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設備保全管理システム(CMMS) の基礎知識①

ホワイトペーパー

設備台帳と故障履歴からの予防保全

事後保全から効果的な予防保全へ移行するためのファーストステップとして、保全計画 (予算、交換パーツ、スケージュール等)を適切に作成する必要があります(予防保全の意義については、巻末の資料「予防保全の意義」をご参照ください)。
適切に保全計画を作成するには、どの装置がどのくらいの頻度で故障し、どれくらいのダウンタイムが発生し、生産にどの程度の影響を及ぼしたか、また、それを防ぐための具体的な手法(点検・部品の 交換等のメンテナンスの内容)を過去の故障から分析する必要があります。
しかし、その故障履歴(どの装置のどの部品をいつ交換し、何時間のダウンタイムが発生した等)すら適切に記録されていないのが多忙なメンテナンスチームの実情です。

そこで、本稿では、設備保全管理システム(CMMS)を活用し、事後保全作業を適切に記録する手法(仕組み作り)、さらには、その記録を効果的に分析するツールを用いて、 予防保全計画を作成し、保全を実施し、それらを再度分析し、保全計画の見直し行う、 いわゆるPDCAサイクルの仕組み作りの手法をご紹介します。
また、本稿の最後では「設備保全管理システム(CMMS) の基礎知識2」へのプロローグとして「交換部品の管理」について簡単にご紹介します。

【キーワード】事後保全、予防保全、ダウンタイム、CMMS、見える化、PDCA

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ドキュメント名 設備保全管理システム(CMMS) の基礎知識①
ドキュメント種別 ホワイトペーパー
ファイルサイズ 695.9Kb
取り扱い企業 プルーフテクニック株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

