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はじめてのレーザー加工

ハンドブック

これからCO2レーザー加工を始める方へ

「はじめてのレーザー加工」は、レーザー加工の世界に踏み込もうとしている初心者やユーザーのための包括的なFLUX CO2レーザー入門書です。本書では5章建ての項目により、CO2レーザー加工工程を効果的に進めるために必要な概念、基本的な考え方、実用的な操作方法を網羅しています。

このカタログについて

ドキュメント名 はじめてのレーザー加工
ドキュメント種別 ハンドブック
ファイルサイズ 4.6Mb
登録カテゴリ
取り扱い企業 株式会社マイクロボード・テクノロジー (この企業の取り扱いカタログ一覧)

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このカタログの内容

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はじめてのレーザー加工

はじめてのレーザー加工 初版2024年3月5日 Copyright Microboards Technology Inc. / FLUX Japan All Rights Reserved.
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目次

目次 第1章 第4章 1.はじめに P3 1.Beam Studioとは P54 2.火災への配慮 P7 2.形状とテキストを作る P58 3.レーザー加工の材料素材 P12 3.ブーリアンの使い方 P63 4.ファイルのインポート P66 第2章 5.レイヤーについて P68 1.冷却水の充填 P3 6.パラメータ設定 P71 2.焦点合わせ P7 7.プレビューと加工機への送信 P73 3.カメラキャリブレーション P12 4.カメラ撮影の方法 第5章 1.レーザー出力と速度 P77 第3章 2.トラブルシュート P81 1.ビットマップとベクター 3.材料の加工テスト P83 P34 2.デザインのインポート P39 3.グラデーションのしきい値 P41 4.ビットマップからのベクター変換 P44 5.画像トレース P48 6.ロータリー加工 P50 Copyright Microboards Technology Inc. / FLUX Japan All Rights Reserved. 1
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はじめてのレーザー加工

はじめてのレーザー加工 第 1 章 1.はじめに P3 2.火災への配慮 P7 3.レーザー加工の材料素材 P12 Copyright Microboards Technology Inc. / FLUX Japan All Rights Reserved. 2
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レーザー加工とはなにか?

第1章 1. はじめに レーザー加工とはなにか? レーザー加工には、レーザー溶接やレー ザーカットなどさまざまな加工がありま す。ここではレーザー彫刻やレーザー カットをするという意味で「レーザー加 工」を使います。 レーザー加工とは高出力のレーザー光に より対象物を「焼く」製造プロセスです。 つまり、レーザー加工機は材料素材の一 部を熱で除去することで最終的な加工物 を作ります。 Copyright Microboards Technology Inc. / FLUX Japan All Rights Reserved. 3
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どのようにレーザー加工するのか?

第1章 1. はじめに どのようにレーザー加工するのか? レーザー加工機は、PC上であらかじめプログラムさ れた一連の命令を使って制御されます。 加工ファイルは加工ソフトウェアで処理され、レー ザー加工機の言語である「g-code」に変換されます。 g-codeには、座標上のどこに行くべきか、どのタイ ミングでレーザーを照射させるべきか、どのくらい の出力/速度を使うべきかといった具体的な指示が 入っています。 実際に加工機を使用する際にはg-codeを書く必要は ありません。デザインを材料素材の上に配置するだ けです。g-codeへの変換は、加工ソフトウェアであ るBeam Studioによって実行されます。 Copyright Microboards Technology Inc. / FLUX Japan All Rights Reserved. 4
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レーザー加工でなにが作れるのか?

第1章 1. はじめに レーザー加工でなにが作れるのか? レーザー光の種類(波長)や出力によって加工できる材料素材が変 わります。レーザー光は、大きく分けて「透明系素材」や「金属」 を加工できるものと加工できないものに分かれます。本カリキュラ ムで登場するCO2レーザーは、木、革、アクリルなど透明系素材を 含むさまざまなものを加工でき汎用性が高いのが特長です。また、 特殊スプレーを使用することによりステンレス鋼に彫刻できます。 なお、塩ビ系素材やフッ素系素材などの有害物質を含んだ素材は危 険であるため加工できません。 レーザー加工には彫刻とカットの2種類があります。レーザー出力 と動作速度を変えることで、単位時間あたりに材料素材に当たる熱 量が変わるため、この設定を調整して材料素材の表面を削りとる 「彫刻」、貫通させる「カット」を行います。 デザインは、JPGなどの画像データ、AIなどのデザインデータ、 DXFのCADデータが使用できます。簡単な形状やテキストなどは、 外部からデータを取り込まなくてもBeam Studio内で加工データを 作成できます。 Copyright Microboards Technology Inc. / FLUX Japan All Rights Reserved. 5
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レーザー加工の利点

