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センサ選定・校正・測定設定・不確かさ評価まで 失敗しないパワー測定の実践ガイド
正確なパワー測定を行うには、測定器の性能だけでなく、正しい手順と考え方が不可欠です。
本資料では、パワーセンサの選定から校正、測定設定、不確かさの評価まで、測定精度を高めるための4つの重要ステップを体系的に解説。
RF/マイクロ波測定の現場で起こりがちな誤差要因を整理し、再現性と信頼性の高いパワー測定を実現するための実践的ノウハウを提供します。
このカタログについて
| ドキュメント名 | パワー測定の精度は“手順”で決まる。 より良いパワー測定を実現する4つのステップ |
|---|---|
| ドキュメント種別 | ハンドブック |
| ファイルサイズ | 1.7Mb |
| 登録カテゴリ | |
| 取り扱い企業 | キーサイト・テクノロジー株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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Keysight Technologies
より良いパワー測定を
実現するための4つのステップ
Application Note
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02 | Keysight | より良いパワー測定を実現するための4つのステップ - Application Note
より良いパワー測定を パワー -RF/
実現するための4つの マイクロ波測定の
ステップ 基本
パワー・メータとセンサを選択する前に、 おおざっぱな解析を行うだけでも、現在 パワーは、コンポーネントやシステムを
次の4つのステップを行ってください。こ のパワー・センサ・テクノロジーの機能 RF/マイクロ波周波数で評価するための
れらは、確度、コスト、技術的な適合性 がかなり重複していることがわかります。 基本的なパラメータとなります。30~
に影響します。 しかし、無線変調方式などの新しいテク 100 MHzより上のレンジでは電圧や電流
ノロジーやその製造テストでは、測定を のパラメータは不便で、測定しにくいの
1. テスト対象信号の特性、および信号と 組み合わせたり(タイムゲーティッド・ で、通常マイクロ波パワーが測定されま
パワー測定プロセスとの関係について ピーク・パラメータなど)、データを計算 す。パワーは、ほとんどすべてのRF/マイ
理解する する(ピーク対アベレージ比など)ことが クロ波機器のデザイン、そして最終的に
不可欠です。最新テクノロジーでは、こ は性能の重要な要素になります。
2. パワー測定の不確かさ、および米国の うした方法で高速にデータを取得する必
NISTなどの国家標準機関のトレーサビ 要があります。 パワーの仕様は、商品としての価値を計
リティについて理解する る上でも中心となるパラメータです。つ
解析を行う場合、社内のセンサやパワー・ まり、パワー性能はそれだけ重要である
3. 使用可能なセンサ・テクノロジーの特 メータも考慮する必要があります。また、 ということです。したがって、その性能
性と性能、および各種パワー・メータ 国家標準に対する社内の計測標準器室の は、必ず満たされなければなりません。
の動作について理解する トレーサビリティも考慮する必要があり 設置後、その検査をすることもしばしば
ます。 あります。どのようなときでも、パワー・
4. 性能を比較し、アプリケーションに適 メータは一貫性のある測定が要求されま
した製品を選択する このアプリケーション・ノートでは、パ す。パワー測定器の確度とトレーサビリ
ワー測定の品質に影響を与えるこれら4 ティは、このような測定の一貫性を保証
つの要因について簡単に説明します。さ します。
らに詳細な技術資料として、Application
N o t e『F u n d a m e n t a l s o f R F a n d
Microwave Power Measurements』(カ
タログ番号5965-6630E)も用意されてい
ます。
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03 | Keysight | より良いパワー測定を実現するための4つのステップ - Application Note
ステップ1.
テスト対象信号を理解する
信号フォーマットについて
最近の通信、レーダ、ナビゲーション・ 従来からのパルスド・フォーマットを採 レシーバの過負荷やノイズ除去特性をテ
システムにおけるテクノロジーの流れか 用したレーダやEW(電子戦)トランスミッ ストするには、チャネル外干渉信号を追
ら、さまざまな変調方式が多数生み出さ タもありますが、多くの新しいシステム 加した複合信号を作成して、テスト信号
れており、そのうちのいくつかは非常に ではスペクトラム拡散や周波数チャープ、 として使用します。このような複合信号
複雑化しています。このセクションでは、 および複素位相コード化パルスも使用さ では常に、複合搬送波がランダムな位相
代表的な方式について簡単に触れ、その れています。これにより、未知のターゲッ で加算され、パワーの「スパイク」が発
スペクトラム特性と各種パワー・センサ・ トからの反射波に関するより正確なデー 生する可能性があります。そのため解析
テクノロジーとの関係を探ります。 タが得られます。 を行い、これらがパワー・センサに与え
る影響を理解することが不可欠です。
無線およびセルラ・システムでは、高デー グローバル・ポジショニング・システム
タ・レートでのデジタルI-Q(同相-直交) (GPS)などのナビゲーション・システム センサ・テクノロジーのセクション(ス
変調や、その他のスペクトラム拡散方式 は、複素PSK(位相シフト・キーイング) テップ3)で、ピーク検波に関する詳細を
が用いられます。最終的な送信信号は複 フォーマットを使って正確な無線位置を 説明しています。簡単に言えば、原則的
数の搬送波が結合されるので、統計処理 算出します。その他のナビゲーション・ には、信号ピークがセンサの2乗検波レン
の結果、クレスト・ファクタと呼ばれる システムでは、距離またはコード化ター ジ内に存在する限り、アベレージ・セン
概念に基づいて、非常に高いピーク・パ ゲットの識別にパルスド・フォーマット サはすべてのフォーマットの平均値を表
ワーのスパイクが発生する場合がありま が使用されます。 します。しかし、通常のダイオード・セ
す。クレスト・ファクタについては、以 ンサをリニア検波レンジでドライブする
下のパラグラフおよび「デジタルおよび テスト対象信号には、複数のテスト・トー と、補償機能を備えたセンサでもエラー
I/Qフォーマット」で説明します。 ンから成るものや、高い高調波成分を含 が生じます。ピーク偏位用に設計された
むものがあります。一方、これ以外の信 ピーク/アベレージ・ダイオード・ディ
無線システムには、周波数アジャイル局 号は周波数アジャイル・シンセサイザで テクタの場合は通常、どのタイプのI/Q信
部発振器も含まれています。周波数アジャ 生成することができ、フルチャネル通信 号フォーマットでも問題を起こしません。
イル局部発振器は、車両がグランド・セ のトラヒック・フォーマット全体をシミュ
ルからグランド・セルに移動するときに レートすることが可能です。これらのテ
車両の信号を「ハンドオフ」し、新しい スト信号は、衛星トランスポンダ・システ
基地局周波数にリンクします。場合によっ ムなどのトランスミッタやレシーバの現
ては、こうした周波数の遷移中に発生す 実的な性能を評価するために使用します。
るパワー変動の評価が必要です。
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04 | Keysight | より良いパワー測定を実現するための4つのステップ - Application Note
パルスド・フォーマット AM/FMフォーマット
一部のレーダでは、複数のターゲットを ピーク検波用に設計されたダイオード・ 商用放送、アマチュア無線、短波放送を
高い分解能で捕捉できる幅の狭いパルス センサとパワー・メータの組み合わせは、 除き、純粋なAMまたはFMシステムはそ
が採用されています。それに比例してレー パルストップ特性の評価が必要な場合、 う多くはありません。周波数変調は、搬
ダの立上がり/立下がり時間が短くなり、 またはパルス・エンベロープをプロファ 送波の振幅が比較的一定であるため、単
レーダ・レシーバの帯域幅が広がりまし イルする必要がある場合に最適です。こ 純な平均パワー・センサで測定できます。
