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【フォード、プジョーも導入】プレス成形シミュレーションで短納期&コスト削減【特集限定!導入事例集プレゼント】

事例紹介

製品開発から製造まで、プロセスチェーン全体をカバーするソフトウェア・ソリューションAutoFormの導入事例を、一冊にまとめて無料プレゼントいたします。

AutoFormのソフトウェア・ソリューションは、プレス成形工程の設計、評価および改善を行う上での包括的なプラットフォームです。日常業務における実用的な利用はもちろん、設計業務の処理能力の向上を実現すべく、このソフトウェアは開発されました。

★プレス成形シミュレーションソフト導入事例プレゼント中★
「プレス成形シミュレーションソフト」によって生産サイクルの短縮、コスト削減に成功したメーカーの導入事例をまとめてプレゼントいたします。プジョー、シトロエン、フォード等大手自動車メーカーをはじめとした成功事例を1冊にまとめました。この機会に、ぜひダウンロードください!


◆紹介事例

PSA・プジョーシトロエン社(フランス)
・プジョーおよびシトロエンブランドの自動車を製造・販売。

フォンタナ・ピエトロ社(イタリア)
・自動車向けプレス成形金型を設計・製造、フェラーリの戦略的パートナー。

フォード・ヴェルケ社(ドイツ)
・1925年設立、今日までに4000万台以上の自動車を生産。

フランケ・ヴェルケツォイクバウ社(スイス)
・スイスのキッチンメーカー、フランケ・キュッヘンテフニクAGの金型製作部門。

ウィストン・インダストリーズ社(イギリス)
・自動車、航空宇宙、医療業界など、プレス金型の製作で50年以上の歴史とノウハウ。

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ドキュメント名 【フォード、プジョーも導入】プレス成形シミュレーションで短納期&コスト削減【特集限定!導入事例集プレゼント】
ドキュメント種別 事例紹介
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取り扱い企業 オートフォームジャパン株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

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プレス成形シミュレーションソフト「TriboForm」
製品カタログ