第1章 1. はじめに レーザー加工の利点 レーザー加工は、刃物で材料を削り取ると いった加工方法ではないために切子(削りカ ス)が基本的に出ず、非接触の加工方法であ るためにツール側/材料側共に摩耗消耗が少 ないのが特長です。 また、他の加工方法と比べてバイス(材料素 材固定治具)などを使わず簡単な段取りで加 工でき、高速動作ができるために作業効率が 良く、複雑な微細加工も行えるため、製造現 場では、完成品だけでなく、試作品製作に頻 繁に利用されています。 Copyright Microboards Technology Inc. / FLUX Japan All Rights Reserved. 6
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レーザー加工の危険性

第1章 2. 火災への配慮 レーザー加工の危険性 レーザー加工は、本質的に材料素材を燃やす という加工プロセスであるため、この燃焼が 火災に繋がる危険性が常に伴います。 この危険性は、適切なメンテナンスなどの安 全予防策を用いることで回避できます。 完璧な安全性を確保する唯一の方法は、材料 素材が機械に入っている間、目を離して他の ことをするのではなく、内部で起こっている ことを監視することです。 Copyright Microboards Technology Inc. / FLUX Japan All Rights Reserved. 7
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レーザー加工機の火災原因はなんですか?

第1章 2. 火災への配慮 レーザー加工機の火災原因はなんですか? レーザー加工機で火災が発生する場合、特定 箇所に継続的に熱が加え続けられることが原 因になります。 意図しない箇所に継続的に熱が加えられない ようにするために大事なのは、適切な「焦点 距離」「パラメータ設定」「デザイン」「メ ンテナンス」となります。 Copyright Microboards Technology Inc. / FLUX Japan All Rights Reserved. 8
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焦点距離の大切さ

第1章 2. 火災への配慮 焦点距離の大切さ レーザー加工機は、特定箇所にレーザー光を集中的に 集めることで加工します。レーザー光が材料素材を加 工するためには、材料素材直前で光を曲げる集光レン ズが材料素材から適切な距離になければなりません。 焦点距離は、材料素材の高さに合わせて集光レンズを 上下に位置調整することで変更できます(第2章2.焦 点合わせを参照)。レーザー光の焦点が合っていない 状態は、材料素材に残った焦げ跡幅が広くなるためす ぐに分かります。 Copyright Microboards Technology Inc. / FLUX Japan All Rights Reserved. 9
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不適切な設定パラメータ、高密度なデザイン

第1章 2. 火災への配慮 不適切な設定パラメータ、高密度なデザイン レーザー加工パラメータを適切に設定するこ とは重要です。加工速度を遅くし過ぎたり、 加工出力を高くし過ぎたりといった設定ミス により、火災リスクが増大するためです。 また、レーザー加工に最適化されていないデ ザインファイルが火災の原因になることもあ ります。一箇所に高密度の線があるデザイン は、局所的に熱が広がりやすくなり火災を引 き起こす可能性を高めます。 Copyright Microboards Technology Inc. / FLUX Japan All Rights Reserved. 10
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メンテナンスの大切さ

第1章 2. 火災への配慮 メンテナンスの大切さ レーザー加工における火災リスクを減らすためには、適 切なメンテナンスが大切です。レーザー光が通過する集 光レンズや反射鏡が汚れていると、その部分に意図しな い熱が発生するからです。これを避けるために、使用前 には必ず集光レンズと反射鏡を清掃するようにしてくだ さい。 さらに、レーザー管の寿命が来たら交換することも重要 です。レーザー管の寿命は、使用出力、環境温度、使用 頻度などに左右されるため一概に言えませんが、これま でと同条件で加工しても同じように加工できなくなった 際はレーザー管寿命を疑ってください。 Copyright Microboards Technology Inc. / FLUX Japan All Rights Reserved. 11
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レーザー「カット」の素材選択

第1章 3. レーザー加工の材料素材 レーザー「カット」の素材選択 レーザーカットは、材料素材の融点や燃焼温度に配慮する必 要があります。融点や燃焼温度は材料素材ごとに異なるため、 貫通させてカットするためにはその融点で材料素材の厚み分 レーザー光を照射させる必要があります。 例えば、木材、アクリル、厚紙は、FLUX CO2レーザーで非常 によく使われる材料素材でカットしやすい一方、各種金属は そもそもカットできません。 Copyright Microboards Technology Inc. / FLUX Japan All Rights Reserved. 12
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レーザー「彫刻」の素材選択

第1章 3. レーザー加工の材料素材 レーザー「彫刻」の素材選択 レーザー彫刻は、カットよりも比較的ハードルが低いです。 彫刻の際には、材料素材の表面しか燃焼/気化しないため、 火災や危険なガス発生の危険性は低くなります。 レーザーカットできる材料素材はすべてレーザー彫刻できま す。FLUX CO2レーザーは、ガラス、アルミアルマイト、石材、 粉体塗装の水筒などに彫刻できますが、カットはできません。 Copyright Microboards Technology Inc. / FLUX Japan All Rights Reserved. 13
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新しい材料素材のテスト加工