た。次に、長い位相コード化フォーマッ れらのピーク・センサには、検波された 一方、振幅変調信号の場合、変調の振幅
トでパルスを生成できるテクノロジーが エンベロープの広帯域増幅機能が内蔵さ のピークが常にセンサの2乗検波レンジの
開発され、ターゲットの形や大きさなど れ、デジタル信号処理(DSP)でパルス形 リミット以下であることを解析して確認
の要素が識別可能になりました。妨害波 状と数値パラメータを測定/表示するこ する必要があります。これは、変調のピー
対策のために、マルチ・パルスやランダ とができます。ほとんどの最新レーダお クがパワーに(Vcarrier)2 で影響を与えるた
ムなパルス繰り返し時間などのデザイン よびEWシステムは、妨害波対策として複 めです。
が必要となっています。 素、擬似ランダム・パルス・レートを使
用しています。このためデューティ・サ
こうしたパルス・テクノロジーのトレン イクルに基づいた単純な計算は使用でき
ドからパワー・メータの選択には、評価 ません。特殊なピーク・センサが必要と
の対象となるパラメータについての詳し なります。
い知識が必要です。テスト・シーケンス
によっては、ピーク・パワー・アナライ ピーク・パワーを測定するには、テスト
ザを使ってパルスのさまざまなパワーお 条件を理解することが重要です。たとえ
よび時間パラメータを測定する必要があ ば、パワーアンプのテストでは、レーダ・
ります。一方、パルストップと平均パワー パルスの立上がり時間または立下がり時
の測定だけで十分なテストもあります。 間の測定が不可欠です。これは、立上が
り/立下がり時間が短いほど送信パルス
パルスド・システムのデザインおよび製 の帯域幅が広くなり、ターゲットに対す
造テストではしばしば、トランスミッタ る分解能が増加するからです。しかし、
や他のシステム・コンポーネントのピー その他の製造テストでは(おそらく後のサ
ク・パルス・パワー(パルストップ)と平 ブシステムでは)、パルスのパルストップ・
均パワーを両方測定する必要があります。 パワーを測定するだけで済む可能性があ
熱センサは、ピーク・パワー偏位がセン ります。要求される測定仕様を正確に把
サの定格を超えない限り、本質的に全平 握することにより、シンプルで低価格の
均パワーを表します。固定デューティ・ パワー・メータを使用できる場合があり
サイクル(パルス幅/全パルス周期)を持 ます。
つパルスド波形の場合、そのピーク・パ
ワーは、熱センサから得られた平均パワー ATC(航空管制)またはDME(距離測定トラ
を使って計算することもできます。 ンシーバ)などのナビゲーション・システ
ムも、パルス・ペアやトリプレットなど、
従来と異なるパルス構成を持っています。
この場合、Keysight E4416/17Aメータ
とE9320Aセンサや、Pシリーズ パワー・
メータN1911/12Aと広帯域パワー・セン
サN1921/22Aなどのピーク検波パワー・
メータ/センサの組み合わせをお勧めし
ます。
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05 | Keysight | より良いパワー測定を実現するための4つのステップ - Application Note
デジタルおよびI/Qフォーマット
地上通信
地上通信システムには、新しいデジタル TDMA(時間分割多元接続)は、同じ基地局 しかし、送信信号の平均パワーは、重要
位相変調方式のデザイン例がたくさんあ チャネルをタイム・シェアリングするた なパラメータの1つに過ぎません。統計的
ります。従来のFDM(周波数分割多重化) めのテクノロジーです。コード化された には、複数の搬送波信号の電圧がランダ
からの移行当初、一部のマイクロ波地上 音声データと新しい高データ・レートの ムに増加するため、フォーマットとフィ
リンクでは64QAM(直交振幅変調)方式が 無線リンクが、位相平面で送信キャリア ルタリングによっては、瞬時ピーク電圧
使用されました。 に変調されます。これにより、図1の3/8 が実効電圧の10~ 30倍にもなることがあ
シフト8PSKに示すように、ビット・シン ります。電圧パラメータを使って計算さ
無線およびPCS ボル位置のコンスタレーションが生成さ れるこの比は通常、クレスト・ファクタ
れます。この特殊な変調フォーマットは、 と呼ばれ、機能的にはキーサイトのピー
最新の無線テクノロジーではデジタル・ EDGE(Enhanced Data Rates for GSM ク/アベレージ・パワー・メータ 1 によっ
フォーマットと高度な送信信号の搬送波 Evolution)システムで使用され、移動機の て測定されるピーク対平均パワー比とほ
のスイッチングを組み合わせることによ 無線チャネルで高データ・レート伝送を ぼ同じです。
り、多数の移動機からの情報をタイム・ 実現しています。1シンボルあたり3ビッ
シェアリングできるようになりました。 トにまとめることにより、データ情報レー システム・デザイナはこのクレスト・ファ
トが増加しますが、これにより振幅の振 クタの影響に対応するため、パワーアン
れが最大16+dBまで大きくなるため、増 プを最大ピーク定格から「落として」、信
幅器が飽和しやすくなります。 号のピーク・パワーが常にそのリニア・
レンジ内に収まるようにします。
各TDMA無線加入者のタイム・シェアリン
グには、524.6 μsのデータ・バーストが
使用されますが、その間、パワーアンプ
が飽和領域以下に動作している必要があ
ります。出力が非線形領域で増幅される
と、一番外の位相ステートが圧縮される
ため、ビット・エラーが増加し、システ
ムの信頼性が低下します。
図1. EDGEテクノロジーと同様に、無線 もう1つの無線変調テクノロジーはCDMA
チャネルによる広帯域データ送信用の最新の (符号分割多元接続)と呼ばれ、特に
3/8シフト8PSKデジタル変調フォーマット
IS-95無線システムで使用されています。
CDMAは、擬似ランダム・コードを使っ
て複数のデータ・ストリームを1つの搬送
波上にコード化します。得られる送信パ
ワー・スペクトラムは、白色ノイズと似
た特性を示します。
1. クレスト・ファクタの一般的な定義(パルスド・キャリア):パルスのピーク(電圧)振幅と実効(電圧)振幅との比
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06 | Keysight | より良いパワー測定を実現するための4つのステップ - Application Note
2トーンおよびフルチャネル・
フォーマット
相互変調テスト ノイズ負荷テスト
2トーン(または3トーン)テスト信号は、 シングル・ノッチ出力(スロット・フィル
増幅器のリニアリティを評価するために タ)の搬送波以外のマイクロ波増幅器のノ
使用されます。f1とf2の2つの純粋な入力 イズ負荷テストには、白色ノイズによる
信号を増幅すると、出力で、2f1-f2、2f2 フルチャネル信号を使用します。非線形
-f1、f1×f2などの形で相互変調信号が得 増幅がある場合、出力におけるノッチの
られます。 相互変調パワーの量で増幅器の性能を測
定します。
2つの搬送波の位相が時間軸上で加算さ
れたり、キャンセルしあったりするため、 単純なCW信号テストの例もたくさんあり
こうしたトーンのパワーを測定するには ます。その代表的なアプリケーションと
解析が必要です。それぞれが等しいパワー して、計測標準機関でのCWテスト信号に
Pを持つV1とV2の2トーンの例では、トー よりドライブされるパワー・センサ用キャ
ンの強め合う加算により2 Vのピーク・ リブレータなどがあります。多くのコン
キャリアが発生します。このときのピー ポーネント・テストでは、テスト手順に変
ク・パワーは4Pです。アベレージ・セン 調されていない単純な信号を使用します。
サは2Pを示しますが、ピーク・センサは
4Pを示すはずです。 未知の信号とそのスペクトラムおよび変
調成分に関する詳細な知識が、最適なパ
ワー・センサを選択する上で不可欠であ
ることを示すために、これまでさまざま
な例をあげてきました。連続波(CW)およ
びアベレージ・センサが有効なこともあ
ります。しかし場合によっては、ピーク
対平均パワー比またはタイムゲーティッ
ド・パラメータを求めるために、ピーク・
パワー性能の正確な特性評価を行い、指
定された業界標準に適合するか確認する
ことが必要です。
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07 | Keysight | より良いパワー測定を実現するための4つのステップ - Application Note
ステップ2.
