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専門家が解説!規制が強化されるPFASの最新動向とは?

ホワイトペーパー

※本資料は、2025年2月に開催された「PFASに挑む最前線~立命館大学 小林教授に学ぶ、PFAS素材分解の最新技術~」をまとめたイベントレポートです。

本資料は、近年世界的に規制や関心が高まっているPFAS(有機フッ素化合物)をテーマに、その基礎知識から各国の規制動向、産業への影響までを整理したレポートです。

PFASは撥水・耐熱などの特性から幅広い製品に使用されてきましたが、環境や人体への影響が懸念されており、欧州や米国を中心に規制強化の動きが加速しています。こうした動きは、材料開発や製品設計、サプライチェーン全体に大きな影響を及ぼしつつあります。

本資料では、PFASをめぐる最新の規制動向や市場の変化を俯瞰するとともに、代替材料の検討や今後求められる対応の方向性について解説しています。技術・規制・ビジネスの観点を横断しながら、企業がどのようにリスクと機会を捉えるべきかを整理した内容です。

このカタログについて

ドキュメント名 専門家が解説!規制が強化されるPFASの最新動向とは?
ドキュメント種別 ホワイトペーパー
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取り扱い企業 ストックマーク株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

このカタログの内容

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【イベントレポート】 PFAS技術の最前線。 小立 林命 館 洋大 学 一 規制を乗り越えるためのPFAS分解 生 氏命 科 学 部 技術とは? 応 用 化 学 科 教 授 フッ素は、その優れた性能から身の回りのあらゆるところで使用されている。近年、PFAS(Per- and Polyfluoroalkyl Substances)と総称される、一部のフッ素化合物の有害性が問題視され、世界各地で規制が強化されている。 製造業をはじめとした多くの産業では対応が求められ、PFASの代替素材や分解技術への関心が急速に高まっている。 こうした取り組みは単なる規制への対応にとどまらず、新しい技術や製品のイノベーションを生む可能性を秘めていると いえるだろう。 今回のセミナーでは、PFASを「光触媒」で分解する技術の研究を進める、立命館大学の小林教授をお招きし、PFAS をめぐる現状や PFAS分解に関する研究動向、そして今後の展望について解説いただいた。 ※本記事は、ストックマーク株式会社が 2025 年 2 月 20 日に開催したオンラインセミナー、『PFASに挑む最前線 〜立命館大学 小林教授に学ぶ、 PFAS素材分解の最新技術』の内容を中心にまとめたものです。 PFASが抱える技術課題の解決に に蓄積しにくいことが分かっているものもあれば、まだまだ調査が必 向けて期待される「分解技術」 要なものもあるという。 関連記事:PFAS(有機フッ素化合物)の規制とは?世界の動向や対  半導体などの電子部品の材料、エアコンや冷蔵庫の冷媒、セメン 象物質について【2025 年最新版】 トや鉄鋼の鉱化剤など、フッ素は非常に優れた『耐熱性』『、耐薬品性』、 『絶縁性』、『界面特性』を理由にあらゆる産業プロセスで幅広く利用 されており、私たちの豊かな暮らしを支える基盤材料にもなっている。  一方で、その化学的な「安定性」ゆえに問題視されているのが、 有機フッ素化合物の一部である「PFAS」である。フッ素材料の安定 性をもたらしているのは炭素とフッ素の強力な結合であるが、強力な 結合を持つということはなかなか分解されないのである。  そのため、PFAS は環境や人体内に蓄積され、将来にわたってさま ざまな影響を及ぼすと考えられており、特に人体に蓄積されることで さまざまな疾患の原因となり得ることは既に研究で示されているそう  フッ素化合物のリサイクルは現在の技術では課題が多く、回収を だ。 することが難しいことに加え、回収ができても効率的に「分解」する 技術が極めて乏しい。そのため今でも 8% ~ 9% 程度のフッ素樹脂 関連記事:PFAS(ピーファス・有機フッ素化合物 ) の人体への影響は? は埋め立てに依存しているのが実情だ。こうした背景のなか、フッ 法規制や対策について 素化合物の分解技術には大きな注目が集まっているのだ。  小林氏は「フッ素を含む材料のすべてが有害ということではない」  小林氏は「フッ素化合物を分解してフッ化物イオンにまで戻すこと と補足する。POPs 条約とも呼ばれる「残留性有機汚染物質に関する ができれば、これは金属イオンと簡単に結合します。カルシウムイオ ストックホルム条約」で規制された物質に関しては使用の禁止や根 ンと結合させることでフッ素化合物の原料が再び戻ってくることにな 絶が進められているが、それ以外のフッ素樹脂などに関しては、体内 ります。これは、フッ素のリサイクルスキームとしてよく知られている © Stockmark Inc.