オートフォームジャパン株式会社

このカタログの内容

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Case Study [海外導入事例]ウィストン・インダストリーズ様 AutoFormでトライアウトの時間短縮と 金型製造のコスト軽減を実現 イギリスにおいて、プレス金型の製作で50年以上の歴史とノウハウを有する ウィストン・インダストリーズ(以下、ウィストン社)。 同社は、金型設計においてAutoFormのソフトウェアを長年にわたって活用し、 トライアウトの時間短縮と金型製造のコスト軽減を実現しています。 同社のエンジニアリング・テクニカル・コンサルタントのスティーブ・ハケット氏に伺いました。 ウィストン社は、イギリスを代表する金型 問し、工場および最新のAutoFormソフト 製作所です。委託機械加工を専門とし、そ ウェア活用現場を紹介していただきました。 の取引先は世界規模の自動車、航空宇宙、 この工場では、ソフトウェアのスペシャリ ウィストン社のエンジニアリング・テクニカル・ 医療、エネルギーおよび海上関連業界と多 ストと強い関係を築き、シミュレーション後 コンサルタント、スティーブ・ハケット氏 岐にわたります。また、トランスファー金型、 の再切削解消を目標に、継続的な品質向上、 順送金型、プレス成形金型やダイの製作、 効率化、およびコスト削減に努めています。 フトウェアの活用やツール活用の経験を基 金型の修理やダイの交換サービスなども に、金型生産サイクル早期の工程および設 行っています。主要構造部品、シャーシ、少 ウィストン社では、多岐にわたる 計に関する詳細な基準を策定しました。こ 量および大量生産に適したクラスAの外板 ホワイトボディ(BiW) れにより、 生産性の最大化および最終部品 など、自動車のホワイトボディ(BiW)部品 の高精度化が確証され、バーチャル・ダイ部品を供給しています の金型も幅広く供給。高強度鋼材やアルミ フェースによるブランク展開の予測が可能 など様々な材料を使用し、自動車業界全体 になりました。 では年間で約80種類の金型を製作してい 設計および 同社のエンジニアは、高度なインクリメ ます。 プレス成形シミュレーション ンタル・シミュレーション技術の活用と成 自動車および航空宇宙関連のプレス金 形限界図の正確な解釈により、一般的な薄 型の製作には50年以上の経験を有し、取 「ウィストン社は、イギリスで初めてCAD 板やアルミシートにおけるしわ、われ、過 引先も世界規模の自動車OEMや一次サプ を導入し、機械加工を開始した金型製作所 剰板減、過剰板厚、スプリングバックなど ライヤのお客様として、 ジャガーランドロー です。1980年代に急成長を遂げ、特に大 の不具合を予測しています。この不具合予 バー、レンジローバー、ベントレー、アスト 型のトライアウト・プレスに投資したこと 測と金型設計において、AutoFormソフ ンマーティン、STADCO、フォルクスワー から、大型のタンデム金型の製作が可能に トウェアを長年にわたって活用してきまし ゲン、ロールスロイス、MGローバー、アウ なりました。イギリスにおいて大規模な金 た。AutoFormソフトウェアは、同社のお ディ、フォードトラック、PACCARトラック、 型に対応できる数少ない企業のひとつで、 客様が使用しているCADシステム(Catia、 BMW、メルセデス・ベンツなど錚々たる企 フォード社にてQ1ステータスを有するの Ideas、Powershape、Unigraphics、 業が並びます。今回は、バーミンガム近郊に は、当時、欧州の金型製作所の中でも我が AutoCad、IGES、VDAおよびDXF等) ある同社のクラッドリー・ヒースの施設を訪 社のみだったと記憶しています」と、エンジ の生データに対応しています。 ニアリング・テクニカル・コンサルタントの 「我が社では、コンセプト作成(Die スティーブ・ハケット氏は語ります。 Designerを使用したブランクホルダや余 肉形状のフィージビリティ・データ)から金 ウィストン社は、イギリスで 型の検証まで、すべてのプロジェクトにお 大規模な金型に対応できる いてAutoFormを利用しています。部品は 100%の内部公差が必須であるため、かな数少ない企業のひとつです り早い段階からスプリングバックの不具合 に着目しました。AutoFormを使用するこ ウィストン社の外観 同社は、プロセス・シミュレーション・ソ とで、プロジェクトの早期段階からスプリン
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Case Study グバックの不具合を検出できるため、例え ます。そのためには、スプリングバックを最 ば、治具、組み立て、またはクランプのコンセ 小に抑制する必要があります。また最初の 新たな挑戦 プトを変更するか、または公差をずらすかな 成形工程を終えた後、次工程の金型につい どの選択肢についてお客様と相談すること ても、例えば、部品がその金型上にどのよ ウィストン社で製造するすべての金型は、 ができます。金型のサーフェスは、実際に製 うにのるか等、詳細に検討しなければなり 事前に同社のCADチームが承認された金 造する金型と完全一致するようにモデル化 ません。 型基準をベースに完全構築しています。 そ します。モデル化にあたっては、ガス圧の上 そのため、トリムの実行後、最終部品とな の工程を経て3D完全機械加工のカッター・ 昇やドロービードを含む、すべての詳細を取 る前にドロー・シェルを作成した場合、最初 パスを最適なカット戦略として策定します。 り込みます。シミュレーションでは、実際に に実行したトリムを見込み補正するかどう 製造することを可能な限り完全に模倣しな かをAutoFormモデルで決定する必要が 金型製作では1/10/100ルール ければならず、この関連付けが重要で必須 あります。そしてスプリングバックが小さい が存在し、シミュレーションでは 事項でもあります。また、AutoFormソフト 場合は実行し、スプリングバックが大きい 1ポンド、設計には10ポンド、 ウェア(デジタル・マスター)で確認する結果 場合はドロー・シェルを作成して部品をス 金型の完成時には は、実際の現場で確認する結果と一致しな キャンすることも選択肢となります。金型の 100ポンドがかかります ければなりません」(ハケット氏) 製作は、複数の金型にわたる場合でも、高 い品質とパフォーマンスを両立しなければ 金型サーフェスは、 なりません。 一般的に金型を構築する方法には、ガ 実際に製造する金型と完全一致 ハケット氏は「AutoFormソフトウェア ス・スプリングやマニホールド等があります。 は、DieDesigner、Trim、Sigmaの3つ ウィストン社の金型トライアウト工程では、するようにモデル化します のモジュールを使用していますが、どれも 最大5メートル(197インチ)の大きなトラ 十分に満足しています。 将来的にはヘミン イアウト・プレスを使用することができ、お シミュレーションによって金型の品質は グ・ソフトウェアの導入も検討しています」 客様の要件に応じて、水圧形式および機械 向上し、ドロー型を再切削する必要がほと と語っています。 形式の両方に対応することが可能です。ま んどなくなるためコスト削減にもつながり た、お客様の要件に応じて、サンプル部品 も生産します。 自動車の軽量化が進むにつれて、金型の 設計にアルミが使用されるようになってい ます。今や、部品の約70%にアルミが使用 されており、またアルミは鋼材よりもスプリ ングバックが顕著です。「金型の製作では、 常に何らかの問題解決に追われています。 製作するすべてのものが特注品で、一回限 りのものだからです。成形ソフトウェアは、 実質的なトライアウトにあたります。金型製 作では1/10/100ルールが存在し、シミュ レーションには1ポンド、設計には10ポン ド、そして金型の完成時には100ポンドと、 後工程にいくほどコストがかります」とハ ケット氏は話しています。 「我々はAutoFormのシミュレーション・ ソフトウェアを長年活用しています。この ソフトウェアを活用することで、工程に費 やす時間を節約できるため、より多くのシ ミュレーションを実行することができます。 プレス機から取り出された金型および成形部品 その結果、精度が大幅に向上します。金型