測定の不確かさと国家標準に対するトレーサビリティを理解する
RFまたはマイクロ波パワー測定の1次標 NISTおよびその他の国家標準機関は、こ 測定の不確かさの標準
準は、米国のNIST(National Institute of うした標準を顧客の1次標準室にトラン
最近、世界的な計測および品質検査団体
Standards and Technology)(所在地:米 スファーするための無料測定サービスを
では、測定の不確かさを計算し、報告す
国、コロラド州ボルダー)に保管されてい 行っています。[1][参考文献を参照]これには、
るための新しいプロセスの導入に積極的
る国家パワー標準です。その他の国々で 手順の包括的なドキュメントと、料金表、
に取り組んでいます。プロセスは、国際
も国家パワー基準が保管されており、高 および測定プロセスの理論と実際につい
標準化機構(所在地:スイス、ジュネー
度な測定保証プロセスで定期的に他の標 て詳しく技術的に説明したアプリケー
ブ)により発表された標準「ISO Guide
準機関との比較が行われています。これ ション・ノートが含まれています。
to the Expression of Uncertainty in
らの非常に高度なパワー標準はマイクロ
Measurement」(しばしばGUMと呼ばれ
熱量計(図2)と呼ばれ、同軸および導波 キーサイトのパワー測定器およびセンサ
ます)に基づいています。[2][参考文献を参照]
管の測定サービスの基準となっており、 の校正は、これらのNIST標準、およびそ
トランスファー・テクノロジーを使って の他の特定の国家標準に対してトレーサ
NCSL Internationa(l 旧National
18 GHzで0.42 %の不確かさを実現してい ブルです。キーサイトでは確度向上のた
Conference of Standards Laboratories)
ます。 め、自動ネットワーク・アナライザを使
(コロラド州ボルダー)は、ANS(I 米国規
用して、個々のセンサそれぞれの複素反
格化協会)と共同で、ISOドキュメント
射係数を考慮した製造テストを実施して
を米国の国家標準として採用し、米国で
います。センサには、反射係数データと
業界ドキュメントANSI/NCSL Z540-2-
校正係数データを含む校正チャートが付
1996、「U.S. Guide to the Expression of
属しています。この個別のテスト・デー
Uncertainty in Measurement」として導
タを使用すれば、センサと信号源の不整
入しています。[3][参考文献を参照]
合による測定の不確かさを低減すること
N型コネクタ
ができます。
DCバイアス用 両方の不確かさの標準は、「ISO Guide
リード
熱電対出力用 25, General Requirements for the
リード
Competence of Testing and Calibration
ハンガー
ケーブル管 Laboratories」により定義された、より
RF入力 大きな計測コンテキスト内で機能します。
セミリジッド同軸
水レベル このドキュメントは、同じタイトルの米
カバー 国バージョンANSI/NCSL Z540-1-1994
に採用されました。
この数年間、ISOは、ISO Guide 25をISO/
IEC 17025に置き換えていて、それを国
際的に公表しています。米国では、ANSI/
NCSLI Standards Writing Committee
熱電対アクセサリ
ベース・プレート が世界標準の利点を認識し、ISO/IEC
17025ドキュメントをASTM(米国材料試
験協会)およびASQ(米国品質協会)の協力
のもと、米国の国家標準として採用しま
した。旧いANSI/NCSL Z-540-1-1994標
準に依存するユーザのニーズに応えるた
め、これは公式に5年間延長されています。
図2. 米国、コロラド州ボルダーにある
NIST同軸マイクロ熱量計の断面図
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08 | Keysight | より良いパワー測定を実現するための4つのステップ - Application Note
測定の不確かさの
標準(続き)
キーサイト・テクノロジーでは、こうし 通常、パワー測定の不確かさは比較的簡 通常は、テスト信号の反射係数をユーザ
た世界的な動きに対応し、以前のANSI/ 単です。測定の不確かさの大きな要因は、 が制御することはできないので、なるべ
NCSL Z-540-1へのコミットメントに代 センサの校正係数の不確かさとテスト対 く反射係数の低いパワー・センサを選択
わるISO/IEC 17025の採用にただちに踏 象信号源とセンサ間の不整合です。Eシ する必要があります。キーサイトのセン
み切りました。その結果、ほとんどのキー リーズ センサの場合、25±10 ℃と0~ サの反射係数は仕様化されていて、各セ
サイトの製造およびサポート部門で、オ 55 ℃の2つの温度範囲において、校正係 ンサに実際の反射係数データが付属し
プションで17025に準拠した製品テスト・ 数の不確かさを提供しています。これら ています。たとえば、センサに付属の
データを提供できるようになっています。 の温度範囲は、通常の作業環境(+ガード・ 校正レポートで、E9321Aパワー・セン
オプション1A7は、工場から出荷される新 バンド)と仕様動作温度範囲全体を表し サ(1 GHz)の反射係数(ρ)値が0.01だっ
製品が17025に準拠することを保証しま ます。 た場合、SWRは1.02(リターン・ロス
す。キーサイトでは、17025準拠のプロ は-40 dB)になります。この値は、信
セス、データ、テストに対する再校正の 研究開発および製造環境では、25±10 ℃ 号源/センサの不整合の計算に使用す
提供を準備しています。 の範囲で校正係数の不確かさを下げれば、 ることができます。Application Note
最終的に全体の測定の不確かさを低減す 『Fundamentals of RF and Microwave
新しいプロセスは、測定や校正時刻の不 ることができます。Eシリーズ パワー・セ Power Measurements』(カタログ番号
一致から50 MHz基準信号源のトレーサビ ンサの仕様のリニアリティとSWRも、温 5965-6630E)の第7章「測定の不確か
リティまでのパワー・パラメータの不確 度範囲毎のデータを提供しています。 さ」を参照してください。このSWR値は、
かさの組み合わせを、より厳密に標準化 データシート『E4416A/E4417A EPM-P
します。不確かさの計算プロセスについ シリーズ パワー・メータおよびEシリーズ
ては、Keysight Application Note 64-1C E9320ピーク/アベレージ・センサ』(カ
『Fundamentals of RF and Microwave タログ番号5980-1469J)の保証された最
Power Measurements』(カタログ番号 大SWR仕様1.12(≦0 dBm、1 GHzの場
5965-6630E)の第7章で詳しく説明して 合)とは異なります。温度範囲毎の校正係
います。その例では、12個の異なる不確 数データと同様に、この値は全体の測定
かさの要素が組み合わされています。 の不確かさを減少させます。
測定の不確かさを計算する場合、上記の
ドキュメントの概念は単純すぎると思わ
れるかもしれません。より複雑な測定の
特性評価では、記述された仕様の不確か
さは、複数のコントロール設定や信号状
態に依存する可能性があります。たとえ
ばインピーダンス・ブリッジは、複素数
のフォーマットで測定を行います。ネッ
トワーク・アナライザとスペクトラム・
アナライザは、重なり合う仕様を持って
います。このような拡張されたGUMの定
義と特性評価には、かなりの注意が必要
です。
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09 | Keysight | より良いパワー測定を実現するための4つのステップ - Application Note
ステップ3.
