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ロボットの 複雑さとコストに対応 デジタルインダストリーズソフトウェア

ホワイトペーパー

シミュレーション&テスト・ソリューションを使って高度なロボットの設計を加速

◆エグゼクティブ・サマリー
5G、エッジ・コンピューティング、機械学習 (ML)、人工知能 (AI)、ビジョン機能の進化といった新技術の登場を背景に、ロボット産業はインダストリー4.0への一歩を踏み出しています。
しかし、安全面に妥協することなく、小ロットの作業にも正確に対処できる自律的なロボットの開発は非常に困難です。ロボット・メーカーは、複雑さとコストに対処する新しいエンジニアリング手法を必要としています。このホワイトペーパーは、シミュレーション&テスト・ソリューションを用いて、メーカーが抱えるエンジニアリング課題に対処する方法について取り上げます。具体的には、ロボットのアクチュエーターを可搬重量 (ペイロード) に合わせてサイズ調整する、バーチャル・コミッショニングで制御ロジックを検証する、性能、信頼性、安全性の厳格な目標を達成するといったいった課題を解決します。

◆目次
概要
製造業を一変させるトレンド
柔軟な生産
スマートな機械
持続可能性
敏捷性とコスト効率
インダストリー4.0の実現には、スピード、柔軟性、品質が必須
ロボットの導入がもたらす大きな成果
ロボット・エンジニアリングを向上させる総合的なアプローチ
システムおよびアクチュエーターのサイズ定義
キネマティクスと動力学
動きの精度、振動、音響
信頼性 (熱、構造、ケーブルハーネス)
エネルギーおよび動作効率
バーチャル・コミッショニング
応用事例
高速ピックアンドプレース・ロボットの耐久性と安全性の確保
同時設計とバーチャル・コミッショニング
AGVシステムの試運転
まとめ

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このカタログについて

ドキュメント名 ロボットの 複雑さとコストに対応 デジタルインダストリーズソフトウェア
ドキュメント種別 ホワイトペーパー
ファイルサイズ 3.3Mb
登録カテゴリ
取り扱い企業 シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェア (この企業の取り扱いカタログ一覧)

このカタログの内容

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デジタルインダストリーズソフトウェア ロボットの 複雑さとコストに対応 シミュレーション&テスト・ソリューションを使って高度なロボッ トの設計を加速 エグゼクティブ・サマリー 5G、エッジ・コンピューティング、機械学習 (ML)、人工知能 (AI)、ビジョン機能の進化といっ た新技術の登場を背景に、ロボット産業はインダストリー4.0への一歩を踏み出しています。 しかし、安全面に妥協することなく、小ロットの作業にも正確に対処できる自律的なロボッ トの開発は非常に困難です。ロボット・メーカーは、複雑さとコストに対処する新しいエンジ ニアリング手法を必要としています。このホワイトペーパーは、シミュレーション&テスト・ソ リューションを用いて、メーカーが抱えるエンジニアリング課題に対処する方法について取 り上げます。具体的には、ロボットのアクチュエーターを可搬重量 (ペイロード) に合わせて サイズ調整する、バーチャル・コミッショニングで制御ロジックを検証する、性能、信頼性、安 全性の厳格な目標を達成するといったいった課題を解決します。 siemens.com/software
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ホワイトペーパー – ロボットの複雑さとコストに対応 目次 概要 3 製造業を一変させるトレンド 3 柔軟な生産 3 スマートな機械 3 持続可能性 3 敏捷性とコスト効率 3 インダストリー4.0の実現には、スピード、柔軟性、品質が必須 4 ロボットの導入がもたらす大きな成果 5 ロボット・エンジニアリングを向上させる総合的なアプローチ 6 システムおよびアクチュエーターのサイズ定義 6 キネマティクスと動力学 6 動きの精度、振動、音響 7 信頼性 (熱、構造、ケーブルハーネス) 8 エネルギーおよび動作効率 9 バーチャル・コミッショニング 9 応用事例 10 高速ピックアンドプレース・ロボットの耐久性と安全性の確保 10 同時設計とバーチャル・コミッショニング 11 AGVシステムの試運転 11 まとめ 13 シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェア  2