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Case Study 製作者にとって時間は敵となり、常に時間 不足と向き合わなければなりません。その 優先順位は、速度、精度、使い勝手、コスト 削減、そして全体的な効率です。シミュレー ションの設定が正確であれば、トライアウ トで問題は起こらないはずです。我が社で は、この10年間で、工程が大幅に改善され ました。以前はまずドロー・サーフェスを検 討し、それからトライアウトでその他の問 題を解決していましたが、現在ではシミュ レーションの時間は増加したものの、トラ イアウトの時間は大幅に短縮され、結果と してコストの大幅削減も実現しました」(ハ ケット氏) シミュレーションの時間は 増加しましたが、トライアウトの 時間は大幅に短縮され、 結果としてコストの アストンマーティンのボンネット 大幅削減につながりました のプロジェクトでは、公差は+/-0.8mmで 関するプロジェクトでも発揮されました。 した」(ハケット氏) アストンマーティンDB11のフードは、こ ハケット氏が代表的な例として挙げたの れまでに製作した中でも、最大級の冷間プ が、新規のレンジローバーヴェラールのプロ シミュレーションを レス金型となりました。ここまで深いドアは ジェクトです。ウィストン社は、このプロジェ 活用することで、表面的な欠陥や 同社においても初めてのことで、フード・ア クトで9個の部品の金型を供給しています。 スキンのサーフェス精度に関する ウターの金型は適合する生産プレス機すら AutoForm-DieDesignerを使用し、アル 不具合も検討して解決を ありませんでした。 ミを使ってタンデムおよびトランスファー金 同社はこの金型設計について、大いに頭 図ることができます 型を製作し、一次サプライヤのお客様であ を悩ませます。初期のフィージビリティ検討 るStadco社に納品しました。 では、最初にすべてのドロー・サーフェスを 9個の部品の金型のうち、8個について シミュレーションを活用することで、表 設計し、巨大なブランクを適合させること は再切削を行っていません。提供された 面的な欠陥やスキンのサーフェス精度に関 から始まりました。しかし、これは想像を絶 CADデータをもとに、トリム角やブランク する不具合も、検討または解決することが するほどの難問だったと言います。 ホルダの設定などの基準を順守したうえで できます。これによって標準はより厳格に 「AutoFormチームは非常に優秀で、解決 製作し、フィージビリティを確認していま なり、パネルに波紋がある金型の販売を差 の糸口が見えない諸問題の検討に、大きな す。プロジェクトでは、スプリングバックの し止められるようになりました。このこと 力添えをいただきました。各部品のシミュ 不具合が発生したものの、AutoFormソフ が、成形技術の大きな変化につながってい レーションは、それぞれ12回から100回 トウェアやCADを使ってシミュレーション ます。 以上に及びました。各製造工程の設計は、 で問題を検討しました。 部品のプレス成形後に、表面的な不具合 最終的に完璧な製造工程となるよう、微 「標準的な寸法精度は、OEMごとに異な を修復することはほぼ不可能です。そのた 調整を要します。中でも頻度が高いのは、 るため、全工程を通じてマイルストーンご めAutoFormソフトウェアを活用し、設計 OEMによる変更要求です。工程中に穴を とにお客様と常に連携しながら対応しまし 段階で欠陥を予測して修正しました。ウィス 変更したり、トリムラインを修正したりする た。また、材料(鋼材・アルミ)によっても公 トン社の金型製作における創意工夫は、ア こともあります」とハケット氏は語ります。 差は、+/-0.8mmから+/-0.3mmまで範 ストンマーティンDB11のフード(インナー 新型のアストンマーティンヴァンテージ 囲がありますが、レンジローバーヴェラール およびアウター)、そしてドアの金型製作に が発表されたばかりですが、同社はすでに
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Case Study 新型モデルのドア、ボンネット(アルミ)、ルー とが想定されます。ハケット氏は今後の展 シミュレーション・ソフトウェアのパート フおよびボディ・サイド(鋼材)の金型を製 望として「これから2019年初頭まで大きな ナーとして、AutoFormに高い信頼を寄 作しています。ボディ・サイドは形状が非常 プロジェクトがあり、予定も詰まっています せています 。 に深く、金型製作は困難を極めたものの、 ので、製造側の諸作業をどのように整理し、 本件に関するご質問、ご相談につきまし スキン・パネルのサイズと複雑さに対応す 効率を上げるか、継続的な改善および品質 ては弊社担当者までお気軽にお問い合わせ る上で、AutoFormのシミュレーション・ 向上について検討していきます」と話して ください。 ソフトウェアは、大きな助けになったといい います。 この記事は専門誌「International Sheet Metal ます。 ウィストン社は、設備にも大きな投資を Review」掲載の"The Partnership Principle" アストンマーティンヴァンテージの金型 行っています。最近も、ファゴール社の新 (2017年12月)を和訳・転載したものです。 におけるもうひとつの課題は、AutoForm- 型プレス機を2台、新型の切削複合工作機 Sigmaソフトウェアにて検証可能な、ロ 械、そして新型CMM機を導入したばかり バスト性とも呼ばれる再現性でした。部 です。 品の量産における再現性は、スクラップの 「2018年1月には新しい5軸型の切削複 レベルの最小化という観点からも重要で、 合工作機械(3m×8m bed)を導入予定 AutoFormがウィストン社と4年を費やし です。18か月前にはZimmerman社の大 て作業してきた分野です。AutoFormは、 きな5軸型の切削機を導入し、最近は大規 TryoutAssistantという新しいソフトウェ 模な新型CMM機も購入しました。今後も アをリリースしてその課題に対応しました。 中古機を購入することで価値を抑えつつ、 これは、金型をどのように物理的に変更して 小さな金型構成部品の製造に必要な小型 (ドロービードの調整など)、シミュレーショ の5軸型切削機を数台購入する予定です。 ンのデジタル・マスタに戻すかを検討する すでに生産現場には、2×1200トンの ものです。 LOIRE社の液圧プレス機と350トンの機 械プレス機が導入されています。トライア ウトに使用するため、2×800トンのファ 2018年に向けて ゴール社のプレス機も設置済みです。これ によって適用範囲が広く、需要も伸びてい ウィストン社において2017年は売上げ る小ロットの委託生産をより多く手掛けた も大幅に増加し、素晴らしい年になりまし いと考えています」(ハケット氏) た。ポンド通貨の下落も、輸出の後押しと 継続的な改善および品質向上に関する長 なりました。実際、この4年間は非常に多 い伝統と経験を有するウィストン社は、こ 忙でしたが、2018年もこの好調が続くこ れからも金型製作プロジェクトにおける 部品の社内点検 AutoFormを使用するスティーブ・ハケット氏 AutoForm News No.28(2018年3月発行)からの抜粋
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Case Study フランケ金型製作 R12.5̶キッチンシンクの コーナー半径が技術力を物語る スイスのキッチンメーカー、フランケ・キュッヘンテフニクAG(以下、フランケ・キッチン・シ ステムズ)の金型製作部門であるフランケ・ヴェルケツォイクバウAG(以下、フランケ金型製 【企業概要】 作)は、新製品の開発に際して初めてAutoForm-Sigmaplusを使用しました。コンピュー フランケ・ヴェルケツォイクバウAG タ上で金型を開発するにあたり、同社は製品設計部門と緊密に連携。フランケ・キッチン・シ フランケ・ヴェルケツォイクバウAGは、100 年前に創立されたフランケ・グループの傘下に ステムズが創立100周年を記念して発表したシンクには、一世紀に及ぶ独自の発展の歴史 ある企業です。中核事業はフランケ・キュッヘ と大きな成功の理由が表れています。 ンテフニクAG(フランケ・キッチン・システムズ) のクロムニッケル鋼を使った部品の生産に必 要な高品質の金型製造と業務委託で、完璧な フランケ・キッチン・システムズ 職人技、緻密なアプリケーション、そして洗練 は2011年の創立100周年に合わ されたデザインを特徴としています。CAD/ CAMシステムやシミュレーション・ソフトウェ せて、一世紀の歴史に名を刻む記念 アを使用することで、プレス成形分野のノウハ シンクを発表しました。そのデザイ ウが、コンピュータのインターフェースから、金 ンは、同社の技術力と品質に対する 型の絞り、曲げ、プレス、カットといった生産分 野へ直に伝わります。また、同社はフランケ・グ 姿勢を象徴しています。特に注目す ループの関連会社にシミュレーションや金型 べきはコーナー部分です。全体の寸 試験、金型保守などのサービスを提供してい ます。フランケ・グループはチューリッヒ工科大 法は深さ175 mm、幅500 mm、 学に戦略的資金や奨学金を提供し、スイスの 奥行き410mmと通常のシンクより 研究やビジネスの発展に貢献しています。 大きいにもかかわらず、コーナー部 www.wzb.franke.ch www.franke.com 分の半径はわずか12.5mmと小さ めです。また、3.5インチの配水管 を一体化したモデルや、フランジの な要素をすべて検討しました。その結果、成 あるタイプとないタイプがあります。 形工程をフランジの成形、シンクの深絞り、 これこそ、フランケ・キッチン・シ そして排水口の成形という相互に関連した ステムズの開発部が特別記念デザ 3つの作業に分割しました。 