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組込みボード SBCで協働ロボット|AGV/AMRを実現

ホワイトペーパー

《AGV/AMR特集》協働ロボット市場規模⇒240億ドル!|アドバンテックが取り組む、協働ロボット市場での組込みボードの全貌とは

ロボット市場は、日々高まるオートメーション(自動化)ニーズを背景に急速に成長しています。オートメーション化によって組織も個人も、時間のかかる手作業を無くすことができます。企業にとっては、生産性を向上させると同時に、コスト削減やコンプライアンス強化を図ることができます。

このホワイトペーパーでは、こうした成長著しいロボット市場について詳しく紹介します。まず、一般的なロボット市場に加えて、業界特有のトレンドやユースケースを、次にロボット製造における主要な課題を取り上げ、これらの課題を解決するために組込み用のSBC(シングルボードコンピュータ)をどのように活用するかについて紹介します。

【目次】
◆はじめに
◆急成長し、進化しているロボティクス分野
◆ロボット市場に主なアプリケーション
◆ロボティクスの課題
◆シングルボードコンピュータの課題を克服するメーカーの取り組み
◆今後の展開
◆Appendix 製品紹介

各メーカー様より供給先の見直し等で、お問い合わせが増えてきております。お気軽にご相談ください。

このカタログについて

ドキュメント名 組込みボード SBCで協働ロボット|AGV/AMRを実現
ドキュメント種別 ホワイトペーパー
ファイルサイズ 9.8Mb
登録カテゴリ
取り扱い企業 アドバンテック株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

このカタログの内容

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2.5” Pico-ITX 3.5” SBC シングルボードコンピュータを活用した スマートロボティクスの実現 By Advantech ATJPSM21006A
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名称未設定

