1/5ページ
ダウンロード(1Mb)
純チタンとチタン合金の違いって? 切削加工には向いている?
チタンとはどんな金属?
チタンと聞くと、ゴルフクラブやメガネフレームを思い浮かべる方が多いかもしれません。
チタンは「人体への親和性」「軽量で高強度」「優れた耐食性」などの特徴を持っており、医療や航空機、航空宇宙をはじめとした幅広い分野で活躍しています。
純チタンとチタン合金の成分
チタンは大きく純チタンとチタン合金の2種類に分かれ、その中でも性質により更に種類が分かれています。チタンやチタン合金はJIS規格でJISH4600(板)、JISH4650(棒)で規定されています。
◆詳細はカタログをダウンロードしご覧いただくか、お気軽にお問い合わせ下さい。
このカタログについて
| ドキュメント名 | 【チタンの基本がわかる!】表で比較する!チタン〜種類・特徴・加工性質〜 |
|---|---|
| ドキュメント種別 | 製品カタログ |
| ファイルサイズ | 1Mb |
| 登録カテゴリ | |
| 取り扱い企業 | 佐渡精密株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
この企業の関連カタログ
このカタログの内容
Page1
スライド 1
比 較 す る
表 で !
チタン
種類・特徴・加工性質
純チタンとチタン合金の違いって?
切削加工には向いている?
チタンの基本がわかる!
Page2
チタンとはどんな金属?
チタンと聞くと、ゴルフクラブやメガネフレームを思い浮かべる方が多いかもしれません。
チタンは「人体への親和性」「軽量で高強度」「優れた耐食性」などの特徴を持っており、医療や航空機、航空宇
宙をはじめとした幅広い分野で活躍しています。
純チタンとチタン合金の成分
チタンは大きく純チタンとチタン合金の 2 種類に分かれ、その中でも性質により更に種類が分かれています。
チタンやチタン合金は JIS 規格で JISH4600(板)、JISH4650(棒)で規定されています。
純チタン
純度によって 1 種~4 種に分類されており、番号が小さいほど、純度が高いチタンになります。
・1 種 :展延性・成形性が優れており、耐力性も高い種類です。強度は 4 種類の中で低めに位置します。
・2~3 種 :強度と展延性のバランスが良く、一般的によく使用される種類です。
・4 種 :純チタンの中では最も強度が高く、特に高強度を求められる用途において使用されています。
チタン合金
チタン合金といえば、Ti-6Al-4V 合金(通称 6-4 チタン)を指すのが一般的で、6%のアルミと 4%の
バナジウムが添加されていることを示しています(重量%)。JIS 規格では 60 種に分類されます。
・ELI 材:エリー材と呼ばれる Ti-6Al-4V 合金の一つです(Extra Low Interstitial Elements の略称)。
酸素や窒素などの成分含有量がより低く抑えられている材質であり、6-4 チタンの中でも医療用とし
て使用されます。JIS 規格では 60E 種、ASTM 規格(※)では ASTM F136 で規定されています。
(※ASTM 規格は世界最大・民間・非営利の国際標準化・規格設定機関 ASTM インターナショナルが定める工業規格)
表 1;純チタンとチタン合金の種類と成分
単位 ; %
種類 N C H Fe O Al V その他 Ti
個々 合計
1 種 0.03 以下 0.08 以下 0.013 以下 0.20 以下 0.15 以下 - - 残部
0.10 以下 0.40 以下
2 種 0.03 以下 0.08 以下 0.013 以下 0.25 以下 0.20 以下 - - 0.10 以下 0.40 以下 残部
3 種 0.05 以下 0.08 以下 0.013 以下 0.30 以下 0.30 以下 - - 0.10 以下 0.40 以下 残部
4 種 0.05 以下 0.08 以下 0.013 以下 0.50 以下 0.40 以下 - - 0.10 以下 0.40 以下 残部
5.50 3.50
60 種 0.05 以下 0.08 以下 0.015 以下 0.40 以下 0.20 以下 0.10 以下 0.40 以下 残部
~6.75 ~4.50
5.50 3.50
60E 種 0.03 以下 0.08 以下 0.0125 以下 0.25 以下 0.13 以下 0.10 以下 0.40 以下 残部
~6.50 ~4.50
引用元;JIS H4650:チタン及びチタン合金-棒 一部抜粋
1
Page3
チタン・チタン合金の強度
純チタン
純チタンは純金属としても工業的によく利用されており、1 種~4 種で機械的性質に違いがあります。
・1 種 :酸素(O)や鉄(Fe)の添加が極力抑えられているので強度は低いですが、良好な展延性、成形性を持