キーサイトのセンサ・テクノロジーおよびパワー・メータ機能を理解する
通常、パワー・センサは、ユーザの信号 い信号の検波に最適です。また、広いダ 熱電対テクノロジー
フォーマットと変調タイプに適合するよ イナミック・レンジを必要とする測定に
キーサイトの熱電対センサは、-30 dBm
うに設計されています。同様に、パワー・ も使うことができます。さらに、応答時
の感度と高い安定度を持つ熱応答タイプ
メータは、ユーザの測定要件に適合する 間が速いので、パルスドおよび高データ・
のセンサです。この安定度は、熱素子が
ように設計されています。長年にわたっ レート・アプリケーションに不可欠なセ
生成する小さなDC信号をチョッパー増幅
て、ユーザのニーズに、より適したセン ンサとなっています。
回路に通すことにより得られます。RF/
サ技術が開発されて来ました。感度およ
マイクロ波の熱を吸収して、シリコン/金
びダイナミック・レンジの向上が図られ 基本的なダイオード・センサは、-70~
属熱電対素子をドライブするキーサイト
ている一方で、業界が求める確度、スピー -20 dBmの2乗検波レンジで動作します
のシリコン・ウェブ・テクノロジー(circa
ド、信頼性が提供されています。 が、キーサイトでは、ダイオード・テク
1974)により、インピーダンス整合が大幅
ノロジーをその他の3つの領域(拡張レン
に向上しています。(図3を参照してくださ
パワー・センサには、2つの一般的なタイ ジCWセンサ、より大きなパワー用の2パ
い)。これにより、不整合の不確かさが減
プがあります。 ス・ダイオード・スタック・センサ、ピー
少し、測定の信頼性が向上します。チップ
ク/アベレージ・センサ)に拡張していま
には、ある程度の信号の過負荷に耐える
1. 熱応答タイプ す。これらにより、強力なパルス・パワー
丈夫な終端デザインも採用されています。
2. ダイオード・タイプ 特性の評価が可能です。それぞれについ
て、このセクションで詳しく説明します。
代表的な最新の熱電対センサは、同軸入
サーミスタや熱電対などの熱応答タイプ
力で広い周波数範囲を実現しています
のセンサは、RFやマイクロ波の全信号エ
が、最大50 GHzの導波管で構成される
ネルギーを吸収し、その結果生じる起電
場合もあります。熱電対センサは-30~
力を検出するというプロセスで検出が行
+20 dBmのダイナミック・レンジを備え
われます。すなわち、熱効果によって全
ており、一般的なシステムでのパワー測
信号パワーが集積されるため、この種の
定が可能です。
センサは、信号の波形やスペクトラム成
分とは全く無関係です。このためセンサ
は、クレスト・ファクタなどのスパイク
を含め、パルスド、CW、AM/FMや、そ
の他のI/Q変調信号の真の平均パワーを表
酸化 窒化タンタル
します。 金 シリコン Ta 金
2N
Au SiO2 Au
ダイオード・タイプのセンサは、非線形
SiO2
マイクロ波検波曲線の整流特性に依存し SiO2
ウェブ
ます。-70 dBmまでパワーを検波、測定 フレーム 拡散領域
コールド ホット
できるので、RFまたはマイクロ波システ 接合部 接合部
ムのフロント・エンドなどでの非常に低
図3. キーサイトの熱電対チップの断面図。窒化タンタル抵抗で
消費された電力がホット接合部を加熱します。
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10 | Keysight | より良いパワー測定を実現するための4つのステップ - Application Note
熱電対テクノロジー ダイオード・テクノロジー
(続き)
熱電対センサの確度は、各パワー・メー ダイオードは、電流-電圧特性の非直線 従来は、ダイオード・パワー・センサは、
タに付属する精密50 MHz基準パワー・ 性による整流特性を使って、RF/マイク -70~-20 dBmの範囲でパワーを測定
キャリブレータに依存します。キーサイ ロ波をDC(パルスド・アプリケーション するよう仕様化されていました。このた
トのパワー・メータとセンサを校正係数 ではビデオ)信号に変換します。図4に、 め、ダイオード・パワー・センサは高感
と共に使用すれば、トレーサブルな校正 -70 dBmのノイズ・レベル近くから始ま 度測定が必要なアプリケーションに適し
データがトランスファされ、正確な測定 り、+20 dBmまで伸びる代表的なダイ ています。また、高速測定が必要な場合、
が行えます。 オード検波応答曲線を示します。 入力パワーの変化への応答が速いため、
熱電対タイプよりもダイオード・センサ
キーサイトでは、18 GHzまで最大入力 10v が選ばれています。
3 Wおよび25 Wの内部アッテネータを内 1v
蔵することで、いくつかの同軸熱電対セ 100mv ダイオード・センサ(Keysight 8480Dファ
ンサの+20 dBmの上限パワー・レンジを 10mv ミリ)は、ピーク・エネルギーが-20 dBm
拡張しています。アッテネータの性能は 1mv レベルを超えなければ、-70~-20 dBm
100v
校正係数データに含まれているので、全 の2乗検波レンジ内のI/Q信号およびマ
10v
体の確度が向上します。 ルチ信号の影響を平均化します。このた
1v
100nv め、パルスド・パワー測定での使用は、
Keysight 8480A/B/Hファミリ・センサ –70 –60 –50 –40 –30 –20 –10 0 +10 +20 大幅に制限されます。ダイオード素子は、
入力パワー -dBm
は、この熱電対テクノロジーの代表です。 +2 26.5~ 110 GHzの導波管センサ(8486シ
CW、パルスド・パワー、I/Q変調を行う 0 リーズ)にも組み込まれています。
すべてのシステムに対して熱電対センサ –2
を推奨します。信号フォーマットがダイ –4 拡張ダイナミック・レンジ
ナミック・レンジ内にあれば、センサが –6 ダイオード・センサ
全(平均)パワーを表していることを保証 –8
–10 キーサイトのダイオード・センサ・テク
できるからです。
–12 ノロジーを使用すれば、-70~+20 dBm
–14 の拡張ダイナミック・レンジ、最大33 GHz
無線パワーアンプでのミュート・テスト –60 –50 –40 –30 –20 –10 0 +10 +20
入力パワー -dBm の周波数レンジで、CWパワーを測定でき
(-55 dBm)などでは、感度の制限があ
ます。ダイナミック・レンジが90 dBと広
るため2番目のセンサを使用する必要が 図4. ダイオード検波特性:-20 dBmのノイ
あり、一部のアプリケーションでテス ズ・レベルから、遷移領域を通り、+20 dBm いので、減衰の大きなコンポーネントの
のリニア・レンジに至る、2乗特性を持っていま 測定など、ダイナミック・レンジの広い
ト時間が長くなります。さらに、熱電 す。下側のグラフは、2乗特性からの偏移を示し
対センサの仕様レンジの低い方(-25~ たものです。 アプリケーションに適しています。これ
らのセンサをEPMシリーズ パワー・メー
-30 dBm、代表値)で測定する場合、正
タと使用すれば、シングル・チャネル
確で安定した読み取り値を得るためにア
ベレージングを使用しなければならない 2乗領域では、ダイオードの検波出力電圧 E4418Bメータで最大200回/sの高速測定
が可能です。
こともあります。 は、入力パワーに正比例するので(Vout
がVin2に比例)、パワーに比例した応答が
得られます。-20 dBmより上では、ダイ これらのE4412/13Aセンサは、センサと
オードの伝達特性はリニアな関数( パワー・メータを組み合わせた構造を採
Voutが
Vinに比例)に遷移し、2乗関係が成り立た 用しています。校正係数は、個々のセン