目次 はじめに 1 急成長し、進化しているロボティクス分野 2 ロボット市場の主なアプリケーション 4 ロボティクスの課題 8 シングルボードコンピュータの課題を克服するメーカーの取り組み 10 今後の展開 12 Appendix 製品紹介 13
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はじめに  「ロボット」という言葉が使われたのは、R.U.R.(Rossum's Universal Robots)」という 劇(戯曲)が初めてと言われており、そこから100年近くが経ちました。 R.U.R.は、工場の組み立てラインで働くために作られた人造人間のことです。人間の劣悪な 待遇に嫌気がさした彼らは、やがて反乱を起こします。これと同じような脚本で、悪者のロ ボットや人工生命を描いたハリウッド映画は数知れません。  しかし、現代のロボットは過去のハリウッド映画のイメージとは大きく異なっています。 ロボットは、組織や個人の生産性や効率を向上させるための重要な役割を担っており、その 必要性はますます高まっています。組織や個人のニーズは常に変化しており、多くのロボッ メーカーは、より多くの最新機能を提供するため、絶えず技術革新を続けなければなりま せん。 ロボットはもはや工場のみで使われるものではありません。パーソナルアシスタント、 自律走行車、配膳車、ドローンなど、利用シーンは日々拡大しています。特にCOVID-19に よって加速している、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みにおい ても、ロボットへの期待は大きなものとなっています。 マッキンゼーが最近のレポートで言及しているように、COVID-19による様々な経験は、あ らゆる分野・地域・企業において、ビジネスの進め方を加速度的に変化させ、定着させて います。  このホワイトペーパーでは、成長著しいロボット市場について詳しく紹介します。ま ず、一般的なロボット市場に加えて、業界特有のトレンドやユースケースを、次にロボッ ト製造における主要な課題を取り上げ、これらの課題を解決するために組込み用のSBC(シ ングルボードコンピュータ)をどのように活用するかについて紹介します。 1 シングルボードコンピュータを活用したスマートロボティクスの実現
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急成長し、進化しているロボティクス分野 ロボット市場は、日々高まるオートメーション(自動化)ニーズを背景に急速に成長しています。 オートメーション化によって、組織も個人も、時間のかかる手作業をなくすことができます。企業に とっては、生産性を向上させると同時に、コスト削減やコンプライアンスの強化を図ることができま す。個人にとっては、ロボットを活用することで、掃除機をかけるような日常的な家事を効率化し、 生活の質を高めることができ、その結果、自分のやるべきことができる時間の創出、QOL(クオリティ オブライフ)の向上につなげることができます。 2019年の世界全体におけるロボット市場規模は、約627.5億ドル(約6.9兆円)でした。2027年には 1,893.6億ドル(20.8兆円)という驚異的な市場規模に成長すると予測されています。ロボット普及の主 な要因は以下の通りです。 技術革新 ロボットがより魅力的になり、その活用範囲が拡大する。例えば、マッキンゼーによると、 産業用 ロボットは「大型化し、より重い負荷に対応できるようになっただけでなく、軸数が増え1つのコント ローラで30軸以上を同期させることができる場合もあるため、コントローラ数を少なくすることが可 能になった」とのこと。 技術の統合 オートメーション化を効率的に運用するには、様々なテクノロジーの高度な統合が必要です。コン ピューティング能力、ソフトウェア、およびネットワーク技術の進歩により、ロボットの開発、設 置、メンテナンスがかつてないほど容易になり、拡張性も高まっています。 運用コスト ロボットは、企業のオペレーションコスト(OP)を削減し、ビジネスの競争力を維持するのに役立ちま す。マッキンゼーの調査によると、米国では1990年以降、製造業の人件費が24%上昇しています。企 業は繰り返しの多い手作業を自動化することで、従業員がより少ない労力でより多くのことを成し遂 げられるようになります。 採用コスト   手頃な価格で効率的なロボティクス技術が求められています。生産コストの削減と技術革新によ り、ロボットの価格は大幅に低下しています。  世界のロボット市場が急速に成長しているもう一つの重要な要因は、ロボットに関する技術がほぼす べての主要産業と関係していることです。例えば、以下の産業別の統計を見てみましょう。 2 シングルボードコンピュータを活用したスマートロボティクスの実現
