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誤判定リスクを50分の1に低減。 高精度パワー測定で軍事レーダー品質を守った実証事例

事例紹介

測定の不確かさを±2.5 dBから±0.12 dBへ改善し、 年間86.5万ドルのリスク回避を実現

業界最先端の軍事レーダー・レシーバーメーカーは、極めて厳格な感度仕様を満たす必要があり、誤った合格判定が重大なリスクとなっていました。本事例では、RF信号発生器のパワーレベル測定における不確かさに着目し、Keysightによる低パワーレベルまで含めた正確な校正とリスク定量評価を導入。
その結果、測定の不確かさを±2.5 dBから±0.12 dBへ大幅に改善し、誤った合格判定率を0.05%から0.001%未満に低減。品質向上と同時に、年間86.5万ドル相当のリスク/コスト削減を達成しました。

このカタログについて

ドキュメント名 誤判定リスクを50分の1に低減。 高精度パワー測定で軍事レーダー品質を守った実証事例
ドキュメント種別 事例紹介
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取り扱い企業 キーサイト・テクノロジー株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

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このカタログの内容

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C A S E S T U D Y リスクの低減と製品品質の 向上を実現したメーカー 事例企業: • 業界最先端の軍事レー 正確なパワーレベル測定により誤った合格判定を低減して低コストを実現 ダー・レシーバー・メー カー 事例企業の状況 主要な問題: 業界最先端の軍事レーダー・レシーバー・メーカーは、新しい厳格な顧客仕様に適合するレー • レシーバー性能の厳密な 安全要件に適合すること ダーレシーバーを納品する必要がありました。高品質の製品を保証するために、レーダー • レーダー・レシーバー・ レシーバーが新しい仕様に確実に適合できることに焦点を当てて、メーカーはテスト戦略 テスト中の誤った合格判 定を削減すること のあらゆる側面を検証しました。 ソリューション: レーダーレシーバー感度は、電子戦(EW)アプリケーションに不可欠なものです。仕様外の • 測定の不確かさ(MU)が レーダーレシーバーは、長距離からの信号を適切に判別することができません。軍事アプ ±2.5 dBから±0.12 dBま で減少したことの実証 リケーションにこれはあってはならないことです。 • MUの減少によって回避 できたリスク/コストの 海軍駆逐艦 定量化、パワーレベル確 度の向上 仮想敵無人航空機ジャマー サーキュラー 偵察レーダー コニカル追尾2 結果: レーダー コニカル追尾1 海軍基地観測 レーダー • 誤った合格判定が0.05 % から0.001 %未満に減少 • 減少コストが1年当たり Kaバンドスポット ライトSAR 865,000ドルになること の予測 海軍観測機 フェーズドアレイ 偵察レーダー 仮想敵基地 バイスタティック 偵察レーダー 海軍要撃器機 www.keysight.co.jp 1
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主要な問題: 誤った合格判定のリスク 航空宇宙/防衛メーカーは、設計仕様とコストの目標に適合するために、レシーバー感度とパワー レベル測定の確度を向上させる必要があります。 レシーバー感度は、レシーバーが判別できる、または、効果的に復調できる最小信号レベルとし て定義されます。感度測定確度は、低レベル信号のパワーレベル確度に直接関係しています。レー ダー・レシーバー・アンテナ入力に接続されるRF信号発生器が、レシーバー感度の決定に使用さ れるソース信号を出力します。RF信号発生器で非常に低いパワーレベルのパワーレベル確度が 劣っていると、レシーバー感度測定が不正確になります。 信号発生器が仕様外だと、2つのうち1つの測定でエラーが生じる可能性があります。信号発生器 が表示値よりも高いパワーレベルを出力すると、テストで誤った合格判定が発生する場合があり ます。誤った合格判定が生じると、メーカーは、その製品が顧客のレシーバー感度仕様に適合し ていることを信じて出荷しますが、実のところ、その感度は数dB高い場合があります。同様に、 信号発生器の出力信号がパワー不足だと、誤った不合格判定が発生します。「良品」にリワークが 生じ、その結果、コストが浪費され上昇します。誤った合格判定は、このような航空宇宙/防衛 企業にとって大きなリスクになります。 測定値 テスト結果 合格 不合格 真の合格 誤った不合格 (仕様範囲内の製品) (リワーク/ 廃棄コスト) 誤った合格 真の不合格 (保証/リコール/ (仕様範囲外の 高い負債コスト) 廃棄製品) 図1:測定の不確かさによって生じる可能性がある4つのテスト結果 www.keysight.co.jp 2 真の値 実環境の結果 不良品 良品
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誤った合格判定を削減する1つの手法は、ガードバンドを設定してテストリミットを最適化するこ とです。MUデータを用いてガードバンド付きのテストリミットを設定して誤った合格判定を削減 できます。図2は、上限/下限のテストリミットを厳密に設定して誤った合格判定を削減する方法 を示したものです。 仕様下限 仕様上限 仕様下限 仕様上限 不合格 不合格 誤Faっlsたe 誤った 真の 不合格 Fail 真の 不合格 不合格 テスト 不合格 テスト 誤った リミット リミット 合格 上限 上限 誤った 合格 真の合格 格 合格 合格 真の 合 誤った 誤った 合格 合格 テスト テスト リミット リミット 真の 誤った 不合格 不合格 下限 真の 下限 不合格 誤った 不合格 不合格 不合格 不良品 良品 不良品 不良品 良品 不良品 真の値 真の値 理想環境の結果 理想環境の結果 図2:ガードバンドの設定による誤った合格判定の削減 www.keysight.co.jp 3 測定値 テスト結果 測定値 テスト結果 ガードバンド リミット