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ホワイトペーパー – ロボットの複雑さとコストに対応 概要 このホワイトペーパーは、シミュレーション&テスト・ソ スマートな機械 リューションを用いてロボットのエンジニアリングを向 製品メーカーは、製造にまつわる日常業務をシームレ 上させる総合的なアプローチについて取り上げていま スに可視化したいと求め続けてきましたが、コネクティ す。また、ロボット導入の進む製造業界の動向や、他方、 ビティや技術、産業用モノのインターネット (IIoT) の発 幅広い導入の妨げとなる要因を考察します。さらに、 達により、それが実現しつつあります。データ解析と人 ピックアンドプレース・ロボットや無人搬送車 (AGV) な 工知能 (AI) は、現行オペレーションの定量的な知見を どの実際のケースを例に挙げ、シミュレーション&テス 提供し、ビジネスの意思決定に役立ちます。リアルタイ ト・ソリューションを活用することで、早い段階からロ ムにデータを解釈し、工場設備の変数やパラメーター ボット・エンジニアリングの複雑さに効率的に対処する を再構築できれば、問題の迅速な診断とトラブルシュー 方法を説明します。 ティングが可能になります。 製造業を一変させるトレンド 持続可能性 製造現場でのデジタライゼーションが加速するなか、 ネット・ゼロ・エミッション (温室効果化ガス実質ゼロ) 製造業の未来を正確に予測することは不可能ですが、 に向けて世界が進んでいくなか、企業は、汚染や資源利 1つだけ確かなことが言えます。それは、製造業では今 用を最小限に抑えながら、現在および今後の規制要件 後、年間50万件もの働き手を失い、毎週7万人のベビー や顧客要求を満たさなくてはなりません。また、製品や ブーマー世代が定年を迎える一方、ミレニアル世代は 機能が複雑化するにつれて、資源を最小限に抑えなが 製造業に就きたがらない傾向にあることから、ロボット らも、これまでと同等かそれ以上の性能を実現すること の数や自動化は劇的に増加するだろうということです。 がますます求められています。 製造の柔軟性、スマート化、持続可能性、コスト効率とい 敏捷性とコスト効率 う4つの主要なトレンドが、社会や経済に大きな影響を イノベーションや製品カスタマイズの流れは、中小メー もたらし、今後の製造業の情勢を形成していくでしょう。 カーの利幅を大きく圧迫しています。最先端のメーカー は、基盤となるデジタル・マニュファクチャリングに投資 柔軟な生産 して、敏捷性とコスト効率を高めようと努めています。 優れた機械のパフォーマンスは常に成功の基盤でした が、もはやそれだけでは十分ではありません。製品メー カーは、変化する消費者ニーズに合わせて簡単にカス タマイズできる適応性のある機械を必要としています。 これからの製品メーカーに必要なのは、製品やプロセ スの変化に効率的に適応できる製造現場の能力です。 シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェア  3
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ホワイトペーパー – ロボットの複雑さとコストに対応 インダストリー4.0の実現には、 スピード、柔軟性、品質が必須 製造業の新たな動向によって、製品の複雑化や、コス 今後の製造ニーズを満たせるものとして目指すべきは、 トの増加、製品発売の遅れといった新たな課題がメー 柔軟で自律的な生産システムです。高度なロボットが、 カーやサプライヤーにのしかかります。 今後の製造業のニーズに対処する重要な鍵と言えるで しょう。従来のロボットが固定的なワークフローにしか 100年以上前に始まった大量生産は当初、多くの手作業 対応できないのに対し、高度なロボットは抜群の適応 を必要としていましたが、次第に自動化された高度な組 性を発揮し、最小限の人的介入でワークフローを正確 み立てラインに進化していきました。自動化は、似たよ かつ迅速に再構成します。 うな製品を大量に生産する固定的な状況で最も力を発 揮します。しかし、パーソナライゼーション (個別仕様) に 主要なロボット・メーカーが発信する情報を分析する 対応したオペレーションのように、製品が頻繁に変わる と、社会全体の大きな流れが見えてきます。つまり、カス 状況では、ミスのない製造を行うために人的介入が避 タマイズ、人と機械のシームレスな連携、生産性と安全 けられません。 性の向上を支持する動きです。新たな課題に挑戦しな がら、高度なロボットは急速に進化しています。 同時に、製造業の非効率を解消し、新たな課題に対処 するためには、ファクトリー・オートメーションやデジ タライゼーションの技術に多額の資金を投じる必要 があります。ロボットは、退屈 (Dull)、汚い (Dirty)、危険 (Dangerous)、難しい (Difficult) という「4D」の仕事に取 り組む唯一の方法であると思われます。 図1 製品メーカーとサプライヤーが直面する新たな課題 シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェア  4
