができます 型を製作し、一次サプライヤのお客様であ を悩ませます。初期のフィージビリティ検討 るStadco社に納品しました。 では、最初にすべてのドロー・サーフェスを 9個の部品の金型のうち、8個について シミュレーションを活用することで、表 設計し、巨大なブランクを適合させること は再切削を行っていません。提供された 面的な欠陥やスキンのサーフェス精度に関 から始まりました。しかし、これは想像を絶 CADデータをもとに、トリム角やブランク する不具合も、検討または解決することが するほどの難問だったと言います。 ホルダの設定などの基準を順守したうえで できます。これによって標準はより厳格に 「AutoFormチームは非常に優秀で、解決 製作し、フィージビリティを確認していま なり、パネルに波紋がある金型の販売を差 の糸口が見えない諸問題の検討に、大きな す。プロジェクトでは、スプリングバックの し止められるようになりました。このこと 力添えをいただきました。各部品のシミュ 不具合が発生したものの、AutoFormソフ が、成形技術の大きな変化につながってい レーションは、それぞれ12回から100回 トウェアやCADを使ってシミュレーション ます。 以上に及びました。各製造工程の設計は、 で問題を検討しました。 部品のプレス成形後に、表面的な不具合 最終的に完璧な製造工程となるよう、微 「標準的な寸法精度は、OEMごとに異な を修復することはほぼ不可能です。そのた 調整を要します。中でも頻度が高いのは、 るため、全工程を通じてマイルストーンご めAutoFormソフトウェアを活用し、設計 OEMによる変更要求です。工程中に穴を とにお客様と常に連携しながら対応しまし 段階で欠陥を予測して修正しました。ウィス 変更したり、トリムラインを修正したりする た。また、材料(鋼材・アルミ)によっても公 トン社の金型製作における創意工夫は、ア こともあります」とハケット氏は語ります。 差は、+/-0.8mmから+/-0.3mmまで範 ストンマーティンDB11のフード(インナー 新型のアストンマーティンヴァンテージ 囲がありますが、レンジローバーヴェラール およびアウター)、そしてドアの金型製作に が発表されたばかりですが、同社はすでに
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Case Study 新型モデルのドア、ボンネット(アルミ)、ルー とが想定されます。ハケット氏は今後の展 シミュレーション・ソフトウェアのパート フおよびボディ・サイド(鋼材)の金型を製 望として「これから2019年初頭まで大きな ナーとして、AutoFormに高い信頼を寄 作しています。ボディ・サイドは形状が非常 プロジェクトがあり、予定も詰まっています せています 。 に深く、金型製作は困難を極めたものの、 ので、製造側の諸作業をどのように整理し、 本件に関するご質問、ご相談につきまし スキン・パネルのサイズと複雑さに対応す 効率を上げるか、継続的な改善および品質 ては弊社担当者までお気軽にお問い合わせ る上で、AutoFormのシミュレーション・ 向上について検討していきます」と話して ください。 ソフトウェアは、大きな助けになったといい います。 この記事は専門誌「International Sheet Metal ます。 ウィストン社は、設備にも大きな投資を Review」掲載の"The Partnership Principle" アストンマーティンヴァンテージの金型 行っています。最近も、ファゴール社の新 (2017年12月)を和訳・転載したものです。 におけるもうひとつの課題は、AutoForm- 型プレス機を2台、新型の切削複合工作機 Sigmaソフトウェアにて検証可能な、ロ 械、そして新型CMM機を導入したばかり バスト性とも呼ばれる再現性でした。部 です。 品の量産における再現性は、スクラップの 「2018年1月には新しい5軸型の切削複 レベルの最小化という観点からも重要で、 合工作機械(3m×8m bed)を導入予定 AutoFormがウィストン社と4年を費やし です。18か月前にはZimmerman社の大 て作業してきた分野です。AutoFormは、 きな5軸型の切削機を導入し、最近は大規 TryoutAssistantという新しいソフトウェ 模な新型CMM機も購入しました。今後も アをリリースしてその課題に対応しました。 中古機を購入することで価値を抑えつつ、 これは、金型をどのように物理的に変更して 小さな金型構成部品の製造に必要な小型 (ドロービードの調整など)、シミュレーショ の5軸型切削機を数台購入する予定です。 ンのデジタル・マスタに戻すかを検討する すでに生産現場には、2×1200トンの ものです。 LOIRE社の液圧プレス機と350トンの機 械プレス機が導入されています。トライア ウトに使用するため、2×800トンのファ 2018年に向けて ゴール社のプレス機も設置済みです。これ によって適用範囲が広く、需要も伸びてい ウィストン社において2017年は売上げ る小ロットの委託生産をより多く手掛けた も大幅に増加し、素晴らしい年になりまし いと考えています」(ハケット氏) た。ポンド通貨の下落も、輸出の後押しと 継続的な改善および品質向上に関する長 なりました。実際、この4年間は非常に多 い伝統と経験を有するウィストン社は、こ 忙でしたが、2018年もこの好調が続くこ れからも金型製作プロジェクトにおける 部品の社内点検 AutoFormを使用するスティーブ・ハケット氏 AutoForm News No.28(2018年3月発行)からの抜粋