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自動運転車の世界市場は、2030年には3.2兆ドル(351兆円)に成長すると予測されてい ます。 マッキンゼーのレポートによると、中国は自動運転車の世界最大の市場となり、2040 年には自動運転車が中国内走行距離の66%も占めるようになると予想されています。 2021年1月現在、米国で登録されているドローンは178万2,479台で、2020年の売上 高は12.5億ドル(1,375億円)を超えています。農業などの産業では、収穫、雑草の刈り 取り、ピッキング、選別、種まき、梱包などの労働集約的なプロセスを排除するため に、ドローンが重要な役割を果たしています。農業用ドローン市場は、2024年には 62億ドル(6,820億円)に達すると予想されています。 国際ロボット連盟(International Federation of Robotics)の報告書によると、家庭用ロ ボットの販売台数は年平均で46%増加し、2022年には5,500万台以上になると予想さ れています。 軍事用ロボットに関する世界の支出は、2025年には165億ドル(1.8兆円)に達すると予 想されています。 人間と一緒に働くことを目的とした協働ロボットは、2025年にはロボット販売全体 の34%を占め、2030年には市場規模が240億ドル(2.6兆円)を超えると予想されていま す。アマゾンは、新しい倉庫を開設するたびに、協働ロボットによって22百万ドル (24億円)ものコストを削減していると言われています。 COVID-19により、ライフサイエンス・製薬業界は、ソーシャルディスタンスや、迅 速な治療や検査結果の必要性に対応するため、業務を変革しなければなりませんでし た。その結果、この業界は前年比70%の成長を遂げました。  このような産業別のロボット市場の動向を十分に理解するために、いくつかのユー スケースを以下に紹介します。 3 シングルボードコンピュータを活用したスマートロボティクスの実現
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ロボット市場の主なアプリケーション 自動運転車  自動運転車(Autonomous vehicles : AV)とは、車両制御の一部が自動化された車両のことで す。AV技術はまったく新しいものではありません。最近の自動車の多くは、アダプティブ・ク ルーズ・コントロール(車間距離制御装置)やパーキング・アシストなど、すでに何らかの自動化 機能を備えています。米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)が発表したAV技術の5段階の分類 では、車両の単一機能の自動化を「レベル1」としています。最高レベルの「レベル4」は、人 間が運転しなくても車が自動運転することを意味しています。  AV技術は、環境改善、モビリティや生活の質の向上、安全性の向上などの可能性を秘めてい るため、注目を集めています。  NHTSAによると、米国における事故の推定経済的総コストは、医療費、生産性の損失、弁護 士費用、保険管理費用、物的損害、救急サービス費用などを含めて、人口約3億人に対して、約 2,420億ドル(26.6兆円)(米国民1人当たり784ドル(86,240円))と推定されています。 4 シングルボードコンピュータを活用したスマートロボティクスの実現
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 また、NHTSAの報告によると、2019年には36,096人が車両の交通事故で死亡しています。その死 亡事故の9割以上が、スピード違反や周囲への注意の欠如などのヒューマンエラーによるものでした。 また、パンデミック中は人々の運転が減ったにもかかわらず、2020年の第2四半期には、総車両走行 距離(VMT)あたりの死亡事故が大幅に増加したことがNHTSAの調べでわかりました。NHTSAの副長官 であるJames Owens氏は、この増加について、ドライバーが飲酒運転やシートベルトの未着用など、 より無謀な行動を取ったことが原因だと考えています。  AV技術の普及により、ヒューマンエラーが減り、安全性は大幅に向上すると考えられます。さら に、自動運転車は渋滞を解消することで、ドライバー1人当たり年間111時間の渋滞損失時間を削減 し、環境改善にも貢献します。 在庫とオーダーフルフィルメント(受注から配送までのプロセス)  交通事故の原因がヒューマンエラーであることはすでに述べました。しかし、それ以外の場面で も、特に正確さが求められる手作業では、ヒューマンエラーが発生することがあります。例えば、在 庫管理やフルフィルメントの問題では、ヒューマンエラーが最も頻繁に発生します。約200社の中小 企業を対象とした調査によると、回答者の62%が手作業によるヒューマンエラーが "在庫管理問題の 第1の根本原因 "であると回答しています。 ロボットによるオーダーフルフィルメントは、コストのかかるヒューマンエラーを減らすだけでな く、他にも多くのメリットをもたらします。1つのメリットは、施設内の移動時間の大幅な短縮です。 人間の作業者が施設の端から端まで移動する時間が減ることで、より生産性が向上します。また、重 い荷物を運んだり、高い棚から商品を取り出したりといった、肉体的に負担のかかる作業をなくすこ ともできます。 5 シングルボードコンピュータを活用したスマートロボティクスの実現