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ホワイトペーパー – ロボットの複雑さとコストに対応 ロボットの導入がもたらす大きな成果 国際ロボット連盟 ( In ternat ional Federat ion of • 技術の革新 Robotics) によると、2021年までに400万台近くの産業 用ロボットが世界中の工場に導入されると予測されて 製造現場に配備されているロボットの多くは、判断 います。 力がなく、変更にリアルタイム対応できるものではあ りません。体系化されていないダイナミックな環境で さまざまな技術を組み合わせて、先進的なロボットを活 活躍できる自律型産業用ロボットの配備は、まだ研 用した柔軟で信頼性の高い製造を実現することは、一 究段階です。規制に完全準拠しながらタスクを自律 筋縄ではいかない複雑な作業です。次に挙げる多くの 的に実行し、制御コマンドを瞬時に実行するなど、ロ 課題のためにロボットの普及が妨げられています。 ボットの可能性を最大限に発揮させるには、さまざま な面で技術革新が必要です (5Gネットワークやセン • 性能 サー、AI、MLといった技術を駆使した超高信頼性・低 工場にあるロボットの多くは、1つまたはいくつかの決 遅延ロボットの実現など)。 まった作業を繰り返すだけの大型の機械です。位置精 度や再現性を確保するために、ロボットのアームには 硬くて強度の高い材料が使われます。この硬いアームを 持ち上げるためにモーターの動力の大半が消費される ため、結果的に出力対重量比が低くなるという過剰設 計に陥りがちです。また、精密な作業をこなすために、多 くのセンサーや耐久性の高いギアボックスが必要です が、これが重量を増加させ、ロボットの処理速度を低下 させます。さらに、ロボットの動作中は質量配分が大き く変化しますが、駆動モーターはあらゆる荷重条件や構 成でスムーズな動作を保証するようには最適化されて いません。物体を持ち上げるためにロボットの先端に取 り付けられているエンド・エフェクターは柔軟性に欠け 図2 ロボットの大規模な導入を妨げる主な障壁 ており、さまざまな形状の製品をつかむようには設計さ れていません。交換可能なグリッパーもありますが、コス • 安全性 トを増加させ、ロット間での交換も不便です。このような 製造現場にロボットを導入すると、安全面のリスクにな 状況に対処するため、ロボット・メーカーは、エネルギー ります。囲いやケージのない場所にロボットを設置する 効率の高い自動化システムを最適なパフォーマンス構 ことで発生するリスクを極めて低くする、またはゼロに 成で提供することを求められています。現行のロボット することが何よりも重要です。工場内のロボットや人間 の柔軟性を高めて、安全性を損なうことなく、小ロットの の配置に関して規定した規則は融通の利かないものが カスタマイズ製品を高い精度と速度で生産できるよう 多く、違反をすればメーカーは莫大な損失を被ることに に進化させる必要があります。 なります。 シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェア  5
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ホワイトペーパー – ロボットの複雑さとコストに対応 • 投資利益率 ここ数十年で、ロボット・システムの価格は徐々に下がっ てきていますが、製造現場にロボットを導入するとなる と多額の資本が必要です。高度なロボットの導入コスト に対して、金銭的な利益がまだ小さすぎるのが現状で す。 図3 Simcenter Amesimを使ってロボットのアクチュエーターを要件に合わせてサイズ調整 ロボット・エンジニアリングを向上させる総合的なアプ シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアが ローチ 提供するソフトウェアとサービスの包括的なSiemens ロボットはファクトリー・オートメーションの一部です Xcelerator™ポートフォリオの一部であるSimcenter™ が、スマートで柔軟性の高いロボットの開発はコストの Amesim™ソフトウェアは、システム・シミュレーション・ かかる困難な作業です。