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ソリューション 校正は、測定器が保証仕様の性能を満たしていることを確認するものです。誤った合格または不 合格になる条件の主な原因は、測定の不確かさです。不確かさの低減は、校正データの検証から スタートします。 キーサイトは、お客様の信号発生器の最近の校正レポートを評価し、サードパーティー校正サー ビスプロバイダーが信号発生器のパワーレベル確度を0 dBmでしか検証していないことを発見し ました。その校正はお客様特有のアプリケーション要件に適合していませんでした。サードパー ティーは、レーダー・レシーバー・テストに必要な低パワーレベルを検証していなかったからです。 図3に示されているようにMUが高くなるほど、企業は、仕様範囲外の製品が品質保証試験に合格 してしまう大きなリスクにさらされます。 キーサイトは、ランダムウォークの統計モデルとE8257D PSG信号発生器の既知の故障率を使用 して、校正されていないパワー・レベル・パラメータのドリフトの現実的なレベルを示しました。 図3から、E8257Dのパワーレベル確度の測定器ドリフトが、5年後には、保証仕様である±1.0 dBm から±2.5 dBにシフトすることがわかります。 このような大きな測定の不確かさが、お客様のリスクを非常に高めていました。 E8257D 不確かさのパワーレベル確度ドリフト 3 2.5 ドリフトにより、 測定の不確かさ 2 が上昇します。 1.5 1 0.5 0 1 2 3 4 5 時間(年) 図3:E8257Dのパワーレベル確度のドリフト。5年間で±1.0 dBから±2.5 dBまでドリフトしています キーサイトは、E8257Dの-90 dBmのテストポイントにおける校正レポートを共有しました。 すべての工場テストパラメータが仕様範囲内で実行されていることを証明するものです。 E8257Dの完全なキーサイト校正証明書は次のページでご覧ください:キーサイトの校正+不確 かさ+ガードバンド付き測定レポート(日本ではANAB認定校正として提供) www.keysight.co.jp 4 不確かさ(dB)
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校正のROI キーサイトは、E8257D PSGアナログ信号発生器を用いてパワー測定確度の低下によるリスクを 計算しました。2種類のシナリオがモデル化されました。1つは校正済みのPSGでMUが非常に低 いもの、他方はドリフトしたPSGです。キーサイトのリスク計算では、Joint Committee for Guides in Metrology(JCGM)の定義に従ってリスクを計算する数学的な式を使用しています。 JCGMは7つの国際組織で構成される世界的に認められている組織です。式は、4つの潜在的な結 果を、誤った不合格、誤った合格、真の合格、真の不合格と定義するもので、JCGM 106:2012 のセクション9.5に記載されています1。 モデリングのために、テストセットアップのレーダー感度は10 GHzで確認しました。平均テスト 値(お客様の仕様)とガードバンド・テスト・リミットは、各々-88 dBmおよび-88.5 dBmでモ デル化しました。パワーレベル確度の測定の不確かさ(MU)は、最近の校正と同等にしか良くあり ません。校正後、E8257A PSGアナログ信号発生器のパワーレベル確度のMUは非常に小さくなり、 ドリフト時には±2.5 dB未満だったものが±0.12 dB未満になりました。 誤った合格判定は0.05 %から0.001 %未満まで減少しました。これは、不良すなわち仕様範囲外 の製品を出荷するリスクが大幅に低下したことを示しています。キーサイトの支援によって、お 客様は、リスクとリワークコストの削減によって回避できる未来のコストが865,000ドルになる ことを予測できました。パワーレベル確度のような重要な測定パラメータの測定確度を改善する ことで、大幅にリスクとコストを削減できます(図4参照)。 ドリフトしたE8257A 校正済みE8257A <±2.5 dB MUのパワーレベル確度 <±0.12 dB MUのパワーレベル確度 941,000ドル(誤った合否判 定によるコスト) 対 865,000ドル(削減できたコスト) 合格 不合格 合格 不合格 真の合格 誤った不合格 真の合格 誤った不合格 84.95% 0.12% 98.55% 0.17% 誤った合格 真の不合格 誤った合格 真の不合格 0.05% 14.88% 0.00% 1.27% 測定値 測定値 テスト結果 テスト結果 図4:PSG信号発生器のMUが±2.5 dB未満から±0.12 dB未満まで低下したときの、4つのグローバルリスクの結果 1. BIPM(Bureau International des Poids et Mesures)、GUM:測定における不確かさの表現のガイド https://www.bipm.org/en/publications/guides/gum.html www.keysight.co.jp 5 真の値 実環境の結果 不良品 良品 真の値 実環境の結果 不良品 良品
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結果 このレーダー・レシーバー・メーカーは、JCGMが定めた数学的なリスクの定義に基づくリス ク計算手法を見たことがありませんでした。これは、金額を用いてビジネス結果を定量化する ために使用されています。重要なパワーレベル確度の測定の不確かさが低下した前後を比較す ることで、メーカーは納得して対策を行うことができました。 これにより、低いパワー確度が測定されていなかったという校正手法のギャップを特定できま した。この発見により、メーカーは、既存のプロセスを変更してリスク/コストを削減でき、 現実的な節約額を予測できました。 キーサイト校正サービス お客様のテストシステムが仕様どおりの性能を満たしていることを確認して、リスクを回避し ます。 詳細情報:www.keysight.co.jp キーサイト・テクノロジー株式会社 本社〒192-8550 東京都八王子市高倉町9-1 計測お客様窓口 受付時間 9:00-12:00 / 13:00-18:00(土・日・祭日を除く) TEL:0120-421-345 (042-656-7832) | Email:contact_japan@keysight.com 本書の情報は、予告なしに変更されることがあります。© Keysight Technologies, 2018, Published in Japan, December 11, 2018, 5992-3534JAJP 6