なくなります。 サに対して測定され、センサのEEPROM
に保存され、パワー・メータにダウンロー
ドされます。補正係数はCW信号源から導
出されるので、信号ピークがダイオード
の2乗領域を越えると、CDMAなどの変調
信号の平均パワー読み取り値が不正確に
なります。
2乗特性からの偏移 -dB 検波出力- v
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11 | Keysight | より良いパワー測定を実現するための4つのステップ - Application Note
2パス・ダイオード・スタック・
センサ
-70 dBmから最大+20 dBmまでのパ Lsense + 新しいセンサ・テクノロジーには、サン
ワー・テストが必要な場合(こうしたケー プリング・テクノロジーに見られる帯域
スが増えています)、従来の手法ではロー・ Hsense + 幅やダイナミック・レンジのトレードオ
レンジをカバーするダイオード・センサ RF in フがないので、本来の広帯域平均パワー
と、ハイ・エンド用の熱電対センサを使 測定が容易になります。これらのセンサ
Hsense -
用してきました。製造では、特に最適確 は、広帯域平均パワー測定を柔軟に実行
度を保持する必要がある場合、このデュ したいユーザに最適です。
Lsense -
アル測定構成を使用するとテスト時間が
長くなりすぎます。 E9300ファミリ・センサは、27ページの
表7の製品リストに示すように、6 GHzお
図5. 2パス・ダイオード・スタック・
理想的なアベレージ・センサとは、熱応 トポロジーのブロック・ダイアグラム よび18 GHz帯をカバーします。オプショ
答センサの高い確度およびリニアリティ ンで6 GHzセンサのカバレージを18 GHz
と、ダイオード・タイプの広いダイナ この革新的な手法には、単純なダイオー (オプションH18およびH19)に、18 GHz
ミック・レンジを兼ね備えたセンサです。 ド・センサよりも高いパワー・レベルを 製品のカバレージを24 GH(z オプション
Keysight Eシリーズ センサは、2組のダイ 損傷なしで処理できるという、アプリケー H24およびH25)に拡大できます。
オードを使用し、どちらかが必ず2乗領域 ション上の重要な利点があります。これ
で動作するため、I/Q変調フォーマットで は、高いピーク対アベレージ比を示す Keysight EPMパワー・メータ(E4418B/
も正確に測定することができます。 W-CDMA信号には特に便利です。 19B)は、新しいEシリーズ E9300パワー・
センサと使用すれば、信号の帯域幅に関
Eシリーズ E9300パワー・センサは、MBID これらのMBIDセンサの仕様は、+25 dBm 係なく、広いダイナミック・レンジで変
(Modified Barrier Integrated Diode)とし の最大平均パワー、+33 dBmのピーク・ 調信号の平均パワーを正確に測定でき
て実現されています。MBIDは、低パワー パワー(持続時間<10 μs)です。したがっ ます。
経路用の2ダイオード・スタック・ペア、 て、ピーク・パワーも平均パワーも高い
抵抗アッテネータ、高パワー経路用の5ダ 信号の測定で、80 dBのフル・ダイナミッ
イオード・スタック・ペアから成ります ク・レンジが得られます。
(図5を参照)。一度に1つの経路だけがア
クティブになり、経路間の切り替えは高
速かつ自動でユーザには見えません。セ
ンサ・モデルに応じて-60~+44 dBm
にわたり80 dBのダイナミック・レンジが
得られます。
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12 | Keysight | より良いパワー測定を実現するための4つのステップ - Application Note
ピーク/アベレージ・パワー・
センサ
(E9320シリーズ パワー・センサ)
Keysight E9320ピーク/アベレージ・パ Keysight E9320センサ・ファミリ(EPM-P
ワー・センサは現在、50 MHz~ 6/18 GHz メータを使用)により、パルス幅300 nsま
の周波数レンジと-65~+20 dBmのパ でのパルスのパルス・トップや平均パワー
ワー・レンジをカバーしています。Keysight などのパラメータを正確に測定できます。
E9320は、パルスド・エンベロープやI/Q 狭いパルスの特性評価専用ではないもの
変調を持つ信号の包括的な測定用に最適 の、5 MHz帯域幅の増幅器により表1に示
化されています。新しいKeysight EPM-P す測定が可能です。この機能については、
シリーズ パワー・メータ(E4416A/17A) 20ページの「パワー・メータ」のセクショ
と組み合わせると、最大5 MHzのビデオ 2
ンでさらに詳しく説明します。
帯域幅を持つテスト信号エンベロープを
処理できます。 信号処理は、2つの増幅経路によって行わ
れます。各経路はそれぞれのデータ条件
製造テスト用の特別なユーティリティを に対して最適化されています。増幅の一
使用すれば、20 Mサンプル/秒の連続サ 部はセンサ・ユニット内で行い、より多
ンプリング・レートが得られ、GPIBで、 くはパワー・メータ内で行われます。ア
1秒あたり最大1,000個のデータを読み取 ベレージ専用モードでは、増幅とチョッ
ることができ、自動テスト・システム・ ピング・パラメータは以前のKeysightダ
アプリケーションに適します。 イオード・センサの場合とほぼ同じで、
ダイナミック・パワー・レンジ(代表値)
キーサイトのピーク/アベレージ・パワー・ は-65~+20 dBmです。
センサおよびパワー・メータには2つの動
作モードがあります。このうち、ノーマ
ル・モードは主に平均およびピーク測定
(タイム・ゲーティングあり、またはなし)
に用い、アベレージ専用モードは低レベ
ルまたはCWのみの信号の平均パワー測定
に用います。どちらのモードも同じセン
サ素子を使用しています。
2. ビデオ帯域幅は、パワー・センサ/メータが入力信号のパワー・エンベロープに追随する能力を表します。入力信
号のパワー・エンベロープは、信号の変調帯域幅により決まる場合があります。このため、ビデオ帯域幅は、変調
帯域幅とも呼ばれます。
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13 | Keysight | より良いパワー測定を実現するための4つのステップ - Application Note
帯域幅についての注意事項 (Pシリーズ パワー・サンサ)
ノーマル・モードでは、別の経路のパル ピーク・パワー測定では、データの確度 Keysight N1921/22A Pシリーズ ピーク
ス増幅器により、モデルごとに300 kHz、 に影響を与える測定器のビデオ帯域幅 /アベレージ・パワー・センサを使用す
1.5 MHz、5 MHzの最大帯域幅を提供し を解析することが重要です。Keysight れば、-35 dBm~+20 dBmのダイナ
ます。これによりユーザは、テスト信号 E4416/17Aパワー・メータは、リニアリ ミック・レンジで、50 MHz~ 40 GHz
の変調帯域幅を測定器の高度なデータ処 ティ、不整合、ダイナミック・レンジ、 の周波数レンジにわたって、広帯域パ
理に適合させることができます。たとえ 温度安定度などの主要な仕様が劣化しな ワー測定が行えます。Pシリーズ パワー・
ば、3つの最大帯域幅は、以下の代表的な いように最適化されています。詳細につ メータと組み合わせると、最大30 MHz