インにふさわしい金型をフランケ フランジ成形作業の解析結果から、フラン 金型製作に発注した理由です。この ジの材料は、ブランクのカットが判断基準に 決断は、フランケ・キッチン・シス フランケ・キッチン・システムズの創立100周年記念シンク なることがわかりました。またフランジは、有 テムズにとって、これまでの慣習を 効な制動ストリップにもなります。フランジ 脱する機会となりました。具体的には、コン 適なソリューションを分析的に決定。深絞り、 のないシンクの場合、これはドロービードに ピュータを使った開発に従来よりもはるかに フォーム金型、成形工程の3段階の評価に加 相当します。最終目標はロバストな生産であ 長い時間を費やすことにしたのです。そして え、これらの段階を組み合わせることで、評 るため、板増、拘束力、そしてブランク外形 フランケ金型製作も、同シンクの設計段階か 価の選択肢が広がりました。技術チームは解 線が、成形担当者にとって、特に注意すべき ら開発に携わることになりました。開発の初 析の一貫性を確保するためにAutoForm- パラメータとなります。 期段階で大きな投資をしても、最終的に回 Incrementalplusを使用しました。次の段 シンクの深絞り作業の評価では、シンク 収可能であると判断したためです。 階は、生産時におけるロバスト性の検討で のコーナー部分の半径が小さいと、圧縮応 す。不良品や再加工、ダウンタイムを最小限 力が高くなることが明らかになりました。材 分析的な金型開発 に抑えなければなりません。この検討には、 料や流れの特性によっては、板厚が許容範 フランケ金型製作の最高技術責任者、ミッ AutoForm-Sigmaplusを使用しました。 囲外になることが予測されました。これには シャ・ヴィドマー氏率いる技術チームは、ま 評価の初期段階では、フランケ金型製作 プリフォーミング金型のダイのエントリが良 ずフィージビリティの検討から金型開発をス の熟練技術者がAutoFormソフトウェアを い影響を及ぼします。そして副次的影響と タートしました。中立的な手法を用いて、最 使用して、深絞り工程に大きな影響が出そう して、さまざまな材料特性の影響も除外さ
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Case Study れ、その結果、工程能力も向上します。解析 を実行する上で、この材料モデルは重要な メータを定義しました。また、前回の解析で によって特定された関連パラメータは、プリ 情報でした。偶然にもこの材料モデルは、 致命的と特定された円錐形の領域に特に重 フォーミングのコーナー半径、リストライクや フランケ金型製作、AutoForm、KTI(ス 点的に取り組みました。フランケ・キッチン 拘束力および潤滑、そして材料特性です。ま イス連邦改革促進委員会の「技術革新委員 のシンクはクロムニッケル鋼を使用している た、シンクのコーナーでは致命的な板減が発 会」)、そしてチューリッヒ工科大学による産 ため、スプリングバックも検討すべき重要な 生するため、その球状半径に細心の注意を 学共同にて作成されたものです。 問題です。信頼の置ける生産は、ロバストな 払わなければならないことがわかりました。 制御可能なパラメータ、例えばドロービー スプリングバックの見込み補正が実現して 排水口の成形作業の解析では、プリフォー ドの拘束力などの設計パラメータによって、 のみ可能となります。 ミングにおける材料の引き伸ばしによって、 工程を細部まで設計して安定させることが 一体化された排水管の高品質な成形が可能 可能になり、工程の自由度の拡大と安定し AutoForm-Sigma plusを になることが判明しました。これは経験上、 た生産につながりました。フランケ金型製 使用した工程と形状の解析 3.5インチの排水管でも同様です。 作は変化を予測し、 成形工程のロバスト性 AutoForm-Sigmaplusで工程解析をする と、工程に大きな影響を及ぼす可能性のあ 成形担当者は、変数がどこでどの程度、そし 最終目標は生産のロバスト性 るパラメータに、特に注目しました。最終的 て何から影響を受けるかについての情報を 加工のバラツキに起因する制御不能な変 には100周年記念シンクの生産量は20万 受け取ります。例えば、球状半径ゾーンの板 数、例えばシート材ごとに異なる材料特性な 個にも上るため、円滑に生産することが何 減を検討する場合、特にダイの潤滑、ひずみ どは、成形業界で日常的に発生しています。 よりも重要です。そのため技術チームは、 の程度、そして保持力が重要な要素となりま しかしAutoFormは、バージョンR2のリ AutoForm-Sigmaplusを使って2段階のロ す。球状半径の重要領域の形状を解析する リースからステンレス鋼1.4301の正確な バスト性解析を実行しました。まず注目した 場合は、その領域における支配的な材料特 材料モデルを提供していたため、このプロ のは、潤滑や保持力といった工程のパラメー 性を特定できます。 ジェクトでも大きな助けとなりました。100 タです。次の段階では、材料変数と形状パラ シンクのコーナー部分の複雑なゾーンも 周年記念シンクの材料は20~ 200℃の温 メータに着目しました。これらの相互補完的 同様に検討します。ここでもダイの潤滑や保 度に敏感に反応するため、シミュレーション な解析を通じて、最適な工程と形状のパラ 持力が、板減を左右します。また、バインダ 図1:フランケ金型製作におけるAutoFormを使用 図2:AutoForm-Sigmaplusは、設計変数や加 図3:フランケ金型製作は2010年にAutoForm- した分析的な金型開発 工バラツキの検討において、板減に影響を及ぼ Sigmaplusを導入し、球状半径の板減結果変数に関する設 す主な要素を表示します 計変数の評価などが可能になりました 材料特性 (r- & n-値 ) シート板厚 支配的変数 ・潤滑 (上側ダイ) ・最初の絞り深さ 材料特性 (引張り強さ) ・拘束力 支配的変数 コーナー半径 Vz ・材料特性 (r- & n-値 ) 形状 & 材料/板減 図4:AutoFormソフトウェアはすでにバージョンR2でステンレス鋼 図5:クロムニッケル鋼の処理において、スプリ 図6:最新鋭の3D CADシステムを使い、 1.4301の温度に依存した材料モデルを用意していました。このモデル ングバックの効果が大きな問題となります。スプ 深絞り金型をデジタルに開発しました の追加機能 リングバックとしわは許容範囲内に収まります として、温度 に依存した しわの傾向 応 マルテンサ 力 イト含有量 の計算があ ります スプリングバック ひずみ
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Case Study の潤滑も特定されます。 結果を詳細に説明する機会が持てました。 マー氏は言います。 バインダ・モデルのバインダと摩擦が問 またAutoForm-Sigmaplusのグラフィック 「AutoForm-Sigmaplusには何度も感動さ 題視される箇所では、深絞りにおけるアル 表示や図表機能は、議論を展開する上で妥 せられました。実践的で、よく考え抜かれて ミニウム青銅合金の圧縮強度を考慮しまし 当かつ効率的な参考資料となりました。 います。このソフトウェアを使うことで見識が た。表面領域が硬くなると、板増領域の圧縮 さらに広がりました。金型メーカーにとって とそれに応じた拘束力が増加します。摩擦 目に見える改善と納得の費用対効果 大きな財産であり、また当社の競争力を維 モデルでは、面圧依存に注目しました。プリ フランケ金型製作はAutoFormソフト 持するためにも必要不可欠なツールです」 フォーミングでは、絞り工程の開始時の摩擦 ウェアを2004年に導入し、今ではそれを 係数が終了時よりも高いことが示されまし 日常的に活用しています。100周年記念シ 達成された目標 た。感度解析を検討することで、フィージビ ンクのプロジェクトでは、新規開発に初めて ● AutoForm-Sigmaplusによって、成形工 リティが明らかになりました。 AutoForm-Sigmaplusを使用しました。この 程のロバスト性を数値化することが可能 形状解析では、プリフォーミングのコー ソフトウェアはこれまで、既存の製品や工程 になりました。さらに、工程パラメータや ナー半径が支配的であることが判明しまし に対する継続的な改善と最適化に利用され 形状パラメータの感度解析、そして工程能 た。コーナー半径を小さく定義すると、半径 てきました。トライアウトでは、AutoForm- 力評価によって、ロバストな生産への道が の圧縮応力が増加し、板増が許容範囲外と Sigmaplusによって修正ループ数が大幅に 開けました。 なります。 削減されました。 ● フランケ金型製作は、その素晴らしい手法 テスト期間中から金型部門と生産部門が フランケ金型製作の ITインフラ管理者で によって、コンピュータを使った開発によ 緊密に連絡を取り合ったこと、また、実際の あり、CAD/CAMプログラマでもあるオト り多くの時間を費やし、新しい道筋を探し 生産から得た理解を通じて問題点を共有で マー・ホイッチ氏によると、AutoForm- 出すことに成功しました。 きたことで、フランケ金型製作の関連部門全 Sigmaplusのためのハードウェアへの投資 画像提供:Franke Werkzeugbau AG 体の便益につながりました。担当者が専門 増はほぼ妥当なものであり、またトレーニン 外のスタッフや上司等を交えて議論し、検討 グの費用も合理的でした。ミッシャ・ヴィド AutoForm News No.11(2013年12月発行)からの抜粋