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もので、フッ素リサイクルやフッ素の分解の研究では、まずはここま 高圧、高熱、強酸化剤による分解 でできることが大きなステップであると言えるでしょう」と解説する。  高圧・高熱条件下で水の挙動を変化させ、そこに強酸化剤を組み 合わせて分解を促進する手法もある。水は高圧・高熱の条件下、た PFASの代替技術や除去手法を検討するにはどのように情報収集すべ とえば『300℃、200 気圧』では、「超臨界流体」という固体、液体、 き?「技術課題解決のための情報収集」を見てみる 気体のどれにも該当しない状態になるそうだ。 PFASを分解する主要な技術と  この状態は非常に「反応活性」が高い状態であり、酸化剤とうま 最新の技術動向 く組み合わせることで分解を起こすことができるという。非常に効率 がよい手法であり、さまざまな PFAS が分解できることが分かってい  フッ素化合物の分解技術が注目されていることは上述した通りだ。 る。しかもフッ化物イオンにまで分解することが可能なのだ。 小林氏から主要な技術や最先端の技術動向を 5 つ紹介いただいた。  一方で、高温・高圧が必要ということでエネルギー消費量は基本 UVC光を使った分解 的に大きいこと、装置が金属製である必要があるため、装置の腐食 が避けられないこと、これらが課題となっている。  フッ素化合物を分解する 1 つの方法は、UVC 光と呼ばれる極めて 短波長の紫外線を照射するというものである。この方法は現在のス タンダードな手法となっているとのことだ。光というのは波長が短く なればなるほどエネルギーが高くなり、深紫外線(280 ナノメートルよ り短い光)であれば炭素とフッ素の結合も分解することができる。  深紫外線は基本的には地球上に届く光ではないが、低圧水銀灯を 使うと比較的簡単に地表で発生させることは可能だ。しかし、低圧 水銀灯の使用に関しては、工業的規制から使用制限があり、電力消 費が大きく、容器に石英を用いる必要があるため課題が大きいのだ。  また、この手法では光を長時間照射しているうちに、分解能が頭 打ちになることが分かっている。分解されなかった物質はより小さな 分子になるか気化するのだが、気化した PFAS の影響も徐々に問題 強塩基と熱による分解 になりつつあるという。さらに、PFAS の種類によっては同じエネル  2020 年に報告されたばかりの画期的な手法として紹介されたの ギーの光を照射してもほとんど分解されないものもあるそうだ。 が、「強塩基」と「熱」による分解手法である。DMSO という有機 溶媒と水を混ぜ、大量の水酸化ナトリウムを加えると、PFAS の一種 である PFOA が分解されることが報告されているとのことだ。比較 的温和な条件で PFOA を分解できる一方で、PFOA は分解しやすい PFAS であり、この方法では PFOS などの別の PFAS は分解できない とのことだ。  低圧水銀灯に並ぶ装置として小林氏から紹介されたのが「エキシ マランプ」である。PFAS の一種である PFOS および PFOA は、この 装置によって 99%が分解されるとのことだ。一方でエキシマランプ も基本的には高電圧が必要な装置である。  また、1 つの分子に 17 個の炭素とフッ素の結合があったとして、 このうち 1 つでも結合が切れれば、それは「分解された」とみなさ 気泡プラズマによる分解 れるため、果たしてそれで有害性がなくなったといえるのかどうかは  同じく、最近報告された手法として紹介されたのが、「プラズマ」 難しいところだ。そのため、脱フッ素化率に着目することが重要であ による分解手法である。水に高電圧をかけることで『気泡』を発生 るといえるとのことだ。 させ、その気泡の中にプラズマを作るのだ。そして、そのプラズマに よって PFAS を分解させるというものだ。 © Stockmark Inc.
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 強塩基と熱による分解手法では分解できなかった PFOS もこの手  半導体ナノ結晶は半導体でありながら溶媒に溶け、その表面に有 法では分解され、10 時間の稼働で初期濃度の 10% まで減少したこ 機配位子を付加することで『分散性』『、触媒活性』『、電気伝導性』『、発 とも示されている。脱フッ素化率は 77%であり、「かなり期待が持て 光特性」などをさまざまに変化させる。このような性質があるため、 る方法である」と小林氏は評している。 触媒やエネルギー変換材料、量子材料などのさまざまなところに活用 可能な材料となっているのだ。  この手法は海外でも大規模な研究が進められており、アメリカで は軍の基地で実証実験を行っているグループがいることも紹介され  加えて、価電子帯と伝導帯の電子状態の中間の性質を持つという た。超音波を使う手法や酸化剤を使う手法に比べ格段に効率がいい 特徴もある。こういった特徴の中で小林氏の興味をひいたのが、光 ことが示されているとのことだが、小林氏は、「PFAS 濃度が濃い場合、 を吸収する性質であった。半導体ナノ結晶は光を吸収する力がとて 時間と電力が多くかかる」という点にも言及し、PFAS が低濃度の場 も高く、それはつまり 1 つの粒子がたくさんの電子を受け取れるとい 合には適した手法なのかもしれないが、PFAS の種類によって手法を うことでもあるそうだ。 使い分ける必要があるだろう、と述べた。  