無線システムの要件に適合します。 いては、「Power Measurements for the のビデオ帯域幅、100 Mサンプル/sの連
Communications Market」を参照してく 続サンプリングを実現でき、航空宇宙/
300 kHz TDMA、GSM ださい。[4][参考文献を参照] 防衛、無線通信、無線ネットワーク(IEEE
1.5 MHz CDMA、IS-95 802.11a/b/gおよび802.16e)アプリケー
5 MHz W-CDMA、cdma2000® 各センサに付属するEEPROMに3次元校正 ションに最適です。高速サンプリング・
データが格納されているので、測定確度 レートにより、キーサイトのパワー・セ
システムのダイナミック・レンジをさら が向上します。データはそれぞれのセン ンサの中で最も測定速度が速く、GPIB経
に最適化するため、表2のように、パワー・ サに固有で、校正係数対周波数、入力パ 由で最高1500回/sの補正済み測定が可能
メータの増幅器のビデオ帯域幅をハイ、 ワー、温度から成ります。電源を入れる です。このため、製造スループットが最
ミディアム、ローに選択できます。複数 か、センサを接続すると、これらの校正 適化され、測定確度が向上します。
の信号のパワーを測定する必要がある場 係数がEPM-Pシリーズ パワー・メータに
合に、示された帯域幅設定とダイナミッ ダウンロードされます。 Pシリーズ パワー・センサは、校正係数
ク・レンジから、アプリケーションに必 を記憶するためのEEPROMを内蔵し、接
要なセンサが1つか、複数必要かを判断す 続したときにパワー・メータに自動的に
ることができます。 ダウンロードされます。また、被試験デ
バイス(DUT)に接続した状態でも、「内部
ゼロ調整/校正」が可能です。
表1. E9320シリーズ センサによるパルス・パラメータ
主要パルス・パラメータ EPM-P/E9320の仕様
立上がり時間 200 ns
立下がり時間 200 ns
最小パルス幅 300 ns
パルス繰り返しレート 2 MHz
パルス繰り返し間隔 500 ns
表2. E9320センサの帯域幅対ピーク・パワーのダイナミック・レンジ(ノーマル・モード)
センサ・モデル 変調帯域幅/最大ダイナミック・レンジ
6 GHz/18 GHz ハイ ミディアム ロー オフ
E9321A/E9325A 300 kHz/-42 dBm 100 kHz/-43 dBm 30 kHz/-45 dBm -40 dBm
~+20 dBm ~+20 dBm ~+20 dBm ~+20 dBm
E9322A/E9326A 1.5 MHz/-37 dBm 300 kHz/-38 dBm 100 kHz/-39 dBm -36 dBm
~+20 dBm ~+20 dBm ~+20 dBm ~+20 dBm
E9323A/E9327A 5 MHz/-32 dBm 1.5 MHz/-34 dBm 300 kHz/-45 dBm -32 dBm
~+20 dBm ~+20 dBm ~+20 dBm ~+20 dBm
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14 | Keysight | より良いパワー測定を実現するための4つのステップ - Application Note
内部ゼロ調整/校正 サーミスタ・テクノロジー
Pシリーズ パワー・サンサ(N1921A/ キーサイトでは、同軸および導波管サー
N1922A)は、内部ゼロ調整/校正機能を ミスタ・センサとサーミスタ・パワー・
内蔵し、外部基準信号源を使用してセン メータを用意しています。サーミスタ・セ
サを校正する必要はありません。Pシリー ンサは熱対応タイプで、DC置換方法を使
ズ センサは、DC基準信号源とスイッチン 用した平衡ブリッジ・アーキテクチャを
グ回路を各センサに統合した、キーサイ 採用しています。このため、基準パワー・
トの特許取得済みテクノロジー(図6を参 レベルを国家標準機関の1次標準からトラ
照)を採用し、被試験デバイスに接続した ンスファーするなどの度量衡タイプのアプ
状態でセンサをゼロ調整/校正できます。 リケーションや、ラウンドロビンと呼ばれ
このため、校正用信号源の接続/切断が る業界の相互比較プロセスに最適です。
不要で、テスト時間、測定の不確かさ、
コネクタの損傷が低減されます。この機 Keysight 432Aパワー・メータとそれ
能は特に、秒単位の時間が大切な製造/ に接続される478/86センサ、およびそ
自動テスト環境に便利です。50 MHzの のトレーサビリティ・プロセスでの役割
基準信号を測定経路に切り替えたり、信 については、Application Note 64-1C
号源から切り離してゼロ調整しなくても、 『Fundamentals of RF and Microwave
テスト・フィクスチャ内にセンサを組み Power Measurements』(カタログ番号
込むことができるようになりました。 5965-6630E)の第3章で詳しく説明して
います。低反射係数のものを選別したカ
スタム・バージョンのサーミスタ・セン
サは、基準パワーのトランスファー・ア
プリケーションでより小さな不確かさを
実現できます。
校正用D/A
コンバータから
電圧基準
RF入力 ゼロ調整/校正
経路切り替え
ダイオード・ディテクタ
図6. 内部ゼロ調整/校正のブロック図
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15 | Keysight | より良いパワー測定を実現するための4つのステップ - Application Note
Keysightパワー・メータ
および
USBパワー・センサ 表3. キーサイトのパワー・メータおよびUSBパワー・センサ・ファミリ
キーサイトでは、6種類のパワー・メータ・ Keysight 名前 説明
ファミリを提供しています(表3を参照)。 モデル
Pシリーズ ピーク/アベレージ・パワー・メータ
1. N1911/12A Pシリーズ。30 MHzまで
のビデオ帯域幅のピーク/平均パワー N1911A シングルチャネル デジタル、プログラマブル、ピークおよび平均
測定、N1921/22Aセンサを使用。CCDF測定機能
測定用。最も高い機能性と柔軟な測定
内蔵。30 MHzまでのビデオパワー帯域幅の革新
機能を備えています。さらに、Pシリー 的なタイムゲーティッド・パルス測定。100 M
ズ パワー・センサと組み合わせて使用 サンプル/s。
した場合は、最高速の測定速度を実現
します。すべてのキーサイトのダイオー N1912A デュアルチャネル N1911Aの2チャネル・バージョン、2つのセンサ
ド/熱電対センサを使用できます。 間のパラメータの測定と計算も可能。
N8262A デュアルチャネル モジュラ・パワー・メータ、フロント・パネル
2. E4416/17Aシリーズ。5 MHzまでのビ なし、N1911Aの2チャネル・バージョン、2つの
デオ帯域幅のピーク/平均パワー測定 センサ間のパラメータの測定と計算も可能。
用。以前のすべてのキーサイトの熱電
EPM-Pシリーズ ピーク/アベレージ・パワー・メータ
対およびダイオード・パワー・センサ
を使用できます。 E4416A シングルチャネル デジタル、プログラマブル、ピークおよび平均
測定、E9320シリーズ センサを使用。革新的な
3. E4418/19Bシリーズ。平均パワー測定 タイムゲーティッド・パルスパワー測定。20 M
用。平均パワー・アプリケーション用 サンプル/秒
のすべての機能を備えており、E9320/ E4417A デュアルチャネル E4416Aの2チャネル・バージョン、2つのセンサ
N1920シリーズ ピーク/アベレージ・ 間のパラメータの測定と計算も可能
パワー・センサ以外はすべて利用でき