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Case Study 【海外導入事例】ドイツ・フォード プレス成形工程の全プロセス・チェーンに 【企業概要】 フォード・ヴェルケGmbH(ドイツ・フォード) AutoFormを導入し、 ドイツ・フォードは1925年にドイツで設立さ れ、今日までに4000万台以上の自動車を生産 数千万ユーロのコスト節減に成功 しています。ケルン・ニール地区にある本社に は、50以上の国々から集まった1万7000名 を超えるスタッフが勤務しています。フォード・ 「ロバスト性が確かでない限り、プレス成形のスプリングバック見込み補正はできません」。こうコ フィエスタやフォード・フュージョンといった完 成車のほか、モーターやトランスミッション、鍛 メントするのは、フォード・ヴェルケGmbH(本社:ケルン。以下、ドイツ・フォード)・ダイシス 造器具や鋳物なども生産しています。フィエス テム・スタンピング・エンジニアリング・ヨーロッパのマネージャー、ベルント・クレマー氏です。 タの工場は欧州で最高の生産効率を誇ります。 クレマー氏が明確に指摘するとおり、ハイテン材のプレス成形では、いかなる場合も一度の見込 ケルンにはダイシステム・スタンピング・エン ジニアリング・ヨーロッパという名称で知られ み補正計算でスプリングバックに対応することはできません。同社は数多くのシミュレーションと る部署も置かれ、プレス成形部品の冷間プレス 分析的な評価によって、さまざまな生産条件に対応しています。このアプローチを日常業務に取 成形、成形性や工程の検証、また新車種の生産 立ち上げなどを手掛けています。シミュレーショ り入れてから1年以上が経過した現在、より幅広い部品特性が実現し、低コストの部品を迅速に ン・ソフトウェアの組織的な利用に関しては先 提供できるようになりました。 駆的な部署です。現在では、すべての生産部品 でシミュレーションを実行しています。 ドイツ・フォードの詳細については、www. ドイツ・フォードは当初、独自開発のシス の変化が起きた中で、とりわけ大きかったの ford.deを参照してください。 テムでプレス成形のシミュレーションをし は組織改編です。4年前、ブランク開発の部 ていました。しかし社内でシステム開発を 署が工程/ FEMの部署と統合されました。 進めるには限界があり、技術革新も急速に また現在では、AutoForm-DieDesigner こうした状況にうまく対処するには、効率的 進んでいたことから、より効率的なシステ のシミュレーション結果を基に最終調整をす なソフトウェアの存在が不可欠です。 ムを検討する必要に迫られていました。複 る専門のスタッフもいます。その調整が済む 数のメソッドを比較した結果、1997年に と、別のスタッフが金型の変更をCADに直 設計案から最終部品まで AutoFormのソフトウェアを採用。それ以 接反映します。近年、クレマー氏の部署では 新規プレス成形の成形性や生産可能性を 降、一貫して使用し続けています。 担当する業務の数が増え、一つひとつの作 確認するにあたり、ケルンのスタッフは迷わ 同社ではここ数年でソフトウェアの用途が 業量も増加傾向にあります。と言うのも、開 ずAutoFormのソフトウェアを使用します。 拡大し、クレマー氏が率いる部署では技術 発時間が短縮される一方で、品質への要求 ある部品に致命的なスプリングバックが発 者の約半数がAutoFormの製品を活用し が高まり、それに応じてチームが新しいプロ 生した場合、AutoForm-Sigmaによる信 ています。ソフトウェアの導入によって数々 グラムを次々と追加導入しているからです。 頼性の計算を基に部品の公称表面を見込み 補正します(裏面の図1)。このようにしてド イツ・フォードは、ロバスト性の高い生産を 実現しています。プレスショップで確実に生 産できるおかげで、材料特性の差異などの 諸条件が変わっても信頼性に影響が出るこ とはありません。ドイツ・フォードは、初期の 設計案から最終部品まで、成形工程のチェー ン全体をシミュレーション・ツールによって カバーしています。 より早く、より低コストに ドイツ・フォードでは現在、開発時間が大 幅に短縮されています。これに寄与したの が、シミュレーション・ツールを成形工程全 体でシームレスに利用したこと、そしてソフ フォード・フィエスタのホワイトボディ。AutoFormソフトウェアを使って社内で部品のシミュレーションを実行 トウェア自体の計算スピードの速さとハード
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Case Study ウェアの最適化です。開発時間を短くしても 過去4年間で約4%増加しました 品質に影響が出ることはありません。より多 (図2)。現在、ドイツ・フォード くの計算ループを実行し、より迅速に部品の 全車種の材料利用率は欧州メー 変更に対応することができるのです。例え カーのトップレベルにあり、 毎 ば、超ハイテン材( UHSS)を使用する部品 年多額の材料費節減に成功して でも、リリースまでの修正が平均3~ 4回で います。ブランク・スペシャリス あるということからも、そのベネフィットは明 トは、材料利用のさらなる効率 らかです。またドイツ・フォードは、金型の 化を目指しています。例えば、ド 試作段階でも時間短縮を試み、コスト削減 ア・インナー・パネルのウィンド につなげようとしています。 ウの未使用部分に、同じ金型を クレマー氏によると、時間とコストの削 使ってさらに2つのプレス成形 図1:1回の見込み補正計算ではロバストな生産を保証できま せん。そのためドイツ・フォードでは、1年以上前から日常業務で 減が特に顕著だったのは、DP材(デュア ができるかどうかを検討してい AutoForm-Sigmaを利用して、ロバストなスプリングバック見込み補 ルフェイズ鋼板)を使用したサイド・メン ます(図3)。 正(右)を実行しています バーや難成形のトランク・リッド、そしてド ア・インナー・パネルを生産する工程でし レビューと今後の展望 た。クレマー氏は、一車両のすべての部品で 経験豊富な金型製作者は従 AutoFormのソフトウェアを利用する価値 来、実務経験から得られる直感 があると考えています。この評価は、ドイツ・ を頼りに、新しい工程設計に関 フォードの自動車ボディに用いるプレス成 する専門技術を習得してきま 形部品全体の90%を担当した経験に基づく した。しかしその豊富な経験を ものです。 持ってしても、市場で需要が高 またドイツ・フォードでは、シミュレーショ まりつつあるハイテン材や超ハ ン結果を絶えずチェックしています。重要な イテン材に対応することができ 生産パラメータのチェックリストや、FLDレ ませんでした。6年前にドイツ・ 図2:上と比較して下では材料利用率が2%高まったことを示してい ポートまたは単純なトラフィック・ライトのリ フォードがプレス成形した鋼材 ます。AutoForm-Nestを利用することでドイツ・フォードは数千万 ユーロのコスト節減に成功しました ストといったドキュメントを評価・査定する の強度は、最高でも600MPaで ことで、シミュレーション結果と生産の比較 した。現在この値は、多くの部 ができるとともに、FEM計算の脆弱性を特 品で600~ 780MPaに上がっ 定することもできます。クレマー氏の部署に ています。彼らはすでに初期生 所属するプレス成形のスペシャリストは、工 産の経験を積み、それを新しい 程の順序や金型への投資、そして単価など FEM計算にある程度反映してい の重要事項に関して意見を求められる機会 ます。 があります。AutoFormのシミュレーション ドイツ・フォードが何年もか を利用すれば、例えばコストを削減するため けて使用してきたソフトウェア・ に5つの工程を4つに減らすことが可能で ソリューションの価値は、ますま あるかといった判断ができるのです。 す高まっています。しかし、金型 図3:ドア・インナー・パネルのウィンドウの未使用部分に、同じ金 製造へのソフトウェア導入は必 型を使ってさらに2つのプレス成形ができないか検討中。その結 材料利用率向上による追加コストの削減 ずしもスムーズに進んだわけで 果、材料利用率にプラスの効果が表れました 材料利用率はドイツ・フォードが常に重視 はありません。クレマー氏によ しているポイントです。原材料の価格高騰と ると、受け入れには2~ 3年の時間を要し 成形部品)とシミュレーション結果の間に明 ともに、その重要性がより高まっています。 たといいます。例えば、絞り部品のしわの傾 らかに相関関係があるとわかったその時、 クレマー氏の部署に所属するブランク・スペ 向がソフトウェア上でも同等に表現されて AutoFormソフトウェアはクレマー氏とそ シャリストは、AutoForm-Nestを使ってブ いるなど、シミュレーション結果が絞り部品 のチームにとって必要不可欠なツールに ランクやストリップ材を最適に活用していま の生産とほぼ一致したことが、何より説得力 なったと言えるでしょう。 す。その結果、全プログラムの材料利用率が のある議論でした。絞り(より厳密に言えば 画像提供:Ford Werke GmbH AutoForm News No.7(2012年12月発行)からの抜粋
