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連載第1回ムービングコイル方式のリニアアクチュエータはどのように誕生し、どこで使われているのか?

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連載開始です。第1回目はファクトリーオートメーションにおいて使われてきたリニアアクチュエータの歴史とムービングコイルアクチュエータがどのような所で使用されているかを紹介いたします。

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ドキュメント名 連載第1回ムービングコイル方式のリニアアクチュエータはどのように誕生し、どこで使われているのか?
ドキュメント種別 ホワイトペーパー
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このカタログの内容

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連載【第1回】ムービングコイル方式のリニアアクチュエータはどのように誕生し、どこ で使われているのか? SMAC Moving Coil Actuators 社長 エドワード ネフ 本連載は、ムービングコイルアクチュエータとして知られているテクノロジーの記事であ る。第1回目は、オートメーションにおいて使われてきたリニアのアクチュエータの歴史 と、ムービングコイルアクチュエータがどのような所で使用されているかを紹介する。 最初のアクチュエータは油圧式である。油圧式のアクチュエータは大きな力を出すことが できると同時に、作動油が圧縮性を持たないため、サーボ機器として動作することが出来 た。このことは、油圧式のアクチュエータは可変のスピードとポジショニングが必要なア プリケーションにおいて有益なサーボアクチュエータとして動作することを意味している。 主に工作機械、プラスチックの処理、および建設機械などで使用されている。スピードは 速くない。油圧の作動のためにはパワーユニットとポンプが必要のため価格は比較的に高 い。典型的な寿命は約100万サイクルである。流体の漏れは主要な懸念事項である。 空気圧式のアクチュエータ(及びバルブ)は、第二次世界大戦後に出現した。これらの機 器は弱い力から中位の力を産むことが出来、速度も比較的早い。しかし、労働流体(空気) は圧縮しやすいので、ポジショニングが難しく、空気圧式のアクチュエータは一般的に、 サーボ機器として有益ではない。それは、空気のシリンダが2つのポジション動作を基本 としており、ポジション調整が手動で行う必要があるからである。典型的な寿命は約1,0 00万サイクルである。空気圧式のアクチュエータは安価であるが、空気圧コンプレッサ ーを必要とする。 電動アクチュエータもまた第二次世界大戦後に出現した。最初の電動アクチュエータ(今 日でも多くの電動アクチュエータがそうであるが)は、しばしば、ボールねじ方式と呼ば れる電気モーターから回転式の動作をあるメカニズムを通じてリニアの動作に変換される。 回転式のモーターは、オープンループのステッパーモーター、もしくはプログラムでスピ ードとポジションを制御できるクローズドループのサーボモーターの何れかである。高速 化はねじのピッチを広げることで可能だが、ピッチを広げることでポジショニングの精度 が悪くなる。寿命は空気圧シリンダのそれに匹敵している。電動アクチュエータは、油圧 式のアクチュエータからリプレイスされてきたが、スピード、ポジショニングの精度、寿 命のトレードオフにより、現在次に説明するリニアモーターとの直接的な競争に直面して いる。ボールねじ方式の電動アクチュエータは、空気圧シリンダが約3倍のコストがかか る。 1980年代の遅くに、最初のリニアモーターベースのアクチュエータが出現しはじめた。 これは、高強度磁石(最初はサマリウムコバルト磁石、そしてネオジム磁石)が開発され たことに起因している。これらの磁石は、コイルを固定し、ピストン(可動部)に磁石を
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取り付けた直流モーターに使用され始めた。磁石が可動するためムービングマグネット方 式のアクチュエータと呼ぶ。 リニアモーターアクチュエータは、プログラム化可能なポジションとスピード機能を持つ サーボ機器で、空気圧シリンダやボールねじ方式のアクチュエータよりもかなり長寿命で ある。リニアモーターアクチュエータが磁石の質量を動かし、比較的に高いスピードを得 るためには、±5A の範囲の電流が必要である。力のレベルは空気圧のアクチュエータに匹 敵している。価格は空気圧アクチュエータのおよそ8倍である。 2000年に、ムービングコイルアクチュエータという新たなリニアモーターが市場に導 入された。ネオジム磁石の開発はこの機器にキーである。ムービングコイルアクチュエー タは、一連の磁石を固定し、ピストンに設置されたコイルを動かす方式の直流モーターで ある。ポジションと速度のプログラム化可能なコントロールを許すサーボ機器である。そ れらは推力の制御も可能である。可動部(ピストン)の質量が軽いため、ムービングコイ ルアクチュエータは現存するリニアアクチュエータの中で最も速い。ムービングマグネッ トアクチュエータと同様に非常に長寿命である。可動部が軽量のため、必要な電流値は± 1.5A と低い。ただし、ストロークは最大約500mmに制限される。推力は空気圧のア クチュエータのそれに匹敵している。価格は空気圧アクチュエータの約2倍から3倍であ るが、継続して下がっている。 油圧式のアクチュエータは、ほとんどの場合はコスト、寿命や性能の改善を理由として、 ゆっくりとではあるが約70%が電動アクチュエータにリプレイスされた。 空気圧アクチュエータは電動アクチュエータに比べてかなり低価格だったため、これまで はリプレイスが難しかった。しかし、状況は変わっており、すでに半導体業界などはで空 気圧アクチュエータからボールねじまたはムービングコイル方式のアクチュエータに完全 にリプレイスされている。この業界では、スピードと寿命が最重要であり、コストは度外 視してきた。今や、包装産業においても同様な変化が起きており、空気圧アクチュエータ から3種類の電動アクチュエータ(ボールねじ方式、ムービングマグネット方式、ムービ ングコイル方式)へのリプレイスが進んでいる。その大きな理由は、コンプレッサーを取 り除くこと、より高い生産性(スピード)と寿命、プログラムによる切り替え(人手によ る交換・調整不要)を実現することである。そうは言っても、梱包産業においては電動ア クチュエータへのリプレイスが進むためには低価格がキーポイントである。 梱包機械に関しては電動アクチュエータへのリプレイスが進むと信じている。また、新し いデザインの包装機械の目的を満たすために、ムービングコイルアクチュエータが必要に なることは明らかである。次回はムービングコイルアクチュエータの技術に関して、どの ようにコイルが動き、どれほど速く動くことができるか、SMAC はどのようにしてコスト 削減を継続して実現しているか、さらに、どのようにアクチュエータの寿命を10億のサ イクルに伸ばそうとしているかを詳説する。 以上