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命を守る予測技術。 マイクロ波レーダーで雪崩リスクを可視化する革新的アプローチ

事例紹介

非破壊・安全・低コストで実現 アルプスで実証された次世代雪崩予測手法

雪崩は人命やインフラに甚大な被害をもたらす自然災害であり、正確でタイムリーな予測が不可欠です。本事例では、パヴィア大学がマイクロ波レーダー技術を用いた革新的な雪崩予測システムを開発。
従来の手動掘削による測定に代わり、非破壊かつ安全に積雪の厚さ、密度、液体含水量を継続的にモニタリングすることを可能にしました。KeysightのFieldFoxポータブル・ネットワーク・アナライザを活用し、過酷なアルプス環境でも高精度かつ低コストな予測を実現した先進事例です。

このカタログについて

ドキュメント名 命を守る予測技術。 マイクロ波レーダーで雪崩リスクを可視化する革新的アプローチ
ドキュメント種別 事例紹介
ファイルサイズ 3.4Mb
登録カテゴリ
取り扱い企業 キーサイト・テクノロジー株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

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このカタログの内容

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C A S E S T U D Y 一般的な方法の逆を行く: アルプスの雪崩を予測する 革新的な方法 事例企業: • パヴィア大学 主要な課題: • タイムリーかつ正確な イタリアのヴァッレダオスタといった、絵に描いたように美しいアルプスのスキーリゾー 雪崩の予測 トに行くと、多くの人々は安らかで平和な気持ちになるはずです。しかし、これらのリゾー • 積雪状況の変化の トは、見た目ほどのどかではない可能性があります。 継続的なモニター 雪に覆われた地域には雪崩というリスクが常に存在し、その地域の住人や来訪者の安全 ソリューション: を脅かしているからです。山は世界の陸地の25 %を占め、最新の推定によると、世界の • 費用対効果の高い レーダーテクノロジーを 人口の12 %は山岳地帯の居住者です。欧州アルプスは、約1300万人が暮らす、世界で最 使用して雪の状態を も人口密度の高い山岳地帯です。冬にはこれらの数字が、観光客の到着とともに指数関 安全な方法でテストする 数的に増加します[1]。 結果: こうした自然現象に対する正確な予測能力の有無が、生死の分かれ目になる場合があり • 低コストの ソリューション ます。少なくとも、正確な予測は、ビジネスやインフラでの損失発生時に抱える可能性 • 本質的に安全で高確度 のある多額の負債に対する、有効な回避手段となりえます。効果的な予防戦略があった なら、近年、世界各地で発生したいくつかの事故を回避できたか、または被害を軽減で • 非破壊的 きた可能性があります。リスク軽減のためのコストパフォーマンスの高い戦略に常に含 める必要があるのが、雪崩予測ツールです。こうしたツールには、厚さ、平均積雪密度 など、積雪の複数の物理的パラメータの知識が利用されます。 www.keysight.co.jp 1
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課題: 可能な場合だけでなく、必要なときに積雪状態の 正確な測定を実行 積雪のパラメータの最も一般的な測定方法として頼りにされているのが、スノーピットの 現場掘削による積雪の手動解析です。これは非常に時間がかかるものの、非常に正確な方 法です。安全上の理由から、測量担当者はこの方法を、危険な斜面に沿った測定や悪天候 下での測定など、最も必要なタイミングや場所での測定に適用することができません。こ のタイプの穴掘りを実行できるのは、いくつかの指定された現場のみです。測定結果を雪 の斜面の別の箇所にそのまま適用できるかどうかは、斜面の地形の均一性に依存します。 さらに、掘削は破壊的であり、積雪の変化を継続的にモニタリングするのは、容易ではあ りません。 パヴィア大学は、これらの制約を克服するために異なる方法を取りました。その革新的な 方法では、雪の構造を迅速かつ非破壊的に自動解析するため、マイクロ波レーダーを使用 します。 www.keysight.co.jp 2
