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誤判定リスクを50分の1に低減し、 年間150万ドルのコスト削減を実現
無線レシーバー製造において、パワーレベル測定の不確かさは、誤った合否判定や歩留まり低下、製造コスト増加の大きな要因となります。
本事例では、Keysightのリスク計算アプローチと高精度パワーレベル確度測定を導入することで、測定の不確かさを±1.5 dBから±0.25 dBへ大幅に低減。
その結果、誤った合格・不合格判定のリスクを50分の1に抑え、歩留まり向上と年間150万ドルのコスト削減を達成しました。
このカタログについて
| ドキュメント名 | 測定の不確かさを制し、製造リスクを最小化。 高精度パワー測定で歩留まりを改善した無線レシーバー事例 |
|---|---|
| ドキュメント種別 | 事例紹介 |
| ファイルサイズ | 1.3Mb |
| 登録カテゴリ | |
| 取り扱い企業 | キーサイト・テクノロジー株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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C A S E S T U D Y
テストリスクの軽減、歩留まりの向上、製造コストの削減
高精度パワーレベル確度測定により、 事例企業
• 業界最先端の無線
無線レシーバーメーカーの レシーバーメーカー
課題
リスクを軽減 • パワーレベル確度の向上
• すべてのユニットで最適な
レシーバーレンジの保証
• 歩留まりの向上と製造
コストの削減
事例企業の状況
ソリューション
軍事アプリケーション向けに信頼性の高いレシーバーを設計するには、精密かつ正確な測 • キーサイトのリスク計算提
定が必要です。最先端のメーカーは、航空宇宙/防衛市場向けに新しいレシーバーを設計 案により、測定の不確かさ
の低減、パワーレベル確度
する際に、その製品がたとえ最大距離で動作している場合にも混雑したRF環境で目的の信 測定の向上、テスト結果リ
号を捕捉できることを確認する必要があります。性能を保証するために、企業は製造中に スクの軽減を実現
レシーバーをテストして、レシーバー感度が設計パラメータに適合することを検証します。 リスク計算提案の結果
デバイスがテストに合格するには、信号を受信して適切に復調する必要があります。 • 誤った合格判定による
リスクを50分の1に軽減
• 廃棄コストを年間150万ド
ル削減
• パワーレベル測定の不確か
さが1.5 dBから0.25 dBに
低下し、歩留まりの向上と
コストの削減を実現
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課題
企業は信号発生器を使用してレシーバー感度を測定します。信号発生器は被試験無線レシーバー
に入力信号を供給するものです。テストエンジニアは、無線レシーバーが信号を復調できなくな
るまで信号発生器のパワーレベルを低下させ、その結果をパワーレベル確度測定として記録しま
す。パワーレベル確度によってレシーバー感度が決まります。
パワーレベル確度測定中は、図1のような4つのテスト結果がありえます。真の合格、真の不合格、
誤った不合格、誤った合格です。真の合格と真の不合格が期待される結果ですが、測定の不確か
さを考慮すると、2つの別の結果が生じる可能性があります。誤った不合格とは、完全な良品がテ
ストで不合格になる場合です。誤った合格とは、不良品がテストに合格する場合です。
測定値
テスト結果
合格 不合格
真の合格 誤った不合格
(仕様範囲内の製品) (リワーク/廃棄コス ト)
誤った合格 真の不合格
保証/リコール /
(仕様範囲外の廃棄製品)
高い負債コスト
図1:測定の不確かさによって生じる可能性がある4つのテスト結果
問題の無線レシーバーメーカーは、キーサイト・テクノロジーにパワーレベル確度測定を改善す
るように依頼しました。
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真の値
実環境の結果
不良品 良品
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ソリューション
キーサイトはメーカーのテスト手順を評価し、メーカーの校正手順が、テストプロセスの不要な
MU(測定の不確かさ)に寄与していることを発見しました。お客様の校正レポートから、メーカー
は最先端の信号発生器を使用しているにもかかわらず、校正サービスプロバイダーが古いポータ
ブル・スペクトラム・アナライザによってそれを校正していることがわかりました。古いポータ
ブル・スペクトラム・アナライザはKeysight 8563E(9 kHz~ 26.5 GHz)で、最新のKeysight
E4440A PSA(3 Hz~ 26.5 GHz)よりもMUが大きく、確度仕様が劣っていました。その違いが
測定の不確かさの増大に結びついて、誤った合格判定と誤った不合格判定という測定リスクが上
昇していました。
お客様の校正サービスプロバイダーが使用していた古いユニットではMUが±1.5 dB未満で、こ
れは、新しい測定器の±0.25 dB未満よりもかなり高い値でした。このような大きな違いの原因は、
古いスペクトラム・アナライザ内部のアナログコンポーネントです。これが古い測定器の非常に
高いMUに寄与していました(図2参照)。
<±1.5 dBの誤差(-107 dBm)
分解能
帯域幅 IF利得 Pout
ミキサー フィルター
Pin
アナログ誤差!
