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高電圧試験システム設計のポイント
高電圧試験において、測定精度を低下させる主な要因は漏れ電流と寄生容量です。特に絶縁試験や高インピーダンス測定では、微小な漏れでも測定結果に大きな影響を与え、寄生容量は整定時間の増加やチャネル間干渉を引き起こし、システム全体の性能を制限します。
これらの課題に対し、本資料では高精度スイッチング設計の観点から解決アプローチを解説します。高絶縁かつ低寄生成分を実現するリードリレー技術により、測定誤差の低減と安定した測定性能の確保が可能となります。また、漏れ電流の最小化や寄生容量低減のための設計ポイントについても具体的に紹介します。
本ホワイトペーパーでは、高電圧テストシステム設計における重要な考慮事項と実践的な設計指針を、ケーブルハーネステスト、半導体自動検査装置(ATE)、PCB検査、バッテリ/エネルギー貯蔵システムなどのアプリケーションを通じて解説します。高精度かつ高信頼な測定システム構築を目指すエンジニアに最適な内容です。
このカタログについて
| ドキュメント名 | 漏れ電流・寄生容量が測定精度を左右する |
|---|---|
| ドキュメント種別 | ホワイトペーパー |
| ファイルサイズ | 4.7Mb |
| 登録カテゴリ | |
| 取り扱い企業 | Standex Detect Japan (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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高精度スイッチング対応
高電圧テストシステム設計
ケーブルハーネステストから半導体自動検査装置(ATE)まで
INNOVATE | CONSULT | ENGINEER | DELIVER
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主な試験・認証:
• IEC 60810-4
高電圧テストシステム • IEC 61601-1 準拠
設計の重要ポイント • IEC 62109-1/2
• IEC 60664-1
• ISO 6469-3
• IEC 60255-27
高電圧の正確なスイッチングは、現代のテス • RoHS, REACH
トシステムにおける基本要件であり、測定精
度・安定性・スループットに直接影響する。
半導体自動検査装置(ATE)やケーブルハーネ
ステストなどの用途では、スイッチング素子
は測定経路の一部となるため、測定機器と同
等の性能が求められる。
したがって、適切なスイッチング技術の選定は
設計に重要な決定事項となります。
電圧レベルの上昇や許容差の厳格化に伴い、
漏れ電流や寄生容量がシステム性能の限界を
リードリレーは、高い絶縁性能と極めて低い寄
規定する要因となる。これらはもはや副次的
生成分を両立し、幅広い高電圧用途において高
要素として扱うことはできない。
精度かつ再現性の高い測定を実現するため、広
く採用されている。
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高密度化・小型化により、
高絶縁と低寄生容量の
両立が求められる
高電圧スイッチングの課題
高精度テストシステムでは、漏れ電流が測定 チャネル数の増加に伴い、その影響はより顕著
誤差の主要因となる場合が多い。特に絶縁試 となる。
験や高インピーダンス測定では、微小な漏れ
経路でも測定結果の歪みや再現性低下を引き また、高密度化と小型化の要求により、電気特
起こす。 性と実装面積のトレードオフが生じる。スイッ
チング部品には、限られたスペースで高絶縁と
寄生容量はもう一つの制約要因であり、整定 低寄生成分の両立が求められる。
時間の増加や多重化構成におけるチャネル間
結合を引き起こし、スループットを制限す
る。
設計上の重要ポイント
・漏れ電流の低減による測定精度の確保
・寄生容量の低減による整定時間短縮
・高密度実装において絶縁性と低い寄生容量の維持
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高電圧システムにおけるリードリレー技術
リードリレーは、その固有の物理構造によりこ
れらの課題に対応する。密閉接点によりピコア
ンペアレベルの漏れ電流を実現し、接点形状に
よりサブピコファラドの低容量を実現する。こ
の組み合わせにより、高電圧の正確なスイッチ
ングを行いながら、測定誤差の発生を抑制す
る。
他のスイッチング技術と比較して、リードリ
レーは信号の完全性を重視したバランスの取れ
た性能特性を有する。スイッチング速度や寿命
など特定の分野で優位性を持つ場合はありま
す、多くの場合、漏れ電流や容量特性が増加す
るため、精密測定システムへの適用を制限する
要因となる。
高電圧テスト用途において、精度および再現性
が重要となり、リードリレーは最適なソリュー
ションです。
スイッチング技術比較
項目 リードリレー ソリッドステートリレー メカニカルリレー
漏れ電流 極低 高 中程度
寄生容量 極低 高 中程度
絶縁性能 高 制約あり 良好
スイッチング速度 高速 超高速 低速
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Standex SHVリレーシリーズ
Standex SHVシリーズは、高電圧テストおよび SHVシリーズの主な特長
測定用途向けに開発されており、コンパクト ・高い絶縁抵抗により高精度測定を実現
な設計と安定した電気特性を両立する。シン ・極低容量により高速な信号整定を実現
グルチャネルおよびデュアルチャネル構成を ・高密度スイッチングマトリクスに適したコ
ラインアップし、柔軟なシステム設計に対応 ンパクト設計
する。 ・長期運用においても安定した性能を維持
SHV-1Aは、1チャネルのノーマリーオープン
接点(Form A)を備え、自動試験装置、ケー SHV-2Aは、構成に応じて最大1 kVのスイッチ