ます。 EPMシリーズ アベレージ・パワー・メータ
E4418B シングルチャネル デジタル、プログラマブル、Eシリーズおよび
4. E1416A(VXI)システム・パワー・メー 8480シリーズ センサを使用可能、Eシリーズ セ
タ。8480シリーズ センサを使用でき ンサのEEPROMに保存されたセンサ校正係数を
ます。 使用可能。
E4419B デュアルチャネル E4418Bの2チャネル・バージョン、2つのセンサ
5. 432A/478/486サーミスタ・ファミリ。 間のパラメータの測定と計算も可能
基準パワーのトランスファーなどの度
量衡アプリケーションに適しています。 システム・パワー・メータ
E1416A VXIパワー・メータ 以前のモデル437Bの機能/性能を装備。すべて
6. U2000シリーズ USBパワー・サンサ。 の8480シリーズ センサを使用可能。
平均パワー測定用。平均パワー測定用
の機能をすべて備え、パワー・メータ サーミスタ・パワー・メータ
は不要です。最新のダイオード・セン 432A サーミスタ・ DC置換、平衡ブリッジ・テクノロジー、基準パ
サ・テクノロジーを活用したコスト・ パワー・メータ ワーのトランスファーに最適
パフォーマンスの高いソリューション
です。 U2000シリーズ アベレージ・パワー・センサ
U2000A USBパワー・センサ デジタル、プログラマブル、平均測定、パワー・
メータ不要。USBプラグアンドプレイ。革新的
なタイムゲーティッド・パルスパワー測定。
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16 | Keysight | より良いパワー測定を実現するための4つのステップ - Application Note
ピーク/アベレージ・メータ 帯域幅に関する注意事項
(Pシリーズ パワー・メータ)
Pシリーズ パワー・メータとPシリーズ モ Pシリーズ パワー・メータ/センサとP パワー・メータのビデオ帯域幅は、ハイ、
ジュラ・パワー・メータは、30 MHzのビ シリーズ モジュラ・パワー・メータは、 ミディアム、ロー、オフに設定できます。
デオ帯域幅と100 Mサンプル/sの連続サ 以下の研究開発/製造分野での多くのパ オフに設定した場合、最高速の立ち上が
ンプリング・レートを備え、正確で再現 ワー測定アプリケーションに適した豊富 り/立ち下がり時間仕様が得られます。
性のある広帯域パワー/時間/統計測定 な機能を備えています。 パルス信号におけるオーバシュートを最
がすばやく行えます。これらのパワー・ 小限に抑えるには、オフに設定してくだ
メータとPシリーズ 広帯域パワー・セン 1. ピーク・パワー、平均パワー、ピーク さい。ハイ、ミディアム、ローの各設定
サと組み合わせれば、最大40 GHzの周 対アベレージ比パワー測定 は、広帯域変調信号を測定し、帯域幅全
波数カバレージ、広いダイナミック・レ 体でフラットな応答を実現するために使
ンジ、豊富な測定機能が得られ、航空宇 2. タイムゲーティッド測定モードとフ 用します。また、帯域幅とダイナミック・
宙/防衛、無線通信、無線ネットワーク リーラン測定モード レンジのトレード・オフもあります。
(IEEE 802.11a/b/gおよび802.16e)アプ
リケーションに最適です。 3. 立ち上がり時間、立ち下がり時間、パ 図7はフラットネス応答を示しています。
ルス幅、パルス周期、パルス繰り返し ピーク・フラットネスとは、等振幅の2
Pシリーズ パワー・メータとPシリーズ 周波数、立ち上がりまでの時間/立ち トーンRF入力のさまざまなトーン間隔に
モジュラ・パワー・メータは、100 Mサ 下がりまでの時間の自動測定 対する、ピーク対アベレージ比測定のフ
ンプル/sのサンプリング・レートを備え、 ラットネスです。図7は、トーン間隔が変
繰り返しイベントだけでなく、シングル 4. 相補累積分布関数(CCDF)統計 化した場合のピーク対アベレージ比測定
ショット・イベントも広帯域に渡って捕 値の相対誤差を示しています。
捉できます。正確なパルス測定が必要な
レーダ/パルス・テストなどのアプリケー
ションに対しても、パワー・メータとセ 表4. ダイナミック応答:立ち上がり時間/立ち下がり時間/
ンサを組み合わせたものは、13 nsの立ち オーバシュート対ビデオ帯域幅設定
上がり/立ち下がり時間が仕様で保証さ
れています。 ビデオ帯域幅設定
パラメータ オフ
最大30 MHzのビデオ帯域幅を備えたPシ ロー: ミディアム: ハイ:
リーズは、1台の測定器で、3G基地局に 5 MHz 15 MHz 30 MHz <500 MHz >500 MHz
用いられているマルチキャリア・パワー 立ち上がり <56 ns <25 ns ≦13 ns <36 ns ≦13 ns
アンプなどの広帯域製品のテストに対応 時間/立ち
しています。30 MHzの帯域幅は0.1 dBの 下がり時間
フラットネスに補正され、非常に確度の オーバ <5 % <5 %
高いピーク・パワー測定が可能です。 シュート
ハイ
オフ
ミディアム (>500 MHz)
オフ
(<500 MHz)
ロー
入力トーン間隔周波数(MHz)
図7. 2トーン入力に対するピーク対アベレージ測定のN192XAの誤差(ハイ/ミディアム/ロー/
オフ・ビデオ帯域幅)
誤差(dB)
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17 | Keysight | より良いパワー測定を実現するための4つのステップ - Application Note
柔軟性の高いユーザ・
インタフェース
Pシリーズ パワー・メータは、ユーザ・ これらのインタフェース機能により、複 各ゲートは、3種類のパラメータ(平均パ
インタフェースとディスプレイ制御機能 雑な測定も簡単に設定できます。またセー ワー、ピーク・パワー、ピーク対アベレー
が向上しています。高解像度カラー・ス ブ/リコール・メニューで最大10個の機 ジ比)を測定できます。これらのゲート測
クリーンは、拡大表示モードで320×240 器設定を保存でき、テスト手順を簡単に 定では、F1-F2やF1/F2などのコンビネー
ピクセルのサイズがあり、クリアで見や 切り替えることができます。 ション測定の計算が行えます。ささまざ
すく表示されます。 まなパラメータを計算する必要がある無
タイムゲーティッド測定は、EPM-Pシリー 線通信では、便利な機能となっています。
数字キーも追加されています。新しい矢 ズと似ていて、異なる時間長と遅延で動
印キーと中央のSELECTキー、標準のハー 作するゲートを4つまで設定できます。
ドキー/ソフトキー・メニュー選択を組
み合わせて、使いやすいユーザ・インタ
フェースが実現しています。
図8. 大型カラー・ディスプレイでの自動パワー/時間測定
図9. 4つのタイム・ゲートを使用した柔軟な測定
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18 | Keysight | より良いパワー測定を実現するための4つのステップ - Application Note
柔軟な構成 定義済みの測定セットアップ
Pシリーズは、柔軟な構成が可能です。目 Pシリーズのパワー・メータには、時間を節約する便利な機能が搭載されています。レー
的のアプリケーションに適した構成を選 ダ/無線通信アプリケーションで用いられる一般的な測定に対しては、定義済みのテス
択できます。 ト・セットアップ(図10を参照)を使用してパワー・メータを簡単に設定して、すぐにテ
ストを開始できます。また、LAN/USB/GPIBインタフェースが標準装備され、最新のイ
Pシリーズ パワー・メータ ンタフェースに対応できます。