このセクションでは、シーメンス ツールです。このツールを使って、アクチュエーターと運 のソリューションを使うことで、ロボット・メーカーが作 動制御システムを備えたロボット・システムのアーキテ 業を加速できる重要な分野を紹介します。 クチャを事前設計し、what-if解析を実行して、速度やト ルク、位置要件を考慮しながら最適なシステム性能を実 システムおよびアクチュエーターのサイズ定義 現できます。荷重条件を変えながら何とおりもの設計コ 産業用ロボット・システムは、固定的な自動化プラット ンセプトを評価することで、システムの限界を把握し、ロ フォームから柔軟で自律的なシステムへと進化してい ボットのアクチュエーターのサイズを調整します。 ます。このようなロボットは、センサーやアクチュエー ター、電子回路、そして多自由度 (DOF) の制御可能な キネマティクスと動力学 動きを実現するフィードバック・ループから構成されて ロボットは多関節システムであり、剛構造と可変構造を います。エンジニアが、ロボットのアーキテクチャを選択 高度な関節を用いて運動学的に連結して構築したもの し、各コンポーネントを設計する際は、各コンポーネン です。ロボットの稼働域、耐荷重能力、エンド・エフェク トの複雑で非線形の連成作用だけでなく、システム全 ターが届く位置を特定して、衝突のない、安全でカスタ 体の性能を評価できなければなりません。 マイズ可能な制御アルゴリズムを開発することが重要 です。多体動力学 (MBD) ソルバーであるSimcenter 3D Motionソフトウェアを使用すると、ロボットのスイープ・ ボリュームを評価して、動作環境での衝突リスクを回避 することができます。 シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェア  6
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ホワイトペーパー – ロボットの複雑さとコストに対応 さらに、練成シミュレーション機能を用いることで、MBD モデルとアクチュエーターのマルチフィジックス・シミュ レーション・モデルを組み合わせて、作業荷重がアク チュエーターのトルクや速度に与える影響を評価しま す。ロボット・メーカーは、システムのメカニズムや動力 学をコスト効率よく検証し、重量物の持ち上げ、移動、 解放に伴うトルクや加速度などを評価する適切な安定 フィードバック・ループを実現することが可能です。 図4 Simcenter 3D Motionを使って装置の動力を評価 動きの精度、振動、音響 既存の設備を使って、追加投資することなく生産性を向 ロボットには高性能な部品が使用されていますが、シス 上させるには、生産速度を上げるしかありません。しか テム・インテグレーターが組み立てる段階になって、指 し、生産速度と製品品質は反比例することが多いのも 定の荷重条件下でエンド・エフェクターの位置やアーム 事実です。シーメンスの音/振動源 - 伝達 - 応答手法を の動作経路曲線が想定した許容範囲に収まらないとい 用いることで、アクチュエーターやジョイントの振動がエ う事態に直面することがあります。最近のロボットの複 ンド・エフェクターの動きにどのように影響するかを明 雑さを考えると、単純な試行錯誤でこのような問題を解 確に可視化できます。 決する手法は非効率であり、根本的な解決にはなりま せん。 病院や研究所などで使用するロボットの場合、振動要 件に加えて、騒音要件も満たさなければなりません。 Simcenterのスマートなテスト・ソリューションを使用す Simcenterのテスト・ソリューションは、音響問題にも対 ることで、リアルタイムに測定しながら許容範囲から逸 応しています。音響問題の迅速なトラブルシューティン 脱しているコンポーネントを特定できます。包括的なテ グにSimcenter Sound Camera™システムを使用するこ スト手法によってエンジニアは、モーダル解析を実施し とで、主な音源の位置と周波数をリアルタイムで可視化 てロボットアームに生じる共振を評価し、ひずみゲージ します。 を使って力とモーメントを測定し、ロボットの土台に及 ぼす動的な作用を検証します。 シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェア  7