2 つの粒子が受け取る分のエネルギーを 1 つの粒子が受け取って、 それを使って非常に高いエネルギー状態を維持する、という現象が 起こる。かつ、その高いエネルギーによって、粒子は非常に高い還元 力を持つ状態になったとのことだ。     可視 LEDと有機分子を用いた分解  直 近の報告 例として最後に紹介されたのが、可視 光 条 件下で PFAS を分解した 2 つの研究で、これは 2024 年 11 月に Nature 誌 に発表されたばかりの研究である。 このような条件が揃ったため、普通では起こせない分解反応を起こ  どちらの研究でも有機化合物を使って可視光で PFAS を分解して すこともできるのではないかと考えたという。そして、これが小林氏 おり、「基礎科学として見ればとても素晴らしい反応である。どちら の PFAS 分解研究のきっかけにもなったのだ。 の報告でも詳細にメカニズムを追っている」と小林氏は評している。 その一方で反応が有機溶媒に限定されること、繰り返し特性に関す  まずは硫化カドミウムの半導体ナノ結晶を還元剤として PFOS の分 る記載が一切ないことが懸念点であり、これらの懸念を考えると応 解を試みた。その結果、405 ナノメートルの可視光の照射で、2 時間 用できるのかどうか疑問がある、とも述べた。 以内に PFOS の残存量が 0.2% まで低下したという。また、8 時間 以内に粒子 1 個あたり 17 本ある炭素とフッ素の結合が全て解離し、 画期的な特性を見出すことができたのだ。  さらに、ナノ結晶のサイズをいろいろと変えてみたところ、粒子が 小さくなればなるほど反応効率は高くなるということもわかった。最 終的には、4 時間照射するだけで 93% のフッ化物イオンを CO 結合 フッ化物イオンに変えることができたという。 PFASを分解する新たな基盤技術の確立。 半導体ナノ結晶を用いた可視光分解  小林氏は光と物質の相互作用について物理と化学の境界領域が主 な研究対象となる。その研究の柱の 1 つが半導体ナノ結晶の研究で ある。凝集して結晶化する際、結晶が大きなサイズになる前に反応 を止めると、半導体ナノ結晶ができる。 © Stockmark Inc.
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 同じ研究のなかで、ナノ結晶の粉末がどのくらい繰り返して活用可 に多くの企業が対応に迫られるなかで、PFAS をリサイクルする、つ 能かも検証されている。つまり、ナノ結晶が本当に触媒として機能し まり「分解」をする技術開発が急務であることは事実だ。 ているかどうかを確認したということだ。このナノ結晶と PFOS を混 ぜたところに光を照射して、何回も分解反応を繰り返したところ、少  特に、国内外の規制や先端研究の動向を追うことが重要であり、 しずつ効率は下がっていったが、ナノ結晶は触媒として機能し続ける それらを踏まえた製品開発や技術開発を進めることで、競合他社に ことが示された。計算すると、ナノ粒子 1 個当たりで 17,000 サイク 対して強固な競争優位性を確立することもできるだろう。改めて、注 ル程度の反応ができることになるという。 目技術領域として情報のキャッチアップをしてみてはいかがだろうか。  「この数字は光触媒としてはかなり良い数字です。とても高機能の ※記事内容および、ご所属等はセミナー開催当時のものです。 光触媒として動いていることが見えてきました」と小林氏は力説する。 PFAS分解技術の確立、さらにその先へ  PFAS の可視光分解という、新たな基盤技術を確立した小林氏だが、 まだまだできないことはたくさんあると話す。  「多様な材料を作りたい、いろいろな材料で分解したいという想い があります。もっと大きな問題として、PFAS 濃度がさらに低い条件 下でも分解させることも求められているので、その領域に挑戦してい きたい。ナノ結晶と有機物の吸着の平衡を考えると、実は吸着能が 相当に高いといわれていて、PFAS が低濃度の場合でもうまく分解で きるのではないかと期待しています。半導体ナノ結晶に関して言えば、 ナノ結晶の表面の有機化合物の組成は、ナノ結晶の性質に驚くほど 影響していることが分かっています。そういった点も含めて、材料設 計の研究をしている例はかなり少ないです。その点を検討していきた いと考えています」とのことだ。  最後に、小林氏はフッ素樹脂の市場についても触れている。現在、 フッ素樹脂の世界市場はかなり規模が大きくなっているとのことだ。 PFAS の規制はこれからさらに厳しくなっていくが、どうしても代替で きない部分があるという現状から、まだまだ市場は伸びるともいわれ ているそうだ。  「事業化に関しては、光で分解するのが基礎科学的にもまだ新しい 領域で、いくつかのステップを踏む必要があると思っています。私た ちの知見をライセンス化などでうまく事業化して、企業をはじめとし たいろいろな方に提供したいですし、うまく活用しながら問題解決 に役立ててもらえれば嬉しいです」と小林氏は締め括った。 まとめ  「PFAS」は世界中で注目されている分野であり、規制強化のなか で新たな技術やイノベーションが期待をされている。製造業を中心 © Stockmark Inc.
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