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Case Study フォンタナ・ピエトロ様 が担当するサーフェスのコンセプト作成と、 自動車業界の匠を満足させるソリューション CNCマシニングですぐに使えるサーフェスの作成を、手作業に頼ることなく、ダイレクト CAD品質のダイ・フェースをスピーディに作成 に連携させる必要があります。同社R&Dエ ンジニアのリッカルド・ブリヴィオ氏は言い 自動車向けプレス成形金型を設計・製造するイタリアのフォンタナ・ピエトロは、フェラーリが ます。 「戦略的パートナーの一社」と位置付け、その技術力を称賛してやまない企業です。 「すでに私たちは、AutoForm-Die 同社はAutoForm-ProcessDesignerforCATIAを徹底的に検証し、実務面における利点を評 Designerplusで作成したサーフェスをベー 価した上で、このソフトウェアを社内の製品開発プロセスに導入することを決定しました。 スに、迅速で効率的なシミュレーションを実 施するメソッドを確立していました。しかし、 プレス成形には、サーフェスの作成という という可能性を当初から感じていました」 このサーフェスをCADで使用するのは容易 作業が含まれます。製品の複雑さや必要な AutoForm-ProcessDesignerforCATIA ではありませんでした。作業が複雑で時間を 精度と品質レベルに応じて、適切なタイミン は、AutoFormが金型製造/プレス成形 要し、何よりCNCマシニングですぐに使える グで調整する必要があります。フォンタナ・ 業界向けに提供するソフトウェア製品で、 CAD品質のサーフェスを作成するのに時間 ピエトロの設計部に所属する技術者は、この CATIA V5の設計機能の効率化により、プ がかかり過ぎることが明らかになりました」 事実を熟知しています。フォンタナ・グルー レス成形への適応強化を図っています。ま AutoForm-ProcessDesignerforCATIAを プの本部である同社は、イタリア国内外のプ たワークフローを企業レベルで標準化し、高 使えば、絞りだけでなく、すべての次工程目 レス成形業界で50年以上にわたって主導 品質なCADサーフェ 的ポジションにあり、国際的に著名な高級自 スの作成に要する時 動車メーカーに製品とサービスを提供して 間を大幅に削減する います。同社はリードタイムや精度、そして ことも可能です。 サーフェスの品質の面で顧客の要望に応え ダイ・サーフェス・ ようと、高品質なCADサーフェスを迅速に コーディネーターの 作成するためのソフトウェア、AutoForm- ジュゼッピーナ・ミ ProcessDesignerforCATIAの 機 能 検 証 を ラーニ氏は次のよう 2013年より開始しました。その結果、高い に指摘します。 評価が得ら 「当社の設計部では れ、既存のメ CATIAを25年 以 上 ソッドと戦略 も使用してきました。 を最適化す これはもちろんパワフ るべく同ソフ ルなシステムですが、 余肉のフランジ展開(フランジ・エディタ、フランジ展開) トウェアを社 残念なことに、金型設 内の製品開 計と製造の担当者に 発プロセス とってのソリューショ フォンタナ・ピエトロのダイ・ に導入しま サーフェス・シニア技術者、ヴァ ンではありません。さ した。 ンレンティーナ・カヴェナーゴ氏 らに重要なことに、私 たちの個別のニーズ 戦略の成功 に対応していません」 同社のダイ・サーフェス・シニア技術者で タイミングが競争 あるヴァレンティーナ・カヴェナーゴ氏は言 力を左右するこの複 います。 雑な市場において、 「AutoForm Engineeringと共同で、Auto サーフェスの作成は Form-ProcessDesignerforCATIAのメリット 非常に重要です。フォ を調査できたことに満足しています。これが ンタナ・ピエトロの 私たちのニーズを満たすソフトウェアである 設計部では、技術者 余肉作成(境界エディタ、接続エディタ)
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Case Study を含むダイ・レイアウトをCATIA環境にい 品質の付加価値 ながら作成することができます。同ソフト AutoForm-Process ウェアはこうした要件に応えるとともに、時 DesignerforCATIAの性 間を短縮してエラーを最小限に抑えるという 能について高い評価 大きなメリットを提供します。 が得られたため、フォ ンタナ・ピエトロは金 理論から実践へ 型工程設計部など社 AutoForm-ProcessDesignerforCATIAの 内の他部署にもソフ 実用性と適合性を評価するにあたり、同社 トウェアを導入しまし 設計部はある生産ラインのプロジェクトを指 た。金型工程設計者 定し、綿密な検証を実施しました。そして従 にとっては、解析の正 来どおりの戦略を採用した2件のプロジェク 当性と速度のおかげ トも同時に実施しました。 で、製品開発の早い トリム計画の定義(トリム・セグメント・エディタ) 「すべてのプロジェクトを同一の作業段 段階での複雑な作業 階で進めたところ、AutoForm-Process が容易になります。特にメリットと優位性が シニングなどの次工程でそのまま使用でき DesignerforCATIAを使用したプロジェクトで 顕著なのは、データの再利用や再現、効率 ます。 は、所要時間が明らかに短くなることが分か 的なデータ交換(社内の部署間、社外のメー R&D エンジニアのグリエルモ・オリアー りました」(カヴェナーゴ氏) カーとサプライヤ間)、そして絞りや次工程 リ氏は次のように結びます。 またAutoForm-ProcessDesignerforCATIA 目を考慮したダイ・レイアウトの迅速な作成 「社内で今後さらに必要となるオペレー には、過小評価すべきでないメリットがあり といったことが可能になる点です。CATIA ション戦略のひとつにオーバークラウンがあ ます。それは、CATIAライセンスと比較し V5で使用される各種のスケッチや構造要 ります。ルールを作成して、サーフェスの展 た場合、セッションの実行中に、必要に応じ 素がいくつかの非常にパワフルな機能に集 開にかかる時間をさらに短縮したいと考え てライセンスを追加してソフトウェアを使う 約され、ダイ・フェースを簡単かつ迅速に設 ています。今回のプロジェクトを通じて、長 ことができるという点です。同時に、高品質 計できるようになっています。また包括的な 年にわたるAutoForm Engineeringとの なレベルのデータのアップデートも行うこと データ構造によって新機能の使い方が簡素 コラボレーションが強化されたことを強調し ができます。カヴェナーゴ氏が続けます。 化され、部署間のコラボレーションが改善さ たいですね。このシナジーがフォンタナ・ピ 「私たちの目標は、どのお客様の案件であっ れます。作成される高品質のサーフェスは、 エトロのソフトウェア導入につながっただけ ても、AutoForm-ProcessDesignerforCATIA コントロール要素数が大幅に削減され、適 でなく、今後のソフトウェアの進化にも役立 を適用できるようにすることです。Auto 切な連続性を備えているという点に特徴が つことでしょう」 Form-DieDesignerplusとAutoForm- あります。オーバークラウン、補正、CNCマ ProcessDesignerforCATIAの相互運用性を 高めて、サーフェスやドロービードのシミュ レーションですでに定義されたパラメータ 【企業概要】 を再利用できるようにしたいのです」 フォンタナ・グループ: スポーツカーの「技術の仕立屋」 お客様のご要望に応じて、より多くの機 「Where ideas take shape(アイデアが形になるところ)」という主張どおり、フォンタナ・ピエトロは 能の統合を図り、上述の作業がより効率 スポーツカーの技術の仕立屋と見なされています。豊富な専門知識によって困難な課題を克服し、実 的で迅速になることを目指します。すでに 行可能かつ並外れたシェープを作り上げます。機械作業や艤装の工場として1956年に設立され、現在 はホワイト・ボディ用スチール/アルミ部品の設計、製造、組み立てを手掛ける3部門があります。本社 AutoForm Engineeringは、いくつかの機 をイタリアのカロルツィオコルテに置き、イタリアに2カ所、トルコとルーマニアにそれぞれ1カ所の工 能を備えた新しいマーケット・リリースを計 場があります。700名の従業員が勤務し、設計部門だけでも60名を擁する世界的なリーダーです。常 画しています。このリリースは、他社がすぐ に革新と継続的改善に前向きなフォンタナ・グループは、大学や研究センターとの共同研究に積極的に に追従するような、興味深いアップデートと 取り組んでいます。同グループは最新技術を採用し、高品質で幅広いサービスを提供することで顧客の 要望に応えています。使用しているツールや技術の中にはAutoFormソフトウェアが含まれ、とりわけ なるでしょう。他社のソフトウェア・システム AutoForm-ProcessDesignerforCATIAを使って高品質なCADサーフェスを迅速に作成しています。同 と併せて使用した場合でさえ、これまで以上 グループの詳細についてはウェブサイトをご覧ください。 にスピードが上がり、ただちに作業が効率 www.fontana-group.com 的になるでしょう。 AutoForm News No.15(2014年12月発行)からの抜粋