z
ち、耐食性も良い種類です。
z
・2~3 種 :強度と展延性のバランスが良く、一般的に手に入りやすいためよく使われる種類です。航空機の
z
機体やエンジン部品、海洋構造物、化学工業用機械の構造部品として多く使われます。
・4 種 :特に強度を要する場合はこの種類が用いられ、純チタンの中では最も強度が高いです。
z
表 2;純チタンの機械的性質
適用寸法 硬さ
種類 (径又は厚さ、 引張強度 耐力 伸び HBW10/3000
又は対辺距離) 又は HV30
270MPa~
1 種 165MPa 以上 27%以上 100 以上
410MPa
340MPa~
2 種 215MPa 以上 23%以上 110 以上
8 以上 510MPa
300 以下 480MPa~
3 種 345MPa 以上 18%以上 150 以上
620MPa
550MPa~
4 種 485MPa 以上 15%以上 180 以上
750MPa
引用元;JIS H4650:チタン及びチタン合金-棒 一部抜粋
チタン合金
最も多く用いられる Ti-6Al-4V 合金(60 種)は α-β チタン合金に区別されています。特に Ti-6Al-4V 合金
z
は強度、伸び、靭性などのバランスが良く、耐熱性や疲労強度にも優れてるため汎用的に使われています。
・αチタン合金:アルミ(Al)を添加することで形成される「高温に強く、強度が高いチタン合金」
・βチタン合金:バナジウム(V)を添加することで形成される「高い靭性と加工性を持つチタン合金」
2
Page4
表 3;チタン合金の機械的性質
適用寸法 硬さ
種類 (径又は厚さ、 引張強度 耐力 伸び HBW10/3000
又は対辺距離) 又は HV30
895MPa 825MPa
60 種 10%以上 -
8 以上 以上 以上
300 以下
825MPa 755MPa
60E 種 10%以上 -
以上 以上
チタンの切削性と加工時の注意点
チタンは優れた性質を多く持つ一方で、切削加工が難しい材質としても知られています。
◆高強度・高靭性による加工抵抗の大きさ
引張強度と靭性が高いので切削時の加工抵抗が大きく、加工方法によっては工作機械を選ばないといけ
z
ません。
◆低熱伝導性のため、熱が工具にこもりやすい
熱伝導率が低いため熱がこもりやすく、工具材質との化学的親和性の高さから摩耗や溶着が起きやすい
z
ため、工具折れのトラブルに繋がります。
◆スプリングバック(弾性)が大きく、寸法安定性に注意
形状によってはたわみが出てしまい寸法精度が不安定になるのです。
◆切粉の危険性
チタンは切粉の取り扱いについても注意が必要な材質です。糸状の切粉や粉末のような形状では急激な
酸化を起こすため、火花で引火したり、自然発火する場合もあります。
z
以上からチタンの切削加工は適切な工作機械、工具、切削油、切削条件での加工を要し、取り扱い面でも気を
つけなければならない材質です。
チタン・チタン合金の特徴と用途
チタンは「軽量」で「高強度」という優れた特性を持つ金属です。比強度(同じ重量あたりの強度)で比べる
と、アルミニウムの約 3 倍、鉄の約 2 倍の強度があり、構造物の軽量化に大きく貢献します。
z
3
Page5
この特性を活かし、以下のような分野で広く使用されています。
◆航空宇宙・モータースポーツ
高温環境や高応力がかかる部位での採用が多く、軽量化と耐久性を両立します。
用途:機体の構造材、エンジン部品、燃料タンク、排気系部品 など
◆医療機器
チタンは他の金属と比べて人体への有毒性が非常に低く、アレルギーを起こしにくいため、生体適合性
に優れています。体内に埋め込まれる医療機器に最適な材料です。
用途:インプラント(人工関節、歯科用インプラントなど)、心臓のペースメーカー、
補填具(骨折治療用プレートなど)
◆電力・プラント関連
チタンは優れた耐食性、特に海水耐食性を持ち、腐食環境下でも性能を維持します。
用途:海水淡水化装置、熱交換器、発電設備の冷却系配管 など
◆日用品・スポーツ
用途:ゴルフクラブやテニスラケット(軽量で高強度なため)、
メガネフレーム(しなやかさと超弾性が必要なため)
◆特殊機能合金(チタン合金の中でもニッケルとの合金)
形状記憶合金:変形後に加熱すると元の形状に戻ります。
超弾性合金:力を取り除くだけで元に戻る柔軟性を持っています。
用途:メガネフレーム、医療用ガイドワイヤー、血管用ステント、歯列矯正具、巻き爪矯正具 など
まとめ
・チタンは純チタン(1~4 種)とチタン合金に分かれ、用途に応じて選ばれます。
・純チタンは種類によって強度と伸びが異なります。代表的なチタン合金は Ti-6Al-6V 合金です。
・加工性に難があるものの、強度・軽さ・耐食性・生体適合性に優れています。
・航空宇宙分野や医療機器部品などをはじめとして様々な分野・用途で使用されています。
4