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このカタログの内容

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設備保全管理システム(CMMS) の基礎知識① 設備台帳と故障履歴からの予防保全 p 1 © 2020 | Fluke Reliability Confidential Document 1
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目次 ● はじめに ● CMMSでの設備台帳の管理 ● 一般的なCMMSのワークフロー ● 作業指示リクエスト ● 作業指示の記録 ● 故障履歴の見える化及び分析 ● 予報保全計画の作成及び登録 ● 交換パーツの在庫管理 ● まとめ 【付録】 ・予防保全の意義 ・一般的なCMMSのコア機能 © 2020 | Fluke Reliability Confidential Document 2
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はじめに 事後保全から効果的な予防保全へ移行するためのファーストステップとして、保全計画 (予算、交換パーツ、スケージュール等)を適切に作成する必要があります(予防保全の 意義については、巻末の資料「予防保全の意義」をご参照ください)。適切に保全計画を 作成するには、どの装置がどのくらいの頻度で故障し、どれくらいのダウンタイムが発生し、生 産にどの程度の影響を及ぼしたか、また、それを防ぐための具体的な手法(点検・部品の 交換等のメンテナンスの内容)を過去の故障から分析する必要があります。 しかし、その故障履歴(どの装置のどの部品をいつ交換し、何時間のダウンタイムが発生し た等)すら適切に記録されていないのが多忙なメンテナンスチームの実情です。 そこで、本稿では、設備保全管理システム(CMMS)を活用し、事後保全作業を適切に 記録する手法(仕組み作り)、さらには、その記録を効果的に分析するツールを用いて、 予防保全計画を作成し、保全を実施し、それらを再度分析し、保全計画の見直し行う、 いわゆるPDCAサイクルの仕組み作りの手法をご紹介します。また、本稿の最後では「設備 保全管理システム(CMMS) の基礎知識②」へのプロローグとして「交換部品の管理」につ いて簡単にご紹介します。 【キーワード】事後保全、予防保全、ダウンタイム、CMMS、見える化、PDCA © 2020 | Fluke Reliability Confidential Document 3
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CMMSでの設備台帳の管理 保全情報を適切に記録するためには、その対象のアセット(管理対象の設備)の情報を事前に登 録・管理必要があります。いわゆる設備台帳です。この台帳を見えれば、その交換部品、故障履歴、 メーター情報(例えば、自動車の走行距離)等の情報が全てわかるイメージです。 次の画面は設備保全管理システム(CMMS)のアセットの画面です。 基本情報、ネームプレート情報、ERPリファレンス等の情報の他、製品のマニュアル、保証書等の 書類などのドキュメントもCMMSを導入すれば一元的に管理することも可能となります。また、「ア セットメーター」などの動的な情報も管理可能です。メーターの機能を用いれば、メーターベースで のメンテナンス(例えば走行距離5,000kmごとにオイル交換を行う)を管理することも可能です。 さらに、レポート機能で作業履歴の一覧を表示させたり、今後の作業予定の一覧を表示させるこ とも可能です。 次のページで、一般的なCMMSのワークフローを用いて、作業履歴(故障履歴を含む)を適切 に記録する手法をご紹介します。 © 2020 | Fluke Reliability Confidential Document 4
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一般的なCMMSのワークフロー 次の図は、一般的なCMMSのワークフローです。ここでは、作業指示に焦点をあてているため、交換 パーツの在庫管理等のフローは割愛しています。 事後保全の場合は、故障等を発見した者が「作業指示リクエスト」を行い、マネージャーが作業の必 要性・時期等を判断します。承認された場合は、作業指示(WorkOrder)が作成されれます。却下 された場合は、その理由(例えば、来週の定期メンテナンスで行うので必要ない等)が記録されます。 具体的な作業指示リクエストの送信・管理の手法については、CMMSの画面を用いて次のページで ご紹介します。 予防保全(Preventive Maintenance)の場合は、カレンダー又はメータ―をトリガーとしたメンテナ ンス計画(例えば、1年毎にベアリング交換など)をもとに、作業指示(WO)が自動で作成されま す。 作業指示リクエスト 予防保全(PM) 承認/却下 PM生成 作業指示(WO) マネージャー 作業を記録 CMMSプランナー WO費用 WO 完了 労働 パーツ WOクローズ 履歴 信頼性 テクニシャン WOの検証 マネ^ジャー/エンジニア 履歴& 分析 作業指示が作成されたあとは、事後保全・予防保全の場合ともその作業内容を記録し、その後、そ の履歴をもとに分析、WOの検証を行い、予防保全計画の作成・見直しを行います。いわゆる PDCAサイクルのイメージです。 © 2020 | Fluke Reliability Confidential Document 5
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作業指示リクエスト 次の画面は、CMMSの作業指示リクエストの画面です。 異音・異常などのメンテンナス(点検等の確認を含む)を発見した者が、PCやタブレットまたはス マートフォンから情報(対象の設備、状況、画像など)をマネージャーへ送信することにより、作業 指示リクエストを行います。 当該情報をもとにマネージャーがが判断し、前ページのワークフローのように、承認されれば、作業 指示が作成されます。 ここで、守るべきルール(ポリシー)がひとつあります。 “No Work Order, No Work”※1 作業指示が作成されない限りは、メンテナンスを行わいないルールです。これにより、確実に故障の 内容及びその後の対応が記録されます。もっとも、緊急の保全作業の場合は、この限りではありま せんが(作業後に記録することもあるかと思いますが)、CMMSを効果的に活用するための重要 なルールのひとつです。 ※1 Dave, Bertolini. CMMS Explained Made Simple 1st edition, Reliabilityweb.com Press, 2012, 79p, © 2020 | Fluke Reliability Confidential Document 6
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作業指示の記録 次の画面は、CMMSの作業指示の画面です。 いつ、誰がどの設備(アセット)に対して、どの部品を使って、どのような手順で作業を行い、その 際のコスト(費用やダウンタイム)を記録します。そのデータ(記録)をもとに次のページで紹介 する見える化ツールを用いて、分析などを行います。 忘れがちなひとつ重要な事項があります。 “Garbage In, Garbage Out” 誤ったデータからは、正しい情報は取り出せません。また、そのデータをもとに分析することは、あまり 意味がありません。ときには、有害ですらあります。とても当たり前なのですが、このことをつい忘れがち です。紙の作業指示書に記入し、あとでPCに入力する場合は、転記ミスによりせっかくのデータが台 無しになったり、フォーマットが統一されていないため、情報の過不足が生じて分析に活用できない、 そもそもデータが全く記録されない等の問題は、モバイルにも対応したCMMSを活用することで解決 できます。 © 2020 | Fluke Reliability Confidential Document 7