ブルハーネステスト、計測機器、エネルギー ング電圧および最大2 kVの耐電圧、または1.5
貯蔵システムのバッテリ管理用途などで広く kVのスイッチングと最大3 kVの耐電圧に対応
採用されている実績ある製品である。安定し し、TΩオーダーの絶縁抵抗と�.� pFの低容量
た絶縁特性を備えた信頼性の高い高電圧ス を実現する。これらの特性により、システム
イッチングを実現し、現場での豊富な採用実 の測定精度および効率向上に寄与する。
績を有する。
実績のあるシングルチャネル性能とデュアル
SHV-2Aは、同等のフットプリント内でデュア チャネル構成を組み合わせることで、SHVシ
ルチャネル構成(2 Form A)を実現し、本シ リーズは測定の整合性を維持しながら、シス
リーズを拡張する。これにより、電気特性を テムのスケーラビリティ向上を可能にする。
損なうことなく、チャネル密度の向上とシス
テム構成の高効率化を可能にする。
SHVシリーズ概要
SHV-1Aシリーズ
• Form A(NO)
• 自動試験装置、ハーネステト、
計測機器での採用実績 SHV-2Aシリーズ
• コンパクト設計における安定 • 同等フットプリントで2 Form A(高密度化)
した絶縁特性 • スイッチング電圧:1.0~1.5 kV、
耐電圧:最大3 kV
• 絶縁抵抗:TΩオーダー、容量:約0.5 pF
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高電圧テストのアプリケーション例
高電圧ケーブル・ハーネステストでは絶縁測定 機能検査(PCBテスト)では、ミックスドシグナ
精度を維持しながら、大規模マトリクスでのス ル環境における複数ノード間のスイッチングが求
イッチングを行う必要がある。EVおよび航空宇 められる。高電圧ラインと高感度な測定ポイント
宙分野では、漏れ経路が絶縁測定結果に直接影 が共存するため、限られたスペース内で高絶縁
響するため、スイッチング素子には高電圧下で と低寄生容量を維持できるスイッチング素子が
の高絶縁性能が要求される。リードリレーは、 必要となる。リードリレーは、信号品質を維持し
多チャネルにわたる信頼性の高い信号ルーティ ながらコンパクトなレイアウトを実現する。
ングを実現し、コンパクトなマトリクス構成に
バッテリおよびエネルギー貯蔵システム試験で
対応する。
は、診断および安全機能のために、高電圧下で
高電圧ハーネステスタ(MIL-Aero用途)や、 の安定したスイッチングが求められる。漏れ電
アナログ/ミックスドシグナル半導体向け製造 流やドリフトは絶縁監視や測定の一貫性に影響
試験システムで使用される。 を与える。リードリレーは、長期にわたり安定
した電気特性を提供し、信頼性の高いシステム
半導体自動検査装置(ATE)では、スイッチン 評価を可能にする。
グ素子はパラメトリック測定経路および信号 主な用途例:
ルーティングネットワークの一部を構成する。 • 高電圧ケーブル/ハーネステスタ
寄生容量は整定時間を制約し、漏れ電流は低レ • 半導体自動検査装置(ATE)
ベル測定精度に影響を与える。リードリレーは • PCB機能検査/インサーキットテストシステム
• バッテリ/エネルギー貯蔵診断システム
これらの影響を低減し、高スループット環境に
おいて高速かつ高い再現性の測定を実現する。
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高電圧テスト設計における重要事項
高電圧スイッチングシステムにおいて最適な性 設計上の重要ポイント
能を実現するには、リレーをシステム全体の設 • 沿面距離および空間距離を考慮したPCBレ
イアウト
計へ適切に統合することが重要である。特に
PCBレイアウトは重要な役割を担い、十分な沿 • 適切な材料および設計選定による漏れ経
路の最小化
面距離および空間距離の確保と、不要な漏れ経
• 電気的ストレスを回避するためのスイッ
路の最小化に寄与する。 チング条件の最適化
適切なスイッチング条件の確保、負荷がか • 信号品質確保のためのリレー配置最適化
かった状態で、開閉を可能な限りさけること
は、リレーの寿命延長と安定した性能維持に寄
与する。
システム設計においては、寄生容量の影響を
最小化し、高電圧領域と高感度測定領域を明
確に分離するために、リレー配置および信号
配線を考慮する必要がある。
DESIGN CONSIDERATIONS FOR HIGH-VOLTAGE
推奨事項 注意事項
• PCBの沿面距離および空間距離の最大化 • 高電圧をアナログ検出ライン近傍に配線
• 高感度ノードからリレーを話す • 汚染や残留物の影響を無視
• 可能な限り無負荷スイッチングの実施 • マトリクスにおける累積容量の見落とし
• 低リーク材料およびクリーンプロセスの採用 • 最悪条件での絶縁仕様不足
設計の指針
• 高電圧ラインと測定経路の分離を維持する
• レイアウトによる寄生容量結合の最小化
• 安定した絶縁特性の為、製造清の浄時を確保する
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重要なときにこそ、最適な設計を、
最適なタイミングで、最適なコストで。
Standexは50年以上にわたり、重要な場面で これらの分野では、精度・耐久性・安全性が極
確実に機能するエンジニアリングソリュー めて重要である。テスト要件の高度化に伴い、
ションを提供してきた。お客様と密接に連携 高電圧スイッチングおよび保護システムの信頼
し、複雑な課題を製造可能な設計へと具現化 性はますます重要性を増している。
する。
Standex Detectが提供するカスタムリレーソ
当社は高精度な性能とクラフトマンシップを
リューションによる高電圧テストおよび測定へ
融合し、機能性と設計美を両立する。すべて
の対応については、standexdetect.jpをご覧い
の製品に品質と信頼性が反映されている。
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