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 また、協働ロボットは導入が容易です。通常、施設のインフラを変更する必要はなく、施設 間の移動も簡単です。また、他のオートメーション技術と同様に、協働ロボットは柔軟性を備 えており、生産性の向上や必要に応じて規模を拡大・縮小することで、組織が人材確保の課題 を解決するのに役立ちます。 画像引用:FedEx | 日本の京都でテストされた配達ロボット Roxo インテリジェントな製造分野を加速させるAMR、サービスドローン、 多軸ロボットアーム 6 シングルボードコンピュータを活用したスマートロボティクスの実現
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家庭用ロボット  家庭用ロボットが注目されている理由のひとつは、新しくてエキサイティングであるというこ とです。しかし、もう一つの重要な要素は、その利用用途が幅広いことです。例えば、ここ数年 で、以下のような家庭用ロボットがユーザーに広く採用されているのを目にします。 清掃ロボットと床拭きロボット 清掃ロボットや床拭きロボットは、センサーを使って床を移動し、ゴミの回収やモップ掛けをし て掃除をします。 アイロンがけロボット Laundroidに代表されるアイロンロボットは、画像解析と人工知能(AI)を用いて衣類を折り畳 んだり、収納したりします。 猫用自動トイレ(リッターロボット) 猫用自動トイレは、リッター(砂)と排泄物を自動的に分別し、排泄物を内蔵のゴミ箱に入れるこ とができます。 芝刈りロボット 芝刈りロボットは、制御装置や操舵装置を使って、正しいルートを記憶し、自動で芝を刈るよう にプログラムされています。 窓拭きロボット 窓拭きロボットは、窓の表面を一定の方向に移動することができる移動システムを搭載していま す。ロボットに付属するクリーニングパッドが、窓の表面を清掃します。 ソーシャルロボット 人間とのコミュニケーションを主としたソーシャルロボットは、高齢化社会の到来とともにます ます重要な役割を果たすようになります。家庭内テレプレゼンスロボット(テレビ会議 + ロボッ ト + 遠隔操作)、ネットワークロボット(ネットワーク + ロボット)、セラピーを行うロボット などがあります。 画像引用 : Pexel 7 シングルボードコンピュータを活用したスマートロボティクスの実現
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ロボティクスの課題 ロボット産業は急速に成長しており、その可能性を強く感じることができます。しかし、この業 界に課題がないわけではありません。むしろ、メーカーは数多くのハードルを乗り越えなければな りません。以下に、ロボット産業が克服しなければならない主な課題を紹介します。 ロボット構成部品の制約  多くのロボットソリューションは、既存の技術に依存しています。例えば、産業用や商業用の 大型ロボットには、依然としてギア、モーター、アクチュエーターなどが構成されています。こ れらの部品は、とても精密で複雑なものですが、ロボットを動作させるためにはなくてはならな いものです。しかし、可動部が多いということは、それだけ故障しやすいということでもありま す。  このような問題を解決するために、メーカーは可動部の少ない柔軟なロボットを作ることがで きます。例えば、ソフトロボティクスは、このような課題を克服できる可能性を秘めた分野です。 人とロボットのコラボレーション インダストリー4.0の時代に突入しました。革新的なデジタル技術により、これまでにないレベ ルのコネクティビティを提供します。第5次産業革命では、これらの技術と人間とのより高度なコ ラボレーションが必要になります。これまでに、協働ロボットの導入が進んでいることやそのメ リットについて述べてきました。しかし、完璧な協働ロボットを設計することは非常に難しいこ とです。  理想的な協働ロボットは、人間の言語、感情、行動を理解することができます。人間の作業者 を理解できる完全な機能を持った協働ロボットを作るには、NLU(自然言語理解)、NLP(自然言語処 理)、NLG(自然言語生成)などの行動認識技術をさらに進化させる必要があります。 環境による制限 ロボットは環境によって制限を受けることがあります。わずかな変化でも、ロボットは新しい環 境に適応するために再学習しなければなりません。これは、ワークフローの大幅な遅延やボトル ネックにつながります。メーカーは、環境への適応課題を克服するために、機械学習(ML)やコ ンピュータビジョン技術に注目しています。 しかし、現実社会は完全に予測できません。どんなに高度な訓練を受け、適応力のあるロボット であっても、想定外の事態に遭遇することがあります。例えば、安全性が高いとはいえ、AV(自動 運転車)の事故も発生しています。事故の原因は、相手の運転手のヒューマンエラーであることが 多いのですが、AVが障害物を検知・対応できなかったケースもあります。 8 シングルボードコンピュータを活用したスマートロボティクスの実現