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ホワイトペーパー – ロボットの複雑さとコストに対応 図5 Simcenterのテスト・ソリューションを使って迅速に振動音響のトラブルシューティングを実施 信頼性 (熱、構造、ケーブルハーネス) ロボットの周りに配線されたケーブルは電力や信号を 産業用ロボットは一度稼働すると、毎日24時間、数十年 伝達するためのものであり、このようなケーブルは、常 にわたって最小限のメンテナンスで摩耗することなく、 に過度の力 (曲げ、伸ばし、ねじり) がかけられるため、 故障せずに動き続けることが求められます。アクチュ 想定より早く故障する可能性があります。故障を防ぐに エーターやサーボモーターは、連続作動させることで熱 は、電気ケーブルやワイヤハーネスのより迅速かつ安全 応力や故障率が高まり、また、電気モーターは電気アー な設計プロセスを構築することが重要です。Simcenter クや火花を発生させやすく、火災事故の危険性を増加 を使用することで、ケーブルの高精度な非線形シミュ させます。 レーションを行って実装に伴う問題を回避するととも に、 (コネクター数の最適化やケーブル長の最小化に Simcenter 3Dソフトウェアを使用することで、メーカー よって) 生産コストを削減し、製品リコールを抑えて販売 は実際に即した荷重条件でロボットアームの熱、構造、 後のコストを削減することができます。 疲労に関連する問題を確実に予測することができるた め、保証コストの削減や製品の保全性の向上、顧客満足 さらに、規制によって、工場設備とIIoTセンサー/アク 度の向上に効果的です。 チュエーター間の電磁両立性が求められています。 Simcenterの高周波電磁界シミュレーション機能を使え モーション・コントローラー、ACモーター駆動装置、ス ば、電気・電子システムを効率的にシミュレーションし イッチなど、高度なロボットの高出力モジュールの熱管 て、電磁両立性と電磁干渉 (EMC/EMI) の問題に対処す 理は、信頼性に関する深刻な問題に直結するからです。 ることができます。 Simcenterのソリューションを使用することでロボット・ エンジニアは、効率的で高度な測定およびシミュレー ション技術により、パワー・エレクトロニクス機器の熱故 障を低減し、性能品質を向上させることができます。ま た低周波電磁界シミュレーションは、電気モーターを使 用するアクチュエーターの性能向上に役立ちます。 シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェア  8
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ホワイトペーパー – ロボットの複雑さとコストに対応 図7 バーチャル・コミッショニング – SiL/HiLを使った制御装置の開 発と検証 バーチャル・コミッショニング 産業用ロボットのロジックやインテリジェンス、通信、 ネットワーク機能を可能にしているのは制御ロジックと ソフトウェア・アルゴリズムです。また、自律型ロボットの 機能は、高度な制御アルゴリズムやセンサー、ヒューマ ン・マシン・インターフェース (HMI) ソフトウェア・コード 図6 さまざまな速度と荷重での移動型ロボットのバッテリー持続時間のシミュレーション により実現しています。 自動化エンジニアは、バーチャル・コミッショニングの技 エネルギーおよび動作効率 術を用いて、ロボットの包括的なデジタルツイン、つまり プロトタイプを作成する前に、ロボットの動作性能やエ コンポーネントや接続を含めたマルチフィジックス・シ ネルギー効率を評価することで、期待する性能とのず ステムを再現したものを作成することができます。要件 れをなくします。シミュレーションとテスト・ソリューショ やハードウェアの有無に応じて、実物またはバーチャル ンを使って、高度なロボット・システムをリアルに再現し のコントローラーを使用します。コントローラーに接続 た包括的なデジタルツインを構築することによって、ト したデジタルモデルは、ロボットを仮想的に運転し、各 レードオフ検証を実施し、さまざまな動作シナリオにお 種PLC制御パラメーターとそれに関連するコンポーネ ける性能とエネルギー消費を評価することができます。 ントの挙動 (振動、圧力損失、温度、サイクルタイム、エ ロボットを工場に配備した後は、ロボットのセンサーか ネルギー消費、what-ifシナリオなど) を解析する役割を ら得たフィードバックをデジタルツインに同期させて、 果たします。 ロボットの動作性能を監視したり、解析による知見を加 えたデータにML/AI機能を組み合わせることで、ロボッ トの実際の状態を考慮した最適なメンテナンスが可能 です。 シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェア  9