N1911A シングルチャネル・パワー・
メータ、9 kHz~ 110 GHz
(センサに依存)
N1912A デュアルチャネル・パワー・
メータ、9 kHz~ 110 GHz
(センサに依存)
Pシリーズ モジュラ・パワー・メータ
N8262A デュアルチャネル・パワー・
メータ、9 kHz~ 110 GHz
(センサに依存)
Pシリーズ パワー・センサ
N1921A 広帯域ピーク/アベレージ・
パワー・センサ、50 MHz~
18 GHz
N1922A 広帯域ピーク/アベレージ・ 図10. 定義済みのテスト・セットアップ
パワー・センサ、50 MHz~
40 GHz
測定速度
Pシリーズ パワー・メータおよびPシ Pシリーズのパワー・メータとセンサを組み合わせると、キーサイトのすべてのパワー・
リーズ モジュラ・パワー・メータは、 メータの中で最高速の測定速度を実現できます。リモート・インタフェース経由での測
Keysight 8480、E441x、E9300シリーズ 定速度は1500回/s以上です。
アベレージ・パワー・センサも使用でき
ます。このため、30種類以上のセンサか
ら選択して、9 kHz~ 110 GHzの周波数 表5. Pシリーズ パワー・メータとセンサの組み合わせによる、
カバレージで、-70~+44 dBmの広い 高速のGPIB測定速度
ダイナミック・レンジにわたってピーク
/平均パワー測定が行えます。 測定速度(回/s)
センサ・タイプ ノーマル X2 高速
N192xAパワー・センサ 1500
E9320パワー・ アベレージのみモード 20 40 400
センサ
ノーマル・モード 20 40 1000
E441xA/E9300パワー・センサ 20 40 400
8480シリーズ パワー・センサ 20 40 -
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19 | Keysight | より良いパワー測定を実現するための4つのステップ - Application Note
Pシリーズのソフト・フロント・
パネル
N8262A Pシリーズ モジュラ・パワー・
メータは、Pシリーズ パワー・メータと
同様の性能を備えています。Keysight
N8262A Pシリーズ デュアルチャネル・
モジュラ・パワー・メータは、非常にス
リムで(図11を参照)、LANベースの自動
測定に対応しています。LXI class c準拠
の測定器で、イーサネットの利点とGPIB 図11. N8262A Pシリーズ デュアルチャネル・モジュラ・パワー・メータ
の容易さを兼ね備えています。このため、
テスト・システムのデザイナやインテグ
レータは、より高速で効率的なシステム
を構築できます。
N8262A Pシリーズ モジュラ・パワー・
メータには、以下のソフトウェアが付属
しています。
– 設定が一目でわかる測定器ページ。
リモート・アクセス/制御を実現。
(図12を参照)
– N1911/12A Pシリーズのフロント・
パネル・エミュレーション機能を備
えたグラフィカル・ユーザ・インタ
フェース。(図13を参照)
– さまざまなプログラミング言語
(Keysight VEE、LabView、Lab
W i n d o w s、C、C + +、C #、V B、
MATLAB)で使用可能なテスト・ソフ
トウェア開発用のIVIドライバ。
図12. N8262A Pシリーズ デュアルチャネル・モジュラ・パワー・メータの
– オプションのPC解析ソフトウェア: 測定器ページ
複雑なパルス解析、統計解析、マル
チチャネル解析、記録/再生機能な
どに対応したN1918Aパワー解析マ
ネージャ。
図13. N8262A Pシリーズ デュアルチャネル・モジュラ・パワー・メータの
フロント・パネル・ディスプレイ
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20 | Keysight | より良いパワー測定を実現するための4つのステップ - Application Note
EPM-Pシリーズ
E4416/17Aピーク/アベレージ・パワー・ パワー・メータには強力なデジタル信号 このピーク対平均測定では、2つの異なる
メータ(EPM-Pシリーズ)は、パルスド 処理(DSP)機能が備わっているので、バー ゲート時間を使用しています。単一ゲー
およびI/Q変調フォーマット用のコスト・ スト平均およびピーク・パワーの測定、 トでのピーク対アベレージ比測定と混同
パフォーマンスの高い測定ツールです。 ピーク対アベレージ比の計算のほか、パ しないでください。パルス・ドループ測
E9320センサと組み合わせると、使いや ワー・メータの大型LCD画面でタイムゲー 定は、2つのパワーの引き算、ゲート3
すいインタフェースとさまざまな画面表 ティッド・パルス・パワーのさまざまな -ゲート4から得られます。4ライン数値
示が可能です(図14を参照)。 プロファイルを表示できます。エンベロー 表示を使用すれば、これら3つの測定値す
プに最大5 MHzの高周波成分が含まれる べてを、ゲート1からのピーク・パワーと
ような広帯域I/Q変調フォーマットの測 共にLCD画面で同時に表示できます。
定、表示も可能です。
すべてのEPM-Pパワー・メータに現在、
タイムゲーティッド測定の場合、EPM-P グラフィカル・トレース設定および解析
シリーズ パワー・メータの方が多機能性 画面用のファームウェア拡張機能が内蔵
という点で優れています。パワー・メー されています。図16に、この新しい機能
図14. トレース画面(上のウィンドウ)とデュア タは、ユーザ指定のタイムゲーティッド を示します。これは、パワー・メータの
ル数値画面(下のウィンドウ)を表示するように とゲート幅でテスト波形に沿ってピーク・ トレース画面でのリアルタイム・マーカ
設定されたE4417Aパワー・メータ
パワーと平均パワーを測定します。図15 測定です。マーカ1と2は、瞬時パワーお
に、GSM信号に対するもう1つの代表的 よび選択したトリガ・イベントを基準と
なタイムゲーティッド・パワー測定を示 した時間を表示しています。右側には、
ハードキーでセンサの校正やトリガなど します。ゲート2は、「有効な」GSM時間 マーカ1とマーカ2との間の、時間、平均、
頻繁に使用する機能を制御し、ソフト 周期のバースト平均パワーを測定し、ゲー ピーク、ピーク対アベレージパワー比が
キー・メニューで詳細な測定シーケンス ト1は、タイムスロット全体のピーク・パ 計算されて、表示されます。表示や設定
を簡単に設定することができます。セー ワーを測定します。このため、ゲート1か の分解能を上げるには、トレース・ズー
ブ/リコールメニューで最大10個の機器 らゲート2を減算する(dB単位)ことでピー ミング機能を使用します。
設定を保存し、テスト手順を簡単に切り ク対アベレージ比測定が得られます。
替えることができます。GPIBプログラミ
ング・モードでは、1秒あたり最大1,000
個の補正済みデータを出力できます。 Gate 3 Gate 4
大型LCDディスプレイに最大4ライン・
フォーマットまで分割表示できるので、 Gate 2
測定結果の解釈や比較に便利です。また、
大きな文字で表示できるので遠くからで Gate 1
も見やすくなります。たとえば、4ライン
を、dBm単位の平均パワー、mW単位の
平均パワー、ピーク・パワー、ピーク対
アベレージ比を表示するように設定でき 図15. このGSMパルスの4つのゲート時間から、
ます。図14に示すようなトレース表示も 表示用データが計算され、表示されます。
設定可能です。
図16. このグラフィカル画面で、マーカ部の
パワー測定、およびマーカ識別データ間の計算
が可能になります。