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ソリューション: 非破壊的かつ安全な方法での雪のテスト パヴィア大学のSNOWAVEシステムは、1つのトランスミッターと2つのレシーバー(それぞれ を専用のラジエーターに接続)を備えた、デュアルレシーバーレーダーで構成されています。 SNOWAVEは、積雪の雪面からの伝播距離、波速度、減衰を同時に測定します。結果として、 このシステムにより、雪の深さ、密度、液体含水量を、他の機器を使用せずに同時に推定する ことが可能となります。 大学は、主要な測定ツールとしてキーサイトのFieldFoxポータブル・ネットワーク・アナライ ザを選択しました。FieldFoxは、ファンや通気口がなく、筐体が密閉されている、革新的で耐 久性のあるデザインを採用しており、厳しい環境にも耐えられるため、このアプリケーション に最適です。システムでは、今後、測定器と統合されたLAN機能を利用して、測定とデータ転 送を制御することになります。トランスミッターとレシーバーの各ペアが、標準の周波数変調 連続波(FMCW)レーダーとして機能し、測定面とターゲット間の飛行時間を決定します。シス テムではデュアルレシーバーアーキテクチャーを採用しているため、雪の厚さ、雪の波速度など、 未知の媒体の不明瞭な点を解明できます。洗練されたソフトウェアが、データから誘電率など の情報を推定します。この情報は、上記のパラメータと相関させることができます。 ラジエーター レール タブレット ケーブル ラジエーター VNA www.keysight.co.jp 3
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結果: 継続的で正確な、低コストの積雪状況モニタリング 大学は、ヴァレダオスタと北極圏の最高3,000 mの高度で、このシステムの実現可能性を実証し ました。従来の現場掘削技術を使って、新しいレーダーソリューションの有効性に対するベンチ マークを実施しました。下の図1に、2つのタイムスロットで収集されたレーダートレースを示し ます。赤い線は、手動の積雪解析で決定された境界面の位置を表します。この新しい手法では、 雪と地面の境界面での反射だけでなく、積雪の層序と経時的な変化に基づいて内部の境界面も検 出します。この非破壊のレーダーベースのソリューションは、あらゆる気象条件で積雪を継続的 にモニターし、雪崩予測ツールの大幅な改善を低コストで実現します。 1.1 1 1 0.9 0.9 0.8 0.8 0.7 0.7 0.6 0.6 0.5 0.5 0.4 0.4 0.3 0.3 0.2 0.2 0.1 0.1 0 (a) (b) 図1. 屋外検証時のレーダートレース(反射信号の正規化された振幅): (a)2017年2月、(b)2017年3月。赤い線は、手動の積雪解析で決定された境界面の位置を表します。 www.keysight.co.jp 4
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関連情報 [1] K. Lied, “SATSIE Avalanche Studies and Model Validation in Europe – Final Report,” European Commission Fifth Framework Programme, May 31, 2006. P. F. Espín-López, M. Barbolini, E. Ceaglio, F. Dell’Acqua, P. Dellavedova, L. Silvestri, and M. Pasian, “SNOWAVE, A Novel FMCW Radar Architecture for Snow Cover Monitoring,” International Snow Science Workshop 2018, Innsbruck, Austria, October 7–12, 2018. M. Pasian, M. Barbolini, F. Dell’Acqua, P. F. Espín-López, and L. Silvestri, “Snowpack Monitoring Using a Dual-Receiver Radar Architecture,” IEEE Transactions on Geoscience and Remote Sensing, Vol. 57, No. 2, pp. 1195–1204, February 2019. キーサイトのFieldFoxハンドヘルド・アナライザの詳細に関する参考資料: • FieldFoxのカタログ • FieldFox製品の詳細 詳細情報:www.keysight.co.jp キーサイト・テクノロジー株式会社 本社〒192-8550 東京都八王子市高倉町9-1 計測お客様窓口 受付時間 9:00-12:00 / 13:00-18:00(土・日・祭日を除く) TEL:0120-421-345 (042-656-7832) | Email:contact_japan@keysight.com 本書の情報は、予告なしに変更されることがあります。 © Keysight Technologies, 2019, Published in Japan, May 27, 2019, 5992-3970JAJP 5