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多機能なロボット ロボットは1つの作業を行うことは得意ですが、複数の機能を同じレベルで行うことは苦手と しています。業務の効率化やコスト削減のためには、複数のタスクを実行できるロボットが求め られるようになるでしょう。そのためにメーカーは、ロボットに高度なAIやMLを搭載するだけで なく、複数の作業をこなせるハードウェアを構成する必要があります。 より信頼性の高い電源の必要性  最近のロボットの多くは、消費電力の面で効率が悪くなっています。これらのロボットは通 常、既存の発電と蓄電技術に依存しています。既存のバッテリは安全ではなく、寿命も短いもの です。それゆえにメーカーはロボットの低消費電力化と長期間利用することが可能な安全な電源 (バッテリ)を開発する必要があります。 スウォームロボットでのコミュニケーション スウォーム(群行動)ロボットとは、複数のロボットが同一環境で協調して行動するものです。ロ ボットは、自分の置かれた環境を感知すると同時に、群内の他のロボットとコミュニケーション をとる必要があります。ルール化されていない環境で自律的なロボットを作るには、知覚と行動 を組み合わせた相互作用が必要です。  複雑な群行動における大切な要素は、一定のフィードバックのシステムを構築するグループ内 のコミュニケーションです。そのために、スウォームロボットは、小型化とコストが重要な要素 で、これらの制約を克服するために、コストを抑えてスケーラビリティを可能にするためのセン サー、プロセッサー、ストレージデバイスなどのハードウェアが必要となります。 9 シングルボードコンピュータを活用したスマートロボティクスの実現
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シングルボードコンピュータの課題を 克服するメーカーの取り組み  組込み用シングルボードコンピュータ(SBC)は、コンピュータシステムとして必要なCPU(マ イクロプロセッサ)、チップセット、メモリ、入出力インタフェース、電源などが1枚の回路基板 に実装されているものです。SBCには大きく分けて2種類あります。1つ目はオープンソースの SBCで、ユーザーはハードウェア設計仕様、部品レイアウト仕様、ソースコードを入手すること ができますので、自分の要求に合わせてSBCをカスタマイズすることができます。2つ目のカテゴ リーは、メーカーが独自に設計・生産したSBCです。このSBCは通常、装置類の最終製品に組み込 まれるために専用で開発設計されたものです。  このSBCは、ロボットメーカーに多くのメリットをもたらします。 低消費電力  SBCはバッテリ駆動でも長時間の稼働が可能です。そのため、家庭用電子機器から産業用製造 装置まで、多くの製品に適しています。 高信頼性  SBCの構造はシンプルかつフォームファクタ(形状)が規格化されており、SBCの世代交代時の物 理的干渉などのリスクを回避することも可能です。また、必要な機能を1枚の回路基板で構成し ていることで振動にも強く、厳しい環境下での使用にも適しています。  このような優れた性能から、交通信号の制御装置やアンチロック・ブレーキ・システムなど、 高い信頼性が求められる製品にSBCは採用されています。 小型・フレキシブル  SBCは小型に設計されています。これにより、スペースが限られた機器にSBCを組み込むこと ができます。電子機器の小型化を求める消費者が増えている中、SBCは理想的で、かつ拡張性の あるソリューションです。例えば、ドローンのように、重量とサイズがキーファクタとなる製品 を想定してください。SBCは消費電力が少ないため、熱対策もシンプルに対応でき、その結果、 製品を軽量かつ小型化することが可能となります。 10 シングルボードコンピュータを活用したスマートロボティクスの実現
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システムに「知能(頭脳)」を簡単に追加  SBCは、システムに知能(頭脳)を追加するプロセスを簡素化します。これによりロボット メーカーはロボットのコア機能の開発にリソースを集中することができます。特殊なロボットは 品質の作り込みが困難です。また、新製品の開発の度に新しいオリジナルのボードを設計するこ とは、費用対効果の面から得策ではありません。SBCを利用すれば、ロボットメーカーは複数の 製品で同じSBCを流用することもでき、さらにはSBCをより強力なハードウェアに変更すること でシステム(頭脳)を簡単にアップグレードすることができます。 コスト削減  SBCは、必要な機能に絞り込み仕様を決定しているため、ムダのものがなくコストを抑制でき ます。また、SBCの人気に伴い生産量が急増している結果、規模の経済性に従いコスト低減の効 果もあります。 ソフトウェア開発が容易  SBCは、ボード上で直接ソフトウェアを開発することができます。これは、CPU(マイクロプロ セッサ)、メモリ、入出力インタフェース、オペレーティングシステムが1枚の回路基板上に構築 されているためです。 SBCを装置の制御部として使う  SBCを使用することで、組み込みコントローラの設計、試作、テスト、製造にかかる費用を削 減することができます。また、SBCには、必要なパワーレギュレーション回路が搭載されている という利点もあります。 画像引用 : Adobe Stock 11 シングルボードコンピュータを活用したスマートロボティクスの実現