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Case Study 新基準としての 材料は以前と変わらず、鋼材である。世界には何千種類もの鋼材が 存在する。そのなかから自動車に最も適し、かつ技術的に加工可能 テーラード・テンパリング な鋼材を選ぶことが、軽量化の真髄である。そして近頃、最も注目さ 安全性向上・軽量化の自動車生産技術 れているのが、高張力鋼板および超高張力鋼板である。 これら最新の材料は、より少ない消費量で乗客の安全に対する要 オートフォームジャパン ミハエル・ケラウシュ 求を満たし、また綿密に計算された形で、事故時の衝突エネルギー を軽減させることも可能にする(図1、図2)。これがメルセデス・ベン エヌキャップ 新しい自動車の生産にあたって、乗員の保護設備やユーロNCAP ツ新型Eクラスのホワイト・ボディの約75%が、高張力鋼板や超高 (European New Car Assessment Programme:ヨーロッパ 張力鋼板の等級である理由である。また、これは乗用車開発部門の 新車アセスメント・プログラム、ヨーロッパで実施されている自動車 ピーク値と考えられている*。 安全テスト)の衝突試験における5つ星の獲得は、消費者の購買決 定に大きく影響する。 テーラード・テンパリング しかしながら、乗員の安全確保には自動車の重量増加が伴い、そ 熱間プレス成形のなかでも特殊な手法である加工硬化を通じて、 れは燃費にも影響する。自動車メーカーは、この相反する要求に応 超高張力鋼板のマンガン・ボロン鋼材(22MnB5)による車体部品 えるため、すべての構成部品の適切な軽量化に取り組んでいる。 が製造された。これには複数の手法があるが、基本的に直接および ホワイト・ボディ(エンジン、シャーシ、エクステリア、インテリアな 間接の加工硬化が採用されている。 どの部品が配置される前の車体構造を形づくるメタルシート部品が テーラード・テンパリングの手法は、最も信頼できる世界の新基準 溶接された段階のもの)の軽量化においては、適切な材料を選択し、 (ゴールデン・スタンダード)となりつつある。テーラード・ブランク(鋼 それを使いこなすことが重要である。高張力鋼板や超高張力鋼板の 種や板厚が異なる複数の素材を溶接により1枚とし、プレス成形す テーラード・テンパリング(局部焼入れ)が成功の鍵となるが、それは る技術)と異なり、シート・メタル全体に、局部ごとに適切な熱間プ 多くの困難な課題を伴うものであり、コンピュータによるシミュレー レス成形を行ない、その後に温度に誘因される冷却工程を行なう。 ションが大きな役割を果たす。 この手法では、強度の高い領域と延性の高い領域を組み合わせるこ かつての新車モデルは、その世代ごとに重量が増していたが、近 とが可能となる。 年はこの傾向が崩れつつある。複数の自動車メーカーによる新車モ 構成部品の特性に応じて厚さや強度の異なるシート・メタルをつ デルは、旧型モデルよりも50~100kg以上も軽量化されている。 なげる、この溶接のテーラード・ブランクとの比較において、テーラー 車体の大型化、装備の追加、運転者支援システムや衝突安全性の向 ド・テンパリングの利点は、ひとつのピースから部品がシームレスに 上にも関わらず、軽量化に成功したのは、非常に多くの仔細な対応 生産されることである。溶接された領域間の“デジタル”的な接合に を積み重ねた結果である。 代わり、高強度と高延性のゾーンの間には緩やかなつなぎ面が存在 とくにホワイト・ボディには、顕著な対策がほどこされている。モデ する。これは機能的に最適化された部品、つまり衝突要件を満たす ルのサイクルについては、その重量が比例的に削減されているが、主 部品の設計における理想条件である(図3、写真1)。 高張力鋼 56% 最新の高張力鋼 8% 超高張力鋼 3% 超高張力鋼(熱間圧延) 5% アルミニウム 8% プラスチック 3% 軟鋼 軟鋼 17% 高張力鋼 最新の高張力鋼 超高張力鋼 [材料と構成部品の軽量化] アルミニウム [高張力・超高張力鋼板の利用率約75%] 図1 新型Eクラスの安全コンセプト 図2 Eクラスのホワイト・ボディ
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Case Study メルセデス・ベンツ新型Eクラス [構成部品による強度特性の局部的違い] 図3 衝突時エネルギーの分布 [局部焼き入れ工程を経て局所的な強度特性を持つ] このように、従来の冷間プレス成形部品のコンセプトから、重量 の大幅な削減が可能となる。この手法では、従来の加工硬化による 写真1 フロント・バンパーの支持部品 生産よりも、たとえば自動車のBピラーの衝突性能は向上し、また 強度のある薄板での生産が可能となる。またフォーム金型の形状や 造変化に関する深い理解が必要である。この手法は複雑であるた テーラード・テンパリング工程の実施方法をより詳細に検討するこ め、その工程設計にコンピュータによるシミュレーションを活用する とができる。材料挙動をよりよく理解するには、熱流量や相変態の ことは必要不可欠となる。しかし、シミュレーション・ソフトウェアに 挙動を把握しなければならない。 は、熱間プレス成形やクエンチング工程を現実的に表現すること、そ して最終部品特性を高精度に予測することが求められ、その結果、 シミュレーションによって深まる理解 この特殊な熱間プレス成形の技術情報が蓄積されてゆくことが重 テーラード・テンパリングの解析やその最終確認には、材料の構 要である。
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Case Study 接 触 相変態 上部マウントプレート 冷却管 加熱装置の管 発 熱 接触プレート 機 械 熱 冶 金 圧力ピン 冷却 加熱 ポジショニング・ボルト ディスク・ ベース・ 機械的特性 潜 熱 スピン・サポート プレート 下部マウントプレート 図4 AutoForm-ThermoSolverにおける機械、熱、冶金特性の相互作用 図5 熱機械冶金モデルの試験用金型の検証 当社はこれを目標と定め、熱機械冶金モデルを実行するシミュ ばならない。機械特性については、シート・メタルの塑性変形を考 レーション・ソフトウェア「AutoForm-ThermoSolver」を開発した。 慮し、冶金の観点からは、冷却による相変態を考慮する必要がある このソフトウェアはシート・メタルの任意の材料点における温度履歴 (図4)。 をある程度まで提供するため、熱間プレス成形やクエンチング中の 材料挙動に関する理解を深めることができる。 理論と実践の組み合わせ 予測を妥当な精度にて行なうには、関連のあるすべての現象や 実験や検査の結果、当社は、熱機械冶金モデルを検証し、そのほ その相互関連をモデル化する必要がある。熱特性に関しては、シー かの決定的なパラメータを特定した。ダイムラー社との共同研究に ト、金型および環境間の熱流量、つまり輻射や対流も考慮しなけれ おいて、実験用の試験金型を開発(図5)、ニュルンベルク大学(ドイ ツ)の Institute for Manufacturing Technologyにて分析的な 試験が行なわれ、当社はAutoForm-ThermoSolverのパイロット 版を提供した。ここでは工程ウィンドウおよび工程パラメータに応じ た材料特性について研究が進められ、基礎的な専門知識が蓄積さ 500℃ れた。 450℃ ダイムラー社はBピラーの金型を作成し、最新の研究結果を実部 25℃ 品の生産に適用、シミュレーション結果のクオリティを検証した。そ して小ロットのBピラーをジンデルフィンゲン工場で生産し、機械特 性を詳細かつ広範囲に分析した。部品の複数領域からサンプルを抽 750 MPa 850 MPa 出して引張試験を行ない、ダイムラー社および当社の専門家が、結果 1500 MPa を詳細に検討した(図6)。 シミュレーション・モデルには、結果の精度を決定づけるすべて 図6 Bピラーのテーラード・テンパリング(局部焼き入れ)による の物理的な影響を取込む必要がある。妥当な計算速度を維持す 引張強度の違い るために、二次的な影響は除外した。この試験を通じて、冷却工程 中の潜熱も考慮する必要があるという結論に達した。その結果、 AutoForm-ThermoSolverは、最終部品特性を非常に高い精度で 計算できるようになった(図7)。 引張強度、板厚、応力分布、および硬さやマルテンサイトの分布な どの結果も、グラフィック表示にて明確に表現される。テーラード・ 実験 テンパリング工程の計算時間は、従来の成形と比較して、平均して シミュレーション 5%ほど長くなった。しかし、工程に対する理解が深まることを考え ると、この超過時間は妥当と考える。 ダイムラー社、AutoForm-ThermoSolverを採用 図7 シミュレーションによる引張強度計算 ダイムラー社と当社による共同研究の目標は達成した。 引張強度(MPa)