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ホワイトペーパー – ロボットの複雑さとコストに対応 応用事例 図8 ピックアンドプレース・ロボットの設計 – 機械コンポーネントのサイズ調整 高速ピックアンドプレース・ロボットの耐久性と安全性の 確保 高速ピックアンドプレース・ロボットの設計と導入には 多額の資本が必要です。製造現場のオペレーションで 節約できる1分1秒が、ファクトリー・オートメーション・シ ステムのコストや投資利益率 (ROI) の改善に直結しま す。ピックアンドプレース・ロボットの高速オペレーショ ンを実現するには、設計およびエンジニアリング段階で の意思決定が重要です。 構造部品の設計過剰または設計不足を避けることで、 最小限のコストで機能要件を満たした信頼性の高いロ ボットを提供することができます。Simcenter 3D Motion と連携したコンピュータ支援設計 (CAD) は、慣性、関 節、制約を考慮した、多関節ロボットの運動学的および 動力学的解析に基づいた概念検証に役立ちます。 シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェア  10
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ホワイトペーパー – ロボットの複雑さとコストに対応 予備設計段階でマルチボディ解析を取り入れることで、 MBDソルバーを組み合わせた練成シミュレーションは、 スイープ・ボリュームや干渉検出、各コンポーネントに 制御されたアクチュエーターのマルチフィジックス・モ 作用する荷重や力についての貴重な知見が得られま デルと情報を交換することができます。MBDソルバーは す。このような知見は、構造を最適化し、耐久性を確保し コントローラー/アクチュエーターに位置と加速度を伝 ながらコストを削減するのに役立ちます。キネマティク え、マルチフィジックス・ソルバーは装置への荷重を返 スを早期から評価することによって、エンジニアは機械 します。キネマティクス、制御、動的柔軟性を総合的なシ 的な限界を明確に理解できます。また、より多くのコン ミュレーションに取り入れることによって、実際の挙動を ポーネントを開発することで、概念的なシミュレーショ シミュレーションして、システムの能力を安全限界まで ンを継続的に改善しながら最終的な寸法を決めること 引き出すことができます。 ができます。 図10 動力学、駆動、制御のクローズドループ・シミュレーション 同時設計とバーチャル・コミッショニング AGVシステムの試運転 無人搬送車 (AGV) は、デジタル・ファクトリーのバック ボーンとして生産プロセスを最適化し、柔軟性を最大限 に高めます。倉庫や工場で使用されるAGVの設計、開 発、導入にあたっては、次に示す複雑な課題に対処しな 図9 ロボットアームの動作中の動的変形を予測 ければなりません。 • 機械的要件 – 寸法、質量、形状などを考慮しながら、 反復的な動作によって生じる振動は、部品の疲労を ペイロード (可搬重量) を積載して、運搬できること 引き起こし、ロボットの位置精度にも影響を与えます。 • 電子機器、IC、チップの特性評価 – デリケートな内部 MBD (多体動力学) と (有限要素シミュレーションに基 部品の構造および熱的完全性を確保すること づく) 部品の弾性解析を組み合わせることで、動作中の • 電動駆動要件 – 熱による損傷を引き起こさずに、あ 動的変形を予測することができます。 らゆる動作シナリオに必要なトルクと動力を確保する こと コンポーネントへの負荷は、動作の速度によって変わり • バッテリーの設計と統合 – バッテリーの重量、充電 ます。これは、駆動システムの限界とその制御ロジックに 時間、バッテリー持続時間 (再充電までに可能な作業 よって決まります。動作状況を解析することで、アクチュ 量) エーターやコントローラー、フィードバック・ループのメ • 制御装置の検証 – 障害物を回避し、安全関連の潜在 カニズムが構造変形の動的な増幅に及ぼす影響が明 的な問題に対処しながら、事前定義したルートで指 らかになります。 定の重量を輸送できること シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェア  11