第1章 3. レーザー加工の材料素材 新しい材料素材のテスト加工 特殊材料やこれまで試したことがない材料素材をレーザー加工する場 合、安全性を確認するために信頼性のある情報を調査するのが最善の 方法です。塩ビ系やフッ素系など、材料素材によっては有害なガスが 発生するものがあるためです。 材料素材をレーザー加工しても安全であることが確認できたら、低出 力/中速からテスト加工を始めます。材料素材を加工するためのより よい設定になるまで、これらを徐々に調整します。 加工ソフトウェアBeam Studioにはテスト彫刻/カットできる機能があ ります。この機能を使うと5x10mm程度の四角形状を出力/速度を変え て110個のマトリクス状に加工でき、一目で最適パラメータを発見でき ます。 横軸 P=Power(出力%) 縦軸 S=Speed(速度mm/s) Copyright Microboards Technology Inc. / FLUX Japan All Rights Reserved. 14
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はじめてのレーザー加工

はじめてのレーザー加工 第 2 章 1.冷却水の充填 P16 2.焦点合わせ P20 3.カメラキャリブレーション P26 4.カメラ撮影の方法 P29 Copyright Microboards Technology Inc. / FLUX Japan All Rights Reserved. 15
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なぜ冷却水が必要なのか

第2章 1. 冷却水の充填 なぜ冷却水が必要なのか CO2レーザーはCO2ガスを充填したレーザー管に よりレーザー発振されます。レーザー管内は使用 中に温度が上がるため、加工を続けるには発振中 に冷却し続ける必要があります。冷却するために 水を使います。 ガラス製のレーザー管内部には、水を常に流して おくための管があり、この管は小さなポンプに繋 がっています。中に入っている水はポンプで常に 循環しており、この水の循環がレーザー管を常に 冷やし続けます。 Copyright Microboards Technology Inc. / FLUX Japan All Rights Reserved. 16
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水タンクへのアクセス

第2章 1. 冷却水の充填 水タンクへのアクセス Beamo (FLUX 30W CO2レーザー加工機) 背面パネルからアクセスします。背面にある6本のネジを外し、背面パネ ルを持ち上げます。 Beambox/Pro(FLUX 40W/50W CO2レーザー加工機) 背面パネルからアクセスします。中央、ハンドルの内側にネジがあります。 このネジを外すと、バックパネルが持ち上がります。また、背面の四角い パネル裏側にある水タンクを探し、4本のネジを外してタンクを露出させ ます。 HEXA(FLUX 60W CO2レーザー加工機) 背面パネルからアクセスします。機械両側1本ずつ、合計2本のネジを外し、 背面パネルを持ち上げます。また、背面の四角いパネルの後ろにある水タ ンクを見つけ、4本のネジを外してタンクを露出させます。 ※レーザー加工機の水タンクにアクセスする前には、危険防止のため、必ず電源を切りコンセントを抜いてください。 Copyright Microboards Technology Inc. / FLUX Japan All Rights Reserved. 17
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水を抜く

第2章 1. 冷却水の充填 水を抜く レーザー管の一端から他端に向かっているホースに取り付 けられている真鍮のホースクランプをプライヤーで挟み、 移動した後ホースを外します。ホース内にたまっている水 を空にするために、水を溜めるための容器を用意します。 ホース内の水がなくなったら、ホースの一方からエアーを 入れて中に入っている水がもう一方の端から押し出される ようにします。ホースを容器の上にかざして水を受け、反 対側から水が出なくなるまで押し出します。 真鍮のクランプを使ってホースを再び取り付けます。 Copyright Microboards Technology Inc. / FLUX Japan All Rights Reserved. 18
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水タンクの補充

第2章 1. 冷却水の充填 水タンクの補充 水タンクの蓋は、マイナスドライバーか硬貨を使って開けられます。 レーザー加工機に付属している漏斗を使い、タンクの80%くらいまで 「精製水」を補充します。水道水ではなく精製水を使用するのは、ミ ネラル分が入っていないためです。精製水は薬局で購入できます。 精製水がタンクに80%入ったら、レーザー加工機の電源を入れてタッ チスクリーンでポンプをオンにします。投入した水はポンプ作動する とホースを通じてレーザー管へ循環するため、タンク内の水量は減り ます。レーザー管全体が満たされてたことが確認できるまで、追加し 続けます。 水タンクに蓋を戻して背面パネルを取りつけます。 Copyright Microboards Technology Inc. / FLUX Japan All Rights Reserved. 19