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Case Study AutoForm-ThermoSolverは1年の試験期間を経て、ダイムラー社 ンジニアは、材料の構造変化に関する理解を深めることができ、ま にて2012年より生産現場にて活用されている。 たそれを制御することが可能になる。 本ソフトウェアは複雑な工程戦略でも計算できるため、部品生産 時の材料特性に対する熱機械の影響を、より正確に考慮すること 今後の傾向 ができる。また、冶金計算モデルに関する追加情報によって、シミュ 加工硬化技術やテーラード・テンパリングの導入には、膨大な作 レーションの妥当性と情報量が高まり、さらに、テーラード・テンパ 業と投資が必要である。まず加熱炉および操作システムが必要とな リング工程の徹底的な試験によって、従来の加工硬化に対する理解 り、それには工場の設備配置を見直す必要も生じる。また新しい成 も深まる。 形技術を的確に採用し、最大限に活用できる熟達した専門家が求め 熱変形の計算については、さらなる研究が必要であるが、今後も られる。 ダイムラー社と当社による共同研究が進められる予定である。 これはシミュレーションをざっと確認すれば終わる問題ではない。 しかし、シミュレーションを活用することで、加工硬化中の複雑な工 AutoForm-ThermoSolver 程が理解できるようになるため、企業のノウハウが蓄積されるだけ 本ソフトウェアを使うことで、自動車メーカーやサプライヤは、熱 でなく、競争力の強化にもつながる。また、これら一連の作業は、鋼 間プレス成形を伴う部品(側面の補強、A/Bピラー、フロントやリア・ 材による金型の作成からずっと遡る前段階で行なうため、コスト削 バンパの支持やそのほかの部品)の工程を開発および定義すること 減や開発計画の効率化などに寄与する。 が可能となる。また、直接および間接加工硬化のシミュレーション 実際上、これは非常に重要なことである。加工硬化およびテー や、テーラード・テンパリング工程のサポートを行なうことが可能と ラード・テンパリング工程は、自動車産業において重要性が増してい なる。そのため、事前定義された局部的な強度特性を持つプレス成 る。自動車メーカーは、高まり続ける衝突安全性や車体軽量化の要 形部品が、開発できるようになる。 求から、逃れることはできない。何よりも、時間は過ぎ去ってゆき、 シミュレーションでは、熱間プレス成形部品の実際の強度分 排出上限値を超過した場合の罰則は、2012 年時点において、すで 布を考慮するため、衝突解析の精度も向上する。AutoForm- に緊迫している。 ThermoSolverは、板厚分布や応力分布、そして、硬さやマルテンサ *出典:www.daimler.com イト分布などの最終部品特性をグラフィック表示する。これによりエ 本記事は『ツールエンジニア』2014年5月号(発行・大河出版)から転載しました。 AutoForm News No.13(2014年6月発行)からの抜粋
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Case Study PSA・プジョーシトロエン様 AutoFormplusの「標準」機能により サプライヤーとのコミュニケーションを最適化し 生産性および効率の改善を実現 プジョーおよびシトロエンブランドの自動車を製造・販売するPSA・プジョーシトロエンは、 長年にわたってAutoFormのソフトウェアを活用、リードタイムおよび開発期間を短縮し、 トライアウトや生産のコスト軽減を図ってきました。 今回、AutoFormplusの新しいユーザーインターフェースによって、 「標準」の機能を活用し、さらなる生産性を高めています。 サプライヤーとの最適なコミュニケーションを支援 るデフォルト値を設定することで、円滑かつ迅速なデータ設定を行う PSA・プジョーシトロエンは、プジョーとシトロエンの2つのブラ ことが可能になります。シミュレーションの反復中に行う修正には、 ンドを有するフランスの自動車メーカーです。プレス成形分野にお ユーザーによる自由裁量の余地も残されています。つまり、最初のシ いて、数値解析的なアプローチによる工程設計および最適化を実 ミュレーションではロバストな設定を行い、そこから事前に設定され 施しており、フランスでは12年以上、近年は中国およびブラジルで たパラメータを最適化しながら、設定を調整していくこともできるわ も、AutoFormのシミュレーションソフトウェアを活用しています。 けです。 AutoFormのソリューションは、成形工程のフィージビリティ評価や 図1は、AutoFormplusのインターフェースを使った一般的な「標 数値解析的な最終検証において重要であり、リードタイムおよび開発 準」の作成例です。ここでは、壁角12°、ダイ半径6mmを標準として 期間の短縮や、トライアウトや生産のコスト削減に貢献してきました。 定義しておき、残りのパラメータはデフォルト値を使います。まず、パ 同社は、AutoFormplusの新しいユーザーインターフェースによっ ラメータを変更すると、図のようにページやパラメータの名称が表示 て、標準の管理を行っています。AutoFormplusの標準機能は一般 され、標準と一致しない設定パラメータについては、黄色の文字で表 的に、社内OEMまたは社外のサプライヤーが使用する目的で利用 示されます。ここでは「余肉」ページの壁角が15°、ダイ半径が8mm され、標準的な値をシミュレーション全体に定義することができます。 と示され、標準の壁角12°、ダイ半径6mmと一致していない設定パ 具体的には、材料パラメータ、工程またはシミュレーション設定や結 ラメータであることがわかります。設定パラメータが特定された後 果解析に対しての定義が可能です。 は、リセットボタンをクリックするだけで、元の標準値に戻すことがで PSA・プジョーシトロエンでは今回、この新機能が同社のシミュ きます。 レーションに有効であることを確認しました。同社のプレス成形工 程シミュレーションのスペシャリストであるJoël De Oliveira氏は 最小および最大の許容限界値の定義が可能 「AutoFormplus R5の『標準』機能によって、サプライヤーと最適な 2つめの事例は、最小および最大の許容限界値を定義するための コミュニケーションが取れるようになり、生産性および効率は改善さ 「標準」機能の適用です。図2に示すように、例えば板厚の変動値(結 れました」と語っています。 果変数「板減」)を+0.03mmから-0.25mmまでというように設定し、 「標準」機能の適用を示しておきます。次にシミュレーションを実行 標準と一致しないパラメータは即座に検出 し、最後に指定した値の範囲内で結果を表示する際には、適用した標 PSA・プジョーシトロエンにおける、AutoFormのフィロソフィー 準値を自動的に考慮して表示します。致命的な領域は即座に特定さ に基づく「標準」機能の活用事例を2つ紹介します。1つは、標準と れ、許容範囲外の領域は図の中で灰色または黒色で表わされます。 して考慮されるパラメータの事前設定です。事前設定した標準的な パラメータは、修正時においても即座に特定することが可能です。こ このように、AutoFormの新製品が提供する「標準」の適用および の目的は、社内および社外の関連部署における工程開発全体を通じ 管理機能は、PSA・プジョーシトロエンにおいて非常に有効であるこ て、PSA・プジョーシトロエンのリファレンスを遵守させることにあり とが証明されました。その結果、新しいオプション機能によって、一貫 ます。 性のある業務および各組織の基準や標準への準拠が確実になってい その一方で、PSA・プジョーシトロエンのノウハウと一貫性のあ ます。
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Case Study 図1:標準の一般的な作成および表示 標準に一致しないパラメータは、黄色の文字で即座に表示されます。 図2:最小および最大の許容限界値を定義する「標準」機能の適用 シミュレーションの最後に指定した値の範囲内で結果を表示する際には、 適用した標準が自動的に考慮されます。 AutoForm News No.19(2015年12月発行)からの抜粋