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今後の展開 ロボット産業は急速に成長し、常に進化し続けています。これは、技術の自然な進歩、消費者 のニーズの変化、そして感染症の世界的大流行(パンデミック)のようなこれまで想像もできな かった外的要因によるものです。組織も個人も、生産性を向上させ、生活を楽にするために、ロ ボットの活用に注目しています。  自動運転車、協働ロボット、家庭用ロボット、配送用ドローンなどの革新的な技術は、私たち が暮らす社会を根本的に変えるでしょう。その過程で、ロボット技術は、地球温暖化や公衆衛生 上の危機など、現代の最も重要な課題を解決し、人類を助ける可能性を秘めています。 ロボットメーカーは、従来の技術による製造上の限界、環境上の限界、そして来るべき第5次 産業革命の鍵となる人間とロボットのコラボレーションの向上など、今後も様々な課題に直面す るでしょう。  組込み用シングルボードコンピュータ(SBC)は、1枚の回路基板で構築された完全なコンピュー タです。SBCは、標準的なコンピュータの大半の機能を提供しますが、さらに多くの利点があり ます。SBCは、エネルギー効率が高く、実装が容易で、コスト効率が高く、過酷な環境下での信 頼性が高く、スペースが限られた製品に最適で、システムに知能(頭脳)を追加するプロセスが簡 素化され、組み込みコントローラの設計、試作、テスト、製造にかかるコストが不要になりま す。これらの理由から、SBCは、ロボットメーカーが直面している課題を克服するために重要な 役割を果たすと考えています。  私たちアドバンテックにはビジョンがあります。それは、AIやIoTハードウェアによる社会や 産業の課題解決を通じて、よりインテリジェントでサステナブルな地球・社会環境を実現するこ とです。  私たちアドバンテックは、IoTインテリジェントシステムと組込みプラットフォームの分野に おけるグローバルリーダーとして、IoT、ビッグデータ、AIのトレンドを牽引し、産業用IoTハー ドウェアおよびソフトウェアによる課題解決を推進しています。 今回ご紹介しましたロボット関連業界においても、そのテクノロジーパートナーとして、ロ ボットの可能性を最大化・加速するビジネスエコシステムの構築に取り組んでまいります。 12 シングルボードコンピュータを活用したスマートロボティクスの実現
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Appendix 製品紹介 第11世代 インテルコアプロセッサ CPU性能 20%↑ グラフィック性能 2X 転送速度 PCIe Gen . 4 4 つの独立表示出力に対応 / 解像度 8K 実行ユニット 96 サイズ比較/仕様 85.60mm 53.98mm 2.5インチ 3.5インチ クレジットカード MIO-2375 MIO-5375 MIO-2375 2.5インチ Pico-ITX MIO-5375 3.5インチ SBC クアッド / デュアルコアを搭載した第11世代インテルコアプロセッサ、 TDP クアッド / デュアルコアを搭載した第11世代インテルコアプロセッサ、TDP 15W / 28W 15W IBECC を使用した最大 32GB のLPDDR4x-4267をオンボード IBECC を使用した最大 64GB のデュアルチャネル DDR4­3200(SKU) eDP&DPで2台の独立表示出力に対応、最大8K解像度 LVDS / eDP / HDMI / DP / USB を介した 4 つの独立表示出力に対応 2x GbE、2x USB3.2、2x USB2.0、2x UART、I2C デュアル GbE、4 x USB3.2、USB Type­C、CANBus、4x UART、DC12~24V PCIe Gen.4 対応 NVMe SSD(M.2 E-Key、B-Key、M-Key 対応) M.2 E-Key/ Nano SIM B-Key / PCIe Gen.4 NVMe SSD M-Key (オプション) MIOe で PCIe x1 / x2 / x4 をサポート ボードインテリジェンス、ソフトウェア API、WISE­DeviceOn、Edge AI Suite ボードインテリジェンス、ソフトウェア API、WISE­DeviceOn、Edge AI Suite 13 シングルボードコンピュータを活用したスマートロボティクスの実現 Advantech Value­added Software Empowers Devices at Edge 直感的な操作性、開発の加速化 Plug & Play IoT の実装 柔軟な統合 ・AI 導入を簡素化 ・1 クリックで SDK を起動 ・大規模なデバイス管理 ・ソフトウェアとハードウェアの ・AI 評価用の ・100 以上の ・大規模なデータ管理 アプリケーション管理 ・クラウドプラットフォームの統合 プ ラットフォーム 事前学習済みモデル