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ホワイトペーパー – ロボットの複雑さとコストに対応 図11 AGVのバーチャル・コミッショニング 制御装置の検証と試運転は、ファクトリー・オートメー 化インターフェースを定義します。仮想モデルの入出力 ション・プロジェクトにおいて重要な段階です。制御エ は、PLCプログラムと接続します。要件やハードウェアの ンジニアは通常、プロトタイプが仕上がるのを待って 有無に応じて、実物またはバーチャルのコントローラー から、制御アルゴリズムを検証し、ソフトウェアのエラー を使用します。コントローラーに接続されたデジタルモ を修正しなければなりません。市場投入期間が短縮さ デルによって、実際の機械を仮想的に運転し、AGVのマ れ、利益率がますます低下するなか、世界中のロボッ ルチフィジックスやPLC制御パラメーター、また、さまざ ト・メーカーは、開発の早い段階でいかに効率よく制御 まなシナリオ (軌道形状、車両荷重、高さなど) における アルゴリズムを評価し、プロトタイプの作成前にマルチ AGVの性能を解析することができます。 フィジックスのシステム性能を最適化できるか、その方 法を模索しています。 AGVのデジタル・モックアップを使ったバーチャル・コ ミッショニングは、リスクのない環境でノウハウを増や Simcenter AmesimとPLCSim Advancedを使えば、 すことができます。デジタルモデルに実際のセンサーか バーチャル・コミッショニング環境によって、制御ロジッ ら入力したデータを組み合わせると、AGVの監視もで クのエミュレーションやマルチフィジックス・システムの きるため、予知保全も可能です。Simcenterソリューショ サイズ調整、PLCラダーロジックとHMIファイルの検証 ンで利用できるバーチャル・コミッショニングの技術に を実行できます。バーチャル・コミッショニングは、早期 よって、高価で時間のかかる実機テストに頼ることなく、 にデジタルで評価しながら、機械、ソフトウェア、電気・電 設計初期から仮想評価を行うことができるため、機械、 子 (E/E)、ハードウェアの同時設計が可能です。 ソフトウェア、E/E、ハードウェアの同時設計が実現しま す。 AGVの制御ロジックを検証するための最初のステップ は、コンポーネントや接続を含めたマルチフィジックス・ システムをデジタル・モックアップ上で再現することで す。次に、各コンポーネントをパラメーター化して、自動 シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェア  12
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ホワイトペーパー – ロボットの複雑さとコストに対応 まとめ Simcenterのソリューションは、アクチュエーターのサイ ズ調整や振動の除去、ロボットの精度向上、熱・機械的 応力に耐えるロボットアームの信頼性向上のほか、最も 重要な機能として、プロトタイプを作成する前に制御ロ ジックを検証できるバーチャル・コミッショニングなど、 独自の機能を豊富にそろえています。シミュレーション とテスト・ソリューションを活用することで、ロボットを 効率的に進化させる方法を業界にとって重要ないくつ かの成果を交えて考察しました。 シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェア  13
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シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェア シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアは、S iemens Xceleratorビジネス・プラットフォームのソフトウェア、ハードウェア、 北米・中南米: 1 800 498 5351 サービスを最大限に活用し、あらゆる規模の組織がデジタル・トラ ヨーロッパ・中東・アフリカ: 00 800 70002222 ンスフォーメーションを実現する支援をします。シーメンスのソフト ウェアと総合的なデジタルツインにより、企業は設計、エンジニアリ アジア・太平洋: 001 800 03061910 ング、および製造プロセスを最適化し、現在のアイデアを将来の持続 そのほかのお問い合わせ先はこちらをご覧くだ 可能な製品に転換できるようになります。シーメンスデジタルインダ さい。 ストリーズソフトウェアは、チップからシステム全体、そして製品から プロセスに至るまで、あらゆる産業において変革を加速させます。 Siemens Digital Industries Software – Accelerating transformation siemens.com/software © 2024 Siemens. 関連するシーメンスの商標はこちらに記載され ています。その他の商標はそれぞれの所有者に帰属します。 83525-D8-JA 3/24 LOC