Pout=Log(P 従来のアナログ
in)
局部発振器 IFセクション、8563E
<±0.25 dBの誤差(-107 dBm)
Prefilter ミキサー
完全デジタルIF ASIC
デジタルRBW
ADC デジタル対数増幅器
デジタルVBW
デジタルディテクター
ディザー
完全デジタル
局部発振器 IFセクションE444xA
図2:MUが高い従来の測定器とMUが低い最新の測定器
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新しいアナライザは完全なデジタルコンポーネントを使用しています。これにより、測定器のMU
が大幅に低下しています。MUの低下により、非常に精密な校正が可能になります。これにより、
テスト中の誤った不合格判定と誤った合格判定の両方を削減できます。図3は、MUの低下によっ
て、どのように誤った不合格判定と誤った合格判定が減少したのかを示しています。
仕様下限 仕様上限 仕様下限 仕様上限
不合格 不合格 誤Faっlsたe
誤った 真の 不Fa合il格 真の
不合格 不合格 テスト 不合格 テスト
誤った リミット リミット
合格 上限 誤った 上限
合格
合格 真の合格 合格合格
真の
誤った
誤った テスト 合格 テスト
合格
真の 誤った リミット リミット
不合格 不合格 下限 真の 下限
不合格 誤った
不合格 不合格 不合格
不良品 良品 不良品 不良品 良品 不良品
真の値 真の値
理想環境の結果 理想環境の結果
図3:可能性がある2つのリスク結果(誤った合格判定と誤った不合格判定)
校正のROI
お客様は校正の追加リスクを理解しましたが、校正サービスへの投資を正当化するためのビジネ
スケースが必要でした。数式でこのようなテスト結果を定義して、JCGM(計量関連ガイドに関す
る合同委員会)がJCGM106:2012のセクション9.5、"Calculation of Global Risks"で確立したリ
スク計算に使用できます。Joint Committee for Guides in Metrology(JCGM)は7つの国際標準
機関で構成される世界中で認知されている組織です。1 キーサイトは、JCGM 106:2012に準拠す
るお客様に対応する業界ベースのシナリオをモデリングしてリスクを計算しました。
製造量の目標から外れるという最大のリスクの原因は誤った合格判定でした。また、最も際立つ
コストは、良品フィルターがテスト中に誤って不合格になるために発生していました。
1. BIPM(国際度量衡局)、GUM:計測における不確かさの表現ガイド[https://www.bipm.org/en/publications/guides/gum.html]
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測定値
テスト結果
測定値
テスト結果
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リスクの調査により、今よりも正確な校正を実行すれば、年間100,000ユニットを製造している
メーカーで、年間500ユニット発生している誤った不合格判定を年間10ユニットまで減らせるこ
とがわかりました。レシーバーに不可欠な測定パラメータであるパワーレベル測定確度の向上に
より、テスト結果リスクを50分の1に軽減することができます。さらに、誤った不合格判定と誤っ
た合格判定の減少により、年間150万ドルを削減できました(図4参照)。
パワーレベル確度のMUが±1.5 dB未満の パワーレベル確度のMUが±0.25 dB未満の
古い測定器 最新測定器
で校正した信号発生器 で校正した信号発生器
190万ドル(誤った合否判定によるコスト) 150万ドル(削減できたコスト)
合格 不合格 合格 不合格
真の合格 誤った不合格 真の合格 誤った不合格
91.52% 6.39% 95.57% 2.08%
誤った合格 真の不合格 誤った合格 真の不合格
0.48% 1.61% 0.01% 2.08%
測定値 測定値
テスト結果 テスト結果
図4:最新測定器を使用して測定器を校正した場合に削減されるコスト
結果
お客様は、JCGMの数式によるリスク定義をベースとしたリスク計算手法を見たことがありませ
んでした。これはビジネス結果の定量化に使用できます。重要なパワーレベル確度仕様の測定の
不確かさが低下する前と後の比較は、強い印象を与えました。
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真の値
実環境の結果
不良品 良品
真の値
実環境の結果
不良品 良品
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メーカーで共有された実環境のシナリオは、製造環境に新たな見解をもたらしました。メーカー
は、誤った不合格判定の削減による歩留まりの向上と廃棄コストの削減を望んでいました。こ
れによって誤った合格判定も減少するので、顧客満足が高まり、保証、製品リコール、負債に
関するコストも減少します。
モデルを準備することで、メーカーは、リスクと潜在的なコスト節約の両方に分析結果を適用
することができました。データにより、お客様は、既存の校正サービスプロバイダーをキーサ
イト校正サービスに変更すれば大幅にリスクが軽減され、歩留まりが上昇し、製造コストが減
少するということを確信することができました。
キーサイト校正サービス ‐ テストシステムが仕様どおりの性能で動作することを保証してリス
クを回避します。
詳細情報:www.keysight.co.jp
キーサイト・テクノロジー株式会社
本社〒192-8550 東京都八王子市高倉町9-1
計測お客様窓口
受付時間 9:00-12:00 / 13:00-18:00(土・日・祭日を除く)
TEL:0120-421-345 (042-656-7832) | Email:contact_japan@keysight.com
本書の情報は、予告なしに変更されることがあります。© Keysight Technologies, 2018, Published in Japan, November 13, 2018, 5992-3468JAJP 6