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故障履歴の見える化及び分析 次の画面は、CMMSのダッシュボードの画面です。 故障履歴は、前ページまでのやり方で、適切に記録されています。次のステップは、MTBF、MTTR等の 保全のKPIをチャート等にし、見える化することです。 このようなチャートを用いて、メンテナンスチームで分析を行い、保全計画の作成・見直しを定期的に行 います。いわゆるPDCAサイクルのイメージです。 見える化ツールは、多く存在しますが(一番お手軽なのは表計算ソフトだと思いますが)、故障履歴 やそのコスト等を集めて、チャートにするまでには、かなりの労力が必要になります。会議の資料の準備 に多くの時間を割いて、分析どころでなくなってしまうかもしれません。 その点、CMMSを活用すれば、記録されているデータをレポート機能(SQLでデータを出力するような 機能)で、自由にデータをリスト化・集計可能です。また、ダッシュボード機能を用いるとリアルタイムに そのデータを棒グラフ、円グラフ、折れ線グラフ等のチャートにして見える化することも可能です。これで 会議の資料作成の手間も不要になり、メンテナンスチームは、保全作業内容(故障履歴)の分析 作業に集中できます。 © 2020 | Fluke Reliability Confidential Document 8
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予防保全計画の作成及び登録 前ページまでの故障履歴の分析を行い、保全計画を作成したら、次にその計画を実行し(メンテナンス を行い)、次の分析・カイゼンのためにデータ(作業指示)を記録します。 CMMSでは、予防保全の計画を登録しておくと、自動的に作業指示が作成される仕組みとなっています。 次のの画面は、カレンダーベース(日次、週次、月次)のメンテナンスのトリガー設定画面です。最終実 行日と頻度(3カ月毎など)を登録すると、最終実行日から3カ月後に自動で作業指示が作成される イメージです。ここで、作業の概要だけでなく、具体的な作業手順(To Do リストのようなチェックリス ト)、交換パーツやメンテナンス要員の確保、さらには作業者のアサインまで行うことが可能です。 次のの画面は、メーターベース(自動車の走行距離や生産機械の生産個数など)のメンテナンスの トリガー設定画面です。CMMSでは、カレンダーだけでなく、実際の使用頻度にもとづいて、作業指示 を作成させることも可能です。 この計画に基づいて、予防保全を実施し、前ページまでにご紹介した記録・分析方法を活用して、、 メンテナンスの内容や頻度の見直しを行う(保全計画を見直す)、すなわち、PDCAサイクルをま わすイメージです。 © 2020 | Fluke Reliability Confidential Document 9
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交換パーツの在庫管理 「設備台帳と故障履歴からの予防保全」については、前ページまでとなりますが、最後にCMMSのコ ア機能のひとつ「交換パーツの在庫管理」機能を簡単にご紹介させていただきます(詳細は「設備 保全管理システム(CMMS) の基礎知識②」に掲載予定です)。 巻末の付録の「一般的なCMMSのコア機能」に示すように、パーツの管理機能は、作業指示、予 防保全計画、購買機能とつながっています。これにより、保全計画(次の画面)であらかじめ使用 予定のパーツと日時をを設定しておくことで、メンテナンス当日に部品がない、いわゆる「部品切れ」を 防ぐことができます。 次の画面のように作業指示で使用したパーツを選択し、その個数を入力すれば、使用した分だけの パーツが在庫から減らされます。また、サプライヤー毎の価格情報が登録されていたり、先入先出 (FIFO)や後入先出(LIFO)などの設定も可能なため、正確なコスト計算が可能です。 紙面の都合上、画面の掲載は割愛しますが、購買機能を用いて、パーツを購入・受取を行うと、そ の数だけ在庫数が増加します。また、パーツの購入伺いや予算設定等の機能を活用すれば、より高 いレベルでのパーツの管理が可能となります。さらに、多くのモダンなCMMSはERPなどとの連携も可 能なため、購買システム等と連携し、組織全体でに交換パーツの情報を共有・管理することができま す。 © 2020 | Fluke Reliability Confidential Document 10
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まとめ ● “No Work Order, No Work”のルールを導入し、すべての作業を記録 する。 ● “Garbage In, Garbage Out” に留意して、適切に作業内容を記録す る(紙やエクセルでは難しいので、CMMSの活用が現実的)。 ● 故障履歴をツールを活用し見える化し分析、予防保全計画作成する。 ● 予防保全を実施・記録し、再度分析を行い、予防保全計画の見直しを行 う(PDCA)。 ● 次のステップとして、交換部品の効率的な管理や状態監視保全、予知保 全、積極保全を検討する(付録の「一般的なCMMSのコア機能」)をご 参照ください)。 © 2020 | Fluke Reliability Confidential Document 11
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付録 More meaningful information p © 2020 | Fluke Reliability Confidential Document 12
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予防保全の意義 予防保全(PM)は、シンプルで一般的な保全戦略である。予防保全は、資産の寿命を延ばし、生産性 を向上させ、最終的には保全費用を削減するのに役立ちます。 車のエンジンが故障するまで、オイル交換を待つことはないでしょう。ですから、予防保全の価値はすでにご存 じでしょう。簡単に言えば、故障の可能性を減らすために定期的に行うメンテナンスが予防保全なのです。 計画的メンテナンス、予防的メンテナンスとも呼ばれ、資産の正常な運転状態を通じて実施されます。これに より、予期せぬ故障や、計画外ダウンタイムなどの高価な結果を回避することができます。 予防保全は、機械の状態に基づいて行われるものではありません。その代わり、メーカーからの推奨事項や資 産の平均的なライフサイクルに基づいて行われます。カレンダーに基づくメンテナンスは、厳密には必要でないメ ンテナンス作業も行うことを意味します。また、作業を実行するための予算、在庫、スケジュールを確保するこ とができます。 コンピュータによる保全管理システム(CMMS)などの予防保全ソフトウェアでは、自動スケジュールされた作 業指示などの機能により、予防保全をさらに簡素化することができます。保全作業を合理化することで、緊急 で対応しなければならない作業を減らし、作業員の安全性と効率性を高めることができます。 予防保全は一貫して行われるため、高価なダウンタイムや混乱を回避することができます。 一般的なCMMSのコア機能 アセット What you want to track in the system 費用 作業指示 パーツ Track costs, both Your Inventory Vehicle for recording 購買 Labor and Parts, activities performed Purchasing the associated with a Parts/Services Work Order needed 予防保全 作業手順 Scheduled Preventive Create a Library of Tasks Maintenance to be assigned to your 状態監視保全 PMs Condition Monitoring レポート to Understand the data generate work orders you’re collecting 作業指示リ クエスト コンタクト Users enter Users, employees, supervisors, Requests for suppliers, vendors, etc. work © 2020 | Fluke Reliability Confidential Document 13